Kinder- und Haus-Märchen · gesammelt durch die Brüder Grimm · 1812–1857

Die gestrichenen Märchen消された話

グリム兄弟は『子どもと家庭のための昔話』の初版(1812・1815年)から第7版(1857年)までのあいだに、41の項目を本文から消した。その41編と、注釈巻の片隅に追いやられた断片を、初版の原文と和訳、解説つきで収める。

Über die Märchenグリム童話とは

「グリム童話」は、言語学者のヤーコプとヴィルヘルムのグリム兄弟が集めて出版した『子どもと家庭のための昔話』(Kinder- und Hausmärchen、略してKHM)のことである。兄弟は1812年の初版から1857年の第7版まで、45年をかけてこの本を育てた。決定版には200話と「子どものための聖者伝」10話が入っている。

Jacob Grimm1785–1863

兄 ヤーコプ

言語学者。『ドイツ語文法』(1819〜37)で、ゲルマン語の子音が規則的にずれていくことを示した。英語圏ではこれを「グリムの法則」と呼ぶ。ナポレオンの弟ジェロームの司書を務め、ウィーン会議にはヘッセンの公使館書記官として出席した。

Wilhelm Grimm1786–1859

弟 ヴィルヘルム

文献学者。1819年の第2版から、昔話の集め直しと文章の書き直しをほぼ一人で引き受けた。いま読まれる「グリム童話らしい」語り口は、彼の手によるところが大きい。1825年、語り手の一人だったヴィルト家の娘ドルトヒェンと結婚した。

二人はヘッセンのハーナウに生まれ、父が役人を務めたシュタイナウで育った。マールブルク大学で法学を学び、師サヴィニーの蔵書でロマン派と中世の詩に出会う。カッセルの図書館員、ゲッティンゲン大学の教授を経てベルリンへ移り、いまはベルリンの同じ墓地に眠っている。

Wie die Sammlung entstand成り立ち

兄弟が昔話を集め始めた1806年は、神聖ローマ帝国が解体した年である。翌年から、兄弟の住むカッセルはナポレオンの弟が治めるヴェストファーレン王国の都になった。外国の支配のもとで、自分たちのことばと古い詩を集めることは、ドイツとは何かを確かめる仕事でもあった。

きっかけは、詩人のブレンターノとアルニムである。二人の民謡集『少年の魔法の角笛』のために、兄弟は歌と昔話を書き抜き始めた。1810年10月、ヤーコプは46編の手稿をブレンターノに送る。この束は20世紀になってアルザスの修道院で見つかり、「エーレンベルク稿」と呼ばれて、出版前の最古の形を伝えている。

「農家のおばあさんから聞いた話」という印象とは違い、初期の語り手の多くはカッセルの中流家庭の若い女性たちだった。ヴィルト家、ハッセンプフルーク家など、フランスから逃れてきたユグノーの家系も多い。兄弟が第2巻の序文で理想の語り手として描いたフィーマン夫人も、旧姓をピエルソンといい、ユグノーの血を引く宿屋の娘だった。彼女ひとりで40を超える話と異話を語っている。

学術的な注のついた初版は「子ども向け」とは言いにくく、売れ行きは鈍かった。人気を決めたのは1825年の「小さな版」で、50話を選び、画家の弟ルートヴィヒ・エーミールの鋼版画7点を添えた。兄弟の存命中に10版を重ねている。

„…weil sie beim Haus bleiben und forterben, werden sie auch Hausmärchen genannt.“

(昔話は)家にとどまり、代々受け継がれていくので、「家の昔話」とも呼ばれる。

第2版序論「昔話の本質について」、1819年。書名の Hausmärchen の由来

Zeittafel年表

  1. 1785ヤーコプ、ハーナウに生まれる。翌年ヴィルヘルムが生まれる
  2. 1796父が亡くなる。1798年、兄弟はカッセルの叔母のもとへ移る
  3. 1802ヤーコプ、マールブルク大学へ。ヴィルヘルムも翌年に続く
  4. 1806ブレンターノとアルニムのために、歌と昔話を集め始める
  5. 1808母が亡くなる。ヤーコプ、ヴェストファーレン王ジェロームの司書になる
  6. 181046編の手稿をブレンターノに送る(エーレンベルク稿)
  7. 181212月20日、『子どもと家庭のための昔話』第1巻。86話
  8. 1813フィーマン夫人と出会う。隣の部屋でロシア兵が騒ぐなか、第2巻を書き進める
  9. 1815第2巻。70話。ヤーコプはウィーン会議に出席
  10. 1819第2版。話の入れ替えと書き直しがいちばん大きかった版
  11. 1825子ども向けの「小さな版」。ヴィルヘルムが結婚
  12. 1837ハノーファー王の憲法廃止に抗議した「ゲッティンゲン七教授」として、二人とも大学を追われる
  13. 1838『ドイツ語辞典』に着手
  14. 1840即位したプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世に招かれ、ベルリンへ
  15. 1857第7版(決定版)。200話と聖者伝10話
  16. 1859ヴィルヘルム死去
  17. 1863ヤーコプ死去。辞典の項目「Frucht(果実)」を書いている途中だった
  18. 1961『ドイツ語辞典』完成。着手から123年、全32冊

Berühmte Märchen代表作と、その裏話

番号はKHM(決定版の通し番号)。「初出」はその話が最初に載った版。裏話の多くは、兄弟自身が1856年の注釈巻に書き残したものである。

  • KHM 1 · 初出 1812

    Der Froschkönig

    カエルの王さま

    巻頭の一編。副題の「鉄のハインリヒ」は、主人が蛙にされた悲しみで胸が張り裂けないよう、三本の鉄の帯を巻いた家来の名。初版では、蛙が王子に戻ると二人は結婚の言葉もなく「楽しく一緒に眠った」。一次

  • KHM 12 · 初出 1812

    Rapunzel

    ラプンツェル

    兄弟の注によれば、フリードリヒ・シュルツの小説集(1790)が出どころ。妊娠をほのめかす台詞は1819年に消えたが、荒野で双子を産むくだりは決定版まで残った。一次

  • KHM 15 · 初出 1812

    Hänsel und Gretel

    ヘンゼルとグレーテル

    子を捨てるのは初版では実の母。注によれば、シュヴァーベン地方の語りでは、お菓子の家にいるのは魔女ではなく狼だった。一次

  • KHM 21 · 初出 1812

    Aschenputtel

    灰かぶり(シンデレラ)

    ハトが姉たちの目をつつき出す結末は、初版にはない。1819年の第2版で加わった。一次

  • KHM 24 · 初出 1812

    Frau Holle

    ホレおばさん

    ホレおばさんが寝床の羽根布団をはたくと、地上に雪が降る。本文の注に「だからヘッセンでは雪が降ると、ホレおばさんが寝床を整えていると言う」とある。一次

  • KHM 26 · 初出 1812

    Rothkäppchen

    赤ずきん

    兄弟は注でペローの「赤ずきん」を自ら挙げながら、この話は消さなかった。続きには二匹目の狼が出てきて、腸詰めの煮汁の匂いにつられ、石の桶に落ちて溺れる。一次

  • KHM 27 · 初出 1819

    Die Bremer Stadtmusikanten

    ブレーメンの音楽隊

    第2版で加わった話。ロバたちは盗賊の家が気に入って住みつき、ブレーメンには最後までたどり着かない。一次

  • KHM 50 · 初出 1812

    Dornröschen

    いばら姫

    兄弟はこれを、炎の壁に囲まれて眠る北欧神話のブリュンヒルドの名残と見た。指を刺す紡錘は、オーディンが彼女を眠らせた「眠りの棘」だという。一次

  • KHM 53 · 初出 1812

    Sneewittchen

    白雪姫

    Sneewittchen は北ドイツの低地ドイツ語の形。注によれば、高地ドイツ語の土地でもこの名のまま、あるいは「シュリーヴィッチェン」と訛って呼ばれていた。一次

  • KHM 55 · 初出 1812

    Rumpelstilzchen

    ルンペルシュティルツヒェン

    四つの語りを組み合わせた話。そのうちの一つでは、使いを出して名前を探るのではなく、狩りから帰った王が小人の歌を偶然立ち聞きする。一次

  • KHM 83 · 初出 1819

    Hans im Glück

    幸せハンス

    金の塊を馬に、馬を牛にと交換していき、最後は無一文で幸せになる。出どころは1818年の雑誌『ヴュンシェルルーテ』に載った聞き書きだった。一次

  • KHM 161 · 初出 1837

    Schneeweißchen und Rosenroth

    白雪と紅薔薇

    ヴィルヘルムは注で、カロリーネ・シュタールの「恩知らずの小人」を「使ったが、自分の流儀で語った」と認めている。一次

  • KHM 187 · 初出 1843

    Der Hase und der Igel

    ウサギとハリネズミ

    低地ドイツ語で書かれた、オスナブリュック近くの聞き書き。ハリネズミ夫婦が畑の両端に立ってウサギを走らせ続ける競走の舞台は、ブクステフーデの荒れ野。一次

Kleine Kuriositäten豆知識

  • 兄弟が書き込みを重ねた手元の本(カッセル大学図書館蔵)は、2005年にユネスコの「世界の記憶」に登録された。
  • 二人が1838年に始めた『ドイツ語辞典』は、兄弟の死後も書き継がれ、1961年にようやく完成した。ヤーコプは項目「Frucht(果実)」の途中で亡くなっている。
  • 1837年、ハノーファー王が憲法を廃止したとき、抗議して罷免された「ゲッティンゲン七教授」に兄弟二人とも入っていた。ヤーコプは国外追放になった。
  • 兄弟の故郷ハーナウから「ブレーメンの音楽隊」のブレーメンまで、約600キロを結ぶ観光街道「メルヘン街道」が1975年に整備された。「いばら姫」の城とされるザバブルクも沿道にある。
  • 日本で最初のグリム童話の単行本は1887年(明治20年)、菅了法の『西洋古事神仙叢話』。英語版から訳したと考えられている。原文に忠実な全訳は1925年の金田鬼一訳が最初である。
  • 後の版の献辞でヴィルヘルムは、1813年に第2巻を書いていたころ、きょうだいの家に兵隊が割り当てられ、隣の部屋でロシア兵が騒いでいたと振り返っている。ナポレオン軍が去った直後で、「解放の気分が春の風のように胸を広げ、どんな心配も消してくれた」という。
  • 初版の第2巻を語ったフィーマン夫人は、兄弟の序文では「農婦」として描かれた。実際は宿屋の娘で、仕立屋の妻だった。夫の死後は畑の作物を市場で売って7人の子を育てた。

この章の年代と経歴は独・日のWikipedia(「Brüder Grimm」「Jacob Grimm」「Grimms Märchen」「Dorothea Viehmann」「Deutsches Wörterbuch」「グリム童話」)に拠り、一次は兄弟自身の序文・本文・注釈巻で確かめたもの。

Die Streichungen何が、なぜ消されたのか

『子どもと家庭のための昔話』の第1巻は1812年12月に、第2巻は1815年にベルリンで出た。兄弟はその後も版を重ね、1857年の第7版まで、話を足し、削り、書き直し続けた。いま読まれているグリム童話の多くは、この最後の版がもとになっている。

ここに集めたのは、最後の版までたどり着かなかった話である。41項目のうち34項目は、1819年の第2版で一度に消えた。その序文で、兄弟は方針をこう書いている。

„Es ist noch einmal geprüft, was verdächtig schien, d. h. was etwa hätte fremden Ursprungs oder durch Zusätze verfälscht seyn können, und dann alles ausgeschieden.“

疑わしく見えたもの、つまり外国起源かもしれないもの、付け足しで歪められたかもしれないものを改めて吟味し、すべて取り除いた。

第2版序文、カッセル、1819年7月3日

„Dabei haben wir jeden für das Kinderalter nicht passenden Ausdruck in dieser neuen Auflage sorgfältig gelöscht.“

その際、子どもの年齢にふさわしくない表現は、この新版で一つ残らず丁寧に消した。

同

ただし、兄弟が自分で削除の理由を書き残した話はわずかしかない。書かれている理由は「外国や書物から来たらしい」か「もっと良い語りが見つかった」のどちらかで、「残酷だから」と書いた箇所は見つからなかった。だからここには、決定版の話よりおとなしいものも、ずっと暗いものも並んでいる。

1819年 2. Auflage:34項目3418192. Auflage1837年 3. Auflage:1項目118373. Auflage1840年 4. Auflage:0項目018404. Auflage1843年 5. Auflage:1項目118435. Auflage1850年 6. Auflage:2項目218506. Auflage1857年 7. Auflage:3項目318577. Auflage
本文から消えた版ごとの項目数(合計41)。ドイツ語版Wikisourceの版対応表から集計。
根拠
一次兄弟自身の序文・注・本文で確かめたこと。研究研究者の記述(Bolte & Polívka 1913年の注釈書など)。推定一次資料を組み合わせた推し量り。兄弟の明言ではない。不明理由の記述が見当たらない。
†
暗さの目安。†††がいちばん暗い。編者の主観である。
原文
各話が最初に載った版の本文(多くは1812・1815年。後の版で加わった3編は1840・1843年版、断片は1856年の注釈巻)。綴りは原本どおり(seyn、Thier、gieng など)。翻刻はドイツ語版Wikisourceによる。
読み上げ
各話の「読み上げ」で、見ている端末に入っている音声が読む。対訳表示ならドイツ語と日本語を段落ごとに交互に、和訳・原文表示ならその言語だけ。声と発音は端末によって違う。
和訳・解説
Claude(AnthropicのAI)による。既存の邦訳は使っていない。原文と段落ごとに対応させてある。

Inhalt目次

Erster Band初版 第1巻 · 1812

  1. 6Von der Nachtigall und der Blindschleicheナイチンゲールとアシナシトカゲgestr. 1819
  2. 8Die Hand mit dem Messerナイフを持った手††gestr. 1819
  3. 16Herr Fix und Fertigフィックス・ウント・フェルティヒgestr. 1819
  4. 22Wie Kinder Schlachtens mit einander gespielt haben子どもたちが屠殺ごっこをした話†††gestr. 1819
  5. 27Der Tod und der Gänshirt死神とガチョウ番†gestr. 1819
  6. 33Der gestiefelte Kater長靴をはいた雄猫gestr. 1819
  7. 34Hansens Trineハンスのトリーネ†gestr. 1819
  8. 37Von der Serviette, dem Tornister, dem Kanonenhütlein und dem Hornナプキンと背嚢と大砲帽子と角笛gestr. 1819
  9. 43Die wunderliche Gasterei奇妙なおよばれ††gestr. 1837
  10. 54Hans Dummばかのハンスgestr. 1819
  11. 59Prinz Schwan白鳥王子gestr. 1819
  12. 60Das Goldei金の卵gestr. 1819
  13. 61Von dem Schneider, der bald reich wurdeたちまち金持ちになった仕立屋†gestr. 1819
  14. 62Blaubart青ひげ††gestr. 1819
  15. 64Von dem Dummlingまぬけの話gestr. 1819
  16. 66Hurleburlebutzフルレブルレブッツgestr. 1819
  17. 68Von dem Sommer- und Wintergarten夏と冬の庭gestr. 1819
  18. 70Der Okerloオケルロ††gestr. 1819
  19. 71Prinzessin Mäusehautねずみ皮の王女†gestr. 1819
  20. 72Das Birnli will nit fallen梨っこは落ちようとせんgestr. 1819
  21. 73Das Mordschloß人殺し城†††gestr. 1819
  22. 74Von Johannes-Wassersprung und Caspar-Wassersprungヨハネス・ヴァッサーシュプルングとカスパー・ヴァッサーシュプルングgestr. 1819
  23. 75Vogel Phönix不死鳥†gestr. 1819
  24. 77Vom Schreiner und Drechsler指物師とろくろ細工師gestr. 1819
  25. 81Der Schmidt und der Teufel鍛冶屋と悪魔†gestr. 1819
  26. 82Die drei Schwestern三人の姉妹gestr. 1819
  27. 84Die Schwiegermutter姑†††gestr. 1819
  28. 85Fragmente断片gestr. 1819

Erster Band · Nr. 6 · 1812

Von der Nachtigall und der Blindschleicheナイチンゲールとアシナシトカゲ

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類外国・書物から

Es waren einmal eine Nachtigall und eine Blindschleiche, die hatten jede nur ein Aug’ und lebten zusammen in einem Haus lange Zeit in Frieden und Einigkeit. Eines Tags aber wurde die Nachtigall auf eine Hochzeit gebeten, da sprach sie zur Blindschleiche: „ich bin da auf eine Hochzeit gebeten und mögte nicht gern so mit einem Aug’ hingehen, sey doch so gut und leih mir deins dazu, ich bring dirs Morgen wieder.“ Und die Blindschleiche that es aus Gefälligkeit.

昔、ナイチンゲールとアシナシトカゲがいた。どちらも目がひとつずつしかなく、一軒の家にいっしょに住んで、長いあいだ仲良く平和に暮らしていた。ところがある日、ナイチンゲールが婚礼に招かれたので、アシナシトカゲに言った。「婚礼に呼ばれたんだけど、目ひとつで出かけるのはどうも気が進まないの。お願いだから、あなたの目を貸してちょうだい。明日には返すから」。アシナシトカゲは親切心からそうしてやった。

Aber den andern Tag, wie die Nachtigall nach Haus gekommen war, gefiel es ihr so wohl, daß sie zwei Augen im Kopf trug und zu beiden Seiten sehen konnte, daß sie der armen Blindschleiche ihr geliehenes Aug’ nicht wiedergeben wollte. Da schwur die Blindschleiche, sie wollte sich an ihr, an ihren Kindern und Kindeskindern rächen. „Geh nur, sagte die Nachtigall, und such einmal:

ところが翌日、家に帰ってきたナイチンゲールは、頭に目をふたつつけて左右どちらも見えるのがすっかり気に入ってしまい、かわいそうなアシナシトカゲに借りた目を返そうとしなかった。そこでアシナシトカゲは、おまえにも、おまえの子にも孫にも、きっと仕返しをしてやると誓った。「勝手にするがいいわ」とナイチンゲールは言った。「せいぜい探してごらんなさい。

ich bau mein Nest auf jene Linden,

わたしはあの菩提樹に巣をかける、

so hoch, so hoch, so hoch, so hoch,

高く、高く、高く、高く、

da magst dus nimmermehr finden!“

あなたにはとても見つけられない!」

Seit der Zeit haben alle Nachtigallen zwei Augen und alle Blindschleichen keine Augen. Aber wo die Nachtigall hinbaut, da wohnt unten auch im Busch eine Blindschleiche, und sie trachtet immer hinaufzukriechen, Löcher in die Eier ihrer Feindin zu bohren oder sie auszusaufen.

その時から、ナイチンゲールはみな目がふたつあり、アシナシトカゲはみな目がない。けれどもナイチンゲールが巣をかけるところには、その下の茂みにきまってアシナシトカゲが一匹住んでいて、いつも上へ這いのぼって、かたきの卵に穴をあけるか、中身を吸いつくしてしまおうとねらっているのだ。

Kommentar解説

片目しかないナイチンゲールとアシナシトカゲの、「なぜそうなったか」を語る由来話。目を貸したアシナシトカゲは返してもらえず、その子孫はいまも鳥の卵をねらっている。

兄弟は初版の注に、フランスの『ケルト・アカデミー紀要』から「フランス語から翻訳した」と書いている一次。1819年の序文が掲げた「外国起源の疑いがあるものは除く」という方針に、そのまま当てはまる推定。

皮肉なことに、のちにこのグリム版を北ドイツの方言に移したものが、「本物のドイツの昔話」として別の本に載ってしまったとBolte & Polívkaは指摘している研究。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版第1巻付録

Zur Nachtigall u. Bl. No. 6.

aus dem Französischen übersetzt, Mémoires de l'academie celtique. Tome 2, 204, 205. Vergl. T. 4, 102. Das Märchen und der Glauben findet sich unter den Solognots. Die französischen Reime ahmen den Ton der Nachtigall glücklicher nach:

je ferai mon nid si haut, si haut, si haut! si bas!

que tu ne le trouveras pas!

初版第2巻付録

Num. 6. (Nachtigall und Blindschleiche.) si haut! si haut! ahmt den Nachtigallgesang nach, wie ziküth! ziküht! im Märchen von Joringel. S. 329.

Erster Band · Nr. 8 · 1812

Die Hand mit dem Messerナイフを持った手

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類外国・書物から怖さ††

Es war ein kleines Mädchen, das hatte drei Brüder, die galten bei der Mutter alles, und es wurde überall zurückgesetzt, hart angefahren und mußte tagtäglich Morgens früh ausgehen, Torf zu graben auf dürrem Heidegrund, den sie zum Kochen und Brennen brauchten. Noch dazu bekam es ein altes und stumpfes Geräth, womit es die sauere Arbeit verrichten sollte.

小さな女の子に三人の兄がいた。母親にとっては兄たちがすべてで、女の子はどこでも後回しにされ、きつく叱られた。毎朝早く、乾いた荒れ野へ泥炭を掘りに行かされた。煮炊きと暖房の燃料である。しかも渡される道具は、古くて切れないものだった。

Aber das kleine Mädchen hatte einen Liebhaber, der war ein Elfe und wohnte nahe an ihrer Mutter Haus in einem Hügel, und so oft es nun an dem Hügel vorbei kam, so streckte er seine Hand aus dem Fels, und hielt darin ein sehr scharfes Messer, das von sonderlicher Kraft war und alles durchschnitt. Mit diesem Messer schnitt sie den Torf bald heraus, ging vergnügt mit der nöthigen Ladung heim, und wenn sie am Felsen vorbei kam, klopfte sie zweimal dran, so reichte die Hand heraus und nahm das Messer in Empfang.

けれども女の子には恋人がいた。母の家の近くの丘に住む妖精である。女の子が丘のそばを通るたびに、妖精は岩から手を差し出した。その手には、何でも切れる不思議な力を持った、よく切れるナイフが握られていた。女の子はそれですぐに泥炭を切り出し、必要なだけ担いで楽しく家に帰った。帰りに岩を二度叩くと、手が出てきてナイフを受け取った。

Als aber die Mutter merkte, wie geschwind und leicht sie immer den Torf heimbrachte, erzählte sie den Brüdern, es müßte ihr gewiß jemand anders dabei helfen, sonst wäre es nicht möglich. Da schlichen ihr die Brüder nach und sahen, wie sie das Zaubermesser bekam, holten sie ein und drangen es ihr mit Gewalt ab. Darauf kehrten sie zurück, schlugen an den Felsen, als sie gewohnt war zu thun, und wie der gute Elf die Hand herausstreckte, schnitten sie sie ihm ab mit seinem selbeigenen Messer. Der blutende Arm zog sich zurück, und weil der Elf glaubte seine Geliebte hätte es aus Verrath gethan, so wurde er seitdem nimmermehr gesehen.

ところが母親は、娘がいつもあまりに速く楽々と泥炭を持ち帰るのに気づき、誰かが手伝っているに違いない、でなければできるはずがない、と兄たちに言った。兄たちは妹のあとをつけ、魔法のナイフを受け取るところを見た。そして追いついて、力ずくでナイフを奪った。それから引き返し、妹がいつもするように岩を叩いた。善良な妖精が手を差し出すと、兄たちはその手を、妖精自身のナイフで切り落とした。血を流す腕は引っ込んだ。妖精は恋人が裏切ってそうしたのだと思い込み、それきり二度と姿を見せなかった。

Kommentar解説

母と兄たちに冷遇される少女に、丘に住む妖精の恋人が岩から手を出してナイフを貸す。兄たちはその手を妖精自身のナイフで切り落とし、妖精は裏切られたと思いこんで二度と現れない。救いのない結末は、初版の中でも珍しい。

兄弟の注によれば、グラント夫人『スコットランド高地の迷信についての随筆』(ロンドン、1811)に載る話で、夫人は幼いころ子どもたちが歌うのを聞いたと書いている一次。スコットランドの話なので、1819年に外れたと見るのが自然推定。

Bolte & Polívkaは、根本の発想が「一つ目、二つ目、三つ目」(KHM 130)に似ていると書く研究。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

Zur Hand mit dem Messer. No. 8.

ein schottisches Märchen oder Volkslied, das Mrs. Grant in ihren essays on the superstitions of the highlanders of Scotland, London 1811. vol. 1, 285, 286. erzählt. Sie sagt: „one of these (stories) which I have heard sung by children at a very early age, and which is just to them the Babes in the wood, I can never forget. The affecting simplicity of the tune, the strange wild imagery and the marks of remote antiquity in the little narrative, gave in the greatest interest to me, who delight in tracing back poetry to its infancy.“

Erster Band · Nr. 16 · 1812

Herr Fix und Fertigフィックス・ウント・フェルティヒ

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類別の話へ

Fix und Fertig war lange Zeit Soldat gewesen, weil aber der Krieg ein Ende hatte und nichts mehr zu thun war, als einen und alle Tage dasselbe, nahm er seinen Abschied und wollte Lakai bei einem großen Herrn werden. Da gabs Kleider mit Gold besetzt, viel zu schaffen und immer was Neues. Also machte er sich auf den Weg und kam an einen fremden Hof, da sah er einen Herrn, der in dem Garten spazieren ging. Fix und Fertig besann sich nicht lang, trat frisch auf ihn zu sagte: „mein Herr, ich suche Dienste bei einem großen Herrn, sinds Ew. Majestät selbst, so ist mirs am liebsten, ich kann und weiß alles, was dazu gehört, kurz und lang, wies befohlen wird.“ Der Herr sagte: „recht, mein Sohn, das wäre mir lieb, sag an, was ist anjetzt mein Verlangen?“ Fix und Fertig ohne zu antworten drehte sich um, lief eilend und brachte eine Pfeife und Taback. „Recht, mein Sohn, du bist mein Bedienter, aber nun gebe ich dir auf, mir die Prinzessin Nomini zu schaffen, die schönste auf der Welt, die will ich zu meiner Gemahlin haben.“ – „Wohlan, sagte Fix und Fertig, das ist mir ein kleines, die sollen Ew. Maj. bald haben, geben Sie mir nur eine Chaise bespannt mit Sechsen, einen Leibkutscher, Haiducken, Laufer, Lakaien, Koch und einen völligen Staat, mir selbst aber fürstliche Kleider, und jedermann muß meinen Befehlen gehorchen.“ Nun, fuhren sie ab, der Herr Bedienter saß in der Kutsche und es ging immer dem königlichen Hof zu, wo die schöne Prinzessin war. Als die Chaussee zu Ende war, fuhren sie ins Feld hinein und kamen bald vor einen großen Wald, der war voll von vielen tausend Vögeln, da war ein grausamer Gesang, prächtig in die blaue Luft hinein. „Halt! halt! rief der Fix und Fertig, die Vögel nicht gestört! die preisen ihren Schöpfer und wollen mir wieder einmal dienen, links um!“ der Kutscher mußte also umdrehen und um den Wald herumfahren. Darnach währte es nicht lang, so kamen sie an ein großes Feld, da saßen an die tausend Millionen Raben, die schrien nach Speise überlaut. „Halt! halt! rief der Herr Fix und Fertig: bind eins von den vordersten Pferden los, führ es aufs Feld und stichs todt, daß die Raben gespeist werden, die sollen meinetwegen keinen Hunger leiden.“ Nachdem die Raben gesättigt waren, ging die Reise weiter und sie kamen an ein Wasser, darin war ein Fisch, der klagte erbärmlich: „um Gotteswillen! ich habe keine Nahrung in diesem schlechten Sumpf, setzt mich in ein fließendes Wasser, dafür will ich euch einmal gegendienen.“ Eh er noch ausgeredet, hatte Fix und Fertig halt! halt! gerufen; „Koch nimm ihn in die Schürze, Kutscher fahr zu nach einem fließenden Wasser.“ Fix und Fertig stieg selber aus und setzte ihn hinein, daß der Fisch vor Freude mit dem Schwanz schlug. Herr Fix und Fertig sprach: „laßt nun die Pferde rasch laufen, daß wir zu Abend noch an Ort und Stelle sind.“ Als er in der königlichen Residenz anlangte fuhr er gerade nach dem besten Gasthof, der Wirth und alle seine Leute kamen heraus, empfingen ihn aufs beste und meinten, ein fremder König sey angekommen, und es war doch nur ein Herr Bedienter. Fix und Fertig aber ließ sich gleich bei dem königlichen Hof anmelden, suchte sich beliebt zu machen und hielt um die Prinzessin an. „Mein Sohn, sagte der König, dergleichen Freier sind schon viele abgewiesen worden, weil keiner hat ausrichten können, was ich ihnen auferlegt hatte, um meine Tochter zu gewinnen.“ „Wohlan, sprach Fix und Fertig, geben Ew. Majestät mir nur was rechtes auf.“ Der König sagte: „ich habe ein Viertel Mohnsamen säen lassen, kannst du mir denselben wieder herbei schaffen, daß kein Korn fehlt, so sollst du die Prinzessin für deinen Herrn haben.“ Hoho! dachte Fix und Fertig, das ist ein geringes für mich. Nahm darauf ein Maaß, Sack und schneeweiße Tücher, ging hinaus, und die letztern breitete er neben das besäte Feld hin. Gar nicht lange, da kamen die Vögel, die im Walde bei ihrem Singen nicht waren verstört worden, und lasen den Samen, Körnchen für Körnchen auf und trugen ihn auf die weißen Tücher. Als sie alles aufgelesen hatten, schüttete es Fix und Fertig zusammen in den Sack, nahm das Maaß unter den Arm, ging zu dem König und maaß ihm seinen ausgesäten Samen wieder zu, gedachte nun die Prinzessin wäre schon sein – aber gefehlt: „noch eins, mein Sohn, sagte der König, meine Tochter hat einstmals ihren goldnen Ring verloren, denselben mußt du mir erst wiederschaffen, eh du sie bekommen kannst.“ Fix und Fertig machte sich keine Sorgen: „lassen Ew. Majestät mir nur das Wasser und die Brücke zeigen, wo der Ring verloren worden, so soll er bald herbeigeschafft seyn.“ Als er hingebracht war, sah er hinab, da schwamm der Fisch herzu, den er auf seiner Reise in den Fluß gesetzt hatte, streckte den Kopf in die Höhe und sagte: „wart einige Augenblicke, ich fahre hinunter, ein Wallfisch hat den Ring unter der Floßfeder, da will ich ihn holen;“ kam auch bald wieder und warf ihn ans Land. Fix und Fertig bracht ihn zum König, dieser aber antwortete: „nun noch eins, in jenem Walde ist ein Einhorn, das hat schon vielen Schaden gethan, wenn du das tödten kannst, dann ist nichts mehr übrig.“ Fix und Fertig bekümmerte sich auch hier nicht groß, sondern ging geradezu in den Wald. Da waren die Raben, die er einmal gefuttert und sprachen: „noch eine kleine Weile Geduld, jetzt liegt das Einhorn und schläft, aber nicht auf der scheelen Seite, wenn es sich herumdreht, dann wollen wir ihm das eine gute Auge, das er hat, auspicken, dann ist es blind und wird in seiner Wuth gegen die Bäume rennen und mit seinem Horn sich festspießen; dann kannst du es leicht tödten.“ Bald wälzte sich das Thier ein paar Mal im Schlaf herum und legte sich auf die andere Seite, da flogen die Raben herunter und hackten ihm sein gesundes Auge aus. Wie es die Schmerzen empfand, sprang es auf und rennte unsinnig im Wald herum, bald auch hatte es sich in eine dicke Eiche festgerennt. Da sprang Fix und Fertig herbei, hieb ihm den Kopf ab, und brachte ihn dem König. Dieser konnte nun seine Tochter nicht länger versagen, sie ward dem Fix und Fertig übergeben, der sich gleich in vollem Staat, wie er gekommen war, mit ihr in die Kutsche setzte, zu seinem Herrn fuhr und ihm die liebevolle Prinzessin brachte. Da ward er wohl empfangen, und in aller Pracht Hochzeit gehalten; Fix und Fertig aber wurde erster Minister.

フィックス・ウント・フェルティヒ(てきぱき屋)は長いあいだ兵隊をしていた。けれども戦争が終わって、来る日も来る日も同じことのほかには何もすることがなくなったので、暇をもらって、どこかの偉い殿さまの従僕になろうと思った。そういうところなら金モールのついた服が着られるし、仕事もたくさんあって、いつも何か新しいことがあるからだ。そこで旅に出て、ある見知らぬ宮廷にやって来ると、ひとりの殿方が庭を散歩しているのが目にとまった。フィックス・ウント・フェルティヒはぐずぐず考えたりせず、威勢よくその人に歩み寄って言った。「殿さま、わたくしは偉いお方のもとでの奉公口を探しております。陛下ご自身でいらっしゃるなら、それにこしたことはございません。お役目に必要なことは、短いことでも長いことでも、ご命令のとおり、なんでもできますし、心得ております」その殿さまは言った。「よろしい、若いの、それはわしにもありがたい。言ってみよ、わしがいま欲しいものは何だ?」フィックス・ウント・フェルティヒは返事もせずにくるりと向きを変え、急いで走っていって、パイプとタバコを持ってきた。「よろしい、若いの、おまえはわしの召使いだ。だが今度は、ノミニ王女をわしのもとへ連れてくるよう申しつける。世界でいちばん美しい王女で、わしはその王女を妃に迎えたいのだ」――「承知いたしました」とフィックス・ウント・フェルティヒは言った。「そんなことはわたくしには朝飯前です。陛下はすぐにその方をお手に入れられましょう。ただ、六頭立ての馬車と、お抱えの御者、ハンガリー装束の従者、先駆け、従僕、料理番、それに一式そろったお供の行列をくださいませ。わたくし自身には王侯の衣装を。そしてだれもがわたくしの命令に従わなければなりません」さて、一行は出発した。召使い殿は馬車の中に座り、行く手はひたすら、あの美しい王女のいる王宮だった。街道が尽きると、一行は野原へ乗り入れ、まもなく大きな森の前に来た。森には何千何万という鳥がいて、すさまじいほどの歌声が、青い空へ向かってみごとに響きわたっていた。「止まれ! 止まれ!」とフィックス・ウント・フェルティヒは叫んだ。「鳥たちの邪魔をしてはならん! 鳥たちは造り主をたたえているのだ。いつかわたしの役に立ってくれるだろう。左へ回れ!」そこで御者は向きを変えて、森をぐるりと迂回しなければならなかった。それからまもなく、一行は広い野原にやって来た。そこには十億羽ほどものカラスがとまっていて、えさをくれと大声でわめいていた。「止まれ! 止まれ!」とフィックス・ウント・フェルティヒは叫んだ。「先頭の馬を一頭はずして、野原へ連れていって刺し殺せ。カラスたちに食べさせてやるのだ。わたしのせいでひもじい思いをさせてはならん」カラスたちが腹いっぱいになると、旅はさらに続き、一行はある水辺にやって来た。そこには一匹の魚がいて、哀れな声で嘆いていた。「後生です! このひどい沼には食べるものがありません。流れのある水に移してください。そうしてくださったら、いつかご恩返しをいたします」魚が言い終わらないうちに、フィックス・ウント・フェルティヒはもう「止まれ! 止まれ!」と叫んでいた。「料理番、こいつを前掛けに入れろ。御者、流れのある川へ馬車を走らせろ」フィックス・ウント・フェルティヒは自分で馬車から降りて、魚を水に放してやった。魚はうれしさのあまり尾をぱたぱたと打ち鳴らした。フィックス・ウント・フェルティヒは言った。「さあ、馬を急がせろ。夕方までには目的の地に着くように」王宮のある都に着くと、フィックス・ウント・フェルティヒはまっすぐにいちばん上等な宿屋へ乗りつけた。宿の主人と使用人たちが総出で迎えに出て、このうえなく丁重にもてなした。よその国の王さまがお着きになったと思ったのだ。ところが実は、ただの召使い殿にすぎなかった。フィックス・ウント・フェルティヒはさっそく王宮に取り次ぎを頼み、気に入られるように努めて、王女との縁談を申し入れた。「若いの」と王は言った。「そのような求婚者は、これまでに何人も断ってきたのだ。娘をもらう条件としてわしが課したことを、だれひとりやりとげられなかったからな」「承知いたしました」とフィックス・ウント・フェルティヒは言った。「陛下、どうかわたくしにしっかりした難題をお出しください」王は言った。「わしはケシの種を一桝まかせた。それを一粒も欠けずに取り戻してこられたら、王女をおまえの主人にやろう」ほほう、そんなのはおれには造作もないことだ、とフィックス・ウント・フェルティヒは思った。そこで桝と袋と雪のように白い布を何枚か持って出かけ、その布を種のまかれた畑のそばに広げた。まもなく、森で歌っていたときに邪魔をされなかったあの鳥たちがやって来て、種を一粒一粒ついばみ集め、白い布の上に運んだ。鳥たちがすっかり拾い終えると、フィックス・ウント・フェルティヒはそれを袋に流しこみ、桝を小脇に抱えて王のもとへ行き、まいた種を桝で量って返した。これで王女はもうこっちのものだと思った――ところが大まちがい。「もうひとつだ、若いの」と王は言った。「わしの娘は以前、金の指輪をなくしてしまった。娘をもらう前に、まずその指輪を取り戻してもらわねばならん」フィックス・ウント・フェルティヒは少しも心配しなかった。「陛下、指輪をなくしたという川と橋をお見せくださいませ。そうすればすぐに持ってまいりましょう」その場所へ連れていかれて、下をのぞきこむと、旅の途中で川に放してやったあの魚が泳ぎ寄ってきて、頭を水の上に突き出して言った。「少しお待ちください。下へ潜ってまいります。クジラが指輪をひれの下に持っていますから、取ってきましょう」魚はほどなく戻ってきて、指輪を岸に放り上げた。フィックス・ウント・フェルティヒがそれを王のもとへ持っていくと、王は答えた。「では、もうひとつだ。あの森に一角獣がいて、これまでさんざん害をなしてきた。それを殺すことができたら、もう課すことは何も残っておらん」フィックス・ウント・フェルティヒはこのときもたいして気にかけず、まっすぐ森へ入っていった。するとそこに、いつか餌をやったあのカラスたちがいて、言った。「もう少しだけご辛抱を。いま一角獣は寝ていますが、見えないほうの側を下にしてはいないのです。寝返りを打ったら、あいつのたったひとつのよいほうの目を、わたしたちがつつき出してやりましょう。そうすれば目が見えなくなって、怒り狂って木にぶつかり、自分の角で突き刺さって動けなくなるでしょう。そうすればたやすく殺せます」まもなく一角獣は眠ったまま二、三度寝返りを打ち、反対側を下にして横になった。するとカラスたちが舞い降りて、その見えるほうの目をつつき出した。一角獣は痛みを感じると跳び起き、狂ったように森の中を走り回って、まもなく太い樫の木に角を突き刺し、動けなくなった。そこへフィックス・ウント・フェルティヒが駆け寄り、その首を切り落として王のもとへ持っていった。王はもうこれ以上娘をやるのを拒めなくなり、王女はフィックス・ウント・フェルティヒに引き渡された。フィックス・ウント・フェルティヒはすぐに、来たときと同じ堂々たる行列を仕立てて王女とともに馬車に乗りこみ、主人のもとへ帰って、心やさしい王女を主人に届けた。フィックス・ウント・フェルティヒは大いに歓迎され、たいそう華やかに婚礼が行われた。そしてフィックス・ウント・フェルティヒは筆頭大臣になった。

Ein jegliches in der Gesellschaft, wo dies erzählt wurde, wünschte auch bei dem Vergnügen zu seyn, eins wollte Kammerjungfer, das andere Garderobemädchen werden, dafür wollte einer Kammerdiener, der andere Koch werden u.s.w.

この話が語られた席にいた者はみな、自分もそのお祝いに加わりたいと願った。ある者は小間使いに、別の者は衣装係の娘になりたいと言い、そうかと思えば、ある者は侍従に、また別の者は料理番になりたいと言った、等々。

Kommentar解説

戦争が終わって暇になった元兵士フィックス・ウント・フェルティヒ(「てきぱき屋」)が王に仕え、助けた動物たちの力で無理難題を片づけ、主人のために王女を連れ帰る。

初版の注は、ユダヤの説話集『マアセ・ブーフ』、ストラパローラ、ドーノワ夫人の話と比べている一次。1819年に本文から消えたが、1856年の注釈巻では「蜂の女王」(KHM 62)の注に、「貧しい兵士が王に仕えて、いちばん美しい娘を連れてくると約束する」異話として要約されている一次。独立した話としては外され、似た話の注へ移された形。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版第1巻付録

Zu Fix und Fertig. No. 16.

ähnlich damit No. 64, II. dasselbe Märchen aber in dem jüdischen Maasähbuch c. 134. vom Rabbi Chanina, nur wird der König aufmerksam auf die Prinzessin mit den goldenen Haaren, durch ein einzelnes Haar, das ein Vogel einmal ihm auf die Achsel fallen läßt. Bei Straparola mit einiger Veränderung in den Motiven von Livoret III, 2. Dann auch in den modernen franz. Märchen der Aulnoi.

初版第2巻付録

Num. 16. (Fix und Fertig.) In den Ammen-Märchen (Weimar 1791. 1792. 2. Bde.) steht ein ähnliches, aber wie alle in dieser Sammlung nicht rein aufgefaßtes Märchen, worin jedoch einige gute Umstände sind) Unterwegs sieht er zwei Tauben, eine weiß, die andere schwarz, sich beißen, die jagt er von einander. Als ihm nachher aufgegeben wird, einen Kranz aus dem Himmel und einen Brand aus der Hölle zu schaffen, fliegen die Tauben, die weiße jenen, die schwarze diesen zu holen. – Ameisen, die er mit Brot gefüttert, lesen ihm dankbar neun Malter neunerlei Getraide in einer Nacht aus einander und kommen aus allen Diehlenritzen hervor.

Erster Band · Nr. 22 · 1812

Wie Kinder Schlachtens mit einander gespielt haben子どもたちが屠殺ごっこをした話

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類外国・書物から怖さ†††

I.

一

In einer Stadt Franecker genannt, gelegen in Westfriesland, da ist es geschehen, daß junge Kinder, fünf- und sechsjährige, Mägdelein und Knaben mit einander spielten. Und sie ordneten ein Büblein an, das solle der Metzger seyn, ein anderes Büblein, das solle Koch seyn, und ein drittes Büblein, das solle eine Sau seyn. Ein Mägdlein, ordneten sie, solle Köchin seyn, wieder ein anderes, das solle Unterköchin seyn; und die Unterköchin solle in einem Geschirrlein das Blut von der Sau empfahen, daß man Würste könne machen. Der Metzger gerieth nun verabredetermaßen an das Büblein, das die Sau sollte seyn, riß es nieder und schnitt ihm mit einem Messerlein die Gurgel auf, und die Unterköchin empfing das Blut in ihrem Geschirrlein. Ein Rathsherr, der von ungefähr vorübergeht, sieht dies Elend: er nimmt von Stund an den Metzger mit sich und führt ihn in des Obersten Haus, welcher sogleich den ganzen Rath versammeln ließ. Sie saßen all’ über diesen Handel und wußten nicht, wie sie ihm thun sollten, denn sie sahen wohl, daß es kindlicher Weise geschehen war. Einer unter ihnen, ein alter weißer Mann, gab den Rath, der oberste Richter solle einen schönen rothen Apfel in eine Hand nehmen, in die andere einen rheinischen Gulden, solle das Kind zu sich rufen und beide Hände gleich gegen dasselbe ausstrecken: nehme es den Apfel, so soll es ledig erkannt werden, nehme es aber den Gulden, so solle man es tödten. Dem wird gefolgt, das Kind aber ergreift den Apfel lachend, wird also aller Strafe ledig erkannt.

西フリースラントのフラネケルという町でのこと。五つ六つの子どもたちが、女の子も男の子も一緒に遊んでいた。子どもたちは、ひとりの男の子を肉屋に、別の男の子を料理人に、三人目の男の子を豚に決めた。女の子のひとりは料理女に、もうひとりは下働きの料理女にした。下働きは、腸詰めが作れるように、豚の血を小さな器で受けることになった。取り決めどおり、肉屋は豚役の男の子に飛びかかって押し倒し、小さなナイフで喉を切り裂いた。下働きの料理女はその血を器で受けた。たまたま通りかかった市参事会員がこの惨事を見て、ただちに肉屋役の子を連れて市長の家へ行った。市長はすぐに参事会を残らず集めた。一同はこの件について協議したが、どう裁けばよいかわからなかった。子どもらしいやり方で起きたことだと、よくわかっていたからである。その中のひとり、白髪の老人が助言した。裁判官が片手に美しい赤いリンゴを、もう片手にライン・グルデン金貨を持ち、子どもを呼んで両手を同時に差し出せばよい。リンゴを取れば無罪とし、金貨を取れば死刑にする、と。そのとおりにすると、子どもは笑ってリンゴをつかんだ。こうして一切の罰を免れた。

II.

二

Einstmals hat ein Hausvater ein Schwein geschlachtet, das haben seine Kinder gesehen; als sie nun Nachmittag mit einander spielen wollen, hat das eine Kind zum andern gesagt: „du sollst das Schweinchen und ich der Metzger seyn;“ hat darauf ein bloß Messer genommen, und es seinem Brüderchen in den Hals gestoßen. Die Mutter, welche oben in der Stube saß und ihr jüngstes Kindlein in einem Zuber badete, hörte das Schreien ihres anderen Kindes, lief alsbald hinunter, und als sie sah, was vorgegangen, zog sie das Messer dem Kind aus dem Hals und stieß es im Zorn, dem andern Kind, welches der Metzger gewesen, ins Herz. Darauf lief sie alsbald nach der Stube und wollte sehen, was ihr Kind in dem Badezuber mache, aber es war unterdessen in dem Bad ertrunken; deßwegen dann die Frau so voller Angst ward, daß sie in Verzweifelung gerieth, sich von ihrem Gesinde nicht wollte trösten lassen, sondern sich selbst erhängte. Der Mann kam vom Felde und als er dies alles gesehen, hat er sich so betrübt, daß er kurz darauf gestorben ist.

あるとき、一家の父親が豚を屠った。子どもたちはそれを見ていた。午後になって一緒に遊ぼうというとき、ひとりがもうひとりに言った。「おまえが子豚で、ぼくが肉屋だ」。そして抜き身のナイフを取って、弟の喉に突き刺した。母親は上の部屋で、いちばん下の子をたらいで湯浴みさせていた。もうひとりの子の叫び声を聞くと、すぐに駆け下りた。何が起きたかを見ると、母親は子の喉からナイフを引き抜き、怒りにまかせて、肉屋役だったもうひとりの子の心臓に突き立てた。それから急いで部屋に戻り、たらいの子がどうしているか見に行ったが、その子はその間に湯の中で溺れ死んでいた。そのため母親は恐ろしさのあまり絶望し、使用人たちの慰めにも耳を貸さず、自ら首を吊った。夫が畑から帰ってきてこのすべてを見ると、あまりの悲しみに、まもなく死んでしまった。

Kommentar解説

二つの短い話からなる。一つ目は、西フリースラントの町で子どもたちが屠殺ごっこをして本当に一人を殺し、裁判官がリンゴと金貨で幼い「犯人」を試す話。二つ目は、兄弟殺しから母の殺人、赤ん坊の溺死、母の自殺、父の衰弱死へと、一家が一日で全滅する話。

出典は兄弟自身の注にある。一つ目はクライストの『ベルリン夕刊』(1810年第39号)が古書から転載したもの、二つ目はツァイラー『雑録』(1661)からである一次。Bolte & Polívkaは一つ目がヴィクラム『荷馬車小話』(1555)まで遡ることを突き止めている研究。

初版の注には、教皇さえ二行の詩にまとめられず、絶望した学生の代わりに悪魔が書いたというラテン語の二行詩も添えられている。「豚、二人の少年、一人の少年、妻、夫が、ナイフ、水、縄、悲しみによって倒れる」一次。

研究者ロレケによれば、アルニムが「残酷で、子どもが真似をしかねない」と批判し、ヴィルヘルムは「自分は母から聞き、それで遊びのとき用心深くなった」と擁護した研究(独Wikipedia経由。書簡の原文は未確認)。1819年に消えたが、兄弟が削除理由を書いた箇所は見つからない不明。口伝えの昔話ではなく書物の逸話だったことも関係しそうだ推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版第1巻付録

Zum Kinderschlachtspiel. No. 22.

Die erste Recension ist aus einem alten Buche in den Berliner Abendblättern von Kleist (1810. No. 39.) abgedruckt worden. Die zweite befindet sich in Martin Zeilers Miscell. Nürnberg 1661. S. 388. der sie aus J. Wolf lectiones memorabiles. Laving. 1600. fol. genommen. Es wird hinzugesetzt, der Papst, der zur Zeit dieser Geschichte gelebt und ein fertiger Poet gewesen, habe versucht sie in ein Distichon zu bringen, es aber nicht vermocht. Da habe er einen stattlichen Preis darauf gesetzt, den ein armer Student verdienen wollen, dieser habe sich auch lange umsonst gequält, bis er endlich unmuthig die Feder weggeworfen und ausgerufen: „kann ichs nicht, so mags der Teufel machen!“ Dieser sey alsbald erschienen, habe gesagt er wolle es zu Stand bringen, die Feder aufgenommen und geschrieben:

sus, pueri bini, puer unus, nupta, maritus

cultell', lympha, fune, dolore cadunt.

Neuerdings hat Werner in seinem Trauerspiel der 24ste Februar die alte Fabel benutzt und damit die Macht menschlicher Poesie gegen den Teufel bewährt.

初版第2巻付録

Num. 22. (Kinderschlachtspiel.) Kinder lockt die Rundheit und lachende Röthe der Aepfel vor allen Dingen. Man vgl. das schott. Lied von der Judentochter; auch Fürterer im Lanzilet Nr. 49. „als kinden tut gezemen, den man peut ein Apfel rot, lassen das gold in aus den henden nemen.“ Und im Schwank vom Häselin 54. 55. „ein kint den Apfel minnet und neme ein ei für des riches lant.“ Also versucht der Apfel im Paradis die ersten Menschenkinder. – Den latein. Vers geben die nugae venales p. 97. so:

hircus cum pueris, puer unus, sponsa, maritus, etc.

Erster Band · Nr. 27 · 1812

Der Tod und der Gänshirt死神とガチョウ番

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類外国・書物から怖さ†

Es ging ein armer Hirt an dem Ufer eines großen und ungestümen Wassers, hütend einen Haufen weißer Gänse. Zu diesem kam der Tod über Wasser, und wurde von dem Hirten gefragt, wo er herkomme, und wo er hin wolle? Der Tod antwortete, daß er aus dem Wasser komme und aus der Welt wolle. Der arme Gänshirt fragte ferners: wie man doch aus der Welt kommen könne? Der Tod sagte, daß man über das Wasser in die neue Welt müsse, welche jenseits gelegen. Der Hirt sagte, daß er dieses Lebens müde, und bate den Tod, er sollte ihn mit über nehmen. Der Tod sagte, daß es noch nicht Zeit, und hätte er jetzt sonst zu verrichten. Es war aber unferne davon ein Geizhals, der trachtete bei Nachts auf seinem Lager, wie er doch mehr Geld und Gut zusammenbringen mögte, den führte der Tod zu dem großen Wasser und stieß ihn hinein. Weil er aber nicht schwimmen konnte, ist er zu Grunde gesunken, bevor er an das Ufer kommen. Seine Hunde und Katzen, so ihm nachgelaufen, sind auch mit ihm ersoffen. Etliche Tage hernach kam der Tod auch zu dem Gänshirten, fand ihn fröhlich singen und sprach zu ihm: „willst du nun mit?“ Er war willig und kam mit seinen weißen Gänsen wohl hinüber, welche alle in weiße Schafe verwandelt worden. Der Gänshirt betrachtete das schöne Land und hörte, daß die Hirten der Orten zu Königen würden, und indem er sich recht umsahe, kamen ihm die Erzhirten Abraham, Isaac und Jacob entgegen, setzten ihm eine königliche Krone auf, und führten ihn in der Hirten Schloß, allda er noch zu finden.

ひとりの貧しい牧人が、大きく荒れ狂う大河の岸辺を、白いガチョウの群れの番をしながら歩いていた。そこへ死神が水を渡ってやってきた。牧人は、どこから来て、どこへ行くのかとたずねた。死神は、水の中から来て、この世から出ていくところだと答えた。貧しいガチョウ番はさらに、いったいどうしたらこの世から出ていけるのかとたずねた。死神は、水を渡って、向こう側にある新しい世界へ行かねばならぬのだと言った。牧人は、自分はこの世の暮らしにもう疲れたと言って、いっしょに連れていってくれと死神に頼んだ。死神は、まだその時ではない、それに今はほかにやらねばならぬことがあるのだと言った。ところで、そこから遠くないところに一人の欲張りがいて、夜な夜な寝床の中で、どうにかしてもっと金や財産をかき集められないものかと思案していた。死神はこの男を大河のところへ連れていって、突き落とした。男は泳げなかったので、岸にたどりつく前に底へ沈んでしまった。あとを追って走ってきた犬や猫も、いっしょに溺れ死んだ。それから幾日かたって、死神はガチョウ番のところにもやってきた。見ると、男は楽しげに歌をうたっていたので、死神は言った。「さあ、もう来るかね?」 男は喜んで承知し、白いガチョウたちを連れて無事に向こう側へ渡った。ガチョウはみな白い羊に変わっていた。ガチョウ番は美しい国をながめ、この地では牧人たちが王になるのだと聞いた。そしてよくよくあたりを見まわしていると、牧人の長たるアブラハム、イサク、ヤコブが迎えに出てきて、彼の頭に王の冠をのせ、牧人たちの城へ連れていった。彼は今もそこにいる。

Kommentar解説

死神が欲深い男を大河に突き落とし、生きることに疲れたガチョウ番を向こう岸の国へ連れていく。ガチョウは白い羊に変わり、アブラハム、イサク、ヤコブが彼に王冠をかぶせる。死が救いとして描かれる、静かで奇妙な話。

兄弟の注によれば、出典はハルスデルファー『悲惨な殺人物語の大劇場』(ハンブルク、1663)一次。口伝えではなく17世紀の教訓本からの採録なので、1819年の方針で外れたと見られる推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

Der Tod und der Gänshirt. No. 27.

Aus Harsdörfer, der große Schauplatz jämmerlicher Mordgeschichten. Hamburg 1663. Seite 651. 652.

Erster Band · Nr. 33 · 1812

Der gestiefelte Kater長靴をはいた雄猫

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類外国・書物から

Ein Müller hatte drei Söhne, seine Mühle, einen Esel und einen Kater; die Söhne mußten mahlen, der Esel Getreide holen und Mehl forttragen und die Katz die Mäuse wegfangen. Als der Müller starb, theilten sich die drei Söhne in die Erbschaft, der ältste bekam die Mühle, der zweite den Esel, der dritte den Kater, weiter blieb nichts für ihn übrig. Da war er traurig und sprach zu sich selbst: „ich hab es doch am allerschlimmsten kriegt, mein ältster Bruder kann mahlen, mein zweiter kann auf seinem Esel reiten, was kann ich mit dem Kater anfangen? laß ich mir ein paar Pelzhandschuhe aus seinem Fell machen, so ists vorbei.“ „Hör, fing der Kater an, der alles verstanden hatte, was er gesagt, du brauchst mich nicht zu tödten, um ein paar schlechte Handschuh aus meinem Pelz zu kriegen, laß mir nur ein paar Stiefel machen, daß ich ausgehen kann und mich unter den Leuten sehen lassen, dann soll dir bald geholfen seyn.“ Der Müllerssohn verwunderte sich, daß der Kater so sprach, weil aber eben der Schuster vorbeiging, rief er ihn herein und ließ ihm ein paar Stiefel anmessen. Als sie fertig waren, zog sie der Kater an, nahm einen Sack, machte den Boden desselben voll Korn, oben aber eine Schnur daran, womit man ihn zuziehen konnte, dann warf er ihn über den Rücken und ging auf zwei Beinen, wie ein Mensch, zur Thür hinaus. Dazumal regierte ein König in dem Land, der aß die Rebhühner so gern: es war aber eine Noth, daß keine zu kriegen waren. Der ganze Wald war voll, aber sie waren so scheu, daß kein Jäger sie erreichen konnte. Das wußte der Kater und gedacht seine Sache besser zu machen; als er in den Wald kam, thät er den Sack auf, breitete das Korn auseinander, die Schnur aber legte er ins Gras und leitete sie hinter eine Hecke. Da versteckte er sich selber, schlich herum und lauerte. Die Rebhühner kamen bald gelaufen, fanden das Korn und eins nach dem andern hüpfte in den Sack hinein. Als eine gute Anzahl darin war, zog der Kater den Strick zu, lief herzu und drehte ihnen den Hals um; dann warf er den Sack auf den Rücken und ging geradeswegs nach des Königs Schloß. Die Wache rief: „halt! wohin.“ – „Zu dem König,“ antwortete der Kater kurzweg. – „Bist du toll, ein Kater zum König?“ – „Laß ihn nur gehen, sagte ein anderer, der König hat doch oft lange Weil, vielleicht macht ihm der Kater mit seinem Brummen und Spinnen Vergnügen.“ Als der Kater vor den König kam, machte er einen Reverenz und sagte: „mein Herr, der Graf, dabei nannte er einen langen und vornehmen Namen, läßt sich dem Herrn König empfehlen und schickt ihm hier Rebhühner, die er eben in Schlingen gefangen hat.“ Der König erstaunte über die schönen fetten Rebhühner, wußte sich vor Freude nicht zu lassen, und befahl dem Kater so viel Gold aus der Schatzkammer in den Sack zu thun, als er tragen könne: „das bring deinem Herrn und dank ihm noch vielmal für sein Geschenk.“

ある粉屋に、三人の息子と、粉ひき小屋と、驢馬が一頭と雄猫が一匹あった。息子たちは粉をひき、驢馬は穀物を取りに行っては粉を運び出し、猫は鼠を捕らなければならなかった。粉屋が死ぬと、三人の息子は遺産を分けた。長男は粉ひき小屋を、次男は驢馬を、三男は雄猫をもらい、三男にはそれ以外に何も残らなかった。三男は悲しくなって、ひとりごとを言った。「なんといっても、おれがいちばんひどいものをつかまされた。いちばん上の兄さんは粉をひけるし、二番目の兄さんは驢馬に乗れる。でもおれは雄猫なんかで何ができる?こいつの皮で毛皮の手袋を一組こしらえたら、それでおしまいだ」。「おい」と、言われたことをすっかり聞き取っていた雄猫が口を開いた。「おれの毛皮からろくでもない手袋を一組こしらえるために、おれを殺すことなんかないさ。おれに長靴を一足作ってくれさえすればいい。そうすりゃ出かけていって、人前にも顔を出せる。そうしたら、すぐにおまえを助けてやるよ」。粉屋の息子は雄猫がそんな口をきくのに驚いたが、ちょうど靴屋が通りかかったので、呼び入れて、雄猫に長靴を一足あつらえてやった。長靴ができあがると、雄猫はそれをはき、袋を一つ取って、底に麦をいっぱい入れ、口のほうには引けば締まるように紐をつけた。それから袋を背中にかつぐと、人間のように二本足で戸口から出ていった。その頃その国を治めていた王は、ヤマウズラが大好物だった。ところが困ったことに、ヤマウズラがちっとも手に入らない。森にはいっぱいいるのだが、たいそう臆病なので、どんな猟師も近づけないのだった。雄猫はそれを知っていて、自分ならもっとうまくやってやろうと考えた。森に入ると、袋の口を開けて麦をまき散らし、紐は草の中に這わせて生垣の陰まで引いていった。そして自分もそこに隠れて、そっとうろつきながら待ち伏せた。ヤマウズラたちはまもなく駆けてきて麦を見つけ、一羽、また一羽と袋の中へ跳びこんでいった。かなりの数が入ったところで、雄猫は紐を引いて袋を締め、駆け寄ってヤマウズラの首をひねった。それから袋を背中にかつぐと、まっすぐ王の城へ向かった。番兵が叫んだ。「止まれ!どこへ行く」――「王さまのところへ」と雄猫はそっけなく答えた。――「気でも狂ったか、雄猫が王さまのところへだと?」――「通してやれよ」と別の番兵が言った。「王さまはよく退屈していらっしゃるんだ。もしかしたらこの雄猫が、うなったり喉を鳴らしたりして、お慰めするかもしれないぞ」。雄猫は王の前に出ると、うやうやしくお辞儀をして言った。「わが主人の伯爵が」――と、ここで長くて立派な名前を口にして――「王さまによろしくと申しまして、たったいま罠でつかまえたヤマウズラをこちらにお届けいたします」。王は見事に肥えたヤマウズラに驚き、嬉しくてじっとしていられないほどだった。そして雄猫に、宝物蔵から持てるかぎりの金を袋に入れてやるよう命じた。「これを主人のところへ持っていき、贈り物の礼をくれぐれも申し伝えるのだぞ」

Der arme Müllerssohn aber saß zu Haus am Fenster, stützte den Kopf auf die Hand und dachte, daß er nun sein letztes für die Stiefeln des Katers weggegeben, und was werde ihm der großes dafür bringen können. Da trat der Kater herein, warf den Sack vom Rücken, schnürte ihn auf und schüttete das Gold vor den Müller hin: „da hast du etwas vor die Stiefeln, der König läßt dich auch grüßen und dir viel Dank sagen.“ Der Müller war froh über den Reichthum, ohne daß er noch recht begreifen konnte, wie es zugegangen war. Der Kater aber, während er seine Stiefel auszog, erzählte ihm alles, dann sagte er: „du hast zwar jetzt Geld genug, aber dabei soll es nicht bleiben, morgen zieh ich meine Stiefel wieder an, du sollst noch reicher werden, dem König hab ich auch gesagt, daß du ein Graf bist.“ Am andern Tag ging der Kater, wie er gesagt hatte, wohl gestiefelt wieder auf die Jagd, und brachte dem König einen reichen Fang. So ging es alle Tage, und der Kater brachte alle Tage Gold heim, und ward so beliebt wie einer bei dem König, daß er aus- und eingehen durfte und im Schloß herumstreichen, wo er wollte. Einmal stand der Kater in der Küche des Königs beim Heerd und wärmte sich, da kam der Kutscher und fluchte: „ich wünsch’ der König mit der Prinzessin wär beim Henker! ich wollt ins Wirthshaus gehen und einmal trinken und Karte spielen, da soll ich sie spazieren fahren an den See.“ Wie der Kater das hörte, schlich er nach Haus und sagte zu seinem Herrn: „wenn du willst ein Graf und reich werden, so komm mit mir hinaus an den See und bad dich darin.“ Der Müller wußte nicht, was er dazu sagen sollte, doch folgte er dem Kater, ging mit ihm, zog sich splinternackend aus und sprang ins Wasser. Der Kater aber nahm seine Kleider, trug sie fort und versteckte sie. Kaum war er damit fertig, da kam der König dahergefahren; der Kater fing sogleich an, erbärmlich zu lamentiren: „ach! allergnädigster König! mein Herr, der hat sich hier im See gebadet, da ist ein Dieb gekommen und hat ihm die Kleider gestohlen, die am Ufer lagen, nun ist der Herr Graf im Wasser und kann nicht heraus, und wenn er länger darin bleibt wird er sich verkälten und sterben.“ Wie der König das hörte, ließ er Halt machen und einer von seinen Leuten mußte zurückjagen und von des Königs Kleidern holen. Der Herr Graf zog die prächtigsten Kleider an, und weil ihm ohnehin der König wegen der Rebhüner, die er meinte von ihm empfangen zu haben, gewogen war, so mußte er sich zu ihm in die Kutsche setzen. Die Prinzessin war auch nicht bös darüber, denn der Graf war jung und schön, und er gefiel ihr recht gut.

いっぽう貧しい粉屋の息子は、家で窓辺に座り、頬杖をついて考えていた。自分はなけなしのものを雄猫の長靴にはたいてしまったが、あいつはそのかわりに、いったいどれほどのものを持ってきてくれるというのだろう。そこへ雄猫が入ってきて、背中から袋をおろし、紐をほどいて、金を粉屋の前にざっとあけた。「ほら、長靴の代金だ。王さまもおまえによろしく、くれぐれも礼を言っておいてくれとさ」。粉屋はこの財宝を喜んだが、どうしてそうなったのかはまだよく呑みこめなかった。雄猫は長靴を脱ぎながら、何もかも話して聞かせ、それから言った。「たしかにおまえはもう金はたっぷりある。だがこれで終わりじゃない。明日おれはまた長靴をはく。おまえはもっと金持ちになるんだ。王さまには、おまえが伯爵だとも言っておいたからな」。次の日、雄猫は言ったとおり、しっかり長靴をはいてまた狩りに出かけ、王にたくさんの獲物を届けた。そうして毎日それが続き、雄猫は毎日金を持ち帰った。王にもすっかり気に入られて、自由に出入りし、城の中を好きなところへうろつきまわってよいことになった。あるとき、雄猫が王の台所のかまどのそばで暖まっていると、御者がやって来て悪態をついた。「王さまも王女さまも、首切り役人のところへでも行っちまえばいいんだ!おれは居酒屋へ行って一杯やって、カード遊びでもしようと思ってたのに、おふたりを湖まで遊覧にお連れしなきゃならないとさ」。雄猫はそれを聞くと、こっそり家へ帰って主人に言った。「伯爵になって金持ちになりたいなら、おれと一緒に湖へ行って、水浴びをするんだ」。粉屋はなんと答えていいかわからなかったが、それでも雄猫の言うとおりにして、一緒に出かけ、素っ裸になって水に飛びこんだ。雄猫は彼の服を持っていって隠してしまった。それがすむかすまないうちに、王の馬車がやって来た。雄猫はすぐさま、哀れな声で嘆きはじめた。「ああ!いとも慈悲深き王さま!わが主人がこの湖で水浴びをしておりましたところ、泥棒がやって来て、岸に置いてあった服を盗んでいってしまいました。それで伯爵さまは水の中にいて上がれないのです。これ以上水の中にいたら、風邪をひいて死んでしまいます」。王はそれを聞くと、馬車を止めさせ、家来のひとりが急いで引き返して、王の服を取ってこなければならなかった。伯爵さまはこのうえなく立派な服を着た。王は、伯爵から受け取ったと思っているヤマウズラのこともあって、もともと彼に好意を持っていたので、伯爵は王と一緒に馬車に乗らなければならなかった。王女もそれをいやがりはしなかった。伯爵は若くて美しく、すっかり王女の気に入ったからである。

Der Kater aber war vorausgegangen und zu einer großen Wiese gekommen, wo über hundert Leute waren und Heu machten. „Wem ist die Wiese, ihr Leute?“ fragte der Kater. – „Dem großen Zauberer.“ – „Hört, jetzt wird der König bald vorbeifahren, wenn der fragt, wem die Wiese gehört, so antwortet: dem Grafen; und wenn ihr das nicht thut, so werdet ihr alle todtgeschlagen.“ – Darauf ging der Kater weiter und kam an ein Kornfeld, so groß, daß es niemand übersehen konnte, da standen mehr als zweihundert Leute und schnitten das Korn. „Wem ist das Korn ihr Leute?“ – „Dem Zauberer.“ Hört, jetzt wird der König vorbeifahren, wenn er frägt, wem das Korn gehört, so antwortet: „dem Grafen; und wenn ihr das nicht thut, so werdet ihr alle todtgeschlagen.“ – Endlich kam der Kater an einen prächtigen Wald, da standen mehr als dreihundert Leute, fällten die großen Eichen und machten Holz. – „Wem ist der Wald, ihr Leute?“ – „Dem Zauberer.“ – „Hört, jetzt wird der König vorbeifahren, wenn er frägt, wem der Wald gehört, so antwortet: dem Grafen; und wenn ihr das nicht thut, so werdet ihr alle umgebracht.“ Der Kater ging noch weiter, die Leute sahen ihm alle nach und weil er so wunderlich aussah, und wie ein Mensch im Stiefeln daherging, fürchteten sie sich vor ihm. Er kam bald an des Zauberers Schloß, trat kecklich hinein und vor ihn hin. Der Zauberer sah ihn verächtlich an, und fragte ihn, was er wolle. Der Kater machte einen Reverenz und sagte: „ich habe gehört, daß du in jedes Thier nach deinem Gefallen dich verwandeln könntest; was einen Hund, Fuchs oder auch Wolf betrifft, da will ich es wohl glauben, aber von einem Elephant, das scheint mir ganz unmöglich, und deshalb bin ich gekommen und mich selbst zu überzeugen.“ Der Zauberer sagte stolz: „das ist mir eine Kleinigkeit,“ und war in dem Augenblick in einen Elephant verwandelt; „das ist viel, aber auch in einen Löwen?“ – „Das ist auch nichts,“ sagte der Zauberer und stand als ein Löwe vor dem Kater. Der Kater stellte sich erschrocken und rief: „das ist unglaublich und unerhört, dergleichen hätt’ ich mir nicht im Traume in die Gedanken kommen lassen; aber noch mehr, als alles andere, wär es, wenn du dich auch in ein so kleines Thier, wie eine Maus ist, verwandeln könntest, du kannst gewiß mehr, als irgend ein Zauberer auf der Welt, aber das wird dir doch zu hoch seyn.“ Der Zauberer ward ganz freundlich von den süßen Worten und sagte: „o ja, liebes Kätzchen, das kann ich auch“ und sprang als eine Maus im Zimmer herum. Der Kater war hinter ihm her, fing die Maus mit einem Sprung und fraß sie auf.

雄猫はひと足先に進んで、大きな牧草地にやって来た。そこでは百人を超える人々が干し草作りをしていた。「この牧草地はだれのものだね、みなさん?」と雄猫は尋ねた。――「偉い魔法使いさまのものだ」――「いいか、まもなく王さまがここを通られる。王さまが、この牧草地はだれのものかとお尋ねになったら、伯爵さまのものです、と答えるんだ。そうしなかったら、おまえたちはみんな打ち殺されるぞ」――それから雄猫はさらに進んで、だれにも見渡せないほど広い麦畑にやって来た。そこでは二百人を超える人々が麦を刈っていた。「この麦はだれのものだね、みなさん?」――「魔法使いさまのものだ」――「いいか、まもなく王さまがここを通られる。王さまが、この麦はだれのものかとお尋ねになったら、伯爵さまのものです、と答えるんだ。そうしなかったら、おまえたちはみんな打ち殺されるぞ」――とうとう雄猫は見事な森にやって来た。そこでは三百人を超える人々が、大きな樫の木を切り倒して薪をこしらえていた。――「この森はだれのものだね、みなさん?」――「魔法使いさまのものだ」――「いいか、まもなく王さまがここを通られる。王さまが、この森はだれのものかとお尋ねになったら、伯爵さまのものです、と答えるんだ。そうしなかったら、おまえたちはみんな殺されるぞ」。雄猫はさらに先へ進んだ。人々はみな彼を見送ったが、あまりに奇妙な姿で、長靴をはいて人間のように歩いていくので、恐ろしくなった。雄猫はまもなく魔法使いの城に着き、臆せず中に入って、魔法使いの前に進み出た。魔法使いはさげすむように彼を見て、何の用かと尋ねた。雄猫はうやうやしくお辞儀をして言った。「あなたはどんな獣にでも、思いのままに化けられると聞きました。犬や狐、あるいは狼くらいなら、まあ信じもしましょう。だが象となると、まるでありえないことのように思えます。それで、この目で確かめようとやって来たのです」。魔法使いは得意げに言った。「そんなことはわけもない」。そしてたちまち象に姿を変えた。「これは大したものだ。でも、ライオンにもなれますか?」――「それもたやすいことだ」と魔法使いは言うと、ライオンになって雄猫の前に立った。雄猫は驚いたふりをして叫んだ。「信じられない、前代未聞だ。こんなことは夢にも思い浮かびませんでした。だが、何よりもすごいのは、もしあなたが鼠のようなちっぽけな獣にも化けられたら、ということです。あなたはきっと世界じゅうのどの魔法使いよりもすごいことができるのでしょうが、さすがにそれはあなたにも手に余るでしょうね」。魔法使いは甘い言葉にすっかり気をよくして言った。「おお、できるとも、かわいい猫ちゃん、それだってできるぞ」。そして鼠になって部屋の中を跳ねまわった。雄猫はすかさずあとを追い、ひと跳びで鼠を捕まえると、食べてしまった。

Der König aber war mit dem Grafen und der Prinzessin weiter spatzieren gefahren, und kam zu der großen Wiese. „Wem gehört das Heu?“ fragte der König – „dem Herrn Grafen“ – riefen alle, wie der Kater ihnen befohlen hatte. – „Ihr habt da ein schön Stück Land, Herr Graf,“ sagte er. Darnach kamen sie an das große Kornfeld. „Wem gehört das Korn, ihr Leute?“ – „Dem Herrn Grafen.“ – „Ei! Herr Graf! große, schöne Ländereien!“ – Darauf zu dem Wald: „wem gehört das Holz, ihr Leute?“ – „Dem Herrn Grafen.“ – Der König verwunderte sich noch mehr und sagte: „Ihr müßt ein reicher Mann seyn, Herr Graf, ich glaube nicht, daß ich einen so prächtigen Wald habe.“ Endlich kamen sie an das Schloß, der Kater stand oben an der Treppe, und als der Wagen unten hielt, sprang er herab, machte die Thüre auf und sagte: „Herr König, Ihr gelangt hier in das Schloß meines Herrn, des Grafen, den diese Ehre für sein Lebtag glücklich machen wird.“ Der König stieg aus und verwunderte sich über das prächtige Gebäude, das fast größer und schöner war, als sein Schloß; der Graf aber führte die Prinzessin die Treppe hinauf in den Saal, der ganz von Gold und Edelsteinen flimmerte.

いっぽう王は伯爵と王女を乗せてさらに馬車を進め、あの大きな牧草地にやって来た。「この干し草はだれのものだ?」と王が尋ねた。――「伯爵さまのものです」――と、雄猫に命じられたとおり、みなが叫んだ。――「伯爵どの、よい土地をお持ちですな」と王は言った。それから一行は大きな麦畑にやって来た。「この麦はだれのものだ、みなの者?」――「伯爵さまのものです」――「なんと!伯爵どの!広くて見事な領地ですな!」――それから森に来ると、「この木はだれのものだ、みなの者?」――「伯爵さまのものです」――王はますます驚いて言った。「伯爵どの、あなたはさぞかし金持ちにちがいない。わたしでさえ、これほど見事な森を持っているとは思えませんぞ」。とうとう一行は城に着いた。雄猫は階段の上に立っていたが、馬車が下に止まると、跳び降りてきて扉を開け、こう言った。「王さま、ここにお着きになりましたのは、わが主人、伯爵さまのお城でございます。このたびの栄誉に、主人は生涯幸せでございましょう」。王は馬車を降りると、自分の城よりも大きく美しいと言ってもいいほどの壮麗な建物に目を見張った。伯爵は王女の手を取って階段を上り、金と宝石にきらめく大広間へと案内した。

Da ward die Prinzessin mit dem Grafen versprochen, und als der König starb, ward er König, der gestiefelte Kater aber erster Minister.

こうして王女は伯爵と婚約し、王が亡くなると伯爵が王になり、長靴をはいた雄猫は宰相になった。

Kommentar解説

粉屋の三男が猫だけを相続し、長靴をもらった猫の策略で「伯爵」になりすまし、王女と結婚する。この1812年版にはカラバ侯爵の名は出ず、主人公はただ「伯爵」と呼ばれる。

Bolte & Polívkaによれば、1812年秋にカッセルのジャネット・ハッセンプフルークから聞いた話で、「ペローの『長靴をはいた猫』への明らかな依存のため、第2版で除外された」研究。兄弟自身も1856年の注釈巻で「この話はふつうペローのフランス語の語りに従って語られる」と書いている一次(巻末の断片4)。

1812年の序文では、兄弟はペローを「何も付け足していない」と褒めていた一次。7年で評価が変わったことになる。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

Zum gestiefelten Kater. No. 33.

Dies Märchen gehört unter die bekanntesten und verbreitetsten. Perrault hat es in s. chat botté gut erzählt, aber Basile mit vielen Abweichungen aus der italienischen Sage, Pentam. II, (4. Gagliuso) wo nur zwei Söhne sind. Der älteste, aber nicht beste Erzähler ist Straparola N. IX 1. von Constantino. Man hat auch deutsche gedruckte Uebersetzungen nach Perrault, wo nur der Graf Carabas in einen Sabarak umgedreht ist. Tiek hat es dramatisch bearbeitet.

Erster Band · Nr. 34 · 1812

Hansens Trineハンスのトリーネ

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類別の話へ怖さ†

Hansens Trine war faul und wollte nichts thun. Sie sprach zu sich selber: „was thu’ ich? eß ich, oder schlaf ich, oder arbeit ich? – Ach! ich will erst essen!“ – Als sie sich dicksatt gegessen hatte, sprach sie wieder: „was thu’ ich? arbeit ich, ober schlaf ich? – Ach! ich will erst ein bischen schlafen.“ Dann legte sie sich hin und schlief, und wenn sie aufwachte, war es Nacht, da konnte sie nicht mehr zur Arbeit ausgehen. Einmal kam der Hans Nachmittags nach Haus und fand die Trine wieder in der Kammer liegen und schlafen, da nahm er sein Messer und schnitt ihr den Rock ab, bis an die Knie. Trine wachte auf und gedacht: nun willst du zur Arbeit gehn. Wie sie aber hinauskommt und sieht, daß der Rock so kurz ist, erschrickt sie, wird irr, ob sie auch wirklich die Trine ist, und spricht zu sich selber: „bin ichs oder bin ichs nicht?“ Sie weiß aber nicht, was sie drauf antworten soll, steht eine Zeitlang zweifelhaftig, endlich denkt sie: „du willst nach Haus gehen und fragen, ob dus bist, die werdens schon wissen.“ Also geht sie wieder zurück, klopft ans Fenster und ruft hinein: „ist Hansens Trine drinnen?“; die andern antworten, wie sie meinen: „ja, die liegt in der Kammer und schläft.“ – „Nun dann bin ichs nicht,“ sagt die Trine vergnügt, geht zum Dorf hinaus und kommt nicht wieder, und Hans war die Trine los.

ハンスのトリーネは怠け者で、何もしようとしなかった。トリーネはひとりごとを言った。「さて、どうしよう? 食べようか、眠ろうか、それとも働こうか?――ああ、まずは食べよう!」――おなかがはちきれるほど食べてしまうと、また言った。「さて、どうしよう? 働こうか、眠ろうか?――ああ、まずはちょっとひと眠りしよう」。そうして横になって眠り、目をさますともう夜になっていたので、もう仕事には出かけられなかった。あるとき、ハンスが昼過ぎに家に帰ってくると、トリーネがまた部屋で寝ていたので、ナイフを取りだして、トリーネのスカートを膝のところまで切りとってしまった。トリーネは目をさまして、さあ仕事に出かけよう、と思った。ところが外へ出て、スカートがそんなに短くなっているのを見るとびっくりして、自分がほんとうにトリーネなのかどうかわからなくなり、ひとりごとを言った。「これはわたしかしら、わたしじゃないのかしら?」 けれども何と答えていいのかわからず、しばらく迷いながら立っていたが、とうとう思いついた。「家へ帰って、これがわたしかどうか聞いてみよう。家の人ならきっと知っているわ」。そこでまた引き返して、窓をたたいて中へ呼びかけた。「ハンスのトリーネはいますか?」 中の者たちは、自分たちの思っているとおりに答えた。「ああ、部屋で寝ているよ」――「それじゃ、わたしはトリーネじゃないんだわ」とトリーネは上機嫌で言うと、村を出ていって二度と戻らなかった。こうしてハンスはトリーネを厄介払いできた。

Kommentar解説

怠け者のトリーネが、寝ているあいだに夫ハンスにスカートを膝まで切られ、「これはわたしかしら」と自分がわからなくなる。家の者に「トリーネなら部屋で寝ている」と言われて、彼女は村を出ていき二度と戻らない。笑い話だが、結末は妙に寒々しい。

1856年の注釈巻では「賢いエルゼ」(KHM 34)の注に、同じ型の別の語りとして要約されている一次。決定版の「賢いエルゼ」も、自分が誰かわからなくなって村を去る結末を持つ推定。

注は、16世紀ザクセンの年代記から「不貞をはたらいた下女や女は、帯から下の衣服を切られた」という記述を引いている一次。スカートを切ることには、ただのいたずら以上の意味があった。

Erster Band · Nr. 37 · 1812

Von der Serviette, dem Tornister, dem Kanonenhütlein und dem Hornナプキンと背嚢と大砲帽子と角笛

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類別の話へ

Es waren drei Brüder aus dem Schwarzenfelsischen, von Haus sehr arm, die reisten nach Spanien, da kamen sie an einen Berg, der ganz von Silber umgeben war. Der älteste Bruder machte sich bezahlt, nahm so viel als er nur tragen konnte, und ging mit seiner Beute nach Haus. Die andern zwei reisten weiter fort und kamen zu einem Berg, wo nichts als Gold zu sehen war. Nun sprach der eine zu dem andern: „wie sollen wir es machen?“ und der zweite nahm sich auch soviel Gold als er nur tragen konnte und ging nach Haus; der dritte aber wollte sein Glück noch besser versuchen und ging weiter fort. Nach drei Tagen kam er in einen ungeheuren Wald, da hatte er sich müd gegangen, Hunger und Durst plagten ihn, und er konnte nicht aus dem Wald heraus. Da stieg er auf einen hohen Baum und wollte sehen, ob er Waldes Ende finden mögte, er sah aber nichts als Baumspitzen; da wünschte er nur noch einmal seinen Leib zu sättigen und begab sich, von dem Baum herunter zu steigen. Als er herunter kam, erblickte er unter dem Baum einen Tisch mit vielerlei Speise besetzt, da ward er vergnügt, nahte sich dem Tisch und aß sich satt. Und als er fertig gegessen hatte, nahm er die Serviette mit sich und ging weiter, und wenn ihn wieder Hunger und Durst ankam, so deckte er die Serviette auf und was er wünschte, das stund darauf. Nach einer Tagreise kam er zu einem Köhler, der brannte Kohlen und kochte Kartoffeln. Der Köhler bat ihn zu Gast, er sagte aber: „ich will nicht bei dir essen, aber ich will dich zu Gast bitten,“ der Köhler fragte: „wie ist das möglich, ich sehe ja nicht, daß du etwas bei dir hast.“ – „Das thut nichts, setz’ dich nur her“ damit deckte er seine Serviette auf, da stand alles, was zu wünschen war. Der Köhler ließ sichs gut schmecken und hatte großen Gefallen an der Serviette und als sie abgegessen hatten sagte er: „tausch mit mir, ich geb dir für die Serviette einen alten Soldatentornister wenn du mit der Hand darauf klopfst, kommt jedesmal ein Gefreiter und sechs Mann Soldaten mit Ober- und Untergewehr heraus, die können mir im Wald nichts helfen, aber die Serviette wär mir lieb.“ Der Tausch ging vor sich, der Köhler behielt die Serviette, der Schwarzenfelser nahm den Tornister mit. Kaum war er aber ein Stück Wegs gegangen, so schlug er darauf, da kamen die Kriegshelden heraus: „was verlangt mein Herr?“ – „Ihr marschirt hin und holet bei dem Köhler meine Serviette, die ich dort gelassen.“ Also gingen sie zurück und brachten ihm die Serviette wieder. Abends kam er zu einem andern Kohlenbrenner, der lud ihn wiederum zum Abendessen ein und hatte deßgleichen Kartoffeln ohne Fett. Der Schwarzenfelser aber deckte seine Serviette auf und bat ihn zu Gast, da war alles nach Wunsch. Als die Mahlzeit vorbei war, hielt auch dieser Köhler um den Tausch an, er gab für die Serviette einen Hut, drehte man den auf dem Kopf herum, so gingen die Canonen, als stünd eine Batterie auf dem Flecken. Als der Schwarzenfelser ein Stück Wegs fort war, klopfte er wieder auf seinen alten Ranzen, und der Gefreite mit sechs Mann mußte ihm die Serviette wieder holen. Nun ging es weiter fort in dem nämlichen Wald und er kam Abends zu dem dritten Köhler, der lud ihn, wie die andern auf ungeschmelzte Kartoffeln, erhielt aber von ihm ein Tractament und vertauschte ihm die Serviette für ein Hörnchen, wenn man darauf blies, fielen alle Städte und Dorfschaften, wie auch alle Festungswerke übern Haufen. Der Köhler behielt aber die Serviette nicht länger als die andern, denn der Gefreite mit sechs Mann kam bald und holte sie ab. Wie nun der Schwarzenfelser alles beisammen hatte, kehrte er um nach Haus, und wollt seine beiden Brüder besuchen. Diese waren reich von ihrem vielen Gold und Silber und wie er nun kam, einen alten zerrissenen Rock anhabend, da wollten sie ihn nicht für ihren Bruder erkennen. Alsobald schlug er auf seinen Tornister und ließ 150 Mann aufmarschiren, die mußten seinen Brüdern die Hucke (den Buckel) recht vollschlagen. Das ganze Dorf kam zu Hülfe, aber sie richteten wenig aus bei der Sache; da ward es dem König gemeldet, der schickte ein militärisch Commando ab, diese Soldaten gefangen zu nehmen; aber der Schwarzenfelser schlug in einem hin auf seinen Ranzen und ließ Infanterie und Cavallerie aufmarschirten, die schlugen das militärische-Commando wieder zurück an seinen Ort. Am andern Tag ließ der König noch viel mehr Volk ausmarschiren um den alten Kerl in Ruh zu setzen. Der aber schlug auf seinen Ranzen so lang bis eine ganze Armee herausgekommen, dazu drehte er seinen Hut ein paar mal, da gingen die Canonen und der Feind ward geschlagen und in die Flucht gejagt. Da ward Friede geschlossen und er zum Vicekönig gemacht, wie auch die Prinzessin ihm zur Gemahlin gegeben.

シュヴァルツェンフェルスあたりの出の三人の兄弟がいた。家はたいそう貧しかった。三人はスペインへ旅に出たが、途中で、まわりをすっかり銀でおおわれた山に行きあたった。いちばん上の兄はさっそく自分の取り分をせしめ、持てるだけたくさん取って、その獲物を持って家に帰った。ほかの二人はさらに旅をつづけ、見わたすかぎり金ばかりの山にやってきた。そこで一方がもう一方に言った。「どうしようか?」 二番目の兄もまた持てるだけの金を取って家に帰った。けれども三番目は、もっと運だめしをしてみようと、さらに先へ進んだ。三日たって、彼はとてつもなく大きな森に入りこんだ。歩きくたびれ、飢えと渇きに苦しめられたが、森から出ることができなかった。そこで高い木に登って、森の果てが見つからないものかと見わたしたが、見えるのは木々のこずえばかりだった。もう一度だけでいいから腹いっぱい食べたいものだと願いながら、彼は木から降りにかかった。降りてみると、木の下にいろいろなごちそうを並べたテーブルがあるのが目に入った。彼は大喜びでテーブルに近づき、腹いっぱい食べた。食べおわると、彼はそのナプキンを持って先へ進んだ。そしてまた飢えや渇きをおぼえると、ナプキンを広げた。すると望んだものがなんでもその上に現れた。一日歩いたところで、ひとりの炭焼きのところへやってきた。炭焼きは炭を焼きながら、じゃがいもを煮ていた。炭焼きは食事に誘ってくれたが、彼は言った。「おまえのところでごちそうになるつもりはない。かわりに、おれがおまえをもてなそう」 炭焼きはたずねた。「どうしてそんなことができるんだね。何か持っているようには見えないが」――「かまわないさ、まあここに座りな」 そう言って彼がナプキンを広げると、望みうるものがなんでも並んだ。炭焼きはおいしくたらふく食べて、ナプキンがすっかり気に入ってしまい、食べおわると言った。「わしと取りかえっこしよう。ナプキンのかわりに、古い兵隊の背嚢をやる。これを手でたたくと、そのたびに上等兵がひとりと兵隊が六人、鉄砲も剣もそろえて出てくるんだ。そんなものは森の中じゃなんの役にも立たないが、ナプキンならありがたい」 取りかえっこは成立し、炭焼きはナプキンを手もとに置き、シュヴァルツェンフェルスの男は背嚢を持って出かけた。ところが少し歩いたかと思うと、彼は背嚢をたたいた。すると勇ましい兵隊たちが出てきた。「ご主人さま、何なりとお申しつけを」――「おまえたち、行進していって、炭焼きのところに置いてきたおれのナプキンを取ってこい」 そこで兵隊たちは引き返し、ナプキンを取り返してきた。夕方、彼は別の炭焼きのところへ来た。その炭焼きもまた夕食に誘ってくれたが、こちらもやはり脂っ気のないじゃがいもしかなかった。けれどもシュヴァルツェンフェルスの男はナプキンを広げて炭焼きをもてなし、何もかも望みどおりだった。食事がすむと、この炭焼きもやはり取りかえっこを持ちかけ、ナプキンのかわりに帽子をひとつくれた。それを頭の上でくるりと回すと、まるでその場に砲兵隊が一隊陣どっているかのように、大砲がどんどん鳴るのだった。シュヴァルツェンフェルスの男は少し道を行くと、また古い背嚢をたたき、上等兵と六人の兵隊にナプキンを取り返しに行かせた。それからまた同じ森の中を進んでいき、夕方、三人目の炭焼きのところへ着いた。この炭焼きもほかの者たちと同じく、脂をからめていないじゃがいもに誘ってくれたが、かえって彼からごちそうをふるまわれ、ナプキンと引きかえに小さな角笛をくれた。それを吹くと、町も村も、それに砦という砦も、みんなくずれ落ちてしまうのだった。けれどもこの炭焼きも、ほかの者たちと同じで、ナプキンを長くは持っていられなかった。上等兵と六人の兵隊がまもなくやってきて取りあげていったからだ。こうしてすべてがそろったので、シュヴァルツェンフェルスの男は向きを変えて故郷へ帰り、二人の兄を訪ねようとした。兄たちはたくさんの金や銀ですっかり金持ちになっていて、彼が古いぼろぼろの上着を着てやってくると、弟だと認めようとしなかった。すぐさま彼は背嚢をたたいて百五十人の兵隊を繰り出させ、兄たちのせな(つまり背中)をいやというほど打ちのめさせた。村じゅうが助けにかけつけたが、どうにもならなかった。そこでこのことが王に知らされ、王はこの兵隊どもを捕らえよと一部隊を差し向けた。けれどもシュヴァルツェンフェルスの男は背嚢をたてつづけにたたいて歩兵と騎兵を繰り出し、その部隊をもと来たところへ追い返してしまった。次の日、王はこの老いぼれをおとなしくさせようと、さらにずっと大勢の兵を出陣させた。けれども男は、軍隊がまるごとひとつ出てくるまで背嚢をたたきつづけ、そのうえ帽子を二、三度回した。すると大砲がとどろき、敵は打ち負かされて逃げ去った。そこで和平が結ばれ、彼は副王に任じられ、王女も妻として与えられた。

Der Prinzessin aber lag es beständig im Sinn, daß sie so einen alten Kerl zum Gemahl nehmen müssen und wünschte nichts mehr, als daß sie ihn wieder los werden könnte. Sie forschte täglich in welchen Vortheilen seine Macht bestehe, er war auch so treu und entdeckte ihr alles. Da schwäzte sie ihm seinen Ranzen ab und verstieß ihn, und als darauf Soldaten gegen ihn marschirten, war sein Volk verloren, aber noch hatte er sein Hütgen, da griff er daran und ließ die Kanonen gehen, so schlug er den Feind und ward wieder Friede gemacht. Darnach aber ließ er sich wieder betrügen und die Prinzessin schwäzte ihm sein Hütchen ab. Und als nun der Feind auf ihn eindrang, hatte er nichts als sein Hörnchen, da blies er darauf, alsbald fielen Dörfer, Städte und alle Festungswerke übern Haufen. Da war er König allein und blieb, bis er gestorben ist.

けれども王女は、こんな老いぼれを夫にしなければならなかったことがいつも心にひっかかっていて、なんとかしてこの男と縁を切りたいとばかり願っていた。王女は毎日、夫の力がどんな仕掛けにあるのかを探り出そうとし、夫のほうもまた妻を信じきって、何もかも打ち明けてしまった。そこで王女は言葉たくみに背嚢を巻きあげて、夫を追い出した。それから兵隊たちが攻めてくると、もう彼には手勢がなかった。けれどもまだ帽子が残っていたので、それに手をかけて大砲を鳴らし、こうして敵を打ち負かして、ふたたび和平が結ばれた。ところがそのあと、彼はまたもやだまされて、王女に帽子まで言いくるめて巻きあげられてしまった。そして敵が攻めよせてきたとき、彼の手もとには角笛しかなかった。そこでそれを吹くと、たちまち村も町も砦という砦も、みんなくずれ落ちてしまった。こうして彼はただひとりの王となり、死ぬまで王でありつづけた。

Kommentar解説

シュヴァルツェンフェルスから来た三男が、ごちそうの出るナプキン、兵隊の出る背嚢、大砲の鳴る帽子、町を崩す角笛を手に入れる。王女にだまされて道具を奪われても、最後の角笛で国じゅうを崩して王になる。

1819年に本文から消え、同じ型でより整った「背嚢と帽子と角笛」(KHM 54)が入った一次(版の対応表)。兄弟の注は、結末がフォルトゥナトゥス伝説に似ていると書く一次。差し替えと見てよいが、兄弟の明言はない推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

Zu der Serviette, dem Kanonenhütlein und dem Horn. No. 37.

Der Schluß hat eine deutliche Uebereinstimmung mit dem Fortunat. – Ein dänisches Volksblatt aus Kopenhagen: Lykkens flyvende Fane. Historie om tre fattige Skraedere, der vedPillegrimsrejse kom til stor Vaerdighed og Velstand: erzählt das Märchen folgendergestalt: drei arme Schneider, die am Handwerk nicht viel verdienen, nehmen Abschied von Weib und Kind, wollen in die Welt ziehen und ihr Glück versuchen. Sie kommen in eine Wüste zu einem Berg, wo ein Zauberer wohnt, der Berg steht, Sommer und Winter grün, voll Blumen und Früchten und um Mittag und Mitternacht wird alles zu dem feinsten Silber. Der älteste füllt sich seinen Bündel, und alle Taschen mit den schönsten Silber-Blumen und Früchten, geht nach Haus, wirft Nadel und Bügeleisen unter den Tisch, und wird ein reicher Handelsmann. Die zwei andern denken zu dem Berg können wir wieder, wenn wir wollen, zurückgehen, wir wollen unser Glück weiter versuchen und wandern fort. Sie kommen zu einer großen Eisenpforte, die geht von selbst auf, nachdem sie dreimal daran geklopft. Sie treten in einen Garten, da hängen die Bäume voll Goldäpfel. Der zweite Schneider bricht sich so viel ab, als sein Rücken tragen kann, nimmt Abschied und geht heim. Dort begiebt er sich auch zum Handel und wird ein noch größerer Kaufmann, als der erste, so daß man glaubt, der reiche Jude zu Hamburg stamme von ihm ab. Der dritte aber meint, der Garten mit den Goldäpfeln bleibt mir sicher, ich will noch weiter nach meinem Glück gehen; er irrt in der Wüstenei umher, und als er den Garten und den Silberberg wieder sucht, kann er ihn nicht finden. Endlich er zu einer großen Anhöhe, und hört auf einer Pfeife blasen, er geht näher und findet eine alte Hexe, die pfeift vor einer Heerde Gänse, die bei dem Ton mit den Flügeln schlugen, und auf der Alten auf und nieder tanzten. Sie hatte sich schon 94 Jahre auf der Höhe mit dem Tod herumgezerrt, und konnte nicht sterben, bis die Gänse sie todt getreten, oder ein Christ kam, der sie mit Waffen todt schlug. Sobald sie seine Schritte hört, und er so nah ist, daß sie ihn sieht, bittet sie ihn, wenn er ein Christ sey, möge er sie mit der Keule, die an ihrer Seite da stehe, todtschlagen. Der Schneider will nicht, bis sie ihm sagt, er werde unter ihrem Haupt ein Tuch finden, welches, wie er es wünsche, auf ein paar Worte, voll der köstlichstenSpeisen stehe; da giebt er ihr einen Schlag auf den Hirnschädel, sucht und findet das Tuch, packt es gleich in seinen Bündel, und macht sich auf den Heimweg. Ein Reuter begegnet ihm und bittet ihn um ein Stück Brot, der Schneider sagt: „liefere mir deine Waffen aus, so will ich mit dir theilen,“ der Reuter, der doch Pulver und Blei im Krieg verschossen, thut das gern, der Schneider breitet sein Tuch aus, und tractirt den hungrigen Kriegsmann. Diesem gefällt das Tuch, und er bietet dem Schneider dafür seine wunderbare Patrontasche zum Tausch, wenn man auf die eine Seite klopft, kommen hunderttausend Mann zu Fuß und Pferd heraus, klopft man auf die andere, aller Art Musikanten. Der Schneider willigt ein, aber nachdem er die Patrontasche hat, beordert er zehn Mann zu Pferd, die müssen dem Reuter nachjagen und ihm das Tuch wieder abnehmen. Der Schneider kommt nun nach Haus; seine Frau wundert sich, daß er so wenig auf der Wanderschaft gewonnen. Er geht zu seinen ehemaligen Cammeraden, die unterstützen ihn reichlich, daß er eine Zeitlang davon mit Frau und Kind leben könne. Er aber ladet sie darauf zum Mittagsessen, sie mögten nicht stolz seyn, und ihn nicht verschmähen, sie machen ihm Vorwürfe, daß er alles auf einmal verschlemmen wolle, doch versprechen sie zu kommen. Wie sie sich zur bestimmten Zeit einfinden, ist nur die Frau zu Haus, die gar nichts von den Gästen weiß und fürchtet, ihr Mann sey im Kopf verwirrt. Endlich kommt der Schneider auch, heißt die Frau die Stube eilig rein machen, grüßt seine Gäste und entschuldigt sich, sie hätten es zu Haus besser, er habe nur sehen wollen, ob sie nicht stolz durch ihren Reichthum geworden. Sie setzen sich zu Tisch, aber es kommt keine Schüssel zum Vorschein, da breitet der Schneider sein Tuch aus, spricht seine Worte, und im Augenblick steht alles voll der kostbarsten Speisen. Ha! ha! denken die andern, ists so gemeint, du bist nicht so lahm, als du hinkst, und versichern ihm Liebe und Brüderschaft bis in den Tod. Der Wirth sagt, das sey gar nicht nöthig zu versichern, dabei schlägt er der Patrontasche auf eine Seite, alsbald kommen Spielleute und machen Musik, daß es eine Art hat. Dann klopft er auf die andere Seite, kommandirt Artillerie und hunderttausend Soldaten, die werfen einen Wall auf und führen Geschütz darauf, und so oft die drei Schneider trinken, feuern die Konstabeler ab. Der Fürst wohnte 4 Meilen davon und hört den Donner, also meint er die Feinde wären gekommen, und schickt einen Trompeter ab, der bringt die Nachricht zurück, ein Schneider feiere seinen Geburtstag, und mache sich lustig mit seinen guten Freunden. Der Fürst fährt selbst hinaus, der Schneider tractirt ihn auf seinem Tuch; dem Fürst gefällt das, und er bietet dem Schneider Ländereien und reichliches Auskommen dafür, der will aber nicht, sein Tuch ist ihm lieber, da hat er keine Sorge, Müh und Verdruß. Der Fürst faßt sich kurz, nimmt das Tuch mit Gewalt und fährt fort. Der Schneider hängt aber seine Patrontasche um und geht damit an des Fürsten Hof, und bittet um sein Tuch, bekommt aber einen Buckel voll Schläge. Da lauft er auf den Wall des Schlosses, läßt zwanzigtausend Mann aufmarschiren, die müssen ihre Stücke gegen das Schloß richten, und darauf los feuern. Da läßt der Fürst das Tuch herausbringen und demüthig bitten mit dem Feuer einzuhalten. Der Schneider läßt nun seine Mannschaft wieder ins Quartier rücken, geht heim und lebt vergnügt mit den zwei andern Schneidern.

Erster Band · Nr. 43 · 1812

Die wunderliche Gasterei奇妙なおよばれ

載った版初版〜1819年版行方1837年、第3版で消えた分類別の話へ怖さ††

Auf eine Zeit lebte eine Blutwurst und eine Leberwurst zusammen, und die Blutwurst bat die Leberwurst zu Gast. Wie es Essenszeit war, ging die Leberwurst ganz vergnügt zu der Blutwurst, als sie aber in die Hausthüre trat, sah sie allerlei wunderliche Dinge, auf jeder Stiege der Treppe, deren viele waren, immer etwas anderes, da war ein Besen und eine Schippe, die sich miteinander schlugen, dann ein Affe mit einer großen Wunde am Kopf und dergleichen mehr.

昔あるとき、血のソーセージとレバーソーセージがいっしょに暮らしていて、血のソーセージがレバーソーセージを食事に招いた。食事の時刻になると、レバーソーセージはすっかりうきうきして血のソーセージのところへ出かけた。ところが玄関の戸口をくぐると、いろいろと奇妙なものが目に入った。階段にはたくさんの段があったが、その一段一段に、それぞれ違ったものがあった。箒とシャベルが殴りあっているかと思えば、頭に大きな傷を負った猿がいたり、そういったものがまだまだあった。

Die Leberwurst war ganz erschrocken und bestürzt darüber, doch nahm sie sich ein Herz ging in die Stube und wurde von der Blutwurst freundschaftlich empfangen. Die Leberwurst hub an, sich nach den seltsamen Dingen zu erkundigen, die draußen auf der Treppe wären, die Blutwurst that aber, als hörte sie es nicht, oder als sey es nicht der Mühe werth davon zu sprechen, oder sie sagte etwa von der Schippe und Besen: „es wird meine Magd gewesen seyn, die auf der Treppe mit jemand geschwätzt,“ und brachte die Rede auf etwas anderes.

レバーソーセージはすっかりおびえてうろたえたが、それでも勇気をふるって部屋に入っていくと、血のソーセージに親しげに迎えられた。レバーソーセージは、外の階段にあった奇妙なものについてたずねはじめたが、血のソーセージは聞こえないふりをするか、話すほどの値打ちもないというふうにするか、あるいはシャベルと箒について、「きっとうちの女中が階段で誰かとおしゃべりしていたんでしょう」などと言って、話をほかのことへそらしてしまった。

Die Blutwurst ging darauf hinaus, und sagte, sie müsse in der Küche nach dem Essen sehen, ob alles ordentlich angerichtet werde, und nichts in die Asche geworfen. Wie die Leberwurst derweil in der Stube auf und abging, und immer die wunderlichen Dinge im Kopf hatte, kam jemand, ich weiß nicht, wers gewesen ist, herein und sagte: „ich warne dich, Leberwurst, du bist in einer Blut- und Mörderhöhle, mach dich eilig fort, wenn dir dein Leben lieb ist.“ Die Leberwurst besann sich nicht lang, schlich die Thür hinaus und lief, was sie konnte, sie stand auch nicht eher still, bis sie aus dem Haus mitten auf der Straße war. Da blickte sie sich um, und sah die Blutwurst oben im Bodenloch stehen mit einem langen, langen Messer, das blinkte, als wärs frisch gewetzt, damit drohte sie, und rief herab:

それから血のソーセージは出ていこうとして、台所へ料理の様子を見にいかなくてはならない、ちゃんと盛りつけられているか、灰の中に何か落とされていないか見てこなくては、と言った。そのあいだレバーソーセージは部屋の中を行ったり来たりしながら、あの奇妙なもののことが頭から離れなかったが、そこへ誰かが――誰だったかわたしは知らないが――入ってきて言った。「忠告しておくよ、レバーソーセージ。おまえは血と人殺しの巣窟にいるんだ。命が惜しかったら、さっさと逃げだすがいい」。レバーソーセージはぐずぐず考えたりせず、そっと戸口から抜けだして、力のかぎり走った。家を出て通りのまんなかに出るまで、一度も立ちどまらなかった。そこでふりかえってみると、血のソーセージが屋根裏の窓に立って、長い長い包丁を手にしていた。包丁はたった今研いだばかりのようにぎらぎら光っていた。血のソーセージはそれをふりかざして脅しながら、下へ向かって叫んだ。

„hätt ich dich, so wollt ich dich!“

「おまえをつかまえたら、こうしてやったのに!」

Kommentar解説

血のソーセージに招かれたレバーソーセージが、階段で殴りあう箒とシャベル、頭に大きな傷のある猿を見る。見知らぬ誰かに「ここは血と人殺しの巣窟だ」と告げられて逃げ出すと、屋根裏の窓から、研いだばかりの長い包丁を振りかざした血のソーセージが叫ぶ。

第2版(1819)までは残り、1837年の第3版で同じ番号に「トルーデおばさん」が入った一次。娘が魔女の家へ行く途中で次々に怪しいものを見る、同じ型の話である。1856年の注は「トルーデおばさん」を「以前の版より良く、より完全な語り」と呼んでいる一次。より良い話への差し替えと読める推定。

Erster Band · Nr. 54 · 1812

Hans Dummばかのハンス

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類理由不明

Es war ein König, der lebte mit seiner Tochter, die sein einziges Kind war, vergnügt: auf einmal aber brachte die Prinzessin ein Kind zur Welt, und niemand wußte, wer der Vater war; der König wußte lang nicht, was er anfangen sollte, am Ende befahl er, die Prinzessin solle mit dem Kind in die Kirche gehen, da sollte ihm eine Citrone in die Hand gegeben werden, und wem es die reiche, solle der Vater des Kinds und Gemahl der Prinzessin seyn. Das geschah nun, doch war der Befehl gegeben, daß niemand als schöne Leute in die Kirche sollten eingelassen werden. Es war aber in der Stadt ein kleiner, schiefer und buckelichter Bursch, der nicht recht klug war, und darum der Hans Dumm hieß, der drängte sich ungesehen zwischen den andern auch in die Kirche, und wie das Kind die Citrone austheilen sollte, so reichte es sie dem Hans Dumm. Die Prinzessin war erschrocken, der König war so aufgebracht, daß er sie und das Kind mit dem Hans Dumm in eine Tonne stecken und aufs Meer setzen ließ. Die Tonne schwamm bald fort, und wie sie allein auf dem Meere waren, klagte die Prinzessin und sagte: „du garstiger, buckelichter, naseweiser Bub, bist an meinem Unglück Schuld, was hast du dich in die Kirche gedrängt, das Kind ging dich nichts an.“ – „O ja, sagte Hans Dumm, das ging mich wohl etwas an, denn ich habe es einmal gewünscht, daß du ein Kind bekämst, und was ich wünsche, das trifft ein.“ – „Wenn das wahr ist, so wünsch uns doch, was zu essen hierher.“ – „Das kann ich auch,“ sagte Hans Dumm, wünschte sich aber eine Schüssel recht voll Kartoffel, die Prinzessin hätte gern etwas Besseres gehabt, aber weil sie so hungrig war, half sie ihm die Kartoffel essen. Nachdem sie satt waren, sagte Hans Dumm: „nun will ich uns ein schönes Schiff wünschen!“ und kaum hatte er das gesagt, so saßen sie in einem prächtigen Schiff, darin war alles zum Ueberfluß, was man nur verlangen konnte. Der Steuermann fuhr grad ans Land, und als sie ausstiegen, sagte Hans Dumm: „nun soll ein Schloß dort stehen!“ Da stand ein prächtiges Schloß und Diener in Goldkleidern kamen und führten die Prinzessin und das Kind hinein, und als sie mitten in dem Saal waren, sagte Hans Dumm: „nun wünsch ich, daß ich ein junger und kluger Prinz werde!“ Da verlor sich sein Buckel, und er war schön und gerad und freundlich, und er gefiel der Prinzessin gut und ward ihr Gemahl.

ある王が、たったひとりの子である娘と楽しく暮らしていた。ところがある日、王女が突然子どもを産んだ。だれが父親なのか、だれにもわからなかった。王は長いあいだどうしたものかと思い悩んだが、とうとう、王女は子どもを連れて教会へ行け、そこで子どもの手にレモンを一つ持たせ、子どもがそのレモンを差し出した相手を子の父親とし、王女の夫とする、と命じた。そのとおりに事は運ばれたが、教会には見目のよい者しか入れてはならぬ、というお触れも出されていた。ところが町に、小さくて体がゆがみ、背中にこぶのある、あまり利口でない若者がいて、それで「ばかのハンス」と呼ばれていた。この若者が、だれにも見とがめられずに人々のあいだにまぎれて教会へ入りこんだ。そして子どもがレモンを渡すことになると、子どもはそれをばかのハンスに差し出した。王女は愕然とし、王は激怒して、王女と子どもをばかのハンスもろとも樽に詰めこみ、海に流させてしまった。樽はまもなく流されていった。海の上で三人きりになると、王女は嘆いて言った。「この醜い、こぶ背の、出しゃばり小僧!わたしがこんな不幸な目にあうのはおまえのせいよ。なんだって教会になんか押しかけたの。あの子はおまえにはなんのかかわりもないのに」。――「いいや」とばかのハンスは言った。「おおありさ。だっておれ、いつだったか、あんたに子どもができればいいって願ったんだもの。おれが願ったことは、そのとおりになるんだ」。――「それが本当なら、ここに何か食べるものを願い出してちょうだい」。――「それもできるよ」とばかのハンスは言ったが、願ったのはじゃがいもを山盛りにした鉢だった。王女はもっとましなものがほしかったが、ひどくお腹が空いていたので、ハンスと一緒にじゃがいもを食べた。腹がいっぱいになると、ばかのハンスは言った。「さあ、今度はおれたちに立派な船を願ってやろう!」そう言うか言わないかのうちに、三人は見事な船に乗っていた。船の中には、ほしいと思うものがなんでもあり余るほどそろっていた。舵取りがまっすぐ陸へ船を進め、三人が船を降りると、ばかのハンスは言った。「さあ、あそこに城が建つんだ!」すると見事な城が建っていて、金の衣を着た召使いたちがやって来て、王女と子どもを中へ案内した。そして三人が大広間のまんなかまで来ると、ばかのハンスは言った。「さあ、おれは若くて賢い王子になりたい!」すると背中のこぶは消え、彼は美しく、背筋もまっすぐで、感じのよい若者になった。王女は彼がすっかり気に入って、ハンスは王女の夫になった。

So lebten sie lange Zeit vergnügt; da ritt einmal der alte König aus, verirrte sich, und kam zu dem Schloß. Er verwunderte sich darüber, weil er es noch nie gesehen und kehrte ein. Die Prinzessin erkannte gleich ihren Vater, er aber erkannte sie nicht, er dachte auch, sie sey schon längst im Meer ertrunken. Sie bewirthete ihn prächtig, und als er wieder nach Haus wollte, steckte sie ihm heimlich einen goldenen Becher in die Tasche. Nachdem er aber fortgeritten war, schickte sie ein paar Reuter nach, die mußten ihn anhalten und untersuchen, ob er den goldenen Becher nicht gestohlen, und wie sie ihn in seiner Tasche fanden, brachten sie ihn mit zurück. Er schwur der Prinzessin, er habe ihn nicht gestohlen, und wisse nicht, wie er in seine Tasche gekommen sey, „darum, sagte sie, muß man sich hüten, jemand gleich für schuldig zu halten,“ und gab sich als seine Tochter zu erkennen. Da freute sich der König und sie lebten vergnügt zusammen, und nach seinem Tod, ward Hans Dumm König.

こうして二人は長いあいだ楽しく暮らした。あるとき、年老いた王が馬で出かけて道に迷い、その城にやって来た。王はそんな城を一度も見たことがなかったので不思議に思い、立ち寄った。王女はすぐに父だとわかったが、王のほうは娘だとわからなかった。それに王は、娘はとうの昔に海で溺れ死んだものと思っていた。王女は父を盛大にもてなし、王が帰ろうとすると、こっそり金の杯を一つ、王のポケットに忍ばせた。王が馬で立ち去ったあと、王女は騎馬の者を二、三人あとから差し向けた。彼らは王を呼び止めて、金の杯を盗んでいないか調べなければならなかった。そして王のポケットからそれが見つかると、王を連れて戻ってきた。王は王女に、自分は盗んでなどいない、どうしてポケットに入っていたのかもわからない、と誓った。「ですから」と王女は言った。「人をすぐに罪ありと決めつけてはならないのです」。そして自分が王の娘であることを明かした。王は喜び、みなで楽しく一緒に暮らした。そして王が亡くなると、ばかのハンスが王になった。

Kommentar解説

王女が父親のわからない子を産む。子どもがレモンを渡した相手が父親とされ、それは背中の曲がった愚かなハンスだった。ハンスは「子どもができればいい」と願っただけで、王女を身ごもらせていたのだ。三人は樽に入れて海に流されるが、ハンスの願いで船も城も手に入る。

Bolte & Polívkaによれば、1812年9月にカッセルのハッセンプフルーク家から聞いた話研究。兄弟の注はバジーレ『ペンタメローネ』のペルオントの話や、ストラパローラと比べている一次。

1819年に消え、同じ番号には「背嚢と帽子と角笛」が入った。削除の理由は兄弟も研究も書いていない不明。「願っただけの妊娠」が嫌われたという説明を見かけることがあるが、その典拠は見つからなかった。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

Zu Hans Dumm. No. 54.

Ausführlicher in Pentamerone I, 3. und bei Straparola auch recht gut III, 1.

Erster Band · Nr. 59 · 1812

Prinz Schwan白鳥王子

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類別の話へ

Es war ein Mädchen mitten in einem großen Wald, da kam ein Schwan auf es zugegangen, der hatte einen Knauel Garn, und sprach zu ihm: „ich bin kein Schwan, sondern ein verzauberter Prinz, aber du kannst mich erlösen, wenn du den Knauel Garn abwickelst, an dem ich fortfliege; doch hüte dich, daß du den Faden nicht entzwei brichst, sonst komm’ ich nicht bis in mein Königreich, und werde nicht erlöst; wickelst du aber den Knauel ganz ab, dann bist du meine Braut.“ Das Mädchen nahm den Knauel, und der Schwan stieg auf in die Luft, und das Garn wickelte sich leichtlich ab. Es wickelte und wickelte den ganzen Tag, und am Abend war schon das Ende des Fadens zu sehen, da blieb er unglücklicherweise an einem Dornstrauch hängen und brach ab. Das Mädchen war sehr betrübt und weinte, es wollt’ auch Nacht werden, der Wind ging so laut in dem Wald, daß ihm Angst ward, und es anfing zu laufen, was es nur konnte. Und als es lang gelaufen war, sah es ein kleines Licht, darauf eilte es zu, und fand ein Haus und klopfte an. Ein altes Mütterchen kam heraus, das verwunderte sich, wie es sah, daß ein Mädchen vor der Thüre war: „ei mein Kind, wo kommst du so spät her?“ – „Gebt mir doch heut Nacht eine Herberg, sprach es, ich habe mich in dem Wald verirrt; auch ein wenig Brod zu essen.“ – „Das ist ein schweres Ding, sagte die Alte ich gäbe dirs gern, aber mein Mann ist ein Menschenfresser, wenn der dich findet, so frißt er dich auf, da ist keine Gnade; doch, wenn du draußen bleibst, fressen dich die wilden Thiere, ich will sehen, ob ich dir durchhelfen kann.“ Da ließ sie es herein, und gab ihm ein wenig Brod zu essen, und versteckte es dann unter das Bett. Der Menschenfresser aber kam allemal vor Mitternacht, wenn die Sonne ganz untergegangen ist, nach Haus, und ging Morgens, ehe sie aufsteigt, wieder fort. Es dauerte nicht lang, so kam er herein: „ich wittre, ich wittre Menschenfleisch!“ sprach er und suchte in der Stube, endlich griff er auch unter das Bett und zog das Mädchen hervor: „das ist noch ein guter Bissen!“ Die Frau aber bat und bat, bis er versprach, die Nacht über es noch leben zu lassen, und morgen erst zum Frühstück zu essen. Vor Sonnenaufgang aber weckte die Alte das Mädchen: „eil dich, daß du fortkommst, eh mein Mann aufwacht, da schenk ich dir ein goldenes Spinnrädchen, das halt in Ehren: ich heiße Sonne.“ Das Mädchen ging fort und kam Abends an ein Haus, da war alles, wie am vorigen Abend, und die zweite Alte gab ihm beim Abschied eine goldene Spindel und sprach: „ich heiße Mond.“ Und am dritten Abend kam es an ein drittes Haus, da schenkte ihm die Alte einen goldenen Haspel und sagte: „ich heiße Stern, und der Prinz Schwan, ob gleich der Faden noch nicht ganz abgewickelt war, war doch schon so weit, daß er in sein Reich gelangen konnte, dort ist er König und hat sich schon verheirathet, und wohnt in großer Herrlichkeit auf dem Glasberg; du wirst heut Abend hinkommen, aber ein Drache und ein Löwe liegen davor und bewahren ihn, darum nimm das Brod und den Speck und besänftige sie damit.“ So geschahe es auch. Das Mädchen warf den Ungeheuern das Brod und den Speck in den Rachen, da ließen sie es durch, und es kam bis an das Schloßthor, aber in das Schloß selber ließen es die Wächter nicht hinein. Da setzte es sich vor das Thor, und fing an auf seinem goldenen Rädchen zu spinnen; die Königin sah von oben zu, ihr gefiel das schöne Rädchen, und sie kam herunter und wollte es haben. Das Mädchen sagte, sie solle es haben, wenn sie erlauben wollte, daß es eine Nacht neben dem Schlafzimmer des Königs zubrächte. Die Königin sagte es zu, und das Mädchen ward hinaufgeführt, was aber in der Stube gesprochen wurde, das konnte man alles in dem Schlafzimmer hören. Wie es nun Nacht ward, und der König im Bett lag, sang es:

大きな森のまんなかに、ひとりの娘がいた。そこへ一羽の白鳥が娘のほうへ歩いてきた。白鳥は糸玉をひとつ持っていて、娘に言った。「わたしは白鳥ではありません。魔法をかけられた王子なのです。でも、わたしがそれにつながって飛んでいくこの糸玉をほどいてくれれば、あなたはわたしを救うことができます。ただし、糸を切らないよう気をつけてください。切ってしまうと、わたしは自分の王国までたどり着けず、救われないのです。でも糸玉をすっかりほどききってくれたら、あなたはわたしの花嫁です」娘は糸玉を受け取った。白鳥は空へ舞い上がり、糸はするするとほどけていった。娘は一日じゅう糸をほどきにほどき、夕方にはもう糸の端が見えるところまで来た。ところが運悪く、糸はいばらの茂みに引っかかって切れてしまった。娘はたいそう悲しんで泣いた。夜にもなりかけていて、風が森の中であまりにもごうごうと鳴るので、娘はこわくなって、力のかぎり走りだした。長いこと走っていくと、小さな明かりが見えた。娘はそちらへ急いでいき、一軒の家を見つけて戸をたたいた。年とったおばあさんが出てきて、戸口に娘がいるのを見ると驚いた。「おやまあ、娘さん、こんなに遅く、どこから来たんだい?」――「今夜ひと晩泊めてください」と娘は言った。「森で道に迷ってしまったのです。それから、少しでいいのでパンを食べさせてください」――「それは困ったことだよ」とおばあさんは言った。「喜んでそうしてあげたいんだけれど、うちの亭主は人食いなんだよ。あの人がおまえを見つけたら、ぺろりと食べてしまう。情けも何もありゃしない。でも外にいたら、けだものに食べられてしまうしねえ。なんとか助けてあげられるか、やってみようかね」そうしておばあさんは娘を中に入れ、パンを少し食べさせてから、ベッドの下に隠した。人食いはいつも、日がすっかり沈んだ真夜中前に帰ってきて、朝、日がのぼる前にまた出かけていくのだった。まもなく人食いが入ってきた。「におうぞ、におうぞ、人間の肉のにおいがするぞ!」と言って、部屋の中を探し回り、とうとうベッドの下にも手を突っこんで、娘を引きずり出した。「こいつはなかなかうまそうな一口だわい!」けれどもおかみさんが頼みに頼んだので、人食いは、ひと晩はまだ生かしておいて、明日の朝食に食べることにすると約束した。ところが、日がのぼる前に、おばあさんは娘を起こした。「急いでお逃げ、亭主が目を覚まさないうちに。この金の糸車をあげよう。大事にしておくんだよ。わたしの名は太陽というんだ」娘はそこを立ち去り、夕方になるとまた一軒の家に着いた。そこでも何もかも前の晩と同じだった。二人めのおばあさんは、別れぎわに金の紡錘をくれて言った。「わたしの名は月というんだよ」三日めの晩、娘は三軒めの家に着いた。そこのおばあさんは金のかせ車をくれて言った。「わたしの名は星というんだよ。白鳥王子はね、糸はまだすっかりほどけてはいなかったけれど、もう自分の国にたどり着けるところまでは来ていたんだ。王子はあちらで王になっていて、もう結婚もして、ガラスの山の上でたいそうきらびやかに暮らしているよ。おまえは今晩そこへ着くだろうけれど、山の前には竜と獅子が寝そべって番をしている。だからこのパンとベーコンを持っていって、それでなだめておやり」そのとおりになった。娘が怪物たちの口にパンとベーコンを投げこむと、怪物たちは娘を通してくれた。娘は城の門まで来たが、番兵たちは城の中へは入れてくれなかった。そこで娘は門の前に座り、金の糸車で糸を紡ぎはじめた。王妃が上から見ていて、その美しい糸車が気に入り、下りてきてそれを欲しがった。娘は、王さまの寝室の隣の部屋でひと晩過ごさせてくださるなら差し上げます、と言った。王妃は承知し、娘は上へ案内された。ところが、その部屋で話すことは、寝室にすっかり聞こえるのだった。さて夜になって、王がベッドに入ると、娘は歌った。

„Denkt der König Schwan

「白鳥の王さま

noch an seine versprochene Braut Julian’?

約束の花嫁ユリアーネを まだ覚えていますか?

die ist gegangen durch Sonne, Mond und Stern,

花嫁は 太陽をこえ、月をこえ、星をこえ、

durch Löwen und durch Drachen:

獅子をこえ、竜をこえてきたのに。

will der König Schwan denn gar nicht erwachen?“

白鳥の王さまは どうしても目をさまさないの?」

Aber der König hörte es nicht, denn die listige Königin hatte sich vor dem Mädchen gefürchtet, und ihm einen Schlaftrunk gegeben, da schlief er so fest, und hätte das Mädchen nicht gehört, und wenn es vor ihm gestanden wäre. Am Morgen war alles verloren, und es mußte wieder vor das Thor, da setzte es sich hin und spann mit seiner Spindel, die gefiel der Königin auch, und es gab sie unter derselben Bedingung weg, daß es eine Nacht neben des Königs Schlafzimmer zubringen dürfe. Da sang es wieder:

けれども王には聞こえなかった。ずる賢い王妃が娘を恐れて、王に眠り薬を飲ませておいたのだ。それで王はぐっすり眠りこんでいて、たとえ娘が目の前に立っていたとしても、その声は聞こえなかっただろう。朝になると、何もかもむだになっていて、娘はまた門の前へ出なければならなかった。そこで娘は座って紡錘で糸を紡いだ。その紡錘も王妃の気に入ったので、娘は、王の寝室の隣でひと晩過ごさせてもらうという同じ条件で、それを手放した。そこで娘はまた歌った。

„Denkt der König Schwan,

「白鳥の王さま

nicht an seine versprochene Braut Julian’?

約束の花嫁ユリアーネを 覚えていないのですか?

die ist gegangen durch Sonne, Mond und Stern,

花嫁は 太陽をこえ、月をこえ、星をこえ、

durch Löwen und durch Drachen:

獅子をこえ、竜をこえてきたのに。

will der König Schwan denn gar nicht erwachen?“

白鳥の王さまは どうしても目をさまさないの?」

Der König aber schlief wieder fest von einem Schlaftrunk, und das Mädchen hatte auch seine Spindel verloren. Da setzte es sich am dritten Morgen mit seinem goldenen Haspel vor das Thor und haspelte. Die Königin wollte auch die Kostbarkeit haben, und versprach dem Mädchen, es sollte dafür noch eine Nacht neben dem Schlafzimmer bleiben. Es hatte aber den Betrug gemerkt, und bat den Diener des Königs, er mögte diesem heut Abend was anderes zu trinken geben. Da sang es noch einmal:

けれども王はまた眠り薬のせいでぐっすり眠っていて、娘は紡錘まで失ってしまった。そこで三日めの朝、娘は金のかせ車を持って門の前に座り、糸を繰った。王妃はこの宝物も欲しがって、そのかわりにもうひと晩寝室の隣にいさせてやると娘に約束した。けれども娘はもう企みに気づいていたので、王の召使いに、今晩は王さまに何か別のものを飲ませてくれるよう頼んだ。そうして娘はもう一度歌った。

„Denkt der König Schwan

「白鳥の王さま

nicht an seine versprochene Braut Julian’?

約束の花嫁ユリアーネを 覚えていないのですか?

die ist gegangen durch Sonne, Mond und Stern,

花嫁は 太陽をこえ、月をこえ、星をこえ、

durch Löwen und durch Drachen:

獅子をこえ、竜をこえてきたのに。

will der König Schwan, denn gar nicht erwachen?“

白鳥の王さまは どうしても目をさまさないの?」

Da erwachte der König; wie er ihre Stimme hörte, erkannte sie und fragte die Königin: „wenn man einen Schlüssel verloren hat und ihn wieder findet, behält man dann den alten oder den neugemachten?“ Die Königin sagte: „ganz gewiß den alten.“ – „Nun, dann kannst du meine Gemahlin nicht länger seyn, ich habe meine erste Braut wieder gefunden.“ Da mußte am andern Morgen die Königin zu ihrem Vater wieder heimgehen, und der König vermählte sich mit seiner rechten Braut, und die lebten so lang vergnügt, bis sie gestorben sind.

すると王は目を覚まし、娘の声を聞いて、それがだれだかわかった。そして王妃にたずねた。「鍵をなくして、それがまた見つかったとしたら、古いほうの鍵を取っておくか、それとも新しく作ったほうか?」王妃は言った。「もちろん古いほうですわ」――「では、おまえはもうわたしの妃ではいられない。わたしは最初の花嫁をまた見つけたのだ」そこで翌朝、王妃は父親のもとへ帰らなければならなかった。王はほんとうの花嫁と結婚し、二人は死ぬまで楽しく暮らした。

Kommentar解説

白鳥にされた王子を救うため、娘が糸玉をほどく。糸が茨に引っかかって切れ、王子は飛び去る。娘は太陽・月・星の家を訪ねて金の道具をもらい、ガラスの山で別の妃と結婚していた王子のもとへ三晩通う。

1856年の注釈巻では「鉄のストーブ」(KHM 127)の注に、異話としてまとめられている一次。同じ型の話は本文に一つあれば足りると判断された、と見られる推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

Zu Prinz Schwan. No. 59.

Aehnlich damit das Märchen von den drei Gürteln in der Braunschw. Samml. S. 122-150. Die Königin erhält von einer Fee, der sie als einer alten bösen Hexe unermüdlich Beistand geleistet, drei Gürtel, so lang die nicht entzwei gingen, könne sie an die Liebe und Treue ihres abwesenden Gemahls glauben. Als zwei davon geplatzt sind, verkleidet sie sich in eine Pilgerin und zieht ihm nach. In einem großen Wald, durch den sie geht, fallen ihr nach einander drei goldne Nüsse vor die Füße, die sie aufhebt und mitnimmt. Sie kommt zu einem Müller, der sie für seine Base ausgeben will, und ihr einen andern Namen giebt. Hier findet sie der König, und ohne sie wiederzuerkennen, verliebt er sich in sie. Sie zeigt sich ihm geneigt, wie er sie aber umarmen will, platzt der dritte Gürtel, sie erschrickt und bittet ihn die Hausthüre zuzumachen, deren Schlagen sie nicht hören könne. Wie er aber eine zumacht, springt eine andere wieder auf und so fort, daß er die ganze Nacht nichts zu thun hat, als Thüren zuzumachen. Der König ist dadurch gekränkt, kommt nicht wieder, und will sich mit der Prinzessin, die seine Braut ist, vermählen. Die Königin macht ihre erste Goldnuß auf, da ist das prächtigste Nähzeug und Nähkästchen darin, damit geht sie zum Schloß, setzt sich den Fenstern der Prinzessin gegenüber und näht. Die Prinzessin sieht sie und trägt großen Gefallen an dem Nähzeug, sie tauscht es für das Recht ein, die erste Nacht bei dem König zubringen zu dürfen. Am andern Tag öffnet diese die zweite Nuß, findet eine köstliche Spindel darin, spinnt damit vor der Prinzessin und vertauscht sie für die zweite Nacht, endlich auch das Geschmeide, welches die dritte Nuß in sich faßte, für die dritte Nacht. Wie der Hochzeitstag nun vorbei ist, wird die Königin zum König geführt, da entdeckt sie sich als seine Gemahlin; am dritten Morgen beruft er einen Rath und legt die Frage von dem Schlüssel vor, den er zu einem goldnen Vorlegeschloß verloren, und wiedergefunden, ob er den alten oder den neuen gebrauchen solle. Die Prinzessin entscheidet selber für den alten und demnach für ihre Trennung.

Erster Band · Nr. 60 · 1812

Das Goldei金の卵

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類別の話へ

Es waren einmal ein paar arme Besenbindersjungen, die hatten noch ein Schwesterchen zu ernähren, da ging es ihnen allen knapp und kümmerlich. Sie mußten alle Tage in den Wald und sich Reisig holen, und wenn die Besen gebunden waren, verkaufte sie das Schwesterchen. Einsmals gingen sie in den Wald, und der jüngste stieg auf einen Birkenbaum, und wollte die Aeste herabhauen, da fand er ein Nest, und darin saß ein dunkelfarbiges Vögelchen, dem schimmerte etwas durch die Flügel, und weil das Vögelchen gar nicht wegflog, und auch nicht scheu that, hob er den Flügel auf und fand ein goldenes Ei, das nahm er und stieg da mit herab. Sie freuten sich über ihren Fund, und gingen damit zum Goldschmid, der sagte, es sey feines Gold und gab ihnen viel Geld dafür. Am andern Morgen gingen sie wieder in den Wald, und fanden auch wieder ein Goldei, und das Vöglein ließ es sich geduldig nehmen, wie das vorigemal. Das währte eine Zeitlang, alle Morgen holten sie das Goldei und waren bald reich: eines Morgens aber sagte der Vogel: „nun werde ich keine Eier mehr legen, aber bringt mich zu dem Goldschmidt, das wird euer Glück seyn.“ Die Besenbindersjungen thaten, wie es sprach und brachten es dem Goldschmidt getragen, und als es allein mit diesem war, sang es:

むかし、ほうき作りの貧しい兄弟がふたりいた。ふたりはそのうえ妹をひとり養わなければならなかったので、三人ともかつかつの、みじめな暮らしをしていた。兄弟は毎日森へ行って柴を取ってこなければならず、ほうきができあがると、妹がそれを売りに行った。あるとき、ふたりが森へ行くと、弟のほうが白樺の木に登って枝を切り落とそうとした。すると巣がひとつあって、その中に黒っぽい色の小鳥がとまっていた。小鳥の翼のあいだから何かがきらきらと光って見えた。小鳥はちっとも飛び立とうとせず、怖がるそぶりも見せなかったので、弟が翼を持ちあげてみると、金の卵がひとつあった。弟はそれを取って木から降りた。ふたりはこの掘り出しものを喜んで、それを持って金細工師のところへ行った。金細工師は、これは純金だと言って、たくさんのお金をくれた。あくる朝、ふたりはまた森へ行き、また金の卵を見つけた。小鳥はこの前と同じように、おとなしく卵を取らせてくれた。そういうことがしばらくつづいた。毎朝ふたりは金の卵を取ってきて、まもなく金持ちになった。ところがある朝、鳥が言った。「もう卵は産まないよ。でもわたしを金細工師のところへ連れておいき。それがおまえたちの幸運になるだろう」ほうき作りの兄弟は鳥の言うとおりにして、金細工師のところへ鳥を運んでいった。鳥は金細工師とふたりきりになると、こう歌った。

„Wer ißt mein Herzlein,

「わたしの小さな心臓を食べた者は

wird bald König seyn;

じきに王さまになるだろう

wer ißt mein Leberlein,

わたしの小さな肝臓を食べた者は

findet alle Morgen unterm Kissen ein Goldbeutlein!“

毎朝まくらの下に 金の小袋を見つけるだろう!」

Wie der Goldschmidt das hörte, rief er die beiden Jungen und sagte: „laßt mir den Vogel, und ich will euer Schwesterlein heirathen.“ Die zwei sagten ja, und da ward nun Hochzeit gehalten. Der Goldschmidt aber sprach: „ich will zu meiner Hochzeit den Vogel essen, ihr zwei, bratet ihn am Spieße, und habt Acht, daß er nicht verdirbt, und bringt ihn herauf, wenn er gaar ist;“ er dachte aber, dann wolle er Herz und Leber herausnehmen und essen. Die beiden Brüder standen am Spieß und drehten ihn herum, wie sie ihn so herumdrehen, und der Vogel bald gebraten ist, fällt ein Stückchen heraus. „Ei, sagt der eine, das muß ich probiren!“ und aß das auf. Bald darnach fiel noch ein Stückchen heraus: „das ist für mich,“ sagte der andere, und läßt sich das schmecken. Das war aber das Herzlein und Leberlein, was sie gegessen hatten, und sie wußten nicht, was für Glück ihnen damit beschert war.

金細工師はそれを聞くと、ふたりの兄弟を呼んで言った。「この鳥をわしに譲っておくれ。そうしたら、おまえたちの妹を嫁にもらおう」ふたりは承知して、さっそく婚礼が開かれることになった。ところが金細工師は言った。「わしは婚礼でこの鳥を食べたい。おまえたちふたりで串に刺して焼いておくれ。だめにしないよう気をつけて、焼けあがったら上へ持ってきておくれ」金細工師は、そうしたら心臓と肝臓を取り出して食べてやろう、と考えていたのだった。ふたりの兄弟は焼き串の前に立って、串をくるくる回した。そうして回しているうちに、鳥がそろそろ焼きあがるころ、小さなかけらがひとつ落ちる。「おや」とひとりが言う。「こいつは味見しなくちゃ!」そしてそれを食べてしまった。まもなくまたひとかけら落ちた。「こいつはおれのだ」ともうひとりが言って、うまそうに平らげる。ところがふたりが食べたのは、あの小さな心臓と小さな肝臓だったのだ。ふたりは、それでどんな幸運が授けられたのか、知りもしなかった。

Darnach war der Vogel gebraten, und sie trugen ihn zu der Hochzeitstafel; der Goldschmidt schnitt ihn auf, und wollte geschwind Herz und Leber essen, aber da war beides fort. Da ward er giftig bös und schrie: „wer hat Herz und Leber von dem Vogel gegessen?“ „Das werden wir gethan haben, sagten sie, es sind ein paar Stückchen herausgefallen beim Umwenden, die haben wir genommen.“ – „Habt ihr Herz und Leber gegessen, so mögt ihr auch eure Schwester behalten!“ und jagte sie in seinem Zorn alle fort. –

やがて鳥は焼きあがり、ふたりはそれを婚礼の食卓へ運んでいった。金細工師は鳥を切りひらいて、すぐさま心臓と肝臓を食べようとしたが、どちらもなくなっていた。金細工師はかんかんに怒って叫んだ。「鳥の心臓と肝臓を食べたのはだれだ?」「それなら、ぼくたちでしょう」とふたりは言った。「ひっくりかえしているときに、かけらがふたつ落ちたので、それを食べました」――「心臓と肝臓を食べたのなら、妹もおまえたちが引きとるがいい!」そして金細工師は腹立ちまぎれに、三人ともみな追い出してしまった。――

(Fragment.)

(断片)

Kommentar解説

ほうき作りの兄弟が、金の卵を産む鳥を見つける。その心臓を食べた者は王になり、肝臓を食べた者は毎朝枕の下に金を見つける。知らずにそれを食べたのは兄弟だった。初版では「(断片)」として途中で終わる。

1819年の「二人兄弟」(KHM 60)の冒頭に取りこまれた一次(1856年注)。消えたのではなく、より完全な話の一部になった例。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版第1巻付録

Zu dem Goldei. No. 60.

In der Erfurter Sammlung S. 1-58. aber schlecht erzählt: der Vogel, der jeden Morgen ein Goldei legt entflieht dem Prinzen Gunild, ein Bauer fängt ihn und von diesem bekommt ihn ein Goldschmidt, der auf den Flügeln liest: „wer meinen Kopf ißt unter dessen Kopfkissen werden täglich tausend Ducaten liegen; wer mein Herz ißt, wird König in Akindilla werden,“ und ihn darum dem Ynkas, seinem Schwestersohn zum Braten giebt; dieser ißt unschuldig beides und entflieht dann bei den Drohungen des zornigen Goldschmidts, der sich getäuscht sieht. Indeß geht der Ausspruch in Erfüllung; hineingezogen ist die dem Fortunat ähnliche Sage von den zweierlei Aepfeln, wovon einer alt und häßlich, der andere wieder jung und gesund macht und wodurch die treulose Gemahlin bestraft und gebessert wird.

bei dem Herz, das die Besenbindersjungen unversehens essen, ist sich zu erinnern an Loki, der das halbverbrannte Herz (Hyndluliod 37.) und an den Fuchs der äsopischen Fabel (Furia 356. Coray 358.) der das zufällig herausfallende Herz der Hindin verzehrt. Der Löwe fragt wie der Goldschmied danach, allein der Fuchs giebt ihm hier eine moralisch, witzige, statt der mythischen Antwort. Vermuthlich gehört eben darum auch die Fabel vom Koch und Hund hieher (Furia 227.)

初版第2巻付録

Num. 60. (Goldei.) Bey dem Herz, das die beiden unversehens essen, ist an Loki zu erinnern, der das halbverbrannte (Hyndluliod 37.) und an den Fuchs der äsopischen Fabel, (Furia 356. Coray 358.) der das von ohngefähr herausfallende Herz der Hündin verzehrt. Der Löwe fragt wie der Goldschmidt darnach, allein der Fuchs gibt ihm hier eine moralisch witzige, statt der mythischen Antwort. Vermuthlich gehört eben darum auch die Fabel vom Koch und Hund hierher (Furia 227).

Erster Band · Nr. 61 · 1812

Von dem Schneider, der bald reich wurdeたちまち金持ちになった仕立屋

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類理由の明記怖さ†

Ein armer Schneider ging einmal zur Winterszeit über das Feld, und wollte seinen Bruder besuchen. Unterwegs fand er eine erfrorne Droßel, sprach zu sich selber: „was größer ist als eine Laus, das nimmt der Schneider mit nach Haus!“ hob also die Droßel auf, und steckte sie zu sich. Wie er an seines Bruders Haus kam, guckte er erst zum Fenster hinein, ob sie auch zu Haus wären, da sah er einen dicken Pfaffen bei der Frau Schwägerin sitzen vor einem Tisch, auf dem stand ein Braten und eine Flasche Wein; indem klopfte es an die Hausthüre, und der Mann wollte herein, da sah er, wie die Frau den Pfaffen geschwind in einen Kasten schließt, den Braten in den Ofen stellt, und den Wein ins Bett schob. Nunmehr ging der Schneider selbst ins Haus, und bewillkommte seinen Bruder und seine Schwägerin, setzte sich aber auf den Kasten nieder, darin der Pfaff steckte. Der Mann sprach: „Frau, ich bin hungrig, hast du nichts zu essen?“ – „Nein, es thut mir leid, es ist aber heute gar nichts im Haus.“ – Der Schneider aber zog seine erfrorene Droßel heraus, da sprach sein Bruder: „mein, was thutst du mit der gefrorenen Droßel?“ – „Ei! die ist viel Geld werth, die kann wahr sagen!“ – „Nun so laß sie einmal wahrsagen.“ – Der Schneider hielt sie ans Ohr und sprach: „die Droßel sagt: es stünde eine Schüssel voll Braten im Ofen.“ – Der Mann ging hin und fand den Braten: „was sagt die Droßel weiter?“ – „Im Bett stecke eine Flasche Wein.“ Der fand auch den Wein: „ei, die Droßel mögt ich haben, die verkauf mir doch.“ – „Du kannst sie kriegen, wenn du mir den Kasten giebst, worauf ich sitze.“ Der Mann wollte gleich, die Frau aber sagte: „nein, das geht nicht, der Kasten ist mir gar zu lieb, den geb ich nicht weg;“ der Mann aber sprach: „stell dich doch nicht so dumm, was nützt dir so ein alter Kasten;“ gab damit dem Bruder den Kasten für den Vogel.

ある冬のこと、ひとりの貧しい仕立屋が、兄を訪ねようと野原を歩いていた。途中で凍え死んだつぐみを一羽見つけ、ひとりごとを言った。「しらみより大きけりゃ、仕立屋さまのお持ち帰り!」 そこでつぐみを拾いあげ、ふところにしまった。兄の家に着くと、家の者がいるかどうか、まず窓からのぞいてみた。すると、太った坊主が兄嫁といっしょにテーブルについているのが見えた。テーブルには焼き肉とぶどう酒が一瓶のっていた。そのとき戸口をたたく音がして、亭主が入ってこようとした。すると、おかみが坊主を大急ぎで長持に閉じこめ、焼き肉をかまどに入れ、ぶどう酒をベッドに押しこむのが見えた。そこで仕立屋もようやく家に入り、兄と兄嫁にあいさつしたが、腰をおろしたのは、坊主が隠れている長持の上だった。亭主が言った。「おい、腹がへった。何か食うものはないか?」――「あいにくだけど、今日は家に何にもないのよ」――ところが仕立屋が凍ったつぐみを取り出すと、兄が言った。「おやまあ、そんな凍ったつぐみをどうするんだ?」――「いやいや、こいつはたいした値打ちものさ。占いができるんだ!」――「それじゃひとつ占わせてみろ」――仕立屋はつぐみを耳にあてて言った。「つぐみが言うには、かまどの中に焼き肉が一皿入っているそうだ」――亭主が行ってみると、焼き肉があった。「つぐみはほかに何と言っている?」――「ベッドの中にぶどう酒が一瓶隠れているとさ」 亭主はぶどう酒も見つけた。「いやあ、そのつぐみが欲しいなあ。ぜひおれに売ってくれ」――「おれが座っているこの長持をくれるんなら、やってもいいよ」 亭主はすぐにも承知しようとしたが、おかみが言った。「だめよ、それはいけないわ。その長持はとっても大事なものなの。人にはやれないわ」 けれども亭主は言った。「ばかなことを言うな。そんな古い長持が何の役に立つ」 そうして、鳥とひきかえに長持を弟にやってしまった。

Der Schneider nahm den Kasten auf einen Schubkarren, und fuhr ihn fort: unterwegs sprach er: „ich nehm den Kasten und werf ihn ins Wasser, ich nehm den Kasten und werf ihn ins Wasser!“ Endlich regte sich der Pfaff inwendig und sagte: „ihr wißt viel was in dem Kasten ist, laßt mich heraus, ich will euch 50 Thaler geben.“ – „Ja, dafür will ich es schon thun,“ ließ ihn heraus, und ging mit dem Gelde heim. Die Leute wunderten sich, wo er das viele Geld her habe, er aber sprach: „ich will euch sagen, die Felle stehen in so hohem Preis, da hab ich meine alte Kuh geschlachtet und fürs Fell so viel gelöst.“ Die Leute im Dorf wollten auch davon profitiren, waren her und schnitten allen ihren Ochsen, Kühen und Schafen die Hälse ab, und trugen die Felle in die Stadt, wofür sie aber blutwenig lösten, weil ihrer so viel auf einmal feilgeboten wurden. Da ärgerten sich die Bauern über den Schaden, und warfen dem Schneider Dreck und ander schlechtes Zeug vor seine Thür. Der aber that alles in seinen Kasten, ging damit in die Stadt in einen Gasthof, und bat den Wirth, ob er ihm nicht den Kasten, worin die größten Kostbarkeiten wären, eine Zeit lang verwahren wolle, bei ihm wären sie nicht sicher? Der Wirth sagte recht gern, und nahm den Kasten zu sich, einige Zeit darnach kam der Schneider, forderte ihn wieder zurück und machte ihn auf, um zu sehen, ob noch alles darin wäre. Wie er nun aber voll Dreck ist, so tobte er abscheulich, beschimpfte den Wirth und drohte ihn zu verklagen, so daß der Wirth, welcher Aufsehen scheute, und für seinen Credit fürchtete, ihm gern hundert Thaler gab. Die Bauern ärgerten sich wieder, daß dem Schneider alles zum Profit ausschlug, was sie ihm Leides anthaten, nahmen den Kasten, steckten ihn mit Gewalt hinein, setzten ihn aufs Wasser, und ließen ihn fortfließen. Der Schneider schwieg eine Weile still, bis er eine Ecke fortgeflossen war, dann rief er überlaut: „nein, ich thus nicht! und ich thus nicht! und wenns die ganze Welt haben wollte.“ Das Geschrei hörte ein Schäfer und fragte: „was willst du denn nicht thun?“ – „Ei, sagte der Schneider, da ist ein König, der hat die närrische Grille und besteht drauf, daß, wer in diesem Kasten den Strom hinuntergeschwommen kommt, seine einzige schöne Tochter heirathen soll, aber ich hab’ einmal meinen Kopf drauf gesetzt, und thus nicht, und wenns die ganze Welt haben wollt.“ – „Hört einmal, geht das nicht, daß sich ein anderer in den Kasten setzt und die Königstochter kriegt?“ – „O ja, das geht auch.“ – „So will ich mich an eure Stelle hineinsetzen.“ Da stieg der Schneider aus, der Schäfer ein; der Schneider machte den Kasten noch zu, und der Schäfer ging bald unter. Der Schneider aber nahm die ganze Heerde des Schäfers und trieb sie heim.

仕立屋は長持を手押し車にのせて運んでいった。道々、彼は言った。「この長持を持っていって、水に放りこんでやろう。この長持を持っていって、水に放りこんでやろう!」 とうとう中の坊主がもぞもぞ動いて言った。「この長持に何が入っているか、あんたはご存じないんだ。出してくれ、ターラー銀貨を五十枚やるから」――「よし、それならお安いご用だ」 仕立屋は坊主を出してやり、その金を持って家へ帰った。村の人たちは、あの男はどこからあんな大金を手に入れたのかと不思議がった。けれども仕立屋は言った。「教えてやろう。いま皮がとんでもない高値なんだ。それでうちの年とった牛をつぶしたら、皮だけでこれだけになったのさ」 村の人たちも自分たちもひともうけしようと、さっそく雄牛も雌牛も羊も一頭残らず首をかき切って、その皮を町へ運んでいった。ところが一度にあまりたくさんの皮が売りに出されたので、ほんのはした金にしかならなかった。百姓たちはこの損に腹を立て、仕立屋の家の戸口に汚物やらなにやら汚いものを投げつけた。ところが仕立屋はそれをみんな長持に詰めて、町の宿屋へ持っていき、主人に頼んだ。この長持にはこのうえない宝物が入っているのだが、自分のところでは物騒なので、しばらく預かってもらえないだろうか、と。主人は喜んで引き受け、長持を預かった。しばらくして仕立屋がやってきて、長持を返してくれと言い、中身がそっくり残っているか確かめようとふたを開けた。ところが中は汚物でいっぱいだったので、仕立屋はものすごい剣幕でわめきたて、主人をののしり、訴えてやると脅した。主人は騒ぎになるのを嫌い、店の信用にかかわるのを恐れて、すすんでターラー銀貨を百枚さしだした。百姓たちは、自分たちが仕立屋にどんなひどいことをしても、何もかもあいつのもうけになってしまうのがまた腹立たしく、長持を持ってきて仕立屋を無理やりその中に押しこみ、水に浮かべて流してしまった。仕立屋はしばらくじっと黙っていたが、しばらく流されたところで、大声でわめいた。「いやだ、おれはやらないぞ! やるもんか! たとえ世界じゅうがそうしろと言ったって」 そのわめき声をひとりの羊飼いが聞きつけて、たずねた。「いったい何をやらないってんだい?」――「いやなに」と仕立屋は言った。「ある王さまが妙な気まぐれを起こしてね、この長持に入って川を流れてきた者が、自分のひとり娘のきれいな王女と結婚しなけりゃならないと言い張っているんだ。だけどおれはいったんこうと決めたからには、やらないったらやらない。たとえ世界じゅうがそうしろと言ったってね」――「ねえ、ちょっと。だれかほかの者が長持に入って、王女さまをもらうってわけにはいかないのかい?」――「ああ、それでもかまわないさ」――「それじゃ、おれがあんたのかわりに入ろう」 そこで仕立屋が出て、羊飼いが入った。仕立屋は長持のふたをしっかり閉めてやり、羊飼いはまもなく沈んでしまった。仕立屋はというと、羊飼いの羊の群れをそっくりいただいて、家へ追っていった。

Die Bauern aber wunderten sich, wie das zugegangen, daß er wieder käme, und obendrein die vielen Schaafe hätte. Der Schneider sagte: „ich war untergesunken, tief, tief! da fand ich auf dem Grund die ganze Heerde, und nahm sie mit heraus.“ Die Bauern wollten sich da auch Schafe holen, und gingen mit einander hinaus ans Wasser; den Tag war der Himmel ganz blau mit kleinen weißen Wolken, da riefen sie: „wir sehen schon die Lämmer unten auf dem Grund!“ Da sprach der Schulz: „ich will erst hinunter, und mich umsehen, und wenn es gut ist, will ich euch rufen.“ Wie er nun hineinstürzte, rauschte es in dem Wasser: plump! da meinten sie er riefe ihnen zu: kommt! und stürzten sich alle hinter ihm drein. Da gehörte das ganze Dorf dem Schneider.

百姓たちは、あいつが戻ってきて、おまけにあんなにたくさんの羊を連れているとは、いったいどうしたわけだろうと不思議がった。仕立屋は言った。「おれは沈んでいったんだ、深く、深くな! そうしたら底に羊の群れがそっくりいたんで、連れてあがってきたのさ」 百姓たちも羊を取ってこようと、そろって川へ出かけた。その日、空はまっ青で、小さな白い雲が浮かんでいた。それで百姓たちは叫んだ。「もう底のほうに子羊が見えるぞ!」 すると村長が言った。「まずわしが潜って、ようすを見てこよう。よさそうだったら、おまえたちを呼ぶから」 村長が飛びこむと、水が「ドボン!」と鳴った。百姓たちはそれを、村長が「来い!」と呼んだのだと思いこみ、みんなあとを追って飛びこんだ。こうして村はそっくり仕立屋のものになった。

Kommentar解説

凍えたつぐみを拾った仕立屋が、兄嫁と坊主の密会を種に一儲けし、悪知恵を重ねて村を丸ごと手に入れる。最後は「川の底に羊がいる」とだまされた村人が、村長を先頭に全員飛びこんで溺れる。

1819年、同じ筋の「小百姓」(KHM 61)に差し替えられた。1856年の注は、仕立屋が主人公の語りを「より不完全」と評している一次。兄弟が差し替えの理由を書いた数少ない例。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

Zu dem Schneider der bald reich wurde. No. 61.

Nach einer andern Erzählung heißt der Mann Herr Hände, den die Bauern wegen seiner Klugheit hassen. Sie schlagen ihn aus Neid den Backofen ein, er trägt aber den Schutt in einem Sack zu einer vornehmen Dame und bittet sie, den Sack ihm aufzuheben, es sey Gewürz, Zimmet, Nägelein und Pfeffer darin. Er kommt dann wieder, ihn abzuholen und verführt ein großes Geschrei, sie habe ihn bestolen, wodurch er ihr 300 Thaler abzwingt. Die Bauern sehen ihn das Geld zählen und fragen, woher er das habe, er sagt von dem Backofenschutt, da schlagen die Bauern all ihre Backöfen ein, tragen den Schutt in die Stadt, kommen aber übel an. Die Bauern wollen ihn aus Rache tödten, er zieht aber seiner Mutter Kleider an, dadurch entgeht er ihnen und seine Mutter wird todt geschlagen. Diese rollt er in einem Faß zu einem Doctor, läßt sie dort ein wenig stehen, kommt wieder und giebt ihm dann Schuld er habe sie getödtet, so erpreßt er von dem Doctor eine Summe Gelds. Er sagt den Bauern, er habe sie für seine todte Mutter bekommen, nun schlagen diese auch ihre Mutter todt. Darauf die Begebenheit mit einem Schäfer, der für ihn sich in die Tonne legt, ersäuft und dem die andern Bauern alle nachspringen.

In dem Märchen vom Bauer Kibitz, welches Büsching S. 296. mittheilt, sind wieder einige Züge verschieden. Kibitz läßt seine Frau von den Bauern todt schlagen, und setzt sie dann mit einem Korb voll Früchte an ein Geländer, wo sie ein Bedienter, dem sie keine Antwort giebt, als er für seine Herrschaft bei ihr einkaufen soll, ins Wasser stürzt; dafür erhält Kibitz den Wagen, worin diese gefahren mit allem Zubehör. – Das Gelderpressen durch bloßes Lärmen gehört auch zu den Listen des Gonella (bei Flögel Gesch. der Hofnarren S. 309). – Den Betrug mit dem Schäfer hat Straparola I. 3. in der Erzählung vom Messire Scrapafigue. – In dem zu Erfurt 1794. gedruckten Volksbuch: Rutschki oder die Bürger zu Quarkenquatsch sind verschiedene Züge aus diesem Märchen benutzt, das Erkaufen des alten Kastens, worin der Liebhaber steckt, durch die Kuhhaut (S. 10.), das Ausstellen der todten Frau: Rutschki gibt ihr Butter in den Schooß und setzt sie auf den Brunnenrand, der Apotheker der ihr abkaufen will, aber keine Antwort bekommt, rüttelt sie und stürzt sie hinunter, und muß dem Rutschki tausend Thaler bezahlen (S. 18. 19.). Der Betrug an dem Schäfer zuletzt, ist wieder ganz verschieden: Rutschki ist zum Tod verurtheilt, und wird in einen Kleiderschrank eingeriegelt, hinaus zu dem Teich getragen, weil er aber zugefroren ist, lassen sie ihn darauf stehen, und wollen erst Aexte holen, um ein Loch ins Eis zu hauen. Wie sie fort sind, hört Rutschki einen Viehhändler vorbei ziehen und ruft: „ich trinke keinen Wein! ich trinke keinen Wein! mich durstet nicht!“ der Viehhändler fragt, was er vorhabe, Rutschki läßt sich aufriegeln und erzählt, er sey zum Burgemeister erwählt, das Amt nähm er gern, denn es sey wenig Arbeit und 500 Thl. Besoldung dabei; dagegen die Sitte, daß jeder Burgemeister beim Antritt seines Amts einen Becher mit Burgunder austrinke, wolle er durchhaus nicht mitmachen, er trinke keinen Wein, da hätten sie ihn herausgesetzt, daß er Frost und Durst nach einen feurigen Trank bekommen sollte; es helfte ihnen aber alles nichts, er trinke doch nicht. Der Viehhändler trägt einen Tausch gegen seine Heerde an, er legt sich hinein, Rutschki riegelt zu, die Bauern kommen, hauen ein Loch und lassen den Schrank hinab. Wie sie zurückkommen begegnet ihnen Rutschki mit dem Vieh und sagt, er habe es auf dem Grund gefunden, da sey ein schönes Sommerland. Nun stürzen sie sich alle in das Wasser (S. 22. 23.). – Uebrigens sind die allezeit betrogenen Bauern offenbar mit den Lalenbürgernverwandt.

Erster Band · Nr. 62 · 1812

Blaubart青ひげ

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類理由の明記怖さ††

In einem Walde lebte ein Mann, der hatte drei Söhne und eine schöne Tochter. Einmal kam ein goldener Wagen mit sechs Pferden und einer Menge Bedienten angefahren, hielt vor dem Haus still, und ein König stieg aus und bat den Mann, er möchte ihm seine Tochter zur Gemahlin geben. Der Mann war froh, daß seiner Tochter ein solches Glück widerfuhr, und sagte gleich ja; es war auch an dem Freier gar nichts auszusetzen, als daß er einen ganz blauen Bart hatte, so daß man einen kleinen Schrecken kriegte, so oft man ihn ansah. Das Mädchen erschrack auch anfangs davor, und scheute sich ihn zu heirathen, aber auf Zureden ihres Vaters, willigte es endlich ein. Doch weil es so eine Angst fühlte, ging es erst zu seinen drei Brüdern, nahm sie allein und sagte: „liebe Brüder, wenn Ihr mich schreien hört, wo ihr auch seyd, so laßt alles stehen und liegen und kommt mir zu Hülfe.“ Das versprachen ihm dieBrüder und küßten es, „leb wohl, liebe Schwester, wenn wir deine Stimme hören, springen wir auf unsere Pferde, und sind bald bei dir.“ Darauf setzte es sich in den Wagen zu dem Blaubart, und fuhr mit ihm fort. Wie es in sein Schloß kam, war alles prächtig, und was die Königin nur wünschte, das geschah, und sie wären recht glücklich gewesen, wenn sie sich nur an den blauen Bart des Königs hätte gewöhnen können, aber immer, wenn sie den sah, erschrack sie innerlich davor. Nachdem das einige Zeit gewährt, sprach er: „ich muß eine große Reise machen, da hast du die Schlüssel zu dem ganzen Schloß, du kannst überall aufschließen und alles besehen, nur die Kammer, wozu dieser kleine goldene Schlüssel gehört, verbiet’ ich dir; schließt du die auf, so ist dein Leben verfallen.“ Sie nahm die Schlüssel, versprach ihm zu gehorchen, und als er fort war, schloß sie nach einander die Thüren auf, und sah so viel Reichthümer und Herrlichkeiten, daß sie meinte aus der ganzen Welt wären sie hier zusammen gebracht. Es war nun nichts mehr übrig, als die verbotene Kammer, der Schlüssel war von Gold, da gedachte sie, in dieser ist vielleicht das allerkostbarste verschlossen; die Neugierde fing an sie zu plagen, und sie hätte lieber all das andere nicht gesehen, wenn sie nur gewußt, was in dieser wäre. Eine Zeit lang widerstand sie der Begierde, zuletzt aber ward diese so mächtig, daß sie den Schlüssel nahm und zu der Kammer hinging: „wer wird es sehen, daß ich sie öffne, sagte sie zu sich selbst, ich will auch nur einen Blick hineinthun.“ Da schloß sie auf, und wie die Thüre aufging, schwomm ihr ein Strom Blut entgegen, und an den Wänden herum sah sie todte Weiber hängen, und von einigen waren nur die Gerippe noch übrig. Sie erschrack so heftig, daß sie die Thüre gleich wieder zuschlug, aber der Schlüssel sprang dabei heraus und fiel in das Blut. Geschwind hob sie ihn auf, und wollte das Blut abwischen, aber es war umsonst, wenn sie es auf der einen Seite abgewischt, kam es auf der andern wieder zum Vorschein; sie setzte sich den ganzen Tag hin und rieb daran, und versuchte alles Mögliche, aber es half nichts, die Blutflecken waren nicht herabzubringen; endlich am Abend legte sie ihn ins Heu, das sollte in der Nacht das Blut ausziehen. Am andern Tag kam der Blaubart zurück, und das erste war, daß er die Schlüssel von ihr forderte; ihr Herz schlug, sie brachte die andern und hoffte, er werde es nicht bemerken, daß der goldene fehlte. Er aber zählte sie alle, und wie er fertig war, sagte er: „wo ist der zu der heimlichen Kammer?“ dabei sah er ihr in das Gesicht. Sie ward blutroth und antwortete: „er liegt oben, ich habe ihn verlegt, morgen will ich ihn suchen.“ – „Geh lieber gleich, liebe Frau, ich werde ihn noch heute brauchen.“ – „Ach ich will dirs nur sagen, ich habe ihn im Heu verloren, da muß ich erst suchen.“ – „Du hast ihn nicht verloren, sagte der Blaubart zornig, du hast ihn dahin gesteckt, damit die Blutflecken herausziehen sollen, denn du hast mein Gebot übertreten, und bist in der Kammer gewesen, aber jetzt sollst du hinein, wenn du auch nicht willst.“ Da mußte sie den Schlüssel holen, der war noch voller Blutflecken: „Nun bereite dich zum Tode, du sollst noch heute sterben,“ sagte der Blaubart, holte sein großes Messer und führte sie auf den Hausehrn. „Laß mich nur noch vor meinem Tod mein Gebet thun,“ sagte sie; – „So geh, aber eil dich, denn ich habe keine Zeit lang zu warten.“ Da lief sie die Treppe hinauf, und rief so laut sie konnte zum Fenster hinaus: „Brüder, meine lieben Brüder, kommt, helft mir!“ Die Brüder saßen im Wald beim kühlen Wein, da sprach der jüngste: „mir ist als hätt’ ich unserer Schwester Stimme gehört; auf! wir müssen ihr zu Hülfe eilen!“ da sprangen sie auf ihre Pferde und ritten, als wären sie der Sturmwind. Ihre Schwester aber lag in Angst auf den Knieen; da rief der Blaubart unten: „nun, bist du bald fertig?“ dabei hörte sie, wie er auf der untersten Stufe sein Messer wetzte; sie sah hinaus, aber sie sah nichts, als von Ferne einen Staub, als käm eine Heerde gezogen. Da schrie sie noch einmal: „Brüder, meine lieben Brüder! kommt, helft mir!“ und ihre Angst ward immer größer. Der Blaubart aber rief: „wenn du nicht bald kommst, so hol ich dich, mein Messer ist gewetzt!“ Da sah sie wieder hinaus, und sah ihre drei Brüder durch das Feld reiten, als flögen sie wie Vögel in der Luft, da schrie sie zum drittenmal in der höchsten Noth und aus allen Kräften: „Brüder, meine lieben Brüder! kommt, helft mir!“ und der jüngste war schon so nah, daß sie seine Stimme hörte: „tröste dich, liebe Schwester, noch einen Augenblick, so sind wir bei dir!“ Der Blaubart aber rief: „nun ists genug gebetet, ich will nicht länger warten, kommst du nicht, so hol ich dich!“ „Ach! nur noch für meine drei lieben Brüder laß mich beten.“ – „Er hörte aber nicht, kam die Treppe heraufgegangen und zog sie hinunter, und eben hatte er sie an den Haaren gefaßt, und wollte ihr das Messer in das Herz stoßen, da schlugen die drei Brüder an die Hausthüre, drangen herein und rissen sie ihm aus der Hand, dann zogen sie ihre Säbel und hieben ihn nieder. Da ward er in die Blutkammer aufgehängt zu den andern Weibern, die er getödtet, die Brüder aber nahmen ihre liebste Schwester mit nach Haus, und alle Reichthümer des Blaubarts gehörten ihr.“

ある森に、ひとりの男が住んでいた。男には三人の息子と、ひとりの美しい娘があった。あるとき、六頭の馬に引かせた金の馬車が、大勢の召使いを従えてやって来て、家の前で止まった。中からひとりの王が降りてきて、娘を妃にもらいたいと男に頼んだ。男は娘にこんな幸運がめぐってきたことを喜んで、すぐに承知した。求婚者には、何ひとつ文句のつけようがなかった。ただ、ひげが真っ青で、見るたびにちょっとぞっとさせられるのだった。娘もはじめはそれにおびえて、結婚するのをためらったが、父親に説き伏せられて、とうとう承知した。けれどもあまりに不安な気がしたので、娘はまず三人の兄たちのところへ行き、兄たちだけを呼んで言った。「兄さんたち、もしわたしが叫ぶのが聞こえたら、どこにいても、何もかもほうりだして助けに来てね」兄たちはそう約束して、妹にキスをした。「元気でな、かわいい妹。おまえの声が聞こえたら、馬に飛び乗って、すぐにおまえのところへ駆けつけるよ」それから娘は青ひげのいる馬車に乗りこみ、いっしょに出かけていった。青ひげの城に着いてみると、何もかもが豪華で、王妃が望むことはなんでもかなえられた。王の青いひげに慣れることさえできたら、二人はほんとうに幸せだったろう。けれども、そのひげを見るたびに、王妃はいつも心の中でぞっとするのだった。しばらくそうして暮らしたのち、王は言った。「わたしは長い旅に出なければならない。ここに城じゅうの鍵がある。どこでも開けて、なんでも見てかまわない。ただ、この小さな金の鍵で開ける部屋だけは禁じておく。もしそれを開けたら、おまえの命はないものと思え」王妃は鍵を受け取り、言いつけを守ると約束した。王が出かけてしまうと、王妃は次々に扉を開けていき、あまりにもたくさんの財宝やすばらしい品々を目にしたので、世界じゅうのものがここに集められているのではないかと思うほどだった。とうとう残ったのは禁じられた部屋だけになった。その鍵は金でできていた。そこで王妃は、この部屋にこそいちばん高価なものがしまってあるのかもしれない、と考えた。好奇心が王妃を苦しめはじめ、この部屋に何があるのかさえわかるなら、ほかのものなど何ひとつ見なくてもよかったとさえ思った。しばらくのあいだ、王妃はその欲望にあらがっていたが、とうとうそれがあまりにも強くなったので、鍵を手に取って、その部屋のほうへ行った。「わたしが開けたって、だれにわかるものですか」と王妃はひとりごとを言った。「ほんのひと目のぞくだけよ」そうして鍵を開けると、扉が開いたとたんに、血の流れが王妃のほうへあふれ出てきた。そして見回せば、壁という壁に死んだ女たちがつるされていて、なかには骸骨しか残っていない者もいた。王妃はあまりにも激しくおびえたので、すぐにまた扉をばたんと閉めたが、そのはずみに鍵が抜け落ちて、血の中に落ちてしまった。王妃は急いで鍵を拾い上げ、血をふき取ろうとしたが、むだだった。一方の面をふき取ると、もう一方の面にまた血が浮かび出てくるのだった。王妃は一日じゅう座りこんで鍵をこすりつづけ、ありとあらゆることを試してみたが、どうにもならなかった。血のしみはどうしても落ちなかった。とうとう夕方になって、王妃は鍵を干し草の中に入れた。夜のうちに干し草が血を吸い取ってくれるだろうと思ったのだ。翌日、青ひげが帰ってきて、まっさきに王妃に鍵を返せと言った。王妃は胸をどきどきさせながら、ほかの鍵を持っていき、金の鍵がないことに気づかれなければいいがと願った。ところが青ひげは鍵を一本残らず数え、数え終わると言った。「秘密の部屋の鍵はどこだ?」そう言いながら、王妃の顔をじっと見すえた。王妃は血のように真っ赤になって答えた。「上にありますわ。どこかへ置き忘れてしまったのです。明日探しますから」――「すぐに行ったほうがいいぞ、おまえ。今日のうちに使うのだから」――「ああ、本当のことを言いますわ。干し草の中でなくしてしまったのです。まず探さなければなりません」――「なくしたのではない」と青ひげは怒って言った。「血のしみが抜けるように、そこへ突っこんでおいたのだ。おまえはわたしの言いつけにそむいて、あの部屋に入ったのだからな。だが今度はおまえがあそこへ入る番だ。いやだと言ってもな」そこで王妃は鍵を取ってこなければならなかった。鍵はまだ血のしみだらけだった。「さあ、死ぬ覚悟をしろ。今日のうちに死んでもらう」と青ひげは言い、大きな刃物を持ってきて、王妃を玄関の広間へ連れていった。「死ぬ前に、せめてお祈りをさせてください」と王妃は言った。――「では行け。だが急げよ、長く待つ暇はないのだ」そこで王妃は階段を駆け上がり、窓からありったけの声で叫んだ。「兄さんたち、大事な兄さんたち、来て、助けて!」兄たちは森で冷たいワインを飲んでいた。すると、いちばん下の兄が言った。「妹の声が聞こえたような気がする。さあ! 助けに急がなくては!」兄たちは馬に飛び乗り、嵐の風のように駆けた。妹のほうは、恐ろしさにひざまずいていた。すると青ひげが下から呼んだ。「どうだ、もうすぐ済むか?」そのとき、青ひげがいちばん下の段で刃物を研いでいる音が聞こえた。王妃は外を見たが、遠くに土ぼこりが立っているのが見えるだけで、まるで家畜の群れでもやって来るかのようだった。そこで王妃はもう一度叫んだ。「兄さんたち、大事な兄さんたち! 来て、助けて!」恐ろしさはつのるばかりだった。青ひげは叫んだ。「すぐに来ないなら、こちらから連れにいくぞ。刃物はもう研いであるのだ!」王妃がまた外を見ると、三人の兄たちが、まるで空を飛ぶ鳥のように野原を駆けてくるのが見えた。そこで王妃は三度め、せっぱつまって、ありったけの力をふりしぼって叫んだ。「兄さんたち、大事な兄さんたち! 来て、助けて!」いちばん下の兄はもうすぐ近くまで来ていたので、その声が王妃に聞こえた。「しっかりしろ、かわいい妹、もうひと息でおまえのところへ着くぞ!」すると青ひげが叫んだ。「もう祈りはたくさんだ。これ以上は待たんぞ。来ないなら、こちらから連れにいく!」「ああ! せめてわたしの大事な三人の兄さんたちのためにも、お祈りさせてください」――けれども青ひげは聞き入れず、階段をのぼってきて、王妃を下へ引きずりおろした。そして、まさに王妃の髪をつかんで、その心臓に刃物を突き立てようとしたとき、三人の兄たちが玄関の扉をたたき、なだれこんできて、王妃を青ひげの手からもぎ取った。それから兄たちはサーベルを抜いて、青ひげを切り倒した。青ひげは、自分が殺したほかの女たちといっしょに、血の部屋につるされた。兄たちはいちばん大切な妹を家へ連れて帰り、青ひげの財宝はすべて妹のものになった。

Kommentar解説

青いひげの王に嫁いだ娘が、禁じられた部屋で血の海と死体を見る。金の鍵の血はどうしても落ちない。ドイツの語りらしく、鍵を干し草に入れて血を吸わせようとする民間信仰の場面が入る。最後は三人の兄が駆けつけて青ひげを斬り、殺された女たちとともに血の部屋に吊るす。

削除理由は、兄弟自身が1856年の注釈巻(「フィッチャーの鳥」の注)に書いている。ドイツ語で聞いて初版に載せたが、ペローの『青ひげ』と違うのは欠けている部分と一つの細部だけで、聞いた土地でもフランス語版が知られていた可能性がある。だから「疑わしいので再録しなかった」一次。

青ひげ型の話そのものは、決定版でも「フィッチャーの鳥」(KHM 46)として残った一次。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版第1巻付録

Zu dem Blaubart. No. 62.

Perraults la barbe bleue gehört zu seinem am besten erzählten Märchen; ein schwedisches fliegendes Blatt: Bläskägget, Fahlum 1810. ist bloß eine Uebersetzung davon. Die französische Sage kennt noch eine Schwester der Frau, Anne, als jene sterben soll, gewährt ihr der Blaubart eine halbe Viertelstunde, da schickt sie die Anne auf den Thurm läßt sie nach den Brüdern sehen und ruft ihr von Zeit zu Zeit in ihrer Angst zu: „Anne, ma soeur Anne, ne vois tu rien venir?“ noch ganz volksmäßig erscheinen die Antworten derselben,

„Je ne vois que le soleil, qui poudroie,

et l'herbe, qui verdoie.“

In der deutschen Erzählung, wenigstens wie wir sie gehört haben, fehlt dies gänzlich; dagegen kommt der Zug vor, daß die Geängstigte den Blutschlüssel in das Heu legt, weil es wirklich Volksglauben ist, das Heu ziehe Blut aus. – Ein deutsches Volkslied (Wunderhorn I, 274. und Herder Volkslieder I, 79) am schönsten neulich in Gräters Idunna nach dem breslauischen Volksgesang mitgetheilt, enthält im Grund dieselbe Sage, doch sehr abweichend und ohne des blauen Barts Erwähnung zu thun, von Ulrich und Aennchen. Eben so der Fitchersvogel(No. 46.) auch wieder recht eigenthümlich und gut, und das holländische Mord-Schloß (No. 73). Tieks Bearbeitung ist bekannt. In Hamburg sagt man von einem Starkbärtigen, er sei ein Blaubart (Schütze hollst. Idiot. I, 112.), dasselbe gilt von dem ehemaligen Hessen; hier in Cassel ist ein verwachsener, halb alberner und toller Handwerksbursch unter dem Namen bekannt genug. – Endlich haben ihre unverkennbare Aehnlichkeit mit der Sage: das schottische Lied von Cospatrik, der König Porc bei Straparola und der Eingang der 1001. Nacht, wo der Sultan auch seine Weiber nach der ersten Nacht tödtet.

初版第2巻付録

Num. 62. (Blaubart.) Die Gesta Romanor. enthalten eine Erzählung, wo einer Mutter vier Tropfen Blut ihres unschuldigen, von ihr gemordeten Kindes auf die Hand fallen, welche nicht fortzubringen sind, so daß sie beständig einen Handschuh trägt.

Erster Band · Nr. 64 · 1812

Von dem Dummlingまぬけの話

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類別の話へ

I.

一

Die weiße Taube.

白い鳩

Vor eines Königs Pallast stand ein prächtiger Birnbaum, der trug jedes Jahr die schönsten Früchte, aber wenn sie reif waren, wurden sie in einer Nacht alle geholt, und kein Mensch wußte, wer es gethan hatte. Der König aber hatte drei Söhne, davon ward der jüngste für einfältig gehalten, und hieß der Dummling; da befahl er dem ältesten, er solle ein Jahr lang alle Nacht unter dem Birnbaum wachen, damit der Dieb einmal entdeckt werde. Der that das auch und wachte alle Nacht, der Baum blühte und war ganz voll von Früchten, und wie sie anfingen reif zu werden, wachte er noch fleißiger, und endlich waren sie ganz reif und sollten am andern Tage abgebrochen werden; in der letzten Nacht aber überfiel ihn ein Schlaf, und er schlief ein, und wie er aufwachte, waren alle Früchte fort, und nur die Blätter noch übrig. Da befahl der König dem zweiten Sohn ein Jahr zu wachen, dem ging es nicht besser, als dem ersten; in der letzten Nacht konnte er sich des Schlafes gar nicht erwehren, und am Morgen waren die Birnen alle abgebrochen. Endlich befahl der König dem Dummling ein Jahr zu wachen, darüber lachten alle, die an des Königs Hof waren. Der Dummling aber wachte, und in der letzten Nacht wehrt’ er sich den Schlaf ab, da sah er, wie eine weiße Taube geflogen kam, eine Birne nach der andern abpickte und fort trug. Und als sie mit der letzten fortflog, stand der Dummling auf und ging ihr nach; die Taube flog aber auf einen hohen Berg und verschwand auf einmal in einem Felsenritz. Der Dummling sah sich um, da stand ein kleines graues Männchen neben ihm, zu dem sprach er: „Gott gesegne dich!“ – „Gott hat mich gesegnet in diesem Augenblick durch diese deine Worte, antwortete das Männchen, denn sie haben mich erlöst, steig du in den Felsen hinab, da wirst du dein Glück finden.“ Der Dummling trat in den Felsen, viele Stufen führten ihn hinunter, und wie er unten hinkam, sah er die weiße Taube ganz von Spinnweben umstrickt und zugewebt. Wie sie ihn aber erblickte brach sie hindurch, und als sie den letzten Faden zerrissen, stand eine schöne Prinzessin vor ihm, die hatte er auch erlöst, und sie ward seine Gemahlin und er ein reicher König, und regierte sein Land mit Weisheit.

ある王の宮殿の前に、見事な梨の木が一本立っていて、毎年このうえなく美しい実をつけた。ところが実が熟すと、ひと晩のうちにひとつ残らず持ち去られてしまい、だれの仕業なのか知る者はひとりもいなかった。さて王には三人の息子がいて、そのうち末の息子は愚か者だと思われていて、まぬけと呼ばれていた。王は長男に、一年のあいだ毎晩梨の木の下で見張りをして、いつか泥棒の正体をつきとめるようにと命じた。長男は言われたとおり毎晩見張りをした。木は花を咲かせ、実をどっさりとつけた。実が熟しはじめると、長男はいっそう熱心に見張った。そしてついに実はすっかり熟して、あくる日には摘みとられることになった。ところが最後の晩、長男は眠気に襲われて寝こんでしまい、目を覚ましたときには実はひとつ残らずなくなっていて、葉ばかりが残っていた。そこで王は次男に一年見張るよう命じたが、次男も長男と同じことだった。最後の晩、どうしても眠気にあらがえず、朝になると梨はすっかりもぎとられていた。とうとう王はまぬけに一年見張るよう命じたので、宮廷の者たちはみなそれを笑った。けれどもまぬけは見張りをつづけ、最後の晩には眠気を払いのけていた。すると一羽の白い鳩が飛んできて、梨をひとつ、またひとつとついばんでは運んでいくのが見えた。鳩が最後のひとつを持って飛び去ると、まぬけは立ちあがってあとを追った。鳩は高い山へ飛んでいき、岩の裂け目のなかにふっと消えてしまった。まぬけがあたりを見まわすと、そばに灰色の小さな小人が立っていたので、「神さまのお恵みがありますように!」と声をかけた。「たったいま、あんたのその言葉で、神さまはわしにお恵みをくださったよ」と小人は答えた。「その言葉がわしを救ってくれたのだ。さあ、岩の中へ降りていきなさい。そこであんたの幸運が見つかるだろう」まぬけが岩の中へ入っていくと、たくさんの段が下へとつづいていた。下まで降りてみると、あの白い鳩が蜘蛛の巣にすっかり絡みつかれ、織りこめられているのが見えた。ところが鳩はまぬけの姿を見るなり巣を破って出てきて、最後の糸を引きちぎったとたん、目の前に美しい王女が立っていた。この王女もまた、まぬけが救ったのだった。王女はまぬけの妃となり、まぬけは豊かな王となって、知恵をもって国を治めた。

II.

二

Die Bienenkönigin.

蜂の女王

Zwei Königssöhne gingen auf Abentheuer aus, und geriethen in ein wildes, wüstes Leben, so daß sie gar nicht wieder nach Haus kamen. Der jüngste, der Dummling, ging aus und suchte seine Brüder; wie er sie fand, spotteten sie sein, daß er mit seiner Einfalt sich durch die Welt schlagen wolle, da sie zwei nicht durchkämen und wären doch viel klüger. Da zogen sie miteinander fort und kamen an einen Ameisenhaufen, die zwei ältesten wollten ihn aufwühlen, und sehen, wie die kleinen Ameisen in der Angst herumkröchen und ihre Eier forttrügen; aber der Dummling sagte: „laßt die Thiere in Fried, ich leids nicht, daß ihr sie stört.“ Dann gingen sie weiter und kamen an einen See, auf dem schwammen viele, viele Enten; die zwei Brüder wollten ein paar fangen und braten, aber der Dummling sagte wieder: „laßt die Thiere in Fried’, ich leids nicht, daß ihr sie tödtet.“ Endlich kamen sie an ein Bienennest, darin war so viel Honig, daß er am Stamm herunterlief; die zwei wollten Feuer unter den Baum legen, daß die Bienen erstickten, und sie den Honig wegnehmen könnten. Der Dummling hielt sie aber wieder ab und sprach: „laßt die Thiere in Fried’, ich leids nicht, daß ihr sie verbrennt.“ Da kamen die drei Brüder in ein Schloß, wo in den Ställen lauter steinerne Pferde standen, auch war kein Mensch zu sehen, und sie gingen durch alle Säle, bis sie vor eine Thüre ganz am Ende kamen, davor hingen drei Schlösser; es war aber mitten in der Thüre ein Lädlein, dadurch konnte man in die Stube sehen. Da sahen sie ein grau Männchen an einem Tische sitzen, das riefen sie an einmal, zweimal, aber es hörte nicht; endlich riefen sie zum drittenmal, und da stand es auf und kam heraus. Es sprach kein Wort, faßte sie aber an und führte sie zu einem reichbesetzten Tisch, und als sie gegessen hatten, führte es einen jeglichen in ein eigenes Schlafgemach. Am andern Morgen kam es zu dem ältesten, winkte ihm und brachte ihn zu einer steinernen Tafel, darauf standen die drei Aufgaben geschrieben, wodurch das Schloß erlöst werden konnte. Die erste war: in dem Wald unter dem Moos lagen die tausend Perlen der Königstochter, die mußten aufgesucht werden, und vor Sonnenuntergang durfte nicht eine einzige fehlen, sonst ward der, welcher es unternahm zu Stein. Der Prinz ging hin und suchte den ganzen Tag, als aber der Tag zu Ende war, hatte er erst hundert gefunden, und ward in einen Stein verwandelt. Am folgenden Tag unternahm der zweite Bruder das Abentheuer; er ward aber wie der älteste zu Stein, weil er nicht mehr, als zweihundert gefunden. Endlich kam auch an den Dummling die Reihe, der suchte im Moos, es war aber so schwer, die Perlen zu finden, und ging so langsam, da setzte er sich auf einen Stein und weinte. Und wie er so saß kam der Ameisenkönig, den er einmal erhalten hatte mit fünftausend Ameisen, und es währte gar nicht lang, so hatten die die Perlen miteinander gefunden und auf einen Haufen getragen. Die zweite Aufgabe aber war, den Schlüssel zu der Schlafkammer der Prinzessin aus der See zu holen. Wie der Dummling zur See kam, schwammen die Enten, die er einmal gerettet hatte, heran, tauchten unter, und holten den Schlüssel aus der Tiefe. Die dritte Aufgabe aber war die schwerste: aus den drei schlafenden Töchtern des Königs sollte die jüngste und die liebste herausgesucht werden, sie glichen sich aber vollkommen, und waren durch nichts verschieden, als daß die älteste ein Stück Zucker, die zweite Syrup, die jüngste einen Löffel voll Honig gegessen hatte, und es war bloß an dem Hauch zu erkennen, welche den Honig gegessen. Da kam aber die Bienenkönigin von den Bienen, die der Dummling vor dem Feuer geschützt, und versuchte den Mund von allen dreien, zuletzt blieb sie auf dem Mund sitzen, der Honig gegessen, und so erkannte der Prinz die rechte, und da war aller Zauber vorbei, alles war aus dem Schlaf erlöst, und wer von Stein war, erhielt seine menschliche Gestalt wieder, und der Dummling vermählte sich mit der jüngsten und liebsten, und ward König nach ihres Vaters Tod; seine zwei Brüder aber mit den beiden andern Schwestern.

ふたりの王子が冒険の旅に出たが、すさんだ放埒な暮らしにはまりこんで、いっこうに家へ帰ってこなかった。末の弟のまぬけが、兄たちを探しに出かけた。見つけてみると、兄たちは、自分たちふたりのほうがずっと利口なのにそれでもうまくやっていけないというのに、おまえはそのおめでたい頭で世の中を渡っていこうというのか、とまぬけをあざけった。それから三人はいっしょに旅をつづけ、蟻塚のところへやってきた。兄ふたりは蟻塚をほじくりかえして、小さな蟻たちがあわてふためいて這いまわり、卵を運び出すさまを見てやろうとした。けれどもまぬけは言った。「生きものはそっとしておいてやってよ。兄さんたちがこいつらを騒がせるのは、ぼくが許さない」それからさらに進むと、湖に出た。湖にはたくさんの、たくさんの鴨が泳いでいた。兄ふたりは何羽かつかまえて焼いて食べようとしたが、まぬけはまた言った。「生きものはそっとしておいてやってよ。兄さんたちがこいつらを殺すのは、ぼくが許さない」最後に三人は蜜蜂の巣のところへやってきた。巣にはあまりにたくさん蜜がたまっていたので、幹をつたって流れ落ちていた。兄ふたりは木の下に火をつけて蜂を窒息させ、蜜を取ってしまおうとした。けれどもまぬけはまた兄たちを押しとどめて言った。「生きものはそっとしておいてやってよ。兄さんたちがこいつらを焼くのは、ぼくが許さない」やがて三兄弟はある城にやってきた。厩にはずらりと石の馬が並んでいるばかりで、人の姿はどこにも見えなかった。三人は広間をつぎつぎと通り抜け、とうとういちばん奥の扉の前に出た。扉には錠前が三つ下がっていたが、扉のまんなかに小窓がついていて、そこから部屋の中をのぞくことができた。のぞいてみると、灰色の小人がひとり机に向かって座っていた。三人は一度、二度と呼びかけたが、小人には聞こえなかった。とうとう三度目に呼びかけると、小人は立ちあがって出てきた。小人はひと言も口をきかなかったが、三人の手をとって、ごちそうがいっぱいに並んだ食卓へ連れていき、三人が食べおわると、ひとりひとりを別々の寝室へ案内した。あくる朝、小人は長男のところへ来て手招きし、石の板のところへ連れていった。板には、この城の魔法を解くための三つの課題が書いてあった。第一の課題はこうだった。森の苔の下に王女の真珠が千粒散らばっている。それを探し集めなければならず、日が沈むまでに一粒でも足りなければ、それを引き受けた者は石になる。王子は出かけていって一日じゅう探したが、日が暮れたときにはまだ百粒しか見つかっておらず、石に変えられてしまった。次の日には次男がこの冒険に挑んだが、二百粒しか見つけられなかったので、長男と同じく石になった。とうとうまぬけの番がまわってきた。まぬけは苔の中を探したが、真珠を見つけるのはひどくむずかしく、ちっともはかどらないので、石に腰をおろして泣いた。そうして座っていると、いつか命を救ってやった蟻の王が、五千匹の蟻を連れてやってきた。たいして時もかからずに、蟻たちは力を合わせて真珠を探し出し、ひと山に積みあげた。第二の課題は、王女の寝室の鍵を湖の底から取ってくることだった。まぬけが湖へ行くと、いつか救ってやった鴨たちが泳いできて、水にもぐり、深い底から鍵を取ってきた。第三の課題がいちばんむずかしかった。眠っている三人の王女の中から、末の、いちばん愛らしい王女を見つけ出さなければならないのだった。ところが三人は瓜ふたつで、違うところといえば、いちばん上の王女は砂糖をひとかけ、二番目は糖蜜を、末の王女は蜂蜜をひと匙食べていたことだけで、蜂蜜を食べたのがどの王女かは、息のにおいでしか見分けられなかった。そこへ、まぬけが火から守ってやった蜂たちの女王がやってきて、三人の口をひとつずつ試してみて、最後に蜂蜜を食べた口の上にとまった。こうして王子は本物の王女を見分けた。するとすべての魔法がとけて、何もかもが眠りから解き放たれ、石になっていた者はみな人間の姿にもどった。まぬけは末の、いちばん愛らしい王女と結婚し、王女の父親が亡くなると王になった。ふたりの兄は、ほかのふたりの王女と結ばれた。

III. Die drei Federn.

三 三枚の羽根

Es war einmal ein König, der schickte seine drei Söhne in die Welt, und welcher von ihnen das feinste Linnengarn mitbrächte, der sollte nach seinem Tode das Reich haben. Und damit sie wüßten, wo hinaus sie zögen, stellte er sich vor sein Schloß und blies drei Federn in die Luft, nach deren Flug sollten sie sich richten. Die eine flog nach Westen, der folgte der älteste, die andere nach Osten, der folgte der zweite, die dritte aber fiel auf einen Stein, nicht weit von dem Pallast, da mußte der dritte Prinz, der Dummling zurück bleiben, und die andern lachten ihn aus und sagten: er sollte bei dem Stein das Linnengarn aufsuchen. Der Dummling aber setzte sich auf den Stein und weinte, und wie er so hin und her wankte, schob sich der Stein fort, und darunter lag eine Marmorplatte mit einem Ring. Der Dummling hob sie auf, und da war eine Treppe, die führte hinunter, darauf ging er fort und kam in ein unterirdisches Gewölbe, da saß ein Mädchen und spann Flachs. Es fragte ihn, warum er so verweinte Augen hätte, da klagte er ihm sein Leid, daß er das feinste Linnen suchen solle, und doch nicht darnach ausziehen dürfe, da haspelte ihm das Mädchen sein Garn ab, das war das allerfeinste Linnengarn und hieß ihn das hinauf zu seinem Vater bringen. Wie er nun hinaufkam, war er lange Zeit weggewesen, und seine Brüder waren eben zurückgekommen und glaubten gewiß, sie hätten das feinste mitgebracht. Als aber ein jeder das seinige vorzeigte, da hatte der Dummling noch einmal so feines, und das Reich wär sein gewesen; aber die zwei andern gaben sich nicht zufrieden, und verlangten von dem Vater, er solle noch eine Bedingung machen. Der König verlangte nun den schönsten Teppich, und blies die drei Federn wieder in die Luft, und die dritte fiel wieder auf den Stein, und der Dummling durfte nicht weiter gehen, die andern aber zogen nach Osten und Westen. Er hob den Stein auf und ging wieder hinab, und fand das Mädchen geschäftig, einen wunderschönen Teppich aus den brennendsten Farben zu weben, und als er fertig war, sprach es: „der ist für dich gewirkt, den trag hinauf, kein Mensch auf der Welt wird einen so prächtigen haben.“ Er ging damit vor seinen Vater, und übertraf wieder seine Brüder, die die schönsten Teppiche aus allen Ländern zusammengebracht hatten, aber diese brachten den König doch dahin, daß er die neue Bedingung machte, wer das Reich erben wollte, müsse die schönste Frau mit nach Haus bringen. Die Federn werden wieder geblasen, und Dummlings seine bleibt auf dem Stein liegen. Da ging er hinunter und klagte dem Mädchen, was sein Vater wieder für ihn so schweres aufgelegt habe, das Mädchen aber sagte, es wolle ihm schon helfen, er solle nur weiter in dem Gewölbe gehen, da werde er die schönste auf der Welt finden. Der Dummling ging hin und kam an ein Gemach, worin alles von Gold und Edelsteinen schimmerte und flimmerte, aber statt einer schönen Frau, saß ein garstiger Frosch mitten darin. Der Frosch rief ihm zu: „umschling mich und versenk dich!“ Er wollte aber nicht, da rief der Frosch zum zweiten und drittenmal: „umschling mich und versenk dich!“ Da faßte der Dummling den Frosch, und trug ihn herauf zu einem Teich, und sprang mit ihm hinein, kaum aber hatte das Wasser sie berührt, so hielt er die allerschönste Jungfrau in seinen Armen. Und sie stiegen heraus, und er führte sie vor seinen Vater, da war sie tausendmal schöner, als die Frauen, die sich die andern Prinzen mitgebracht. Nun wäre das Reich wieder dem Dummling gewesen, aber die zwei lärmten und verlangten, der sollte den Vorzug haben, dessen Frau bis zu einem Ring, der mitten im Saal festhing, springen könnte; der König willigte auch endlich darein. Die Frau des ältesten konnte aber kaum halb so hoch hinaufkommen, die Frau des zweiten kam ein wenig höher, aber die Frau des dritten sprang bis in den Ring; da mußten sie endlich zugeben, daß Dummling nach ihres Vaters Tod das Reich erben solle, und als der starb, ward er König und hat lange in Weisheit regiert.

むかし、ひとりの王がいて、三人の息子を世の中へ送り出し、いちばん上等な亜麻糸を持ち帰った者に、自分の死後、国を継がせることにした。そして息子たちがどちらへ向かえばよいかわかるように、王は城の前に立って三枚の羽根を空へ吹きとばし、羽根の飛んでいく方角に従って進むようにと言った。一枚は西へ飛び、長男がそのあとを追った。もう一枚は東へ飛び、次男がそのあとを追った。ところが三枚目は宮殿からほど遠くない石の上に落ちたので、三番目の王子のまぬけはあとに残らなければならなかった。兄たちはまぬけを笑いものにして、その石のそばで亜麻糸を探すがいいさ、と言った。まぬけは石に腰かけて泣いた。そうして体を前へうしろへと揺らしているうちに、石がずれて、その下から輪のついた大理石の板が現れた。まぬけが板を持ちあげると、下へ降りる階段があった。そこを降りていくと地下の丸天井の部屋に出て、そこではひとりの娘が座って亜麻を紡いでいた。娘が、どうしてそんなに泣きはらした目をしているの、とたずねたので、まぬけは、いちばん上等な亜麻布を探さなければならないのに、それを探しに出かけることも許されないのだと、身の上の悲しみをうちあけた。すると娘は自分の糸を糸枠から巻きとってくれた。それこそ、このうえなく上等な亜麻糸だった。娘は、これを上へ持っていってお父さまに渡しなさい、とまぬけに言った。まぬけが上へもどってみると、ずいぶん長いあいだ留守にしていたようで、兄たちもちょうど帰ってきたところだった。兄たちは、自分たちこそいちばん上等な糸を持ち帰ったと信じきっていた。ところがめいめいが自分の糸を見せてみると、まぬけの糸は兄たちのものより倍も細やかだったので、国はまぬけのものになるはずだった。けれどもふたりの兄は納得せず、もうひとつ条件を出してくれと父親にせがんだ。そこで王は今度はいちばん美しい絨毯を求め、また三枚の羽根を空へ吹きとばした。三枚目はまた石の上に落ちたので、まぬけはそれより先へ行くことを許されなかったが、ほかのふたりは東と西へ旅立っていった。まぬけは石を持ちあげて、また下へ降りていった。すると娘は、燃えたつような色の糸で、それはみごとな絨毯をせっせと織っているところだった。織りあがると、娘は言った。「これはあなたのために織ったのよ。上へ持っていきなさい。世界じゅうのだれも、これほどりっぱな絨毯は持っていないでしょう」まぬけはそれを持って父親の前に出て、あらゆる国から美しい絨毯を集めてきた兄たちを、またしても負かした。それでも兄たちは王を言いくるめて、国を継ぎたい者はいちばん美しい妻を家に連れて帰らなければならない、という新しい条件を出させた。羽根はまた吹きとばされ、まぬけの羽根はやはり石の上に落ちたままだ。そこでまぬけは下へ降りていって、父がまたこんなむずかしいことを言いつけた、と娘に嘆いた。けれども娘は、きっと助けてあげる、この丸天井の部屋をもっと奥へ進んでいけば、世界でいちばん美しい人が見つかるから、と言った。まぬけが奥へ進んでいくと、金や宝石できらきら、ちらちらと輝く部屋に出た。ところが美しい女の人のかわりに、部屋のまんなかには醜い蛙が一匹座っていた。蛙はまぬけに向かって叫んだ。「わたしを抱きしめて、身を沈めて!」まぬけはいやだと思ったが、蛙は二度、三度と叫んだ。「わたしを抱きしめて、身を沈めて!」そこでまぬけは蛙をつかまえ、上の池まで運んでいって、蛙といっしょに飛びこんだ。ところが水がふたりに触れたとたん、まぬけの腕のなかには、このうえなく美しい乙女が抱かれていた。ふたりは池からあがり、まぬけは乙女を父親の前へ連れていった。乙女は、ほかの王子たちが連れてきた女たちより千倍も美しかった。これで国はまたまぬけのものになるはずだったが、ふたりの兄はわめきたてて、広間のまんなかに吊りさげてある輪まで跳びあがれる妻を持つ者を勝ちにしてくれ、と言いはった。王もとうとうそれを承知した。ところが長男の妻はその半分の高さにも届かず、次男の妻はそれより少し高く跳んだが、三男の妻は輪の中まで跳びあがった。こうして兄たちもとうとう、父の死後はまぬけが国を継ぐことを認めないわけにいかなかった。やがて父が死ぬと、まぬけは王となり、長いあいだ知恵をもって国を治めた。

IV. Die goldene Gans.

四 金のガチョウ

Es war einmal ein Mann, der hatte drei Söhne, der jüngste aber war ein Dummling. Eines Tags sprach der älteste: „Vater, ich will in den Wald gehen, Holz hauen.“ – „Laß das bleiben, antwortete der Vater, du kommst sonst mit einem verbundenen Arm heim.“ Der Sohn aber achtete nicht darauf, dachte, er wisse sich schon zu hüten, steckte einen Kuchen in die Tasche und ging hinaus. In dem Walde begegnete ihm ein graues altes Männchen, das sagte: „gieb mir doch ein Stück von dem Kuchen, den du in der Tasche hast, ich bin so hungrig.“ Der kluge Sohn aber sprach: „was soll ich dir meinen Kuchen geben, dann hab’ ich selber nichts, pack dich deiner Wege!“ und ging fort mit seiner Axt, und fing an einen Baum zu behauen, nicht lange aber, da hieb er fehl, die Axt fuhr ihm in den Arm, und er mußte heimgehen und sich verbinden lassen. Das war aber von dem alten grauen Männchen gekommen.

むかし、ひとりの男がいて、三人の息子があったが、末の息子はまぬけだった。ある日、長男が言った。「父さん、森へ行って薪を切ってくるよ」――「やめておけ」と父親は答えた。「さもないと、腕に包帯を巻いて帰ってくることになるぞ」けれども息子はその言葉を気にもとめず、自分の身くらい守れると思って、焼き菓子をひとつポケットに入れて出かけていった。森の中で、灰色の年とった小人に出会った。小人は言った。「おまえさんのポケットにある焼き菓子を、ひとかけわしにくれないかね。腹がぺこぺこなんだ」けれども利口な息子は言った。「なんでおまえにおれの菓子をやらなきゃならない。そしたらおれの分がなくなるじゃないか。とっとと失せろ!」そして斧を持って立ち去り、木を切りはじめた。ところがまもなく打ちそこなって、斧が自分の腕に食いこみ、家へ帰って包帯をしてもらわなければならなかった。それは、あの年とった灰色の小人のしわざだったのだ。

Darauf ging der zweite Sohn in den Wald, wo ihn das Männchen auch um ein Stück Kuchen ansprach. Er schlugs ihm aber auch ab, und hieb sich dafür ins Bein, daß er sich mußte nach Haus tragen lassen. Endlich ging der Dummling hinaus, das Männchen sprach ihn, wie die andern, um ein Stück Kuchen an. „Da hast du ihn ganz,“ sagte der Dummling, und gab ihn hin. Da sagte das Männchen: „hau diesen Baum ab, so wirst du etwas finden.“ Der Dummling hieb da zu, und als der Baum umfiel, saß eine goldene Gans darunter. Er nahm sie mit sich, und ging in ein Wirthshaus und wollte da übernachten, blieb aber nicht in der großen Stube, sondern ließ sich eine allein geben, da setzte er seine Gans mitten hinein. Die Wirthstöchter sahen die Gans und waren neugierig, und hätten gar zu gern eine Feder von ihr gehabt. Da sprach die älteste: „ich will einmal hinauf gehen, und wenn ich nicht bald wieder komme, so geht mir nach.“ Darauf ging sie zu der Gans, wie sie aber kaum die Feder berührt hat, bleibt sie daran hängen; weil sie nun nicht wieder herunter kam, ging ihr die zweite nach, und wie sie die Gans sieht, kann sie gar der Lust nicht widerstehen, ihr eine Feder auszuziehen; die älteste räth ihr ab, was sie kann, das hilft aber alles nichts, sie faßt die Gans an und bleibt an der Feder hängen. Die dritte Tochter, nachdem sie unten lange gewartet, ging endlich auch hinauf, die andern rufen ihr zu, sie sollt ums Himmels willen der Gans nicht nahe kommen, sie hört aber gar nicht drauf, meint, eine Feder müsse sie haben, und bleibt auch daran hängen. Am andern Morgen nahm der Dummling die Gans in den Arm und ging fort, die drei Mädchen hingen fest und mußten hinter ihm drein. Auf dem Feld begegnet ihnen der Pfarrer: „pfui, ihr garstigen Mädchen, was lauft ihr dem jungen Burschen so öffentlich nach, schämt euch doch!“ damit faßt er eine bei der Hand, und will sie zurückziehen, wie er sie aber angerührt bleibt er an ihr auch hängen, und muß nun selber hinten drein laufen. Nicht lang, so kommt der Küster: „ei! Herr Pfarrer, wo hinaus so geschwind? heut ist noch eine Kindtaufe!“ er läuft auf ihn zu, faßt ihn beim Ermel, bleibt aber auch hängen. Wie die fünf so hintereinander her marschiren, kommen zwei Bauern mit ihren Hacken vom Feld, der Pfarrer ruft ihnen zu, sie sollten sie los machen, kaum aber haben sie den Küster nur angerührt, so bleiben sie hängen, und waren ihrer nun sieben, die dem Dummling mit der Gans nachliefen. Er kam darauf in eine Stadt, da regierte ein König, der hatte eine Tochter, die war so ernsthaft, daß sie niemand zum Lachen bringen konnte. Da hatte der König ein Gesetz gegeben wer sie könnte zu lachen machen, der sollte sie heirathen. Der Dummling, als er das hörte, ging mit seiner Gans und ihrem Anhang vor die Königstochter; wie diese den Aufzug sah, fing sie überlaut an zu lachen, und wollte gar nicht wieder aufhören. Er verlangte sie nun zur Braut, aber der König machte allerlei Einwendungen und sagte, er müßte ihm erst einen Mann bringen, der einen Keller voll Wein austrinken könnte. Da ging er in den Wald, und auf der Stelle, wo er den Baum abgehauen hatte, sah er einen Mann sitzen, der machte ein gar betrübtes Gesicht, der Dummling fragte, was er sich so sehr zu Herzen nähme? „Ei! ich bin so durstig, und kann nicht genug zu trinken kriegen, ein Faß Wein hab ich zwar ausgeleert, aber was ist ein Tropfen auf einen heißen Stein?“ – „Da kann ich dir helfen, sagte der Dummling, komm nur mit mir, du sollst satt haben.“ Er führte ihn in des Königs Keller, der Mann machte sich über die großen Fässer, trank und trank, daß ihm die Hüften weh thaten, und ehe ein Tag herum war, hatte er den ganzen Keller ausgetrunken. Der Dummling verlangte nun seine Braut, der König aber ärgerte sich, daß ein schlechter Bursch, den jedermann einen Dummling nannte, seine Tochter davon tragen sollte, und machte neue Bedingungen: er müsse ihm erst einen Mann schaffen, der einen Berg voll Brod aufessen könnte. Der Dummling ging wieder in den Wald, da saß auf des Baumes Platz ein Mann, der schnürte sich den Leib mit einem Riemen zusammen, machte ein grämliches Gesicht und sagte: „ich habe einen ganzen Backofen voll Raspelbrod gegessen, aber was hilft das bei meinem großen Hunger, ich spür doch nichts davon im Leib und muß mich nur zuschnüren, wenn ich nicht Hungers sterben soll.“ Wie der Dummling das hörte, war er froh und sprach: „steig auf und geh mit mir, du sollst dich satt essen.“ Er führte ihn zu dem König, der hatte alles Mehl aus dem ganzen Reich zusammenfahren, und einen ungeheuern Berg davon backen lassen, der Mann aber aus dem Wald stellte sich davor, und in einem Tag und einer Nacht, war der ganze Berg verschwunden. Der Dummling forderte wieder seine Braut, der König aber suchte noch einmal Ausflucht, und verlangte ein Schiff, das zu Land wie zu Wasser fahren könnte; schaffe er aber das, dann solle er gleich die Prinzessin haben. Der Dummling ging noch einmal in den Wald, da saß das alte graue Männchen, dem es seinen Kuchen gegeben, und sagte: „ich hab für dich getrunken und gegessen, ich will dir auch das Schiff geben, das alles thu’ ich, weil du barmherzig gegen mich gewesen bist.“ Da gab er ihm das Schiff, das zu Land und zu Wasser fuhr, und als der König das sah, mußte er ihm seine Tochter geben. Da ward die Hochzeit gefeiert, und er erbte das Reich, und lebte lange Zeit vergnügt mit seiner Gemahlin.

そのあと次男が森へ行くと、やはり小人が焼き菓子をひとかけくれと頼んできた。けれども次男もそれを断り、その報いに自分の脚に斧を打ちこんで、家まで担いで帰ってもらわなければならなくなった。とうとうまぬけが出かけていくと、小人はほかのふたりにしたように、焼き菓子をひとかけくれと頼んだ。「ほら、まるごとあげるよ」とまぬけは言って、菓子をさしだした。すると小人は言った。「この木を切り倒しなさい。そうすれば何か見つかるだろう」まぬけが斧を振るうと、木が倒れ、その根もとに金のガチョウが一羽座っていた。まぬけはガチョウを連れて宿屋へ行き、そこに泊まることにしたが、大部屋にはいないで、ひとりきりの部屋をとり、そのまんなかにガチョウを置いた。宿屋の娘たちはガチョウを見ると、気になってしかたがなく、羽根を一本でいいからどうしても欲しくなった。そこでいちばん上の娘が言った。「ちょっと上へ行ってくるわ。わたしがすぐもどってこなかったら、あとから来てちょうだい」そうしてガチョウのところへ行ったが、羽根にちょっと触れたとたん、そのままくっついて離れなくなってしまう。上の娘がいっこうに降りてこないので、二番目の娘があとを追った。ガチョウを見ると、羽根を一本抜きたくてどうにもたまらなくなる。上の娘はできるかぎり止めたが、なんの役にも立たない。二番目の娘はガチョウをつかんで、羽根にくっついてしまう。三番目の娘は下で長いこと待っていたが、とうとう自分も上がっていった。ほかのふたりは、お願いだからガチョウに近づかないで、と大声で呼びかけたが、三番目の娘はまるで耳を貸さず、羽根を一本どうしても手に入れなくちゃ、と思いこんでいて、やはりくっついてしまう。あくる朝、まぬけはガチョウを腕にかかえて出発した。三人の娘はくっついたまま、まぬけのあとからついていくしかなかった。野原で、一行は牧師に出会う。「なんと、ふしだらな娘たちだ。人前でそんなふうに若い男のあとを追いかけまわして、恥を知りなさい!」そう言って牧師は娘のひとりの手をつかんで引きもどそうとしたが、触れたとたん自分もその娘にくっついて、今度は自分があとから走らなければならなくなる。まもなく寺男がやってくる。「おや、牧師さま、そんなに急いでどちらへ? 今日はまだ洗礼式がございますよ!」寺男は牧師に駆けよって袖をつかんだが、やはりくっついてしまう。五人がそうして一列になって行進していると、ふたりの百姓が鍬をかついで畑から帰ってくる。牧師がふたりに、わしらを引きはがしてくれと叫ぶと、ふたりは寺男にちょっと触れただけでくっついてしまい、こうしてガチョウを持ったまぬけのあとを追いかける者は七人になった。それからまぬけはある町へやってきた。そこを治めている王にはひとりの娘がいたが、その王女はたいそうまじめくさっていて、だれひとり笑わせることができなかった。そこで王は、王女を笑わせることのできた者には王女を嫁にやる、というおふれを出していた。まぬけはそれを聞くと、ガチョウとそのお供を引き連れて王女の前へ出た。王女はその行列を見ると、大声で笑いだし、いつまでも笑いやまなかった。そこでまぬけは王女を花嫁にくださいと願い出たが、王はあれこれと難癖をつけて、まず、地下蔵いっぱいのぶどう酒を飲み干せる男を連れてこい、と言った。まぬけが森へ行くと、あの木を切り倒した場所に、ひとりの男がたいそうしょげた顔をして座っていた。まぬけが、何をそんなにくよくよしているのかとたずねると、男は言った。「やれやれ、のどがかわいてたまらないのに、いくら飲んでも足りないんだ。ぶどう酒をひと樽からっぽにしたにはしたが、そんなものは焼け石に水のひとしずくさ」――「それならぼくが助けてあげられるよ」とまぬけは言った。「いっしょにおいで。たらふく飲ませてあげるから」まぬけが男を王の地下蔵へ連れていくと、男は大樽にとりついて、腰が痛くなるほど飲みに飲み、一日もたたないうちに地下蔵をすっかり飲み干してしまった。まぬけはまた花嫁をくださいと言ったが、王は、だれもがまぬけと呼ぶようなつまらぬ若者に娘をさらっていかれるのが腹立たしく、新しい条件を出した。まず、山ほどのパンを食べ尽くせる男を連れてこい、というのだ。まぬけがまた森へ行くと、木のあった場所にひとりの男が座っていて、革帯でおなかをぎゅっと締めあげ、浮かない顔をして言った。「皮をこそげたパンを、かまどひとつぶんまるごと平らげたんだが、こんなにひどい腹ぺこじゃなんの足しにもならない。腹にはなんにも入った気がしないし、飢え死にしたくなけりゃ、こうして締めあげておくしかないんだ」まぬけはそれを聞くと喜んで言った。「さあ立って、ぼくといっしょにおいで。おなかいっぱい食べさせてあげるから」まぬけは男を王のもとへ連れていった。王は国じゅうの小麦粉を運ばせて、とてつもない山ほどのパンを焼かせていたが、森から来た男はその前に陣取ると、ひと昼ひと晩のうちに、山はすっかり消えてしまった。まぬけはまた花嫁を求めたが、王はもう一度言い逃れをして、陸でも水の上でも走れる船を求めた。それを手に入れたら、すぐにも王女をやろう、というのだ。まぬけがもう一度森へ行くと、焼き菓子をやったあの年とった灰色の小人が座っていて、言った。「おまえさんのために、わしは飲みもしたし食べもした。船もくれてやろう。それもこれもみな、おまえさんがわしに情けをかけてくれたからだよ」そうして小人はまぬけに、陸でも水の上でも走る船を与えた。王はそれを見ると、娘をまぬけにやらないわけにいかなかった。こうして婚礼が祝われ、まぬけは国を継いで、妃と長いあいだ楽しく暮らした。

Kommentar解説

四つの話をまとめた一編。梨を盗む鳩を追う末息子の「白い鳩」、「蜂の女王」、「三枚の羽根」、「金のガチョウ」。

1819年に後の三つはそれぞれ独立した話(KHM 62〜64)になり、決定版まで残った一次。消えたのは第一話「白い鳩」だけで、兄弟は初版の注で「金の鳥」(KHM 57)と冒頭が似ていると書いていた一次。似た話の重複を整理した結果と見られる推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版第1巻付録

Zu dem Dummling. No. 64.

I. Die weiße Taube hat im Eingang Aehnlichkeit mit dem goldenen Vogel. No. 57.

II. Die Bienenkönigin hat offenbar viel Uebereinstimmung in den Motiven mit dem Mährchen von Fix und Fertig (No. 16). III. Die drei Federn. Hier finden sich häufig kleine Abweichungen in andern Recensionen, besonders in den Aufgaben. Der Vater gibt jedem der drei Söhne einen Apfel, wer den seinen am weitesten wegwirft, soll das Reich erben. Der des jüngsten fliegt am weitesten, weil der aber gar zu dumm ist, will der Vater ihm das Recht nicht lassen und verlangt zwanzig Steigen Leinwand in einer Nußschale, der älteste reist nach Holland, der zweite nach Schlesien, wo feine Leinewand seyn soll, der dritte, der Dumme, geht in den Wald, da fällt eine Nußschale von einem Baum, worin das Linnen steckt. Darnach verlangt er einen Hund, der durch seinen Trauring springen kann, dann drei Zahlen Garn, die durch ein Nadelöhr gehen: alles bringt der Dummling. Nach einer andern Erzählung soll der des Königs Gut erben, der den schönsten Geruch mitbringt, der Dumme kommt vor ein Haus, da sitzt die Katz vor der Thür und fragt: „was bist du so traurig?“ – „Ach! du kannst mir doch nicht helfen!“ – „Nun hör einer! sag nur was dir fehlt.“ Die Katz verschafft ihm dann den besten Geruch. Wiederum ist die Einleitung mannichfach: der Vater jagt den dummen Hans fort, weil er gar zu dumm ist, da geht er an des Meeres Gestade, setzt sich hin und weint; da kommt die Kröte, die eine verzauberte schöne Jungfrau ist, mit der springt er auf ihr Geheiß ins Wasser und ringt mit ihr und erwirbt sich das Reich, indem sie ihre menschliche Gestalt dadurch wieder gewinnt. – In der braunschweiger Sammlung steht das Märchen S. 271-286. wieder mit andern Aufgaben 1) der Kahn zu dem kein Spänchen gehauen, den ein Greis ihm giebt, weil er ihn gelabt. 2) Die kleinste, feinste Webeleinwand. Diese giebt ihm eine kluge Katze in einer Nuß, als diese aufgemacht wird, liegt eine noch kleinere darin, in dieser endlich ein Gerstenkorn, und dieses enthält erst das Gewebe. 3) Die schönste Braut, in die sich die Katze verwandelt.

初版第2巻付録

Num. 64. I. (Weiße Taube.) Das gedruckte dänische Märchen: Historie om trende Brödre, iblandt hvilke den yngste efter han havde af sine to brödre lidt stor foragt … omsider blev en Fyrste u. s. w. scheint in diesen Kreis zu gehören. Nyerup (Iris, Juny 1795. S. 281.) Der es zu schnell verurtheilte, hat sich nur kurz darüber ausgelassen.

Num. 64. III. (Die drei Federn.) Ueber das Federaufblasen denen man nachgeht. Vgl. Altd. Wälder I. 91. Und Aventin bair. Chronik S. 98b. „Es ist auch sonst ein gemein Sprüchwort vorhanden, das gemeiniglich diejenigen brauchen, so fremde Land bauen wollen oder sollen: „ich will ein Feder aufblasen, wo dieselbig hinaus fleugt, will ich nachfahren.“ – S. auch Völnndurs Lied, wo der eine Bruder nach Osten, der zweite nach Süden auszieht, der dritte aber daheim bleibt.

Num. 64. IV. (Goldne Gans.) Vgl.jüngere Edda Dämis. 51.

Erster Band · Nr. 66 · 1812

Hurleburlebutzフルレブルレブッツ

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類別の話へ

Ein König verirrte sich auf der Jagd, da trat ein kleines weißes Männchen vor ihn: „Herr König, wenn ihr mir eure jüngste Tochter geben wollt, so will ich euch wieder aus dem Wald führen.“ Der König sagte es in seiner Angst zu, das Männchen brachte ihn auf den Weg, nahm dann Abschied und rief noch nach: „in acht Tagen komm ich und hol meine Braut.“ Daheim aber war der König traurig über sein Versprechen, denn die jüngste Tochter hatte er am liebsten; das sahen ihm die Prinzessinnen an, und wollten wissen, was ihm Kummer mache. Da mußt ers endlich gestehen, er habe die jüngste von ihnen einem kleinen weißen Waldmännchen versprochen, und das komme in acht Tagen und hole sie ab. Sie sprachen aber, er solle gutes Muths seyn, das Männchen wollten sie schon anführen. Darnach als der Tag kam, kleideten sie eine Kuhhirtstochter mit ihren Kleidern an, setzten sie in ihre Stube und befahlen ihr: „wenn jemand kommt, und will dich abholen, so gehst du mit!“ sie selber aber gingen alle aus dem Hause fort. Kaum waren sie weg, so kam ein Fuchs in das Schloß, und sagte zu dem Mädchen: „setz dich auf meinen rauhen Schwanz, Hurleburlebutz! hinaus in den Wald!“ Das Mädchen setzte sich dem Fuchs auf den Schwanz, und so trug er es hinaus in den Wald; wie sie aber auf einen schönen grünen Platz kamen, wo die Sonne recht hell und warm schien, sagte der Fuchs: „steig ab und laus mich!“ Das Mädchen gehorchte, der Fuchs legte seinen Kopf auf ihren Schooß und ward gelaust; bei der Arbeit sprach das Mädchen: „gestern um die Zeit wars doch schöner in dem Wald!“ – „Wie bist du in den Wald gekommen?“ fragte der Fuchs. – „Ei, da hab ich mit meinem Vater die Kühe gehütet.“ – „Also bist du nicht die Prinzessin! setz dich auf meinen rauhen Schwanz, Hurleburlebutz! zurück in das Schloß!“ Da trug sie der Fuchs zurück und sagte zum König: „du hast mich betrogen, das ist eine Kuhhirtstochter, in acht Tagen komm ich wieder und hol mir deine.“ Am achten Tage aber kleideten die Prinzessinnen eine Gänsehirtstochter prächtig an, setzten sie hin und gingen fort. Da kam der Fuchs wieder und sprach: „setz dich auf meinen rauhen Schwanz, Hurleburlebutz! hinaus in den Wald!“ Wie sie in dem Wald auf den sonnigen Platz kamen, sagte der Fuchs wieder: „steig ab und laus mich.“ Und als das Mädchen den Fuchs lauste, seufzte es und sprach: „wo mögen jetzt meine Gänse seyn!“ – „Was weißt du von Gänsen?“ – „Ei, die hab ich alle Tage mit meinem Vater auf die Wiesen getrieben.“ – „Also bist du nicht des Königs Tochter! setz dich auf meinen rauhen Schwanz, Hurleburlebutz! zurück in das Schloß!“ Der Fuchs trug sie zurück und sagte zum König: „du hast mich wieder betrogen, das ist eine Gänsehirtstochter, in acht Tagen komm ich noch einmal, und wenn du mir dann deine Tochter nicht giebst, so soll dirs über gehen.“ Dem König ward Angst, und wie der Fuchs wieder kam, gab er ihm die Prinzessin. „Setz dich auf meinen rauhen Schwanz, Hurleburlebutz! hinaus in den Wald.“ Da mußte sie auf dem Schwanz des Fuchses hinausreiten, und als sie auf den Platz im Sonnenschein kamen, sprach er auch zu ihr: „steig ab und laus mich!“ als er ihr aber seinen Kopf auf den Schooß legte, fing die Prinzessin an zu weinen und sagte: „ich bin eines Königs Tochter und soll einen Fuchs lausen, säß ich jetzt daheim in meiner Kammer, so könnt ich meine Blumen im Garten sehen!“ Da hörte der Fuchs, daß er die rechte Braut hatte, verwandelte sich in das kleine, weiße Männchen, und das war nun ihr Mann, bei dem mußt’ sie in einer kleinen Hütte wohnen, ihm kochen und nähen, und es dauerte eine gute Zeit. Das Männchen aber that ihr alles zu Liebe.

ある王が狩りの最中に道に迷った。すると小さな白い小人が王の前に現れて言った。「王さま、いちばん下の姫さまをくださるなら、森から連れ出してさしあげましょう」 王はおそろしさのあまり承知した。小人は王を道まで連れていき、別れを告げると、後ろからこう呼びかけた。「八日したら花嫁を迎えに来ますよ」 ところが城に帰ってみると、王は自分のした約束が悲しくてならなかった。いちばん下の娘をだれよりもかわいがっていたからだ。王女たちは王のようすを見てとり、何を悩んでいるのかと知りたがった。そこで王もとうとう打ち明けないわけにはいかなくなり、いちばん下の娘を森の小さな白い小人に約束してしまった、その小人が八日したら迎えに来るのだ、と言った。けれども王女たちは、元気を出してください、その小人ならわたしたちがうまくだましてやります、と言った。さてその日が来ると、王女たちは牛飼いの娘に自分たちの服を着せて部屋に座らせ、言いつけた。「だれかが迎えに来たら、ついて行くのよ!」 そして自分たちはみんな家から出ていった。王女たちがいなくなったとたん、一匹の狐が城に入ってきて、娘に言った。「おれのごわごわのしっぽにお乗り、フルレブルレブッツ! 森へ出かけよう!」 娘が狐のしっぽに腰をかけると、狐は娘を乗せて森へ運んでいった。ところが、お日さまがあかるく暖かく照っているきれいな緑の草地まで来ると、狐は言った。「降りて、おれのしらみを取っておくれ!」 娘が言われたとおりにすると、狐は娘のひざに頭をのせて、しらみを取ってもらった。その仕事をしながら、娘は言った。「きのうのいまごろのほうが、森はもっとすてきだったわ!」――「どうして森にいたんだい?」と狐がたずねた。――「だって、父さんといっしょに牛の番をしていたんですもの」――「それじゃおまえは王女じゃないな! おれのごわごわのしっぽにお乗り、フルレブルレブッツ! お城へ帰ろう!」 そこで狐は娘を城へ連れ帰り、王に言った。「よくもだましたな。これは牛飼いの娘じゃないか。八日したらまた来て、今度こそあんたの娘をもらっていくぞ」 さて八日目に、王女たちはガチョウ番の娘にきらびやかな服を着せ、そこに座らせて出ていった。すると狐がまたやってきて言った。「おれのごわごわのしっぽにお乗り、フルレブルレブッツ! 森へ出かけよう!」 森の中の日当たりのいい草地まで来ると、狐はまた言った。「降りて、おれのしらみを取っておくれ」 そして娘は狐のしらみを取りながら、ため息をついて言った。「いまごろ、わたしのガチョウたちはどこにいるのかしら!」――「ガチョウのことなんか、どうして知っているんだい?」――「だって、毎日父さんといっしょに牧草地へ追っていったんですもの」――「それじゃおまえは王さまの娘じゃないな! おれのごわごわのしっぽにお乗り、フルレブルレブッツ! お城へ帰ろう!」 狐は娘を城へ連れ帰って、王に言った。「またしてもだましたな。これはガチョウ番の娘じゃないか。八日したらもう一度来る。そのときに娘をよこさなかったら、ひどい目にあわせてやるからな」 王はおそろしくなり、狐がまたやってくると、王女を渡した。「おれのごわごわのしっぽにお乗り、フルレブルレブッツ! 森へ出かけよう」 そこで王女は狐のしっぽに乗って出かけなければならなかった。そして日の照る草地まで来ると、狐はやはり王女にも言った。「降りて、おれのしらみを取っておくれ!」 ところが狐が王女のひざに頭をのせると、王女は泣きだして言った。「わたしは王の娘なのに、狐のしらみを取らなければならないなんて。いまごろお城の自分の部屋にいたら、庭のわたしの花をながめていられたのに!」 それで狐は、ほんものの花嫁を手に入れたとわかり、もとの小さな白い小人の姿に戻った。そしてこれがいまや王女の夫になった。王女は小人といっしょに小さな小屋に住み、小人のために煮炊きをしたり縫い物をしたりしなければならなかった。そんな暮らしがかなり長くつづいた。けれども小人は、何ごとにつけ王女にやさしくしてくれた。

Einmal sagte das Männchen zu ihr: „ich muß fortgehen, aber es werden bald drei weiße Tauben geflogen kommen, die werden ganz niedrig über die Erde hinstreifen, davon fang die mittelste, und wenn du sie hast, schneid ihr gleich den Kopf ab, hüt’ dich aber, daß du keine andere ergreifst, als die mittelste, sonst entsteht ein groß Unglück daraus.“ Das Männchen ging fort; es dauerte auch nicht lang, so kamen drei weiße Tauben daher geflogen. Die Prinzessin gab Acht, ergriff die mittelste, nahm ein Messer und schnitt ihr den Kopf ab. Kaum aber lag der auf dem Boden, so stand ein schöner junger Prinz vor ihr und sprach: „mich hat eine Fee verzaubert, sieben Jahr lang sollt ich meine Gestalt verlieren, und sodann als eine Taube an meiner Gemahlin vorbeifliegen, zwischen zwei andern, da müsse sie mich fangen und mir den Kopf abhauen, und fange sie mich nicht, oder eine unrechte, und ich sey einmal vorbeigeflogen, so sey alles vorbei und keine Erlösung mehr möglich: darum hab ich dich gebeten, ja recht Acht zu haben, denn ich bin das graue Männlein und du meine Gemahlin.“ Da war die Prinzessin vergnügt, und sie gingen zusammen zu ihrem Vater, und als der starb, erbten sie das Reich.

あるとき小人が王女に言った。「わたしは出かけなければならない。けれどもまもなく白い鳩が三羽飛んでくるだろう。鳩たちは地面すれすれに低く飛んでくるから、そのうちのまんなかの一羽をつかまえるんだ。つかまえたら、すぐにその首を切り落としなさい。ただし、まんなかの一羽以外はけっしてつかまないように気をつけるんだよ。さもないと、たいへんな不幸が起こるから」 小人は出かけていった。いくらもたたないうちに、白い鳩が三羽飛んできた。王女はよく気をつけて、まんなかの一羽をつかまえ、ナイフを取って、その首を切り落とした。ところがその首が地面に落ちたとたん、美しい若い王子が目の前に立っていて、こう言った。「わたしは妖精に魔法をかけられたのだ。七年のあいだ、わたしはもとの姿を失い、そのあとで鳩になって、ほかの二羽のあいだにはさまって妻のそばを飛びすぎなければならなかった。そのとき妻がわたしをつかまえて首をはねてくれなければならない。もしつかまえてくれなかったり、ちがう鳩をつかまえたりしたら、わたしが一度飛びすぎてしまえば、それで何もかもおしまいで、もう二度と救われることはない、というのだった。だから、よくよく気をつけてくれと頼んだのだよ。わたしはあの灰色の小人で、おまえはわたしの妻なのだ」 王女は大喜びで、二人はいっしょに王女の父のもとへ行き、父王が亡くなると、その国を継いだ。

Kommentar解説

森で道に迷った王が、助けと引き換えに末娘を白い小人に約束してしまう。身代わりに差し出した娘たちは、狐のしっぽに乗せられて運ばれる途中で、口を滑らせて正体を見破られる。最後に、狐も灰色の小人も、呪いをかけられた王子の姿だったとわかる。

1856年の注釈巻で「鉄のストーブ」(KHM 127)の注に、異話として収められた一次。「白鳥王子」と同じ行き先である。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版第1巻付録

Zum Hurleburlebutz. No. 66.

Aehnlichkeit damit hat ein Märchen in der Braunschweiger Sammlung S. 322-48. Eine Prinzessin ist so stolz auf ihre Schönheit und wird ganz übermüthig, daß sie alle Freier verspottet, und als Thiere abmahlen läßt, auch alle Wünsche erfüllt haben will. Einmal träumt sie von dem singenden, klingenden Bäumchen, und ihr Vater muß ausziehen und es suchen. Er findet es glücklich, wie er es aber ausreißt, springt ein fürchterlicher Löwe aus der Erde, dem muß er dafür das angeloben, was ihm zuerst zu Haus begegnen wird. Das ist nun die stolze Prinzessin, die das singende, klingende Bäumchen kommen hörte. Der König erschrickt und sagt, daß sie einem Löwen jetzt zugefallen sey, aber sie bekümmert sich nicht darum, läßt die Tochter einer Wäscherin mit ihren Kleidern anthun und an ihren Platz setzen. Nach drei Tagen kommt der Löwe: „setz dich auf meinen Rücken“, spricht er, und trägt sie in den Wald. Das Mädchen weint, wie es eine Quelle sieht: „wer wird meiner Mutter jetzt waschen helfen!“ Der Löwe merkt den Betrug, trägt sie zurück und kommt nach drei Tagen wieder, da sitzt eines Hirten Tochter in den Kleidern der Prinzessin, „setz dich auf meinen Rücken,“ sagt der Löwe und trägt sie hinaus. Wie sie auf die bunte Wiese kommen, seufzt das Mädchen:„ach! wer wird den Hans trösten, wenn ich nicht bei ihm hier liegen kann!“ Der Löwe kehrt wieder um, bringt dem König die falsche Braut, droht ihm, und läuft zur Prinzessin, die sich gleich auf seinen Rücken setzen und mit ihm fort muß. Er führt sie in eine Höhle, wo sie an elf Kranken die niedrigsten Arbeiten thun muß und ihre eiternden Wunden heilen. Sie empfindet da Reue über ihren vorigen Hochmuth, heilt dann auch den Löwen, der verwundet wird, und mit dem allem büßt sie ihre Sünden, befindet sich einmal, als sie erwacht, wieder in dem prächtigen Schloß bei ihrem Vater, der Löwe aber ist ein schöner Jüngling geworden, und ihr Bräutigam.

In dem Märchen vom Weißtäubchen in der Erfurtschen Sammlung S. 87 88. wird auch der Zauber gelöst, indem das Mädchen der Taube den Kopf abreißt, und ihn gegen Morgen, den Rumpf gegen Abend wirft. In einer andern mündlichen Erzählung, fragt der Fuchs immer, das Mädchen, das er fortträgt, wie viel Uhr es sey, die Hirtentöchter antworten, zehn Uhr, wenn ich die Heerde sonst zusammengeblasen habe, die Königstochter aber, zehn Uhr, wenn zur Tafel geblasen wird, und nun bin ich hier im Wald und habe nichts zu essen.

初版第2巻付録

Num. 66. (Hurleburlebutz.) Wie die Söhne damit erprobt werden, ob sie ein Stück Kuchen mittheilen, so erhält Engelhart (im Roman des Conrad von Würzburg s. Eschenburgs Denkmäler S. 44.) von seinem Vater auf die Reise drei Aepfel, wer ihm begegne, dem solle er einen reichen; verzehre ihn der Fremde ganz, ohne ihm einen Theil davon zu geben, solle er ihn meiden, gäbe er aber etwas, solle er seine Freundschaft annehmen. Auch der dritte zeigt sich erst gut.

Erster Band · Nr. 68 · 1812

Von dem Sommer- und Wintergarten夏と冬の庭

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類別の話へ

Ein Kaufmann wollte auf die Messe gehen, da fragte er seine drei Töchter, was er ihnen mitbringen sollte. Die älteste sprach: „ein schönes Kleid;“ die zweite: „ein paar hübsche Schuhe;“ die dritte: „eine Rose.“ Aber die Rose zu verschaffen, war etwas schweres, weil es mitten im Winter war, doch weil die jüngste die schönste war, und sie eine so große Freude an den Blumen hatte, sagte der Vater, er wolle zusehen, ob er sie bekommen könne, und sich rechte Mühe darum geben.

ある商人が市に出かけることになり、三人の娘たちに、何をおみやげに持って帰ってほしいかとたずねた。いちばん上の娘は言った。「きれいな服」二番めの娘は言った。「すてきな靴を一足」三番めの娘は言った。「バラを一輪」けれども、バラを手に入れるのはむずかしいことだった。ちょうど真冬だったからだ。それでも、いちばん下の娘はいちばん美しく、花をたいそう好んでいたので、父親は、手に入るかどうかやってみよう、精いっぱい骨を折ってみよう、と言った。

Als der Kaufmann wieder auf der Rückreise war, hatte er ein prächtiges Kleid für die älteste, und ein paar schöne Schuhe für die zweite, aber die Rose für die dritte hatte er nicht bekommen können, wenn er in einen Garten gegangen war, und nach Rosen gefragt, hatten die Leute ihn ausgelacht: „ob er denn glaube, daß die Rosen im Schnee wüchsen.“ Das war ihm aber gar leid, und wie er darüber sann, ob er gar nichts für sein liebstes Kind mitbringen könne, kam er vor ein Schloß, und dabei war ein Garten, in dem war es halb Sommer und halb Winter, und auf der einen Seite blühten die schönsten Blumen groß und klein, und auf der andern war alles kahl und lag ein tiefer Schnee. Der Mann stieg vom Pferd herab, und wie er einen ganze Hecke voll Rosen auf der Sommerseite erblickte, war er froh, ging hinzu und brach eine ab, dann ritt er wieder fort. Er war schon ein Stück Wegs geritten, da hörte er etwas hinter sich herlaufen und schnaufen, er drehte sich um, und sah ein großes schwarzes Thier, das rief: „du giebst mir meine Rose wieder, oder ich mache dich todt, du giebst mir meine Rose wieder, oder ich mach dich todt!“ da sprach der Mann: „ich bitt dich, laß mir die Rose, ich soll sie meiner Tochter mitbringen, die ist die schönste auf der Welt.“ – „Meinetwegen, aber gieb mir die schöne Tochter dafür zur Frau?“ Der Mann, um das Thier los zu werden, sagt ja, und denkt, das wird doch nicht kommen und sie fordern, das Thier aber rief noch hinter ihm drein: „in acht Tagen komm ich und hol meine Braut.“

帰り道についたとき、商人はいちばん上の娘のためにすばらしい服を、二番めの娘のためにきれいな靴を一足持っていたが、三番めの娘のためのバラは手に入れることができなかった。どこかの庭に入っていって、バラはないかとたずねると、人々は商人をあざ笑った。「バラが雪の中に咲くとでも思っているのか」と。商人はそれがたいそうつらく、いちばんかわいい娘に何も持って帰ってやれないのかと思いめぐらしていると、ある城の前に来た。城のそばには庭があって、その庭は半分が夏で半分が冬だった。一方の側には大小さまざまのこのうえなく美しい花が咲き、もう一方の側では何もかも枯れはてて、深い雪が積もっていた。男は馬から下り、夏の側に生け垣いっぱいのバラを見つけると喜んで、そこへ行って一輪手折り、それからまた馬に乗って去った。しばらく行くと、何かが後ろから追いかけてきて、荒い息を吐いているのが聞こえた。振り返ると、大きな黒いけものがいて、叫んでいた。「おれのバラを返せ、さもないと殺してやる。おれのバラを返せ、さもないと殺してやる!」そこで男は言った。「お願いだ、このバラをわたしにくれ。娘に持って帰ってやらなくてはならないのだ。世界でいちばん美しい娘なのだ」――「それならかまわん。だが、そのかわりにその美しい娘をおれの嫁によこすか?」男はけものから逃れたい一心で、よし、と言った。まさか本当に娘をもらいに来ることはあるまい、と思ったのだ。ところがけものは、男の背中に向かって、さらに叫んだ。「八日たったら、花嫁をもらいに行くぞ」

Der Kaufmann brachte nun einer jeden Tochter mit, was sie gewünscht hatten; sie freuten sich auch alle darüber, am meisten aber die jüngste über die Rose. Nach acht Tagen saßen die drei Schwestern beisammen am Tisch, da kam etwas mit schwerem Gang die Treppe herauf, und an die Thüre und rief: „macht auf! macht auf!“ Da machten sie auf, aber sie erschracken recht, als ein großes schwarzes Thier hereintrat: „Weil meine Braut nicht gekommen, und die Zeit herum ist, will ich mir sie selber holen.“ Damit ging es auf die jüngste Tochter zu und packte sie an. Sie fing an zu schreien, das half aber alles nichts, sie mußte mit fort, und als der Vater nach Haus kam, war sein liebstes Kind geraubt. Das schwarze Thier aber trug die schöne Jungfrau in sein Schloß, da wars gar wunderbar und schön, und Musikanten waren darin, die spielten auf, und unten war der Garten halb Sommer und halb Winter, und das Thier that ihr alles zu Liebe, wases ihr nur an den Augen absehen konnte. Sie aßen zusammen, und sie mußte ihm aufschöpfen, sonst wollte es nicht essen, da ward sie dem Thier hold, und endlich hatte sie es recht lieb. Einmal sagte sie zu ihm: „mir ist so Angst, ich weiß nicht recht warum, aber mir ist, als wär mein Vater krank, oder eine von meinen Schwestern, könnte ich sie nur ein einzigesmal sehen!“ Da führte sie das Thier zu einem Spiegel und sagte: „da schau hinein,“ und wie sie hineinschaute, war es recht als wäre sie zu Haus; sie sah ihre Stube und ihren Vater, der war wirklich krank, aus Herzeleid, weil er sich Schuld gab, daß sein liebstes Kind von einem wilden Thier geraubt und gar von ihm aufgefressen sey, hätt’ er gewußt, wie gut es ihm ging, so hätte er sich nicht betrübt; auch ihre zwei Schwestern sah sie am Bett sitzen, die weinten. Von dem allen war ihr Herz ganz schwer, und sie bat das Thier, es sollte sie nur ein paar Tage wieder heim gehen lassen. Das Thier wollte lange nicht, endlich aber, wie sie so jammerte, hatte es Mitleiden mit ihr und sagte: „geh hin zu deinem Vater, aber versprich mir, daß du in acht Tagen wieder da seyn willst.“ Sie versprach es ihm, und als sie fort ging, rief es noch: „bleib aber ja nicht länger als acht Tage aus.“

商人は娘たちそれぞれに、望んだものを持って帰った。娘たちはみな喜んだが、いちばん喜んだのはバラをもらったいちばん下の娘だった。八日たって、三人の姉妹がいっしょにテーブルについていると、何かが重い足どりで階段をのぼってきて、戸口まで来て叫んだ。「開けろ! 開けろ!」そこで娘たちが戸を開けると、大きな黒いけものが入ってきたので、すっかり肝をつぶした。「花嫁が来ないし、約束の日も過ぎたから、自分でもらいに来たぞ」そう言うと、けものはいちばん下の娘のところへ行って、娘をつかまえた。娘は叫びはじめたが、どうにもならず、連れていかれるしかなかった。父親が家に帰ってきたときには、いちばんかわいい娘はさらわれてしまっていた。黒いけものは美しい娘を自分の城へ運んでいった。そこはとてもふしぎで美しく、楽士たちがいて音楽を奏でていた。下には、半分が夏で半分が冬の庭があった。けものは、娘の目を見て察せられることなら、なんでも娘のためにしてやった。二人はいっしょに食事をしたが、娘がけものに料理をよそってやらなければならなかった。そうしないと、けものは食べようとしなかったのだ。そうするうちに娘はけものに心を寄せるようになり、とうとう心から好きになった。あるとき、娘はけものに言った。「とても不安なの。なぜだかよくわからないけれど、お父さまか、姉さんのどちらかが病気のような気がするの。せめて一度だけでも会えたらいいのに!」するとけものは娘を鏡のところへ連れていって言った。「この中をのぞいてごらん」娘がのぞきこむと、まるで家にいるかのようだった。自分の部屋と父親が見えた。父親はほんとうに病気だった。いちばんかわいい娘が野獣にさらわれ、そのうえ食い殺されてしまったのは自分のせいだと責めて、悲しみのあまり病気になったのだ。娘がどんなに幸せに暮らしているかを知っていたら、こんなに嘆きはしなかっただろうに。二人の姉がベッドのそばに座って泣いているのも見えた。それを見て娘の心はすっかり重くなり、ほんの二、三日でいいから家に帰らせてほしいとけものに頼んだ。けものは長いこと承知しなかったが、娘があまりに嘆き悲しむので、とうとうかわいそうになって言った。「お父さんのところへ行っておいで。でも八日たったら帰ってくると約束しておくれ」娘はそう約束した。娘が出かけるとき、けものはさらに声をかけた。「でも、決して八日より長くいてはいけないよ」

Wie sie heim kam, freute sich ihr Vater, daß er sie noch einmal sähe, aber die Krankheit und das Leid hatten schon zu sehr an seinem Herzen gefressen, daß er nicht wieder gesund werden konnte, und nach ein paar Tagen starb er. Da konnte sie an nichts anders denken vor Traurigkeit, und hernach ward ihr Vater begraben, da ging sie mit zur Leiche, und dann weinten die Schwestern zusammen und trösteten sich, und als sie endlich wieder an ihr liebes Thier dachte, da waren schon längst die acht Tage herum. Da ward ihr recht Angst, und es war ihr, als sey das auch krank, und sie machte sich gleich auf, und ging wieder hin zu seinem Schloß. Wie sie aber wieder ankam, wars ganz still und traurig darin, die Musikanten spielten nicht, und alles war mit schwarzem Flor behangen; der Garten aber war ganz Winter und von Schnee bedeckt. Und wie sie das Thier selber suchte, war es fort, und sie suchte aller Orten, aber sie konnte es nicht finden. Da war sie doppelt traurig, und wußte sich nicht zu trösten, und einmal ging sie so traurig im Garten, und sah einen Haufen Kohlhäupter, die waren oben schon alt und faul, da legte sie die herum, und wie sie ein paar umgedreht hatte, sah sie ihr liebes Thier, das lag darunter und war todt. Geschwind holte sie Wasser und begoß es damit unaufhörlich, da sprang es auf und war auf einmal verwandelt, und ein schöner Prinz. Da ward Hochzeit gehalten und die Musikanten spielten gleich wieder, die Sommerseite im Garten kam prächtig hervor, und der schwarze Flor ward abgerissen, und sie lebten vergnügt miteinander immerdar.

娘が家に帰ると、父親はもう一度娘に会えたことを喜んだが、病と悲しみがすでに心をむしばみすぎていて、もう元気になることはできず、二、三日すると死んでしまった。娘は悲しみのあまり、ほかのことは何も考えられなかった。それから父親が葬られることになり、娘も葬列について行った。そのあと姉妹はいっしょに泣いて慰めあった。そして娘がようやく、いとしいけもののことをまた思い出したときには、八日はもうとっくに過ぎていた。娘はひどく不安になり、けものも病気になっているような気がして、すぐに出発し、けものの城へ戻っていった。ところが城に着いてみると、中はしんと静まりかえって悲しげで、楽士たちは演奏しておらず、何もかもが黒い喪の布で覆われていた。庭はすっかり冬になって、雪に覆われていた。娘はけものを探したが、けものはいなくなっていた。あちこち探しまわっても、見つからなかった。娘は二重に悲しく、どうしても心を慰めることができなかった。あるとき、娘がそうして悲しい思いで庭を歩いていると、キャベツが山のように積まれていて、上のほうはもう古くなって腐っていた。娘はそれを動かしていった。二つ三つひっくり返したところで、その下にいとしいけものが横たわっていて、死んでいるのが見えた。娘は急いで水を汲んできて、絶え間なくけものにかけてやった。するとけものは跳び起き、たちまち姿が変わって、美しい王子になった。そこで婚礼が開かれ、楽士たちはすぐにまた演奏を始めた。庭の夏の側はみごとによみがえり、黒い喪の布は引きはがされ、二人はいつまでも楽しくいっしょに暮らした。

Kommentar解説

冬にバラを求めた末娘が、黒い獣の城に迎えられる。城の庭は半分が夏、半分が冬。家に帰って戻りが遅れると、獣は腐ったキャベツの山の下で死んだようになっている。『美女と野獣』の型。

兄弟は初版の注で「本来はプシュケの寓話」と書き、18世紀の小説での使われ方を「拙い」と評している一次。1856年の注釈巻では「歌って跳ねるヒバリ」(KHM 88)の注に、別の語りとして要約された一次。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

Zum Sommer- und Wintergarten. No. 68.

Eigentlich die Fabel von der Psyche, noch näher in andern Recensionen, wo die Schwestern bösartig sind, und die jüngste, als sie gekommen ist, sie zu besuchen, mit Gewalt zurückhalten. In einem Roman, die junge Amerikanerin Ulm 1765. I, 30-231. ist auch dieses Märchen, aber schlecht benutzt. Das Thier ist ein Drache, aus dessen Garten (es ist auch kein Winter) der Vater sich eine Rose bricht und dafür seine Tochter versprechen muß. Die Tochter geht selbst in des Drachen Schloß, der stellt sich dumm und ungeschickt, in der Nacht aber träumt sie von einem schönen Jüngling, und allmählig gewöhnt sie sich an ihn so, daß sie ihn endlich lieb gewinnt. Sie besucht ihre Eltern und kommt zurück durch Hülfe eines Rings, der ein- und auswärts gedreht wird. Endlich gesteht sie ihm in einer Nacht, daß sie ihn lieb habe, da ist er am Morgen ein schöner Jüngling und sein Zauber gelöst. Es entdeckt sich auch, daß sie nicht des Kaufmanns Tochter, sondern von einer Fee untergeschoben ist. In der Leipziger Sammlung ist es das siebente Märchen (S. 113-130). Die jüngste Tochter bittet den Vater bei seiner Abreise um einen Eichelzweig mit drei Eicheln an einem Stengel. Der Vater verirrt sich in dem Wald, kommt zu einem prächtigen Schloß, das ganz leer steht, wo er aber alles aufs beste vorfindet. In der Nacht kommt ein Bär, bringt die drei Eicheln an einen Stengel und verlangt die Tochter, die der Vater endlich bewilligt. Zu Haus werden die Thüren verschlossen, der Bär aber kommt doch zweimal um Mitternacht herein und fordert die Braut; in der dritten sind die Koffer von selbst gepackt und drei Eicheln stecken darauf, die Tochter selbst ist wie eine Braut geputzt, ihr Haar von selbst gekräuselt und weiß es nicht, der Bär aber steht neben ihr, und steckt ihr einen Goldring mit einer Bärentatze und drei Eicheln an den Finger. Da fährt sie mit ihm hinaus, sieht in der Folge Vater und Schwestern in einem Spiegel, geht aber nicht heim, und nachdem sie ein Kind geboren und dies über drei Jahre alt ist, wird der Zauber gelöst, und der Bär in einen schönen Jüngling verwandelt. Bloß der Anfang ist gut und ächt, am Ende scheint vieles gemacht zu seyn.

Erster Band · Nr. 70 · 1812

Der Okerloオケルロ

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類外国・書物から怖さ††

Eine Königin setzte ihr Kind in einer goldenen Wiege aufs Meer, und ließ es fortschwimmen; es ging aber nicht unter, sondern schwamm zu einer Insel, da wohnten lauter Menschenfresser. Wie nun so die Wiege geschwommen kam, stand gerade die Frau des Menschenfressers am Ufer, und als sie das Kind sah, welches ein wunderschönes Mädchen war, beschloß sie, es groß zu ziehen für ihren Sohn, der sollte es einmal zur Frau haben. Doch hatte sie große Noth damit, daß sie es sorgfältig vor ihrem Mann, dem alten Okerlo versteckte, denn hätte er es zu Gesicht bekommen, so wäre es mit Haut und Haar aufgefressen worden.

ある王妃が自分の子どもを金のゆりかごに入れて海に浮かべ、流してしまった。けれども子どもは沈まずに、ある島へ流れついた。その島には人食いばかりが住んでいた。ゆりかごが流れてきたとき、ちょうど人食いのおかみさんが岸辺に立っていた。おかみさんはその子を見ると、それはそれは美しい女の子だったので、自分の息子のために育てて、いつか嫁にさせようと決めた。けれども、夫である年取ったオケルロからその子を念入りに隠しておくのは、たいへんな苦労だった。もし夫の目にとまったら、その子は皮も髪の毛ものこらず食べられてしまっただろうから。

Als nun das Mädchen groß geworden war, sollte es mit dem jungen Okerlo verheirathet werden, es mochte ihn aber gar nicht leiden, und weinte den ganzen Tag. Wie es so einmal am Ufer saß, da kam ein junger, schöner Prinz geschwommen, der gefiel ihm und es gefiel ihm auch, und sie versprachen sich miteinander; indem aber kam die alte Menschenfresserin, die wurde gewaltig bös, daß sie den Prinzen bei der Braut ihres Sohnes fand, und kriegte ihn gleich zu packen: „wart nun, du sollst zu meines Sohnes Hochzeit gebraten werden!“

さて娘が大きくなると、若いオケルロと結婚させられることになった。けれども娘は若いオケルロがどうしても好きになれず、一日じゅう泣いていた。あるとき娘が岸辺に座っていると、若く美しい王子が泳いでやってきた。娘は王子が気に入り、王子も娘が気に入って、二人は結婚の約束をした。ところがそこへ年取った人食い女がやってきて、息子の花嫁のそばに王子がいるのを見ると、かんかんに怒り、すぐさま王子をひっつかんだ。「待っておいで、おまえは息子の婚礼のときに丸焼きにしてやるからね!」

Der junge Prinz, das Mädchen und die drei Kinder des Okerlo schliefen aber alle in einer Stube zusammen, wie es nun Nacht wurde, kriegte der alte Okerlo Lust nach Menschenfleisch, und sagte: „Frau, ich habe nicht Lust bis zur Hochzeit zu warten, gieb mir den Prinzen nur gleich her!“ Das Mädchen aber hörte alles durch die Wand, stand geschwind auf, nahm dem einen Kind des Okerlo die goldene Krone ab, die es auf dem Haupte trug, und setzte sie dem Prinzen auf. Die alte Menschenfresserin kam gegangen, und weil es dunkel war, so fühlte sie an den Häuptern, und das, welches keine Krone trug, brachte sie dem Mann, der es augenblicklich aufaß. Indessen wurde dem Mädchen himmelangst, es dachte: „bricht der Tag an, so kommt alles heraus, und es wird uns schlimm gehen.“ Da stand es heimlich auf und holte einen Meilenstiefel, eine Wünschelruthe und einen Kuchen mit einer Bohne, die auf alles Antwort gab.

ところで若い王子と娘と、オケルロの三人の子どもたちは、みんなひとつの部屋でいっしょに寝ていた。夜になると、年取ったオケルロは人間の肉が食べたくなって言った。「おい、婚礼まで待つ気はしない。その王子をいますぐよこせ!」 娘は壁ごしにすっかり聞いていたので、すばやく起きあがり、オケルロの子どものひとりが頭にかぶっていた金の冠を取って、王子の頭にかぶせた。年取った人食い女がやってきたが、暗かったので頭を手でさぐり、冠をかぶっていないのを夫のところへ運んでいった。夫はたちまちそれを食べてしまった。そのあいだに娘はおそろしくてたまらなくなり、こう思った。「夜が明けたら何もかもばれてしまって、わたしたちはひどい目にあうわ」 そこで娘はこっそり起きあがり、マイル靴と、願いの杖と、なんでも答えてくれる豆の入ったお菓子をひとつ取ってきた。

Nun ging sie mit dem Prinzen fort, sie hatten den Meilenstiefel an, und mit jedem Schritt machten sie eine Meile. Zuweilen frugen sie die Bohne:

それから娘は王子といっしょに逃げだした。二人はマイル靴をはいていて、ひとまたぎごとに一マイルずつ進んだ。ときどき二人は豆にたずねた。

„Bohne, bist du auch da?“

「豆よ、おまえもそこにいるかい?」

„ja,“ sagte die Bohne, „da bin ich, eilt euch aber, denn die alte Menschenfresserin kommt nach im andern Meilenstiefel, der dort geblieben ist!“ Da nahm das Mädchen die Wünschelruthe und verwandelte sich in einen Schwan, den Prinzen in einen Teich, worauf der Schwan schwimmt. Die Menschenfresserin kam und lockte den Schwan ans Ufer, allein es gelang ihr nicht, und verdrießlich ging sie heim. Das Mädchen und der Prinz setzten ihren Weg fort:

「ああ」と豆は言った。「ここにいるよ。でも急いで。年取った人食い女が、あとに残ってたもう一方のマイル靴をはいて追いかけてくるよ!」 そこで娘は願いの杖を手に取って、自分を白鳥に、王子を池に変えた。白鳥はその池の上を泳いでいる。人食い女がやってきて、白鳥を岸へおびきよせようとしたが、うまくいかず、ぷりぷりしながら家へ帰っていった。娘と王子はまた道をつづけた。

„Bohne, bist du da?“

「豆よ、そこにいるかい?」

„ja,“ sprach die Bohne, „hier bin ich, aber die alte Frau kommt schon wieder, der Menschenfresser hat ihr gesagt, warum sie sich habe anführen lassen.“ Da nahm das Mädchen den Stab, und verwandelte sich und den Prinzen in eine Staubwolke, wodurch die Frau Okerlo nicht dringen kann, also kehrte sie unverrichteter Sache wieder um, und die andern setzten ihren Weg fort.

「ああ」と豆は言った。「ここにいるよ。でもばあさんがまたやってくる。なんでだまされたりしたんだと、人食いに言われたんだ」 そこで娘は杖を手に取り、自分と王子を土ぼこりの雲に変えた。オケルロのおかみさんはその雲を通りぬけることができない。そこでおかみさんは何もできないまま引き返し、二人はまた道をつづけた。

„Bohne, bist du da?“

「豆よ、そこにいるかい?」

„ja, hier bin ich, aber ich sehe die Frau Okerlo noch einmal kommen, und gewaltige Schritte macht sie.“ Das Mädchen nahm zum drittenmal den Wünschelstab und verwandelte sich in einen Rosenstock und den Prinzen in eine Biene, da kam die alte Menschenfresserin, erkannte sie in dieser Verwandelung nicht und ging wieder heim.

「ああ、ここにいるよ。でもオケルロのおかみさんがもう一度やってくるのが見える。ものすごい大またで来るよ」 娘は三たび願いの杖を手に取って、自分をばらの木に、王子を蜜蜂に変えた。そこへ年取った人食い女がやってきたが、こんな姿に変わった二人を見分けられず、また家へ帰っていった。

Allein nun konnten die zwei ihre menschliche Gestalt nicht wieder annehmen, weil das Mädchen das letztemal in der Angst den Zauberstab zu weit weggeworfen; sie waren aber schon so weit gegangen, daß der Rosenstock in einem Garten stand, der gehörte der Mutter des Mädchens. Die Biene saß auf der Rose, und wer sie abbrechen wollte, den stach sie mit ihrem Stachel. Einmal geschah es, daß die Königin selber in ihren Garten ging und die schöne Blume sah, worüber sie sich so verwunderte, daß sie sie abbrechen wollte. Aber Bienchen kam und stach sie so stark in die Hand, daß sie die Rose mußte fahren lassen, doch hatte sie schon ein wenig eingerissen. Da sah sie, daß Blut aus dem Stengel quoll, ließ eine Fee kommen, damit sie die Blume entzauberte. Da erkannte die Königin ihre Tochter wieder, und war von Herzen froh und vergnügt. Es wurde aber eine große Hochzeit angestellt, eine Menge Gäste gebeten, die kamen in prächtigen Kleidern, tausend Lichter flimmerten im Saal, und es wurde gespielt und getanzt bis zum hellen Tag.

ところがこんどは、二人とも人間の姿に戻ることができなくなってしまった。最後のとき、娘がこわさのあまり魔法の杖を遠くへ放り投げすぎてしまったからだ。けれども二人はもうずいぶん遠くまで来ていたので、ばらの木が立っていたのは、ある庭の中だった。それは娘の母親の庭だった。蜜蜂はばらの花にとまっていて、花を折りとろうとする者があると、針で刺した。あるとき、王妃が自分で庭に出てきて、その美しい花を見た。王妃はたいそう感心して、それを折りとろうとした。けれども小さな蜜蜂がやってきて、王妃の手をひどく刺したので、王妃はばらを放さないわけにいかなかった。けれども王妃はもう少しばかり茎を裂いてしまっていた。見ると、茎から血がわき出ていたので、王妃は妖精を呼んで、花の魔法を解かせた。そうして王妃は自分の娘だとわかり、心の底から喜んだ。それから盛大な婚礼が催されて、大勢の客が招かれた。客たちはきらびやかな服を着てやってきて、広間には千もの灯がまたたき、夜がすっかり明けるまで、楽を奏で、踊りつづけた。

„Bist du auch auf der Hochzeit gewesen?“ – „ja wohl bin drauf gewesen:

「あんたも婚礼に行ったのかい?」――「ああ、行ったとも。

mein Kopfputz war von Butter, da kam ich in die Sonne, und er ist mir abgeschmolzen;

髪飾りはバターでできていた、お日さまに当たったら、とろりと溶けて落ちちゃった。

mein Kleid war von Spinnweb, da kam ich durch Dornen, die rissen es mir ab;

服はくもの巣でできていた、いばらの中を通ったら、びりりと裂けて取れちゃった。

meine Pantoffel waren von Glas, da trat ich auf einen Stein, da sprangen sie entzwei.“

上靴はガラスでできていた、石ころひとつ踏んだら、ぱりんと割れて二つになった」

Kommentar解説

金のゆりかごで海に流された王女が、人食いばかりの島に流れつく。人食いのおかみさんは息子の嫁にしようと、夫の老オケルロから隠して育てる。娘は王子と、マイル靴と願いの杖で逃げる。婚礼の場面は「バターの髪飾りが日に溶けた」という戯れ歌で終わる。

兄弟の注は、「オケルロ」がイタリア語huorco、フランス語ogre(人食い鬼)と同じ語だと書き、ブラウンシュヴァイクの昔話集(1801)と比べる一次。研究では、ドーノワ夫人の「オレンジの木と蜜蜂」に遡るとされ、語り手はヨハンナ・ハッセンプフルークとされる研究(Uther 2008、独Wikipedia経由)。

フランスの文芸童話の影が濃いことが、1819年に外れた理由と見られる推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

Zum Okerlo. No. 70.

Das ital. huorco, das französ. ogre, Popanz. In diesem Märchen sind einzelne Züge aus dem Daumerling und Fundevogel. In der Braunschweiger Sammlung wird es S. 44-72. fast mit denselben Umständen, nur sehr weitläuftig erzählt. Die Fliehenden lassen einen Rosenstock daheim, der an ihrer Stelle antwortet; sie verwandeln sich nur einmal in einen Pfirsichbaum und eine Biene; ihren Wünschhuth, womit sie alle Zaubereien ausrichten, aber lassen sie auf dem Gipfel des Baums sitzen; sie werden zwar auf diese Art nicht von der Verfolgenden erkannt und sind gesichert, aber der Wind jagt den Wünschhut herab, so daß sie nicht wieder ihre menschliche Gestalt annehmen können. Indessen wird die Prinzessin, die den Hut zugeweht bekommt, durch die Stiche der Biene und durch das Blut, das aus einem abgerissenen Blatt tropft, bewegt, ihn wieder darauf zu werfen und beide sind nun erlöst. Vergl. auch No. 56. der Liebste Roland.

Erster Band · Nr. 71 · 1812

Prinzessin Mäusehautねずみ皮の王女

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類外国・書物から怖さ†

Ein König hatte drei Töchter; da wollte er wissen, welche ihn am liebsten hätte, ließ sie vor sich kommen und fragte sie. Die älteste sprach, sie habe ihn lieber, als das ganze Königreich; die zweite, als alle Edelsteine und Perlen auf der Welt; die dritte aber sagte, sie habe ihn lieber als das Salz. Der König ward aufgebracht, daß sie ihre Liebe zu ihm mit einer so geringen Sache vergleiche, übergab sie einem Diener und befahl, er solle sie in den Wald führen und tödten. Wie sie in den Wald gekommen waren, bat die Prinzessin den Diener um ihr Leben; dieser war ihr treu, und würde sie doch nicht getödtet haben, er sagte auch, er wolle mit ihr gehen, und ganz nach ihren Befehlen thun. Die Prinzessin verlangte aber nichts, als ein Kleid von Mausehaut, und als er ihr das geholt, wickelte sie sich hinein und ging fort. Sie ging geradezu an den Hof eines benachbarten Königs, gab sich für einen Mann aus, und bat den König, daß er sie in seine Dienste nehme. Der König sagte es zu, und sie solle bei ihm die Aufwartung haben: Abends mußte sie ihm die Stiefel ausziehen, die warf er ihr allemal an den Kopf. Einmal fragte er, woher sie sey? – „Aus dem Lande, wo man den Leuten die Stiefel nicht um den Kopf wirft.“ Der König ward da aufmerksam, endlich brachten ihm die andern Diener einen Ring; Mausehaut habe ihn verloren, der sey zu kostbar, den müsse er gestohlen haben. Der König ließ Mausehaut vor sich kommen und fragte, woher der Ring sey? da konnte sich Mausehaut nicht länger verbergen, sie wickelte sich von der Mausehaut los, ihre goldgelben Haare quollen hervor, und sie trat heraus so schön, aber auch so schön, daß der König gleich die Krone von seinem Kopf abnahm und ihr aufsetzte, und sie für seine Gemahlin erklärte.

ある王に三人の娘がいた。王は、娘たちのうち誰がいちばん自分を愛しているか知りたくなり、三人を呼びよせてたずねた。いちばん上の娘は、王国全体よりもお父さまが好きです、と言った。二番目の娘は、世界じゅうの宝石や真珠よりも、と言った。ところが三番目の娘は、塩よりもお父さまが好きです、と言った。王は、自分への愛をそんなつまらないものにくらべるとは何ごとかと腹を立て、末の娘を一人の家来に引きわたし、森へ連れていって殺してしまえと命じた。森に着くと、王女は家来に命乞いをした。家来は王女に忠実だったので、どのみち殺しはしなかっただろう。それどころか、いっしょについていって、何でもお言いつけどおりにいたします、と言った。けれども王女は、ねずみの皮の服がほしいとしか言わなかった。家来がそれを持ってきてやると、王女はそれに身をくるんで去っていった。王女はまっすぐ隣の国の王の宮廷へ行き、男だといつわって、召しかかえてくださいと王に頼んだ。王は承知して、身のまわりの世話をするよう申しつけた。晩になると、王女は王の長靴を脱がせなければならなかったが、王はそのたびに、長靴を王女の頭に投げつけた。あるとき王は、おまえはどこの者かとたずねた。――「人の頭に長靴を投げつけたりしない国から参りました」。王はそこではっとして、気をとめるようになった。やがてほかの召使いたちが王のところへ指輪を持ってきて、ねずみ皮がこれを落としたのです、こんな高価なものを持っているからには、盗んだにちがいありません、と言った。王はねずみ皮を呼んで、この指輪はどこで手に入れたのかとたずねた。そこでねずみ皮はもうそれ以上隠しておくことができず、ねずみの皮を脱ぎすてた。すると金色の髪があふれでて、王女は姿をあらわした。それは美しくて、ほんとうにそれはそれは美しかったので、王はすぐさま自分の頭から冠をはずして王女の頭にのせ、自分の妃にすると宣言した。

Zu der Hochzeit wurde auch der Vater der Mausehaut eingeladen, der glaubte seine Tochter sey schon längst todt, und erkannte sie nicht wieder. Auf der Tafel aber waren alle Speisen, die ihm vorgesetzt wurden, ungesalzen, da ward er ärgerlich und sagte: „ich will lieber nicht leben als solche Speise essen!“ Wie er das Wort ausgesagt, sprach die Königin zu ihm: „jetzt wollt ihr nicht leben ohne Salz, und doch habt ihr mich einmal wollen tödten lassen, weil ich sagte, ich hätte euch lieber als Salz!“ da erkannt er seine Tochter, und küßte sie, und bat sie um Verzeihung, und es war ihm lieber als sein Königreich, und alle Edelsteine der Welt, daß er sie wiedergefunden.

婚礼には、ねずみ皮の父親も招かれた。父親は娘がとうに死んだものと思っていたので、娘だとはわからなかった。ところが食卓で父親の前に出される料理は、どれもこれも塩がきいていなかったので、父親は腹を立てて言った。「こんな料理を食べるくらいなら、生きていないほうがましだ!」 その言葉を言い終えると、王妃が父親に言った。「いまあなたは、塩なしでは生きていたくないとおっしゃいます。それなのにあなたは、わたしが塩よりもあなたが好きだと言ったからといって、一度はわたしを殺させようとなさいましたね!」 そこで父親は自分の娘だとわかって、娘に口づけをし、許しを乞うた。娘をふたたび見つけられたことが、父親には自分の王国よりも、世界じゅうの宝石よりもうれしかった。

Kommentar解説

「塩ほど父上を愛しています」と答えた末娘が、怒った父王に殺されかける。命を助けられた娘はねずみの皮の服で姿を隠し、よその国の王に仕えて妃となる。婚礼で塩抜きの料理を出し、父に塩の大切さを思い知らせる。

兄弟の初版注は「ペローの『ロバの皮』と同じ話(ずいぶん違うが)」とし、第2巻の注に「この父と同じように、リア王も娘たちに問う」と書き添えている一次。ペローとの近さが1819年の削除に結びついたと見られる推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版第1巻付録

Prinzessin Mäusehaut. No. 71.

Ist bei Perrault das Märchen von der Eselshaut, wiewohl sehr abweichend, woran auch die Erweiterung Schuld haben mag, der Eingang stimmt dort mit der Geschichte der schönen Helene überein; besser ist, daß der Prinz den Ring in einem Kuchen findet, welchen peau d'ane gebacken hat.

初版第2巻付録

Num. 71. (Mäusehaut.) wie der Vater hier, so fragt König Lear seine Töchter.

Erster Band · Nr. 72 · 1812

Das Birnli will nit fallen梨っこは落ちようとせん

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類理由不明

Der Herr will das Birnli schüttle,

だんなは梨っこをゆすりたい、

das Birnli will nit fallen:

梨っこは落ちようとせん。

der Herr, der schickt das Jockli hinaus,

だんなはヨックリを外へやる、

es soll das Birnli schüttle:

梨っこをゆすってこいってな。

das Jockli schüttelts Birnli nit,

ヨックリは梨っこをゆすらん、

das Birnli will nit fallen.

梨っこは落ちようとせん。

Da schickt der Herr das Hündli naus,

そこでだんなは犬っころを外へやる、

es soll das Jockli beißen:

ヨックリにかみつけってな。

das Hündli beißt das Jockli nit,

犬っころはヨックリをかまん、

das Jockli schüttelts Birnli nit,

ヨックリは梨っこをゆすらん、

das Birnli will nit fallen.

梨っこは落ちようとせん。

Da schickt der Herr das Prügeli naus,

そこでだんなは棒っきれを外へやる、

es soll das Hündli treffen:

犬っころをぶてってな。

das Prügeli trifft das Hündli nit,

棒っきれは犬っころをぶたん、

das Hündli beißt das Jockli nit,

犬っころはヨックリをかまん、

das Jockli schüttelts Birnli nit,

ヨックリは梨っこをゆすらん、

das Birnli will nit fallen.

梨っこは落ちようとせん。

Da schickt der Herr das Fürli (Feuer) naus,

そこでだんなは火っこを外へやる、

es soll das Prügeli brennen:

棒っきれを燃やせってな。

das Fürli brennt, das Prügeli nit,

火っこは棒っきれを燃やさん、

das Prügeli trifft das Hündli nit,

棒っきれは犬っころをぶたん、

das Hündli beißt das Jockli nit,

犬っころはヨックリをかまん、

das Jockli schüttelts Birnli nit,

ヨックリは梨っこをゆすらん、

das Birnli will nit fallen.

梨っこは落ちようとせん。

Da schickt der Herr das Wässerli naus,

そこでだんなは水っこを外へやる、

es soll das Fürli löschen:

火っこを消せってな。

das Wässerli löscht das Fürli nit,

水っこは火っこを消さん、

das Fürli brennt das Prügeli nit,

火っこは棒っきれを燃やさん、

das Prügeli trifft das Hündli nit,

棒っきれは犬っころをぶたん、

das Hündli beißt das Jockli nit,

犬っころはヨックリをかまん、

das Jockli schüttelts Birnli nit,

ヨックリは梨っこをゆすらん、

das Birnli will nit fallen.

梨っこは落ちようとせん。

Da schickt der Herr das Kälbli naus,

そこでだんなは子牛っこを外へやる、

es soll das Wässerli läpple: (trinken)

水っこをなめつくせってな。

das Kälbli läppelt das Wässerli nit,

子牛っこは水っこをなめん、

das Wässerli löscht das Fürli nit,

水っこは火っこを消さん、

das Fürli brennt das Prügeli nit,

火っこは棒っきれを燃やさん、

das Prügeli trifft das Hündli nit,

棒っきれは犬っころをぶたん、

das Hündli beißt das Jockli nit,

犬っころはヨックリをかまん、

das Jockli schüttelts Birnli nit,

ヨックリは梨っこをゆすらん、

das Birnli will nit fallen.

梨っこは落ちようとせん。

Da schickt der Herr den Metzger naus,

そこでだんなは肉屋を外へやる、

er soll das Kälbli metzle:

子牛っこをつぶせってな。

der Metzger metzelts Kälbli nit,

肉屋は子牛っこをつぶさん、

das Kälbli läppelt das Wässerli nit,

子牛っこは水っこをなめん、

das Wässerli löscht das Fürli nit,

水っこは火っこを消さん、

das Fürli brennt das Prügeli nit,

火っこは棒っきれを燃やさん、

das Prügeli trifft das Hündli nit,

棒っきれは犬っころをぶたん、

das Hündli beißt das Jockli nit,

犬っころはヨックリをかまん、

das Jockli schüttelts Birnli nit,

ヨックリは梨っこをゆすらん、

das Birnli will nit fallen.

梨っこは落ちようとせん。

Da schickt der Herr den Schinder naus,

そこでだんなは皮はぎ屋を外へやる、

er soll den Metzger hängen:

肉屋を吊るせってな。

der Schinder will den Metzger hänge,

皮はぎ屋は肉屋を吊るそうとする、

der Metzger will das Kälbli metzle,

肉屋は子牛っこをつぶそうとする、

das Kälbli will das Wässerli läpple,

子牛っこは水っこをなめようとする、

das Wässerli will das Fürli lösche,

水っこは火っこを消そうとする、

das Fürli will das Prügeli brenne,

火っこは棒っきれを燃やそうとする、

das Prügeli will das Hündli treffe,

棒っきれは犬っころをぶとうとする、

das Hündli will das Jockli beiße,

犬っころはヨックリをかもうとする、

das Jockli will das Birnli schüttle,

ヨックリは梨っこをゆすろうとする、

das Birnli das will fallen.

梨っこは、それ、落ちようとする。

Kommentar解説

スイス方言の積み上げ歌。だんなが梨を落とそうと次々に使いを出すが、誰も動かない。最後に皮はぎ屋が出てくると、すべてが一気に動きだす。

兄弟の注は、ユダヤの過越祭の歌「一匹の子やぎ」との関係を詳しく論じている一次。1819年に消えた理由の記述はない不明。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版第1巻付録

Das Birnli will nit fallen. No. 72.

Mündlich aus der Schweiz. In derselben Art ist No. 30 und 80. Auch die Juden haben ein damit zusammenhängendes Volkslied, welches Wagenseil (jüd. teutsche Red- und Schreibart Frankf. 1715. 4. S. 108-110.) mittheilt, und in den Kinderliedern S. 44-47. (Wunderhorn III.) abgedruckt ist.

Ein Zicklein! ein Zicklein!

das hat gekauft das Väterlein

um zwei Schilling Pfenning:

ein Zicklein!

Da kam das Kätzlein und aß das Zicklein, das hat gekauft u.s.w.

da kam das Hündlein und biß das Kätzlein,

da kam das Stecklein und schlug das Hündelein,

da kam das Feuerlein und verbrennt das Steckelein,

da kam das Wässerlein und verlöscht das Feuerlein,

da kam der Ochs und trank das Wässerlein,

da kam der Schóchet (Metzger) und schecht den Ochsen,

da kam der Málach Hammóves (Todesengel) und schecht den Schóchet,

da kam unser lieber Herr Gott und schecht den Málach Hammoves.

Der vorstehende Refrain ist aus einem chaldäischen Osterlied der Juden, welches sich wie auch das bei Wagenseil in Bodenschatzens kirchlicher Verfassung der Juden (II, 2. Sect. 8) findet.

Herr Gräter theilt dies alles in seiner Alterthumszeitung No. 40. u. 41. 1812. unser Volkslied aber nicht ganz vollständig, mit, auch bemerkt er ein anderes jüdisches, das durch eine etwas ähnliche Manier auf dieses zu deuten scheint, indessen ergiebt sich durch das aus Wagenseil der vermuthete Zusammenhang viel näher. Die mystische Bedeutung eines Leberecht, die dort gleichfalls angeführt wird, ist uns nicht so wahrscheinlich als Herrn Gräter: das Lied scheint die Macht Gottes, als die letzte und größte darstellen zu wollen, nennt man es albern, so sind es die Mythen der Rabbiner, und im Talmud noch mehr. Interessant ist noch die ebendaselbst abgedruckte lateinische Recension des Volkslieds, welche nicht bloß an manche Studentenlieder (in dem bekannten: Laurentia schönste Laurentia mein etc., wachsen die Strophen gleichfalls immer mehr an), sondern an andere Kinderlieder erinnert, worin lateinische Brocken angebracht sind. Viele Rhein- und Mainbewohner gedenken wenigstens noch des Lieds von einem Hund, der in der Küche die Bratwurst frißt und dem der Koch den Schwanz abhaut, worin auch ähnliche Wiederholungen vorkommen.

初版第2巻付録

Num. 72. (das Birnli.) S. Fischarts Spielverzeichniß im Gargantua. Nr. 398.

Erster Band · Nr. 73 · 1812

Das Mordschloß人殺し城

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類外国・書物から怖さ†††

Es war einmal ein Schuhmacher, welcher drei Töchter hatte; auf eine Zeit als der Schuhmacher aus war, kam da ein Herr, welcher sehr gut gekleidet war, und welcher eine prächtige Equipage hatte, so daß man ihn für sehr reich hielt, und verliebte sich in eine der schönen Töchter, welche dachte, ihr Glück gemacht zu haben mit so einem reichen Herrn, und machte also keine Schwierigkeit mit ihm zu reiten. Da es Abend ward, als sie unterwegs waren fragte er sie:

昔、三人の娘をもつ靴屋がいた。あるとき靴屋が出かけていると、ひとりの殿方がやって来た。たいそう身なりがよく、たいそう立派なお馬車をお持ちだったので、たいへんな金持ちだと思われた。殿方は美しい娘たちのひとりに恋をした。娘のほうも、こんなお金持ちの殿方とならば運が開けたものと思い、何のためらいもなく殿方といっしょに乗って出かけた。道中で日が暮れてくると、殿方は娘にたずねた。

„Der Mond scheint so hell

「月はこうこうと照っている、

meine Pferdchen laufen so schnell

わたしの小馬はとぶように駆ける、

süß Lieb, reut dichs auch nicht?“

いとしい人よ、悔やんではいないかい?」

– „Nein, warum sollt michs reuen? ich bin immer bei Euch wohl bewahrt,“ da sie doch innerlich eine Angst hatte. Als sie in einem großen Wald waren, fragte sie, ob sie bald da wären? – „Ja, sagte er, siehst du das Licht da in der Ferne, da ist mein Schloß;“ endlich kamen sie da an, und alles war gar schön.

――「いいえ、どうして悔やむことがありましょう。あなたのおそばにいれば、いつだって安心ですもの」。そう言いながらも、娘は内心では不安でならなかった。大きな森の中まで来たとき、娘は、もうすぐ着くのかとたずねた。――「ああ」と殿方は言った。「遠くにあの明かりが見えるだろう。あそこがわたしの城だ」。とうとうふたりはそこに着いた。何もかもがたいそう立派だった。

Am andern Tage sagte er zu ihr, er müßt auf einige Tage sie verlassen, weil er wichtige Affairen hätte, die nothwendig wären, aber er wolle ihr alle Schlüssel lassen, damit sie das ganze Castell sehen könnte, von was für Reichthum sie all Meister wär. Als er fort war, ging sie durch das ganze Haus, und fand alles so schön, daß sie völlig damit zufrieden war, bis sie endlich an einen Keller kam, wo eine alte Frau saß und Därme schrappte. „Ei Mütterchen, was macht sie da?“ – „Ich schrapp Därme, mein Kind, morgen schrapp ich eure auch!“ Wovon sie so erschrack, daß sie den Schlüssel, welcher in ihrer Hand war, in ein Becken mit Blut fallen ließ, welches nicht gut wieder abzuwaschen war: „Nun ist euer Tod sicher, sagte das alte Weib, weil mein Herr sehen kann, daß ihr in der Kammergewesen seyd, wohin außer ihm und mir kein Mensch kommen darf.“

次の日、殿方は娘に、どうしても片づけねばならない大事な御用向きがあるので、何日か留守にしなければならないと言った。けれども鍵はすっかり置いていくから、城じゅうを見てまわって、自分がどれほどの富の女主人になったのか見るがいい、とのことだった。殿方が出かけてしまうと、娘は屋敷じゅうを歩きまわった。何もかもがあまりに見事なので、娘はすっかり満足していたが、とうとうある地下室までやって来ると、そこにひとりの老婆が座って、腸をこそげていた。「あら、おばあさん、そこで何をしているの?」――「腸をこそげているのさ、お嬢ちゃん。あしたはおまえさんのもこそげてやるよ!」娘はそれを聞いてひどく驚き、手に持っていた鍵を、血の入った鉢の中へ落としてしまった。その血はなかなか洗い落とせなかった。「これでおまえさんが死ぬのは間違いなしだ」と老婆は言った。「旦那さまには、おまえさんがあの部屋に入ったことがわかってしまうからね。あそこには旦那さまとわたしのほかは、だれひとり入っちゃならないんだ」。

(Man muß aber wissen, daß die zwei vorigen Schwestern auf dieselbe Weise waren umgekommen.)

(ただし、知っておいてもらわねばならないが、前のふたりの姉たちも、同じやり方で命を落としていたのである。)

Da in dem Augenblick ein Wagen mit Heu von dem Schloß wegfuhr, so sagte die alte Frau, es wäre das einzige Mittel, um das Leben zu behalten, sich unter das Heu zu verstecken, und dann da mit weg zu fahren; welches sie auch thät. Da inzwischen der Herr nach Haus kam, fragte er, wo die Mamsell wäre! „O, sagte die alte Frau, da ich keine Arbeit mehr hatte, und sie morgen doch dran mußte, hab ich sie schon geschlachtet, und hier ist eine Locke von ihrem Haar, und das Herz, wie auch was warm Blut, das übrige haben die Hunde alle gefressen, und ich schrapp die Därme.“ Der Herr war also ruhig, daß sie todt war.

ちょうどそのとき、干し草を積んだ荷馬車が一台、城から出てゆくところだったので、老婆は、命を助かるただひとつの手立ては、干し草の下に隠れて、そのまま一緒に運ばれていくことだと言った。娘はそのとおりにした。そうこうするうちに主人が帰ってきて、お嬢さんはどこだとたずねた。「ああ」と老婆は言った。「ほかに仕事もなかったし、どうせあしたにはあの子の番だったんで、もう屠っちまいましたよ。ほら、これがあの子の髪のひと房と、心臓と、それに温かい血も少々。残りはみんな犬どもが食っちまいました。わたしはいま、腸をこそげているところでさあ」。それで主人は、娘が死んだものと安心した。

Sie kommt inzwischen mit dem Heuwagen zu einem nah bei gelegenen Schloß, wo das Heu hin verkauft war, und sie kommt mit aus dem Heu und erzählt die ganze Sache, und wird ersucht, da einige Zeit zu bleiben. Nach Verlauf von einiger Zeit nöthigt der Herr von diesem Schloß alle in der Nähe wohnenden Edelleute zu einem großen Fest, und das Gesicht und Kleidung von der fremden Mamsell wird so verändert, daß sie nicht erkannt werden konnte, weil auch der Herr von dem Mord-Castell dazu eingeladen war.

娘のほうは、そのあいだに干し草の荷馬車に乗って、すぐ近くにある別の城に着く。干し草はそこへ売られていったのである。娘は干し草の中から出てきて、一部始終を話す。すると、しばらくここに滞在するようにとすすめられる。しばらくたつと、この城の主人は近隣に住む貴族たちをみな大宴会に招く。そして、よそから来たお嬢さんの顔と衣装はすっかり変えられ、見分けがつかないようにされる。人殺し城の主人もその宴に招かれていたからである。

Da sie alle da waren, mußte ein jeder etwas erzählen, da die Reihe an die Mamsell kam, erzählte sie die bewußte Historie, wobei dem sogenannten Herrn Graf so ängstlich ums Herz ward, daß er mit Gewalt weg wollte, aber der gute Herr von dem adelichen Haus hatte inzwischen gesorgt, daß das Gericht unsern schönen Herrn Grafen in Gefängniß nahm, sein Castell ausrottete, und seine Güter alle der Mamsell zu eigen gab, die nach der Hand mit dem Sohn des Hauses, wo sie so gut empfangen war, sich verheirathete und lange Jahre lebte.

一同がそろうと、ひとりひとり何か話をしなければならなかった。お嬢さんの番がまわってくると、娘は例の一件を物語った。すると伯爵さまとやらは胸のうちがひどく不安になり、無理にでもその場を立ち去ろうとした。けれども、この貴族の館のよき主人は、そのあいだに手を回しておいたので、お裁きの役人たちがわれらがご立派な伯爵さまを捕らえて牢に入れ、その城を根こそぎ取りつぶし、財産はすべてお嬢さんのものとされた。お嬢さんはのちに、あれほど手厚くもてなしてもらったその家の息子と結婚し、長い年月を生きた。

Kommentar解説

靴屋の娘が、立派な馬車の紳士に連れられて城へ行く。地下では老婆が腸をこそげていて、「明日はおまえさんのもこそげてやる」と言う。娘は鍵を血の鉢に落とす。老婆は娘を干し草の荷車に隠して逃がし、帰った主人には髪のひと房と心臓と温かい血を見せて「もう屠った」と言う。先に連れていかれた二人の姉も、同じように殺されていた。

兄弟の注によれば、ある令嬢が語ったオランダ語の話を訳したもので、注にはオランダ語の原文も載っている一次。1856年の注釈巻では「フィッチャーの鳥」(KHM 46)の注に「オランダの話」として要約された一次。外国語の話であることが削除の理由と見られる推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

Zum Mordschloß. No. 73.

eine Art Blaubart, aber mit anderm, auch sonst schon bekanntem Ausgang. Der Reim im Anfang erinnert auch an das Todtenreiterlied. Das Ganze aus dem Holländischen übersetzt, das wir aus dem Munde einer Fräulein aufgeschrieben haben. Hier möge das Original selbst stehen:

't Moord-Castel.

Daar was eens een Schoen-Maker, welke drie Dochters had, op een tyd, als de Schoen-Maker uyt waar, kwaam daar een Heer, welke seer goed gekled was, en welke prachtige Ekipagie hieldt, zu dat men hem voor seer ryk hield, er verliefde zig in een der schone Dochters, welke dacht, haar Fortuyn gemaakt te hebben, met zo een ryk Heer, en maakte dus geen Swarigheid, met hem mede te ryen; daar 't Avond wierde, toen zy vnder weges waren, vroeg er aan haar:

't maantje schynt zo hel,

myn paardtjes lope zo snel,

soete liefje rouwt 't w niet? –

ny, warom soud' 't my rouwen? ik ben immers by uw wel bewaard, – daar zy tog cenig Angst inwendig had, wyl zy in een groot Bos waren, vroeg zy: of zy haast daar waren? – „ja, segt er, fien zy dat Ligt daar in de Vernte, daar is myn Casteel;“ eindlyk qwamen zy dan daar aan, en alles was even fraay.

'S anderen Daags seid er tot haar, er moest op eenigen Daagen haar verlaten, wyl er Affairen hadt, die noodtwendig waren, maar soude haar alle Sleutels laten, met dat zy 't gansche Casteel konde door zien; van wat Rykdom zy al Meester was. Toen er vertrokken was, gink zy dvor 't gansche Huys, en vond alles es schoon, dat zy er vollig met te vreden was, tot zy eindlyk aan een Kelder qwaam, waar een oude Brouw zat, te Darm schrabben. Ey Moedertje, wat doen zy daar? – ik schrab Darmen myn Kind, morgen schrab ik uwe ook! – waar van zy so schrikte, dat zy de Sleutel, welk in haar Hand was, liet in een Pot met Bloed vallen, welk er niet goed weder af te wasschen was. Nu, seid 't oud Wyfje, is uw Dood seker, wyl myn Heer nu zien kan, dat gy in dit Vertrek geweest zyt, waar buyten hem, en ik, geen Mensch mag komen,

(men moet weten, de 2 voryge Susters op deze wyze reeds waren omgekomen)

daar op dat moment net een Wagen met Hooy van het Slot weg reed, zo seid de oude Vrouw, dit nog het cenigste middel was, om 't Leeven ie behouden, zig onder dat Hooy te versteken, en dan zo weg te ryden, 't welk zy dan ook deed; daar intuschen de Heer te Huys kwaam, vroeg er, waar de Mamsel is? O – seid de oude Vronw, daar ik geen Arbeid meer had, en ze morgen er tog aan moest, heb ik ze maar geslagt en hier is een Lok van haar Haar, en 't Hart, als ook wat warm Blood, de rest hobben de Honden al gevreten, en ik schrab de Darmen. De Heewaar also gerust, dai zy dood waar.

Zy komt inkuschen met de Hooywagen op een naby gelegen Slot aan, waar 't Hooy aan verkogt was, en zy met uyt 't Hooy komt, en zy de gansche Saak vertelt, – en versogt wort, daar eenigen Tyd te blyven: na verloop van eenige Tyd nodigt de Heer van dozen adelyk Slot de ganiche naby zynde Edelieden op een groot Feest, en veranderen 't Gesigt en Kleding van de vreemde Mamsel, so dat iy niet gekend konde worden, myl ook de Heer van dat Moord-Casteel daar versogt was.

Toen zy alle daar waren, moest een jeder een Vertelsel verhalen, thoen de Reie aan de Mamsel kwaam, verteide zy bewußte Historie. Waar by 't den zogenaanden Heer Graaf zo benaumd om 't Hert wierd, dat er met Gewalt weg wilde, waar de goede Heer van 't adelyk Huys hadt intuschen gesorgd, dat 't Geregt onsen fraye Heer Graaf in Hegtenis nam, zyn Casteel uyt roeyde en zyn Goederen alle aan de Mamsel toe eigende, welke naderhand mer de Soon des Huyses, waar zy zo good in ontfangen was, trouwde, en Jaaren lang leefde.

Erster Band · Nr. 74 · 1812

Von Johannes-Wassersprung und Caspar-Wassersprungヨハネス・ヴァッサーシュプルングとカスパー・ヴァッサーシュプルング

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類別の話へ

Ein König bestand darauf, seine Tochter sollte nicht heirathen, und ließ ihr in einem Wald in der größten Einsamkeit ein Haus bauen, darin mußte sie mit ihren Jungfrauen wohnen, und bekam gar keinen andern Menschen zu sehen. Nah an dem Waldhaus aber war eine Quelle mit wunderbaren Eigenschaften, davon trank die Prinzessin, und die Folge war, daß sie zwei Prinzen gebar, die darnach Johannes-Wassersprung und Caspar-Wassersprung genannt wurden, und wovon einer dem andern vollkommen ähnlich war. Ihr Großvater, der alte König, ließ sie die Jägerei lernen, und sie wuchsen heran, wurden groß und schön. Da kam die Zeit, wo sie in die Welt ziehen mußten; jeder von ihnen erhielt einen silbernen Stern, ein Pferd und einen Hund mit auf die Fahrt. Sie kamen zuerst in einen Wald, und sahen zugleich zwei Hasen und wollten darnach schießen, die Hasen aber baten um Gnade und sagten, sie mögten sie doch in ihre Dienste aufnehmen, sie könnten ihnen nützlich seyn, und in jeder Gefahr Hülfe leisten. Die zwei Brüder ließen sich bewegen, und nahmen sie als Diener mit; nicht lang so kamen zwei Bären, wie sie auf die zielten, riefen die gleichfalls um Gnade, und versprachen treu zu dienen: also ward auch damit das Gefolge vermehrt. Nun kamen sie auf einen Scheideweg, da sprachen sie: „wir müssen uns trennen, und der eine soll rechts, der andere links weiter ziehen!“ aber jeder steckte ein Messer in einen Baum am Scheideweg, an deren Rost wollten sie erkennen, wie es dem andern ergehe, und ob er noch lebe; dann nahmen sie Abschied, küßten einander und ritten fort.

ある王が、自分の娘は結婚してはならぬと言い張り、森の中のこのうえなく寂しいところに娘のための館を建てさせた。王女はそこで侍女たちといっしょに暮らさねばならず、ほかの人間にはだれひとり会うことがなかった。ところがその森の館の近くに、不思議な力をもった泉があった。王女がその水を飲むと、そのせいで二人の王子を産んだ。二人はそのことから、ヨハネス・ヴァッサーシュプルング、カスパー・ヴァッサーシュプルング(ヴァッサーシュプルングは「水跳び」の意)と名づけられ、どちらも互いに瓜二つだった。祖父である年老いた王は二人に狩りの技を学ばせ、二人はすくすくと育って、背も高く美しい若者になった。やがて世の中へ旅立たねばならない時が来た。二人はそれぞれ、銀の星をひとつ、馬を一頭、犬を一匹、旅の供にもらった。二人はまずある森に入ったが、そこでうさぎが二匹いっしょにいるのが見えたので、撃とうとした。するとうさぎたちは命乞いをして、どうか家来にしてください、きっとお役に立って、どんな危ないときにもお助けします、と言った。兄弟は心を動かされ、うさぎたちを家来として連れていった。まもなく二頭の熊がやってきた。二人がねらいをつけると、熊たちも同じように命乞いをして、忠実に仕えると約束した。こうしてお供はさらに増えた。やがて二人は分かれ道に来た。そこで二人は言った。「ここで別れなければならない。ひとりは右へ、もうひとりは左へ進むことにしよう!」 けれどもそれぞれ分かれ道の木にナイフを一本ずつ突き立てておいた。そのナイフの錆ぐあいで、相手がどうしているか、まだ生きているかを知ろうというのだった。それから二人は別れを告げ、口づけを交わして、馬で去っていった。

Johannes-Wassersprung kam in eine Stadt, da war alles still und traurig, weil die Prinzessin einem Drachen sollte geopfert werden, der das ganze Land verwüstete, und anders nicht konnte besänftigt werden. Es war bekannt gemacht, wer sein Leben daran wagen wolle und den Drachen tödte, der solle die Prinzessin zur Gemahlin haben, niemand aber hatte sich gefunden; auch hatte man das Unthier hintergehen wollen, und die Kammerjungfer der Prinzessin hinausgeschickt, aber die hatte es gleich erkannt und nicht gewollt. Johannes-Wassersprung dachte: du mußt dein Glück auf die Probe stellen, vielleicht gelingt dirs und machte sich mit seiner Begleitung auf, gegen das Drachennest. Der Kampf war gewaltig: der Drache spie Feuer und Flammen, und zündete das Gras rings herum an, so daß Johannes-Wassersprung gewiß erstickt wäre, wenn nicht Has, Hund und Bär das Feuer ausgetreten und gedämpft hätten; endlich mußte der Drache aber unterliegen, und Johannes-Wassersprung hieb ihm seine sieben Köpfe herunter, dann schnitt er die Zungen heraus und steckte sie zu sich; nun aber war er so müd, daß er sich auf der Stelle niederlegte und einschlief. Während er da schlief, kam der Kutscher der Prinzessin, und als er den Mann da liegen sah, und die sieben Drachenköpfe daneben, dachte er, das mußt du dir zu nutz machen, stach den Johannes-Wassersprung todt, und nahm die sieben Drachenköpfe mit. Damit ging er zum König, sagte, er habe das Ungeheuer getödtet, die sieben Köpfe bringe er zum Wahrzeichen, und die Prinzessin ward seine Braut.

ヨハネス・ヴァッサーシュプルングがある町に着くと、町じゅうがしんと静まりかえって悲しみに沈んでいた。王女が竜のいけにえにされることになっていたからだ。その竜は国じゅうを荒らしまわり、ほかにはなだめるすべがなかった。命をかけて竜を退治する者には王女を妻として与える、というおふれが出ていたが、名乗り出る者はだれもいなかった。また、怪物をだまそうとして、王女の小間使いを差し向けたこともあったが、竜はすぐに見破って受けつけなかった。ヨハネス・ヴァッサーシュプルングは、ひとつ運だめしをしてみよう、うまくいくかもしれない、と考え、お供を連れて竜の巣へ向かった。戦いはすさまじかった。竜は火と炎を吐いて、あたり一面の草に火をつけたので、うさぎと犬と熊が火を踏み消して鎮めてくれなかったら、ヨハネス・ヴァッサーシュプルングはきっと煙に巻かれて息絶えていただろう。けれどもとうとう竜は力尽き、ヨハネス・ヴァッサーシュプルングは竜の七つの首を切り落とした。それから舌を切りとって、ふところにしまった。ところがもうくたくたに疲れていたので、その場に横になって眠りこんでしまった。彼がそこで眠っているあいだに、王女の御者がやってきた。御者は男がそこに倒れていて、そばに竜の七つの首があるのを見ると、こいつを利用しない手はない、と考え、ヨハネス・ヴァッサーシュプルングを刺し殺して、竜の七つの首を持ち去った。そしてそれを持って王のもとへ行き、自分が怪物を退治した、その証拠に七つの首を持ってきた、と言った。こうして王女は御者の花嫁になった。

Indessen kamen die Thiere des Johannes-Wassersprung, die nach dem Kampf sich in die Nähe gelagert und auch geschlafen hatten, wieder zurück und fanden ihren Herrn todt. Da sahen sie, wie die Ameisen, denen bei dem Kampf ihr Hügel zertreten war, ihre Todten mit dem Saft einer nahen Eiche bestrichen, wovon sie sogleich wieder lebendig wurden. Der Bär ging und holte von dem Saft, und bestrich den Johannes-Wassersprung, davon erholte er sich wieder, und in kurzem war er ganz frisch und gesund. Er gedachte nun an die Prinzessin, die er sich erkämpft hatte, und eilte in die Stadt, da ward eben die Hochzeit mit dem Kutscher gefeiert, und die Leute sagten, der habe den siebenköpfigen Drachen getödtet. Hund und Bär liefen ins Schloß, wo ihnen die Prinzessin Braten und Wein um den Hals band, und ihren Dienern befahl, sie sollten den Thieren nachgehen, und den Mann, dem sie angehörten zur Hochzeit laden. So kam Johannes-Wassersprung auf die Hochzeit, und gerade ward die Schüssel mit den sieben Drachenköpfen aufgetragen, die der Kutscher mitgebracht hatte. Johannes-Wassersprung zog die sieben Zungen hervor, und legte sie dabei, da ward er als der rechte Drachentödter erkannt, der Kutscher fortgejagt, und er der Gemahl der Prinzessin.

いっぽう、ヨハネス・ヴァッサーシュプルングの動物たちは、戦いのあと近くで横になって同じように眠っていたが、戻ってきてみると、主人が死んでいた。そのとき動物たちは、戦いのさなかに塚を踏みつぶされた蟻たちが、近くの樫の木の樹液を死んだ仲間に塗っているのを見た。すると死んだ蟻たちはたちまち生き返った。熊が行ってその樹液を取ってきて、ヨハネス・ヴァッサーシュプルングに塗った。すると彼は息を吹きかえし、まもなくすっかり元気になった。そこで彼は、自分が戦って勝ちとった王女のことを思い、町へ急いだ。町ではちょうど御者との婚礼が祝われていて、人々は、あの男が七つの首の竜を退治したのだと言っていた。犬と熊が城へ駆けこむと、王女は焼き肉とぶどう酒を動物たちの首に結わえつけてやり、召使いたちに、この動物たちのあとをついて行って、飼い主の男を婚礼に招くように、と命じた。こうしてヨハネス・ヴァッサーシュプルングは婚礼にやってきた。ちょうどそのとき、御者が持ってきた竜の七つの首を盛った大皿が運ばれてきた。ヨハネス・ヴァッサーシュプルングが七枚の舌を取り出してそのそばに置くと、彼こそほんとうの竜退治だと認められ、御者は追い出されて、彼が王女の夫となった。

Nicht lang darnach ging er auf die Jagd, und verfolgte einen Hirsch mit silbernem Geweih, er jagte ihm lange nach, konnte ihn aber nicht erreichen, und kam endlich zu einer alten Frau, und die verwandelte ihn sammt seinem Hund, Pferd und Bären in Stein. Indessen kam Caspar-Wassersprung zu dem Baum, worin die beiden Messer standen und sah, daß das Messer seines Bruders verrostet war; sogleich beschloß er ihn aufzusuchen, ritt fort und kam in die Stadt, wo die Gemahlin seines Bruders lebte. Weil er aber diesem so ähnlich sah, hielt sie ihn für ihren rechten Mann, freute sich seiner Wiederkunft, und bestand darauf, daß er bei ihr bleiben sollte. Allein Caspar-Wassersprung zog weiter, fand seinen Bruder mit seiner Begleitung versteinert, und zwang die Frau, den Zauber aufzuheben. Darauf ritten die beiden Brüder heim, und unterwegs machten sie aus, derjenige solle Gemahl der Prinzessin seyn, dem sie zuerst um den Hals fallen werde, und das geschah dem Johannes-Wassersprung.

それからまもなく、彼は狩りに出かけて、銀の角をもった鹿を追いかけた。長いこと追いかけたが追いつけず、とうとうひとりの老婆のところへ来てしまった。老婆は彼を、犬も馬も熊もろとも石に変えてしまった。そのころ、カスパー・ヴァッサーシュプルングは二本のナイフが刺さっている木のところへやってきて、兄弟のナイフが錆びているのを見た。彼はすぐさま兄弟を探しにいこうと決め、馬を走らせて、兄弟の妻が暮らしている町にやってきた。ところが彼は兄弟と瓜二つだったので、王女は彼をほんとうの夫だと思いこみ、帰ってきたことを喜んで、どうしてもそばにいてほしいと言い張った。けれどもカスパー・ヴァッサーシュプルングはさらに先へ進み、兄弟がお供ともども石にされているのを見つけて、あの老婆に無理やり魔法を解かせた。それから兄弟二人は馬で帰ったが、その途中で、王女が先に首に抱きついたほうを王女の夫にしようと取り決めた。そして王女が抱きついたのは、ヨハネス・ヴァッサーシュプルングだった。

Kommentar解説

結婚を禁じられ森の館に隠された王女が、不思議な泉の水を飲んで双子を産む。ヴァッサーシュプルング(水跳び)兄弟は七つ首の竜を退治し、石にされた片割れを救い出す。

1856年の注釈巻で「二人兄弟」(KHM 60)の注に、異話として要約された一次。同じ型の話を一つにまとめた結果と見られる推定。

Erster Band · Nr. 75 · 1812

Vogel Phönix不死鳥

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類別の話へ怖さ†

Eines Tags ging ein reicher Mann spazieren an den Fluß, da kam ein kleines Kästchen geschwommen, dies Kästchen nahm er und machte den Deckel auf, da lag ein kleines Kind darin, welches er mit heim nahm und aufziehen ließ. Der Verwalter konnte aber das Kind nicht leiden, und einmal nahm ers mit sich in einem Kahn auf den Fluß, und als er mitten darin war, sprang er schnell heraus ans Land, und ließ das Kind allein im Kahn. Und der Kahn trieb immer fort, bis an die Mühle, da sah der Müller das Kind und erbarmte sich, nahm es heraus und erzog es in seinem Haus. Einmal aber kam von ungefähr der Verwalter in dieselbe Mühle, erkannte das Kind und nahm es mit sich. Bald darauf gab er dem jungen Menschen einen Brief zu tragen an seine Frau, worin stand: „den Ueberbringer dieses Briefs sollst du den Augenblick umbringen.“ Unterwegs aber begegnete dem jungen Menschen im Walde ein alter Mann, welcher sprach: weis’ mir doch einmal den Brief, den du da in der Hand trägst! Da nahm er ihn, drehte ihn bloß einmal herum und gab ihn wieder, nun stand darin: dem Ueberbringer sollst du augenblicks unsere Tochter zur Frau geben! So geschah es, und als der Verwalter das hörte, gerieth er in Aerger und sagte: „he, so geschwind gehts nicht, eh ich dir meine Tochter lasse, sollst du mir erst drei Federn vom Vogel Phönix bringen.“

ある日、ひとりの金持ちが川のほとりを散歩していると、小さな箱が流れてきた。男はその箱を拾い上げてふたを開けた。すると中に小さな子どもが寝ていたので、家へ連れて帰って育てさせた。ところが執事はその子が気に入らず、あるとき子どもを小舟に乗せて川へ漕ぎ出し、ちょうど真ん中まで来たところで、さっと岸へ跳び移って、子どもをひとり小舟に置き去りにした。小舟はどんどん流れていって、水車小屋のところまで来た。粉屋は子どもを見つけてかわいそうに思い、抱き上げて自分の家で育てた。ところがあるとき、ひょんなことからその執事が同じ水車小屋へやって来て、子どもに気づき、連れて帰った。まもなく執事はその若者に、自分の妻あての手紙を持たせてやった。手紙にはこう書いてあった。「この手紙を届けた者を、ただちに殺すこと」。ところが道中、森の中で若者はひとりの老人に出会った。老人は言った。ちょっと、その手に持っている手紙を見せておくれ! 老人は手紙を受け取ると、ただくるりと一度ひっくり返して、また返してよこした。すると手紙にはこう書いてあった。この手紙を届けた者に、ただちにわたしたちの娘を妻として与えること! そのとおりになった。執事はそれを聞くと腹を立てて言った。「おい、そうすんなりとはいかんぞ。娘をおまえにやる前に、まず不死鳥の羽根を三本持ってきてもらおう」。

Der Jüngling machte sich auf den Weg nach dem Vogel Phönix, und an derselben Stelle im Wald begegnete ihm wieder derselbe alte Mann und sprach: geh den ganzen Tag weiter fort, Abends wirst du an einen Baum kommen, darauf zwei Tauben sitzen, die werden dir das weitere sagen! Wie er Abends an den Baum kam, saßen zwei Tauben drauf. Die eine Taube sprach: wer da zum Vogel Phönix will, muß gehen den ganzen Tag, so wird er Abends an ein Thor kommen, das ist zugeschlossen. Die andere Taube sprach: unter diesem Baum liegt ein Schlüssel von Gold, der schließt das Thor auf. Da fand er den Schlüssel und schloß das Thor damit auf; hinterm Thor, da saßen zwei Männer, der eine Mann sprach: wer den Vogel Phönix sucht, muß einen großen Weg machen über den hohen Berg, und dann wird er endlich in das Schloß kommen.

若者は不死鳥をさがして旅に出た。すると森の同じ場所で、またあの老人に出会った。老人は言った。一日じゅう先へ先へと歩いていきなさい。晩になれば一本の木のところに着く。その木には鳩が二羽とまっていて、その先のことを教えてくれるだろう! 晩になってその木のところへ来ると、鳩が二羽とまっていた。一羽の鳩が言った。不死鳥のところへ行きたい者は、一日じゅう歩かねばならない。そうすれば晩には門のところに着くが、その門には鍵がかかっている。もう一羽の鳩が言った。この木の下に金の鍵がある。それで門が開く。そこで若者は鍵を見つけ、それで門を開けた。門の向こうには男がふたり座っていて、そのひとりが言った。不死鳥をさがす者は、高い山を越えて長い道のりを行かねばならない。そうすれば、とうとう城に着くだろう。

Am Abend des dritten Tags langte er endlich im Schloß an, da saß ein weißes Mamsellchen, und sprach: was wollt ihr hier? – Ach, ich will mir gern drei Federn vom Vogel Phönix holen. Sie sprach: ihr seyd in Lebensgefahr, denn wo euch der Vogel Phönix gewahr würde, fräße er euch auf mit Haut und Haar, doch will ich sehen, wie ich euch zu den drei Federn verhelfe, alle Tage kommt er hierher, da muß ich ihn mit einem engen Kamm kämmen; geschwind hier unter den Tisch, der war rund um mit Tuch beschlagen.

三日目の晩、若者はついに城に着いた。そこには白いお嬢さんがひとり座っていて、言った。ここへ何をしに来たのです?――ああ、不死鳥の羽根を三本もらいに来たのです。お嬢さんは言った。あなたは命が危ないのですよ。もし不死鳥に見つかったら、皮も毛も残さず食べられてしまいます。でも、どうしたら羽根を三本手に入れられるか、なんとか手を貸してあげましょう。不死鳥は毎日ここへやって来て、わたしは目の細かい櫛でとかしてやらなければならないの。さあ早く、このテーブルの下へ。――テーブルはぐるりと布で覆われていた。

Indem kam der Vogel Phönix heim, setzte sich oben auf den Tisch und sprach: ich wittere, wittere Menschenfleisch! – „Ach was? ihr seht ja wohl, daß niemand hier ist“ – kämm mich nun, sprach der Vogel Phönix.

そこへ不死鳥が帰ってきて、テーブルの上にとまって言った。におうぞ、におうぞ、人間の肉のにおいがするぞ!――「まあ、何をおっしゃるの? ごらんのとおり、ここにはだれもいないじゃありませんか」――じゃあ、とかしてくれ、と不死鳥は言った。

Das weiße Mamsellchen kämmte ihn nun, und er schlief darüber ein; wie er recht fest schlief, packte sie eine Feder, zog sie aus und warf sie unterm Tisch. Da wachte er auf: „was raufst du mich so? mir hat geträumt, es käme ein Mensch und zöge mir eine Feder aus.“ Sie stellte ihn aber zufrieden, und so gings das anderemal und das drittemal. Wie der junge Mensch die drei Federn hatte, zog er damit heim und bekam nun seine Braut.

そこで白いお嬢さんが不死鳥をとかしてやると、不死鳥はそのうちに眠りこんでしまった。ぐっすり眠ったところで、お嬢さんは羽根を一本つかんで引き抜き、テーブルの下へ投げた。すると不死鳥は目を覚ました。「なんでそんなにむしるんだ? 人間がやって来て、わしの羽根を一本引き抜く夢を見たぞ」。けれどもお嬢さんは不死鳥をなだめて落ち着かせた。二度目も、三度目も、同じようにことが運んだ。若者は三本の羽根を手に入れると、それを持って家に帰り、とうとう花嫁を手に入れた。

Kommentar解説

川を流れてきた捨て子を嫌う執事が、「この手紙の持参者をただちに殺せ」と書いた手紙を持たせる。若者は不死鳥の羽根を取りに行き、不死鳥の家にいる娘の助けで三本の羽根を抜いて帰る。

「悪魔の三本の金の髪」(KHM 29)と同じ型で、1856年の注はその別の語りとして、悪魔の代わりに「不死鳥」の羽根を探す版を挙げている一次。同じ型の話の整理と見られる推定。

Erster Band · Nr. 77 · 1812

Vom Schreiner und Drechsler指物師とろくろ細工師

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類不完全・断片

Ein Schreiner und ein Drechsler sollten ihr Meisterstück machen. Da machte der Schreiner einen Tisch, der konnte von sich selbst schwimmen, der Drechsler Flügel, mit denen man fliegen konnte. Und alle sagten, daß dem Schreiner sein Kunststück besser gelungen wäre, der Drechsler nahm also seine Flügel, that sie an und flog fort aus dem Land, von Morgen bis zu Abend in einem fort.

指物師とろくろ細工師が、親方になるための試験作品をつくることになった。指物師はひとりでに水を泳いでいける机をつくり、ろくろ細工師は、それをつけると空を飛べる翼をつくった。みんなは、指物師の作品のほうがよくできていると言った。そこでろくろ細工師は翼を取って身につけ、国の外へ飛んでいってしまった。朝から晩まで休みなしに飛びつづけた。

In dem Land war ein junger Prinz, der sah ihn fliegen, und bat ihn, er möchte ihm doch seine paar Flügel leihen, er wollts ihm gut lohnen. Der Prinz bekam also die Flügel und flog, bis er in ein anderes Reich kam, da war ein Thurm mit vielen Lichtern erleuchtet, dabei senkte er sich nieder zur Erde, fragte nach der Ursache und hörte, daß hier die allerschönste Prinzessin der Welt wohnte. Nun wurde er höchst neugierig, und als es Abend wurde, flog er in ein offenes Fenster hinein; wie sie aber nicht lange Zeit beisammen waren, wurde die Sache verrathen, und der Prinz sammt der Prinzessin sollten auf dem Scheiterhaufen sterben.

その国に若い王子がいて、ろくろ細工師が飛んでいるのを見ると、その一対の翼を貸してくれないか、たっぷり礼はするから、と頼んだ。こうして王子は翼を手に入れて飛んでいき、やがてよその国に着いた。そこにはたくさんの灯りでこうこうと照らされた塔があったので、そのそばの地面に降りて、わけをたずねると、ここには世界でいちばん美しい王女が住んでいるのだと聞かされた。王子はたいそう好奇心をそそられ、夕方になると、開いていた窓から中へ飛びこんだ。ところが二人がいっしょになっていくらもたたないうちに、ことが露見して、王子は王女もろとも火あぶりにされることになった。

Der Prinz nahm indessen seine Flügel mit hinauf, und als die Flamme schon zu ihnen heraufschlug, band er sich die Flügel um und entfloh mit der Prinzessin bis in sein Vaterland, da ließ er sich nieder, und weil jedermann über seine Abwesenheit betrübt war, so gab er sich zu erkennen, und wurde zum König erwählt.

ところが王子はそのとき、翼をいっしょに薪の山の上へ持って上がっていた。そして炎がもう二人のところまで燃えあがってきたとき、翼を体に結びつけ、王女を連れて自分の故国まで飛んで逃げた。そこで地上に降りると、みんなが王子のいなくなったことを悲しんでいたので、名のりでたところ、王に選ばれた。

Nach einiger Zeit aber ließ der Vater der entführten Prinzessin bekannt machen, daß derjenige das halbe Königreich bekommen sollte, der ihm seine Tochter wiederbringe. Dies erfährt der Prinz, rüstet ein Heer aus und bringt die Prinzessin selbst ihrem Vater zu, den er zwingt, ihm sein Versprechen zu erfüllen.

しばらくすると、さらわれた王女の父親が、娘を連れもどしてくれた者には王国の半分を与えると、おふれを出した。王子はそれを聞くと、軍勢をととのえ、自分で王女を父親のもとへ送りとどけ、その父親に力ずくで約束を果たさせた。

Kommentar解説

空飛ぶ翼を借りた王子が、塔に住む王女の部屋へ窓から飛びこむ。ことが露見して二人は火あぶりにされかけるが、翼で逃げる。

兄弟自身が初版の注で「不完全にしか伝わっていない。話が途中でろくろ細工師から離れてしまうのもおかしい」と書いている一次。不完全さが1819年の削除につながったと見られる推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

Zum Drechsler. No. 77.

nur unvollständig erhalten; schon daß das Märchen von dem Drechsler abspringt, dem auch wohl das folgende selbst begegnen könnte, ist unrecht. Es schlägt übrigens in die alten Sagen von hölzernen Flugpferden, Entführungen etc. ein.

Erster Band · Nr. 81 · 1812

Der Schmidt und der Teufel鍛冶屋と悪魔

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類外国・書物から怖さ†

Es war einmal ein Schmidt, der lebte guter Dinge, verthat sein Geld, processirte viel und wie ein paar Jahr herum waren, hatte er keinen Heller mehr im Beutel. Was soll ich mich lang quälen auf der Welt, dachte er, ging hinaus in den Wald und wollt’ sich da an einen Baum hängen. Wie er eben den Hals in die Schlinge steckte, kam ein Mann hinter dem Baum hervor mit einem langen weißen Bart und einem großen Buch in der Hand. „Hör Schmidt, sprach er, schreib deinen Namen da in das große Buch, so soll dirs wohlgehen zehn Jahre lang, aber darnach bist du mein, da hol ich Dich.“ – „Wer bist du?“ sprach der Schmid – „Ich bin der Teufel.“ – „Was kannst du“ – „Ich kann mich so groß machen als eine Tanne, und so klein als eine Maus“ – „So thus einmal, daß ichs sehe,“ sagte der Schmid, da machte sich der Teufel so groß wie eine Tanne und so klein wie eine Maus. „Es ist gut sprach der Schmid, gib das Buch her, ich will mich hineinschreiben“ – Als er sich unterschrieben sagte der Teufel: Geh nur nach Haus, du wirst Kisten und Kasten voll finden, und weil du keine lange Umstände gemacht hast, so will ich dich auch in der Zeit einmal besuchen. Der Schmid ging heim, da waren alle Taschen, Kasten und Kisten voll Ducaten, und er mogte soviel davon nehmen als er wollte, es ward nicht all, und auch nicht weniger; da fing er sein lustiges Leben von vorne an, lud seine Kameraden ein, und war der vergnügteste Kerl von der Welt. Ein paar Jahre darauf sprach der Teufel einmal bei ihm ein, als er verheißen, sah zu wie die Wirthschaft ging, und schenkte ihm beim Abschied einen ledernen Sack, wer da hinein sprang, der konnte nicht wieder heraus, bis ihn der Schmid selber wieder heraus holte; damit trieb dieser seinen Spaß. Nach den zehn Jahren aber kam der Teufel und sprach zum Schmidt „die Zeit ist herum, jetzt bist du mein, mach dich reisefertig.“ „Es ist gut,“ sprach der Schmidt, hing seinen ledernen Sack um den Rücken und ging mit dem Teufel fort; als sie in den Wald kamen, zu der Stelle wo er sich aufhängen wollte, sprach er zum Teufel: „ich muß auch gewiß wissen, daß du der Teufel bist, mach dich erst wieder so groß wie eine Tanne und so klein wie eine Maus.“ Der Teufel war bereit und thats, und wie er sich in eine Maus verwandelt hatte, packte ihn der Schmid und steckte ihn in den Sack, dann schnitt er sich einen Stock von dem nächsten Baum, warf den Sack hin und prügelte auf den Teufel los. Der Teufel schrie erbärmlich, lief in der Tasche hin und her, aber umsonst, er konnte nicht heraus. Endlich sagte der Schmid ich will dich loslassen, wenn du mir das Blatt aus deinem großen Buch wieder giebst, auf das ich meinen Namen geschrieben. Der Teufel wollte nicht, doch endlich mußt’ er daran, da ward das Blatt herausgerissen und der Teufel ging heim in die Hölle, ärgerte sich, daß er betrogen und obendrein geprügelt war.

昔、ひとりの鍛冶屋がいた。のんきに暮らして金を浪費し、訴訟ばかり起こしていたので、二、三年たつと財布にはびた一文残っていなかった。この世でいつまでも苦しんでいたってしかたがない、と鍛冶屋は考え、森へ出かけていって、木で首をくくろうとした。ちょうど首を輪に通したとき、木の陰から、長い白いひげを生やし、大きな本を手にしたひとりの男が出てきた。「おい鍛冶屋」と男は言った。「この大きな本におまえの名前を書け。そうすれば十年のあいだ、いい暮らしをさせてやる。だがそのあとは、おまえはわしのものだ。そのとき迎えに来るぞ」――「おまえはだれだ?」と鍛冶屋は言った。――「わしは悪魔だ」――「何ができる?」――「わしは樅の木ほど大きくもなれるし、鼠ほど小さくもなれる」――「それじゃひとつやってみせてくれ、この目で見たい」と鍛冶屋が言うと、悪魔は樅の木ほど大きくなり、鼠ほど小さくなってみせた。「よし」と鍛冶屋は言った。「本をよこせ、名前を書こう」――鍛冶屋が署名すると、悪魔は言った。さあ家へ帰るがいい、箱も長持もいっぱいになっているぞ。おまえはつべこべ面倒を言わなかったから、そのうち一度、わしのほうから訪ねていってやろう。鍛冶屋が家に帰ってみると、袋という袋、長持という長持、箱という箱がドゥカート金貨でいっぱいになっていた。そしてどれだけ取り出しても、なくなりもしなければ減りもしなかった。そこで鍛冶屋はまた一から陽気な暮らしをはじめ、仲間を招いて、世界一ご機嫌な男になった。二、三年たって、悪魔は約束どおり一度鍛冶屋のところに立ち寄り、暮らしぶりを見ていった。そして帰りぎわに革袋をひとつくれた。その中に跳びこんだ者は、鍛冶屋自身が出してやらないかぎり、二度と出られないのだった。鍛冶屋はそれでおもしろがって遊んでいた。ところが十年たつと、悪魔がやってきて鍛冶屋に言った。「期限は来た。もうおまえはわしのものだ。旅じたくをしろ」「よしきた」と鍛冶屋は言い、革袋を背中にかけて、悪魔といっしょに出かけていった。森に入って、かつて首をくくろうとした場所まで来ると、鍛冶屋は悪魔に言った。「おまえがほんとうに悪魔だってことを、ちゃんと確かめておかないとな。まずもう一度、樅の木ほど大きくなって、それから鼠ほど小さくなってみせろ」 悪魔はおやすいご用とそうしてみせた。そして鼠に化けたところを、鍛冶屋はひっつかんで袋に押しこんだ。それからいちばん近くの木から棒を一本切りとると、袋を地面に放りだし、悪魔をめった打ちにした。悪魔はあわれな声で泣きわめき、袋の中を右へ左へ逃げまわったが、どうにもならなかった。出られないのだ。とうとう鍛冶屋は言った。出してやってもいい、そのかわり、おれが名前を書いたページを、おまえの大きな本から返してよこせ。悪魔はいやがったが、とうとう承知しないわけにいかなかった。そこでそのページは破りとられ、悪魔は地獄へ帰っていった。だまされたうえに、おまけにさんざん殴られたのが、腹立たしくてならなかった。

Der Schmid ging auch wieder zu seiner Schmiede und lebte vergnügt fort, so lang Gott wollte, endlich ward er krank und als er seinen Tod merkte, befahl er, man sollte ihm nur zwei gute, lange, spitze Nägel und einen Hammer mit in den Sarg geben. Das geschah auch. Wie er nun gestorben war und vor die Himmelsthür kam, klopfte er an, aber der Apostel Petrus wollt ihm nicht aufschließen, weil er mit dem Teufel im Bund gelebt hätte. Wie der Schmidt das hörte, dreht er sich um und ging zur Hölle. Der Teufel aber wollt ihn auch nicht einlassen, er begehre ihn nicht in der Hölle, da fange er doch nur Spectakel an. Der Schmidt ward bös und hub an vor dem Höllenthor Lärmen zu machen, ein Teufelchen ward neugierig und wollte sehen, was der Schmidt treibe, also machte es ein wenig das Thor auf, guckte heraus, der Schmid aber packte es geschwind bei der Nase und nagelte es an dieser mit dem einen Nagel, den er bei sich hatte, an das Höllenthor fest. Das Teufelchen fing an zu kreischen wie ein Krautlöwe, da ward noch ein anderes an das Thor gelockt, das steckte auch den Kopf heraus, aber der Schmid war nicht faul, kriegte es am Ohr und nagelte es mit diesem neben das erste. Da fingen nun beide ein solches entsetzliches Geschrei an, daß der alte Teufel selber gelaufen kam, und wie er die zwei Teufelchen festgenagelt sah, ward er bitterbös, daß er vor Bosheit anfing zu weinen, herumsprang, in den Himmel zum lieben Gott lief, und sagte, er müsse den Schmid in den Himmel nehmen, es möge gehen, wie es wolle, der nagle ihm die Teufel alle an den Nasen und Ohren an, und er sey nicht mehr Herr in der Hölle. Wollte nun der liebe Gott und der Apostel Petrus den Teufel los werden, so mußten sie den Schmid in den Himmel nehmen, da sitzt er nun in guter Ruh, wie aber die beiden Teufelchen losgekommen, das weiß ich nicht.

鍛冶屋もまた自分の仕事場へ帰って、神さまのおぼしめしのあるかぎり、楽しく暮らしつづけた。けれどもとうとう病気になり、死期をさとると、鍛冶屋は、じょうぶで長くとがった釘を二本と金槌をひとつ、棺の中に入れておいてくれさえすればいい、と言いつけた。そのとおりにされた。さて鍛冶屋は死んで天国の門の前に来ると、戸をたたいた。けれども使徒ペテロは、おまえは悪魔と手を結んで暮らしていたからと、門を開けてくれなかった。それを聞くと、鍛冶屋はくるりと向きを変えて地獄へ行った。ところが悪魔もまた鍛冶屋を入れようとしなかった。あいつに地獄にいてほしくなんかない、どうせ大騒ぎを起こすだけだ、というのだった。鍛冶屋は腹を立て、地獄の門の前で騒ぎたてはじめた。一匹の小悪魔が、鍛冶屋が何をしているのか見てやろうと好奇心を起こし、門を少し開けて外をのぞいた。すると鍛冶屋はすばやくその鼻をひっつかみ、持ってきた釘の一本で、鼻ごと地獄の門に打ちつけてしまった。小悪魔はキャベツ畑の獅子みたいな金切り声をあげはじめた。その声に引きよせられて、もう一匹が門のところへやってきて、これも頭をつきだした。けれども鍛冶屋は手をこまねいてはいなかった。その耳をつかまえて、耳ごと最初の一匹の隣に打ちつけた。こうして二匹そろってものすごい悲鳴をあげはじめたので、年寄りの悪魔が自分で駆けつけてきた。そして二匹の小悪魔が釘づけになっているのを見ると、かんかんに腹を立て、くやしさのあまり泣きだし、跳びまわって、天国の神さまのところへ駆けていき、どうなろうとかまわないから、あの鍛冶屋を天国に入れてやってくれ、あいつはわしの悪魔たちを片っぱしから鼻や耳で打ちつけてしまう、これでは地獄の主人でいられない、と言った。神さまと使徒ペテロも、悪魔を厄介払いしたいとなれば、鍛冶屋を天国に入れるほかなかった。こうして鍛冶屋はいま天国でのんびりと座っている。けれどもあの二匹の小悪魔がどうやってはずれたのか、それはわたしも知らない。

Kommentar解説

首をくくろうとした鍛冶屋が悪魔と十年の契約を結ぶ。期限が来ると悪魔を鼠に化けさせて袋に詰め、叩きのめす。地獄でも小悪魔たちを釘づけにして暴れるので、悪魔が神に頼みこみ、鍛冶屋は天国に入れてもらう。

兄弟の注は、18世紀の印刷本『ドイツフランス人』に「ユーターボークの鍛冶屋」として「すぐれた形で」載っていると書く一次。1819年、同じ番号には似た筋の「陽気な兄弟」が入った一次(版の対応表)。印刷本に頼る話だったことが削除につながったと見られる推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版第1巻付録

Von dem Schmid und dem Teufel. No. 81.

Dieses treffliche Märchen scheint eine weitverbreitete Volkssage zu seyn. Gewöhnlich erzählt man es von einem Schmid zu Jüterbock und ausgezeichnet gut dargestellt ist es in dem Deutschfranzos. der stellenweise überhaupt zu den lebendigsten Erzeugnissen der ersten Hälfte des 18. Jahrhund. gehört, befindlich. (Leipz. Ausg. v. 1736. S. 110-30. Nürnberger von 1772. S. 80-95.) Der fromme Schmied von Jüterbock trug einen schwarz und weißen Rock und hatte eines Abends einen heiligen Mann gern und freudig geherbergt, der ihm vor der Abreise gestattete drei Bitten zu thun. Er bat 1. daß sein Lieblingsstuhl hinter den Ofen die Kraft bekäme, jeden ungebetenen Gast auf sich festzuhalten, bis ihn der Schmied selbst loslasse. 2. daß sein Apfelbaum im Garten die daraufsteigenden gleicherweise nicht herunter lasse. 3.daß aus seinem Kohlensack keiner heraus käme, den er nicht selbst befreite. – Nach einiger Zeit kommt der Tod, geräth auf den Sessel und muß dem Schmied noch 10 Jahre Leben schenken, wenn er herunter will; nach 10 Jahren kehrt er wieder, steigt auf den Apfelbaum und der Schmied ruft seine Gesellen, die mit Stangen den Tod jämmerlich zerschlagen; diesmal wird er nur unter der Bedingung los, daß er den Schmied ewig leben lassen will. Betrübt glieder- und lendenlahm zieht der Tod ab, begegnet unterwegs dem Teufel und klagt dem sein Herzeleid, der ihn auslacht und meint mit dem Schmied bald fertig zu werden. Der Schmied verweigert aber dem Teufel Nachtlager wenigstens werde die Hausthür nicht mehr geöffnet, er müsse denn zum Schlüsselloch einfahren. Das ist dem Teufel ein leichtes, allein der Schmiedhatte den Kohlensack vorgehalten, bindet ihn alsbald zu, wie der Teufel darin ist, und läßt auf dem Ambos wacker drauf zuschmieden. Als sie sich nach Herzenslust auf ihm müde geklopft und gehämmert, wird der bearbeitete arme Teufel zwar wieder befreit, muß aber zu demselben Loch hinaus seinen Weg nehmen, wodurch er hereingeschlüft war.

Aehnliche Sage geht vom Schmied zu Apolda, (vergl. Falk Grotesken 1806. S. 3-88.) der unsern Herrn sammt St. Petrus über Nacht bewirtet und drei Wünsche frei erhält. Die Wünsche, die er thut, sind: 1. daß dem, der in seiner Nägeltasche fahre, die Hand stecken bleibe, bis die Tasche zerfalle. 2. daß wer auf seinen Apfelbaum steige, darauf sitzen müsse, bis der Apfelbaum zerfalle. 3. desgleichen wer sich auf den Armstuhl setze, nicht eher aufstehen könne bis der Stuhl zerfalle. Nach und nach erschienen drei böse Engel, die den Schmiedwegführen wollen und die er sämmtliche in die gestellten Fallen lockt, so daß sie von ihm ablassen müßen. Endlich aber kommt der Tod und zwingt ihn zum Mitgehen, doch erhält er die Gunst, daß sein Hammer in den Sarg gelegt wird. Als er sich der Himmelsthür naht, will sie Petrus nicht aufthun, da ist der Schmied her, geht in die Hölle und schmiedet da einen Schlüssel, verspricht auch im Himmel mit allerlei Arbeit nützlich an Hand zu gehen, St. Georgs Pferd zu beschlagen etc. und wird zuletzt eingelassen. – Findet sich nicht auch eine ähnliche Fabel bei Hans Sachs?

Zu unserem, aus mündlichen Erzählung gegebenen Text stimmt im Ganzen am meisten das gedruckte Volksbuch, betitelt: das bis an den jüngsten Tag währende Elend, das jedoch wie es scheint aus folgendem französischen übersetzt ist: histoire nouvelle et divertissement du bon homme Misere. Troyes etc. Garnier. 3. S. 8, wiederum aber deuten manche Umstände auf einen italienischen Ursprung des letzteren, oder wenigstens hat sie de la Riviere in Italien erzählen gehöre Peter und Paul gerathen bei schlimmem Wetter in ein Dorf, stoßen auf eine Wäscherin, die dem Himmel dankt, daß der Regen kein Wein, sonder Wasser sey, klopfen bei dem reichen Mann an, der sie stolz abweist, und kehren zu dem armen Elend ein. Dieses thut nur den einen Wunsch mit dem Birnbaum, den ihm gerade ein Dieb bestohlen hatte. Der Dieb wird gefangen und sogar noch andere Leute, die aus Neugierde aufsteigen um den Jammernden zu befreien. Endlich kommt der Tod und Elend bittet ihn, daß er ihm seine Sichel leihe, um sich noch eine der schönsten Birnen mit zu nehmen. Der Tod will sein Waffen nicht aus der Hand lassen, als ein guter Soldat und die Mühe selbst übernehmen Elend befreit ihn nicht eher, bis er ihm zusagt, er wolle ihn bis zum jüngsten Tag in Ruhe lassen, und darum wohnt Elend noch immer fort in der Welt.

Damit stimmt wieder zum Theil der Schluß einer andern mündlichen Erzählung, die sonst ganz wie der Schmied von Apolda lautet. Als Elend gestorben ist und vor den Himmel kommt, wird er von St. Petrus nicht eingelassen, weil er sich von ihm nichts besseres ausgebeten hatte, nicht das Himmelreich, wie er erwartet. Elend geht also zur Hölle, aber der Teufel will ihn auch nicht, weil er ihn genarrt, da muß er wieder zurück auf die Welt und Elend ist so lange darauf als sie steht. – Durch diesen Schluß aber knüpft sich das Märchen an die Sage von den Landsknechten, die im Himmel kein Unterkommen finden können, und welcheFrei in der Gartengesellschaft No. 44. und Kirchhof im Wendunmuth I. No 8. erzählen. Die Teufel wollen sie nicht, weil sie das rothe Kreuz in der Fahne führen, und der Apostel Petrus läßt sie auch nicht ein, weil sie Bluthunde, arme Leut Macher, und Gotteslästerer wären. Der Hauptmann wirft dem Petrus seine Verrätherei an dem Herrn vor, daß dieser schamroth wird und ihnen ein Dorf Beit ein Weil (wart ein Weil.) zwischen Himmel und Hölle anweist, wo sie sitzen spielen und zechen; mit welcher Sage dann wieder viele Andere von dem St. Petrus und den Landsknechte zusammenhängen. – Endlich ist noch zu bemerken, daß Coreb und Fabel in dem lustigen Teufel von Edmonton (Tieck altengl. Theater II.) offenbar die Personen unseres Märchens sind.

Das Reisen der wohlthätigen Männer durch das Dorf, wo sie von den Reichen verschmäht, von dem Armen aufgenommen werden, erinnert an die Sage von Lot und den Engeln, von Philemon und aucis bis auf viele neuere Traditionen, z.B. von einem Zwerglein, daß im Berner Oberland im Unwetter bei einem Armen einkehrte und ihn und seine Hütte vor dem nahen Untergang des Dorfs rettete. – Wegen der Intrigue vom Groß- und Kleinmachen vergleiche man das Märchen vom Blaubart.

初版第2巻付録

Num. 81. (Schmidt und Teufel.) Sobald man sich unter dem Schmidt mit seinem Hammer den Thor, unter dem Tod und Teufel einen plumpen Riesen denkt, gewinnt das Ganze eine wohlgegründete alt nordische Ansicht.

Erster Band · Nr. 82 · 1812

Die drei Schwestern三人の姉妹

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類外国・書物から

Es war einmal ein reicher König, der war so reich, daß er glaubte sein Reichthum könne gar nicht all werden, da lebte er in Saus und Braus, spielte auf goldenem Brett und mit silbernen Kegeln, und als das eine Zeit lang gewährt hatte, da nahm sein Reichthum ab und darnach verpfändete er eine Stadt und ein Schloß nach dem andern, und endlich blieb nichts mehr übrig, als ein altes Waldschloß. Dahin zog er nun mit der Königin und den drei Prinzessinnen und sie mußten sich kümmerlich erhalten und hatten nichts mehr als Kartoffeln, die kamen alle Tage auf den Tisch. Einmal wollte der König auf die Jagd, ob er etwa einen Hasen schießen könnte, steckte sich also die Tasche voll Kartoffeln und ging aus. Es war aber in der Nähe ein großer Wald, in den wagte sich kein Mensch, weil fürchterliche Dinge erzählt wurden, was einem all darin begegne: Bären, die die Menschen auffräßen, Adler die die Augen aushackten, Wölfe, Löwen und alle grausamen Thiere. Der König aber fürchtete sich kein bischen und ging geradezu hinein. Anfangs sah er gar nichts, große mächtige Bäume standen da, aber es war alles still darunter; als er so eine Weile herumgegangen und hungrig geworden war, setzte er sich unter einen Baum und wollte seine Kartoffeln essen, da kam auf einmal aus dem Dickicht ein Bär hervor, trabte gerade auf ihn los und brummte: „was unterstehst du dich bei meinem Honigbaum zu sitzen? das sollst du mir theuer bezahlen!“ der König erschrack, reichte dem Bären seine Kartoffeln, und wollte ihn damit besänftigen. Der Bär aber fing an zu sprechen und sagte „deine Kartoffeln, mag ich nicht, ich will dich selber fressen und davon kannst du dich nicht anders erretten, als daß du mir deine ältste Tochter giebst, wenn du das aber thust, geb ich dir noch obendrein einen Centner Gold.“ Der König in der Angst gefressen zu werden, sagte, die sollst du haben, laß mich nur in Frieden. Da wies ihm der Bär den Weg, und brummte noch hintendrein: „in sieben Tagen komm ich und hol meine Braut.“

昔、ひとりの金持ちの王がいた。あまりに金持ちだったので、自分の富はけっして尽きることがないと思いこみ、ぜいたく三昧に暮らして、金の盤で盤遊びをし、銀のピンで九柱戯をした。そんなことがしばらくつづくうちに、富は減っていき、王は町をひとつ、城をひとつと次々に抵当に入れ、とうとう森の中の古い城がひとつ残るばかりになった。そこで王は王妃と三人の王女を連れてその城へ移り住んだ。一家はかつかつの暮らしをしなければならず、食べるものといえばじゃがいもしかなく、毎日それが食卓にのぼった。あるとき王は、うさぎの一匹でも撃てないものかと狩りに出かけることにして、ポケットにじゃがいもをいっぱい詰めこんで出ていった。ところで近くには大きな森があって、そこへは誰ひとり足を踏みいれようとしなかった。中に入るとどんな目にあうか、恐ろしい話がいろいろと語られていたからだ。人間を食ってしまう熊、目玉をつつきだす鷲、狼、獅子、そのほかありとあらゆる猛獣がいるというのだった。けれども王はこれっぽっちも怖がらず、まっすぐに森へ入っていった。はじめは何も見えなかった。大きなどっしりした木々が立っていたが、その下はしんと静まりかえっていた。しばらく歩きまわって腹がへってきたので、王は一本の木の下に腰をおろし、じゃがいもを食べようとした。すると突然、茂みの中から熊が一頭あらわれ、まっすぐ王のほうへのしのしとやってきて、うなった。「よくもおれの蜜の木のそばにすわりこんだな。高くつくぞ!」 王はびっくりして、熊にじゃがいもを差しだし、それでなだめようとした。ところが熊は口をきいて言った。「おまえのじゃがいもなんぞいらん。おまえ自身を食ってやる。助かる道はただひとつ、おまえのいちばん上の娘をおれによこすことだ。そうすれば、おまけに金を百斤くれてやる」。王は食われるのが恐ろしさに、娘はおまえにやるから、どうか見のがしてくれ、と言った。すると熊は王に帰り道を教え、うしろからまだうなっていた。「七日たったら花嫁を迎えにいくぞ」。

Der König aber ging getrost nach Haus und dachte, der Bär wird doch nicht durch ein Schlüsselloch kriechen können, und weiter soll gewiß nichts offen bleiben. Da ließ er alle Thore verschließen, die Zugbrücken aufziehen, und hieß seine Tochter gutes Muths seyn, damit sie aber recht sicher vor dem Bärenbräutigam war, gab er ihr ein Kämmerlein hoch unter der Zinne, darin sollte sie versteckt bleiben, bis die sieben Tage herum wären. Am siebenten Morgen aber ganz früh, wie noch alles schlief, kam ein prächtiger Wagen mit sechs Pferden bespannt und von vielen goldgekleideten Reutern umringt nach dem Schloß gefahren, und wie er davor war, ließen sich die Zugbrücken von selber herab und die Schlösser sprangen ohne Schlüssel auf. Da fuhr der Wagen in den Hof und ein junger schöner Prinz stieg heraus, und wie der König von dem Lärm aufwachte und zum Fenster hinaus sah, sah er, wie der Prinz schon seine älteste Tochter oben aus dem verschlossenen Kämmerlein geholt und eben in den Wagen hob, und er konnte ihr nur noch nachrufen:

王は安心して家に帰り、熊が鍵穴からもぐりこめるはずはないし、ほかに開いているところなど決して残しておくものか、と考えた。そこで門という門を閉ざさせ、はね橋を上げさせて、娘には元気を出すよう言いきかせた。そのうえ熊の花婿から娘をしっかり守るために、胸壁の真下の高いところにある小部屋を娘にあてがい、七日が過ぎるまでそこに隠れているように言った。ところが七日目の朝まだき、みんながまだ眠っているうちに、六頭の馬をつけ、金の衣装をまとった大勢の騎士に囲まれたりっぱな馬車が城をめざして走ってきた。馬車が城の前まで来ると、はね橋はひとりでに下り、錠前は鍵もないのにはじけるように開いた。馬車が中庭に入ると、若く美しい王子が降りてきた。王がその物音で目をさまして窓から外を見ると、王子はもう上の閉ざされた小部屋から長女を連れだして、ちょうど馬車に抱きあげて乗せるところだった。王はただうしろから呼びかけることしかできなかった。

„Ade! du Fräulein traut,

「さらば、いとしき乙女よ、

Fahr hin, du Bärenbraut!“

行くがよい、熊の花嫁よ!」

Sie winkte ihm mit ihrem weißen Tüchlein noch aus dem Wagen, und dann gings fort, als wär der Wind vorgespannt, immer in den Zauberwald hinein. Dem König aber wars recht schwer ums Herz, daß er seine Tochter an einen Bären hingegeben hatte, und weinte drei Tage mit der Königin, so traurig war er. Am vierten Tag aber als er sich ausgeweint hatte, dachte er, was geschehen, ist einmal nicht zu ändern, stieg hinab in den Hof, da stand eine Kiste von Ebenholz und war gewaltig schwer zu heben, alsbald fiel ihm ein, was ihm der Bär versprochen hatte, und machte sie auf, da lag ein Centner Goldes darin und glimmerte und flimmerte.

娘は馬車の中から白いハンカチをふって合図をした。それから馬車は、まるで風を馬につないだかのように走りさり、魔法の森の奥へ奥へと入っていった。王は娘を熊にくれてやったことで胸がひどく重く、王妃といっしょに三日のあいだ泣きくらした。それほど悲しかったのだ。けれども四日目、泣くだけ泣いてしまうと、起きてしまったことは今さらどうにもならないと思い、中庭へおりていった。するとそこに黒檀の箱が置いてあって、持ちあげようにもとてつもなく重かった。王はすぐに熊の約束を思いだして、箱をあけてみた。中には金が百斤入っていて、きらきらぴかぴかと輝いていた。

Wie der König das Gold erblickte, ward er getröstet und löste seine Städte und sein Reich ein, und fing das vorige Wohlleben von vorne an. Das dauerte so lang als der Centner Gold dauerte, darnach mußte er wieder alles verpfänden und auf das Waldschloß zurückziehen und Kartoffeln essen. Der König hatte noch einen Falken, den nahm er eines Tags mit hinaus auf das Feld und wollte mit ihm jagen, damit er etwas Besseres zu essen hätte. Der Falk stieg auf, und flog nach dem dunkeln Zauberwald zu, in den sich der König nicht mehr getraute, kaum aber war er dort, so schoß ein Adler hervor und verfolgte den Falken, der zum König floh. Der König wollte mit seinem Spieß den Adler abhalten, der Adler aber packte den Spieß und zerbrach ihn wie ein Schilfrohr, dann zerdrückte er den Falken mit einer Kralle, die andern aber hackte er dem König in die Schulter und rief: „warum störst du mein Luftreich, dafür sollst du sterben oder du giebst mir deine zweite Tochter zur Frau!“ der König sagte: „ja die sollst du haben, aber was giebst du mir dafür?“ – „Zwei Centner Gold sprach der Adler, und in sieben Wochen komm ich, und hol sie ab;“ dann ließ er ihn los und flog fort in den Wald.

金を見ると王はすっかり慰められ、町々と国を請けもどして、以前のぜいたくな暮らしを一からまたはじめた。それは金百斤がもつあいだつづいたが、そのあとはまた何もかも抵当に入れ、森の城へ引っこんでじゃがいもを食べなければならなかった。王にはまだ一羽の鷹が残っていたので、ある日それを野原へ連れだして狩りをしようとした。少しでもましなものが食べたかったのだ。鷹は舞いあがり、暗い魔法の森のほうへ飛んでいった。王はもうその森へ入る勇気がなかった。ところが鷹が森に着いたかと思うと、一羽の鷲が飛びだしてきて鷹を追いかけ、鷹は王のもとへ逃げてきた。王は槍で鷲を防ごうとしたが、鷲は槍をつかんで葦の茎のようにへし折り、片方の爪で鷹を握りつぶすと、残りの爪を王の肩に打ちこんで叫んだ。「なぜおれの空の国をさわがせる。その罰に死ぬがいい。さもなくば、二番目の娘をおれの妻によこせ!」 王は言った。「よし、娘はやろう。だが、そのかわりに何をくれる?」――「金を二百斤だ」と鷲は言った。「七週間たったら迎えにくる」。そう言うと鷲は王を放し、森へ飛びさった。

Der König war betrübt, daß er seine zweite Tochter auch einem wilden Thiere verkauft hatte und getraute sich nicht ihr etwas davon zu sagen. Sechs Wochen waren herum, in der siebenten ging die Prinzessin hinaus auf einen Rasenplatz vor der Burg und wollte ihre Leinwand begießen, da kam auf einmal ein prächtiger Zug von schönen Rittern und zuvorderst ritt der allerschönste, der sprang ab und rief:

王は二番目の娘まで野獣に売りわたしてしまったことを悲しみ、そのことを娘に言いだす勇気が出なかった。六週間が過ぎ、七週目に入ったある日、王女は城の前の芝生へ出て、さらしている布に水をかけようとした。そこへ突然、美しい騎士たちのりっぱな行列がやってきた。その先頭にはひときわ美しい騎士が馬を進めていたが、騎士は馬からとびおりて叫んだ。

„schwing, schwing dich auf, du Fräulein traut,

「乗れ、さあ乗れ、いとしき乙女よ、

komm mit, du schöne Adlerbraut!“

ともに来い、美しき鷲の花嫁よ!」

und eh sie ihm antworten konnte, hatte er sie schon aufs Roß gehoben und jagte mit ihr in den Wald hinein als flög ein Vogel: Ade! Ade!!

そして王女が返事をするまもなく、騎士はもう王女を馬の上に抱きあげ、鳥が飛ぶように森の中へ駆けこんでいった。さらば! さらば!!

In der Burg warteten sie lang auf die Prinzessin aber die kam nicht und kam nicht, da entdeckte der König endlich daß er einmal in der Noth sie einem Adler versprochen und der werde sie geholt haben. Als aber bei dem König die Traurigkeit ein wenig herum war, fiel ihm das Versprechen des Adlers ein und er ging hinab, und fand auf dem Rasen zwei goldne Eier, jedes einen Centner schwer. Wer Gold hat, ist fromm genug, dachte er, und schlug sich alle schwere Gedanken aus dem Sinn! Da fing das lustige Leben von neuem an, und währte so lang, bis die zwei Centner Gold auch durchgebracht waren, dann kehrte der König wieder ins Waldschloß zurück, und die Prinzessin, die noch übrig war, mußte die Kartoffeln sieden.

城ではみんなが長いこと王女の帰りを待っていたが、王女はいつまでたっても帰ってこなかった。とうとう王は、いつか苦しまぎれに娘を鷲にやると約束したこと、きっとその鷲が娘を連れていったのだということを打ちあけた。けれども王の悲しみが少しおさまると、鷲の約束が思いだされたので、下へおりていってみると、芝生の上に金の卵が二つ、それぞれ百斤もの重さのものが見つかった。金さえあれば人はそれで十分に善人だ、と王は考えて、重苦しい思いはみんな頭から追いはらってしまった! そこで陽気な暮らしがまたはじまり、金二百斤もすっかり使いはたすまでつづいた。そのあと王はまた森の城にもどり、ひとり残った王女がじゃがいもを煮なければならなかった。

Der König wollte keine Hasen im Wald und keine Vögel in der Luft mehr jagen, aber einen Fisch härt er gern gegessen. Da mußte die Prinzessin ein Netz stricken, damit ging er zu einem Teich, der nicht weit von dem Wald lag. Weil ein Nachen darauf war, setzte er sich ein, und warf das Netz, da fing er auf einen Zug eine Menge schöner rothgefleckter Forelien. Wie er aber damit ans Land wollte, stand der Nachen fest und er konnte ihn nicht los kriegen, er mochte sich stellen wie er wollte. Da kam auf einmal ein gewaltiger Wallfisch daher geschnaubt: „was fängst du mir meine Unterthanen weg, das soll dir dein Leben kosten.“ Dabei sperrte er seinen Rachen auf, als wollte er den König sammt dem Nachen verschlingen. Wie der König den entsetzlichen Rachen sah, verlor er allen Muth, da fiel ihm seine dritte Tochter ein und er rief: „schenk mir das Leben und du sollst meine jüngste Tochter haben“ – „Meintwegen brummte der Wallfisch, ich will dir auch etwas dafür geben; Gold hab ich nicht, das ist mir zu schlecht, aber der Grund meines Sees ist mit Zahlperlen gepflastert, davon will ich dir drei Säcke voll geben: im siebenten Mond komm ich und hol meine Braut.“ Dann tauchte er unter.

王はもう森でうさぎを狩るのも、空の鳥を狩るのもいやだったが、魚なら食べてみたいと思った。そこで王女が網を編まなければならなかった。王はその網を持って、森から遠くないところにある池へ出かけた。池には小舟が一艘あったので、それに乗りこんで網を打つと、ひと網で赤い斑点のある美しい鱒がどっさりとれた。ところがそれを持って岸へもどろうとすると、小舟はびくとも動かず、どうやってみても離れなかった。そこへ突然、巨大な鯨が鼻息あらくやってきた。「なぜおれの家来たちを捕っていく。その命で償ってもらうぞ」。そう言いながら、鯨は王を小舟もろとも飲みこもうとするかのように大口をあけた。王はその恐ろしい口を見ると、すっかり勇気をなくしてしまった。そのとき三番目の娘のことが頭に浮かんだので、王は叫んだ。「命を助けてくれ、そうすれば末の娘をおまえにやろう」――「よかろう」と鯨はうなった。「そのかわり、おれもおまえに何かやろう。金は持っておらん、あんなものはおれにはくだらなすぎる。だがおれの湖の底には粒よりの真珠が敷きつめてある。それを三袋いっぱいやろう。七か月目に花嫁を迎えにいくぞ」。そう言うと鯨は水の中へもぐった。

Der König trieb nun ans Land und brachte seine Forellen heim, aber als sie gebacken waren, wollt’ er keine davon essen, und wenn er seine Tochter ansah, die einzige die ihm noch übrig war und die schönste und liebste von allen, wars ihm, als zerschnitten tausend Messer sein Herz. So gingen sechs Monat herum, die Königin und die Prinzessin wußten nicht, was dem König fehle, der in all der Zeit keine vergnügte Miene machte. In siebenten Mond stand die Prinzessin gerade im Hof vor einem Röhrbrunnen und ließ ein Glas voll laufen, da kam ein Wagen mit sechs weißen Pferden und ganz silbernen Leuten angefahren, und aus dem Wagen stieg ein Prinz, so schön, daß sie ihr Lebtag keinen schönern gesehen hatte, und bat sie um ein Glas Wasser. Und wie sie ihm das reichte, das sie in der Hand hielt, umfaßte er sie und hob sie in den Wagen, und dann gings wieder zum Thor hinaus, über das Feld nach dem Teich zu.

王は小舟ごと岸へ流れつき、鱒を家に持ちかえったが、焼きあがっても一匹も食べようとしなかった。そして、ただひとり残った娘、いちばん美しくいちばんかわいい娘を見るたびに、千本のナイフで胸を切りきざまれるような気がした。こうして六か月が過ぎた。王妃も王女も、そのあいだずっと一度も楽しそうな顔を見せない王が、いったいどうしたのかわからなかった。七か月目のこと、王女が中庭の泉の吐水口の前に立って、グラスに水を受けていると、六頭の白馬をつけ、全身銀ずくめの従者たちを乗せた馬車が走ってきた。そして馬車から王子がひとり降りてきた。王女がこれまで生まれてから一度も見たことがないほど美しい王子だった。王子は王女に水を一杯所望した。王女が手に持っていたグラスを差しだすと、王子は王女を抱きかかえて馬車に乗せ、それからまた門を出て、野原を越え、池のほうへと走りさった。

Ade, du Fräulein traut,

さらば、いとしき乙女よ、

fahr hin, du schöne Wallfischbraut!

行くがよい、美しき鯨の花嫁よ!

Die Königin stand am Fenster und sah den Wagen noch in der Ferne, und als sie ihre Tochter nicht sah, fiels ihr schwer aufs Herz, und sie rief und suchte nach ihr allenthalben; sie war aber nirgends zu hören und zu sehen. Da war es gewiß und sie fing an zu weinen und der König entdeckte ihr nun: ein Wallfisch werde sie geholt haben, dem hab’ er sie versprechen müssen, und darum wäre er immer so traurig gewesen; er wollte sie auch trösten, und sagte ihr von dem großen Reichthum, den sie dafür bekommen würden, die Königin wollt aber nichts davon wissen und sprach, ihr einziges Kind sey ihr lieber gewesen, als alle Schätze der Welt. Während der Wallfischprinz die Prinzessin geraubt, hatten seine Diener drei mächtige Säcke in das Schloß getragen, die fand der König an der Thür stehen, und als er sie aufmachte, waren sie voll schöner großer Zahlperlen, so groß, wie die dicksten Erbsen. Da war er auf einmal wieder reich und reicher, als er je gewesen; er löste seine Städte und Schlößer ein, aber das Wohlleben fing er nicht wieder an, sondern war still und sparsam und wenn er daran dachte, wie es seinen drei lieben Töchtern bei den wilden Thieren ergehen mögte, die sie vielleicht schon aufgefressen hätten, verging ihm alle Lust.

王妃は窓辺に立っていて、遠くにまだ馬車が見えた。そして娘の姿が見あたらないので胸騒ぎがして、娘の名を呼び、あちこちさがしまわった。けれども娘の声はどこにも聞こえず、姿もどこにも見えなかった。そこでもう間違いないとわかって、王妃は泣きだした。王はとうとう王妃に打ちあけた。鯨が娘を連れていったにちがいない、その鯨に娘を約束しなければならなかったのだ、だから自分はずっと悲しんでいたのだ、と。王は王妃を慰めようとして、そのかわりにもらえる莫大な財宝のことを話したが、王妃はそんなことは聞きたくもないと言い、たったひとりのわが子のほうが世界じゅうのどんな宝よりも大切だったのに、と言った。鯨の王子が王女をさらっていくあいだに、その家来たちが大きな袋を三つ城の中へ運びこんでいた。王はそれが戸口に置いてあるのを見つけ、あけてみると、大きな美しい粒よりの真珠がいっぱいに詰まっていた。どれもいちばん太い豌豆ほどもあった。王はたちまちまた金持ちに、それもこれまでにないほどの金持ちになった。町々や城を請けもどしたが、ぜいたくな暮らしは二度とはじめず、もの静かにつましく暮らした。そして、三人のかわいい娘たちが野獣のもとでどうしているだろう、ひょっとしたらもう食われてしまったかもしれない、と思うと、何をする気もうせてしまうのだった。

Die Königin aber wollt sich gar nicht trösten lassen und weinte mehr Thränen um ihre Tochter, als der Wallfisch Perlen dafür gegeben hatte. Endlich wards ein wenig stiller, und nach einiger Zeit ward sie wieder ganz vergnügt, denn sie brachte einen schönen Knaben zur Welt und weil Gott das Kind so unerwartet geschenkt hatte, ward es Reinald, das Wunderkind, genannt. Der Knabe ward groß und stark, und die Königin erzählte ihm oft von seinen drei Schwestern, die in dem Zauberwald von drei Thieren gefangen gehalten würden. Als er sechszehn Jahr alt war verlangte er von dem König Rüstung und Schwert, und als er es nun erhalten, wollte er auf Abentheuer ausgehen, gesegnete seine Eltern, und zog fort.

けれども王妃はどうしても慰められず、鯨が娘のかわりによこした真珠よりも多くの涙を娘のために流した。やがて少しずつ落ちついてきて、しばらくすると王妃はまたすっかり明るくなった。美しい男の子を産んだからだ。神さまが思いもかけずにこの子を授けてくださったので、子どもは奇跡の子ライナルトと名づけられた。男の子は大きく強く育ち、王妃はよく彼に、魔法の森で三匹の獣にとらわれている三人の姉たちの話をして聞かせた。十六歳になると、ライナルトは王に鎧と剣をねだり、それを手に入れると、冒険の旅に出ようと両親に別れを告げて旅立っていった。

Er zog aber geradezu nach dem Zauberwald und hatte nichts anders im Sinn als seine Schwestern zu suchen. Anfangs irrte er lange in dem großen Walde herum, ohne einem Menschen oder einem Thiere zu begegnen. Nach drei Tagen aber sah er vor einer Höhle eine junge Frau sitzen und mit einem jungen Bären spielen: einen andern, ganz jungen, hatte sie auf ihrem Schooß liegen: Reinald dachte, das ist gewiß meine ältste Schwester, ließ sein Pferd zurück, und ging auf sie zu: „liebste Schwester, ich bin dein Bruder Reinald und bin gekommen dich zu besuchen.“ Die Prinzessin sah ihn an, und da er ganz ihrem Vater glich, zweifelte sie nicht an seinen Worten erschrack und sprach: „ach liebster Bruder, eil und lauf fort, was du kannst, wenn dir dein Leben lieb ist, kommt mein Mann, der Bär, nach Haus und findet dich, so frißt er dich ohne Barmherzigkeit.“ Reinald aber sprach: ich fürchte mich nicht und weiche auch nicht von dir, bis ich weiß, wie es um dich steht. Wie die Prinzessin sah, daß er nicht zu bewegen war, führte sie ihn in ihre Höle, die war finster und wie eine Bärenwohnung; auf der einen Seite lag ein Haufen Laub und Heu, worauf der Alte und seine Jungen schliefen, aber auf der andern Seite stand ein prächtiges Bett, von rothem Zeug mit Gold, das gehörte der Prinzessin. Unter das Bett hieß sie ihn kriechen, und reichte ihm etwas hinunter zu essen. Es dauerte nicht lang so kam der Bär nach Haus: „ich wittre, wittre Menschenfleisch“ und wollte seinen dicken Kopf unter das Bett stecken. Die Prinzessin aber rief: „sey ruhig, wer soll hier hinein kommen!“ „Ich hab ein Pferd im Wald gefunden und gefressen“ brummte er, und hatte noch eine blutige Schnauze davon, „dazu gehört ein Mensch und den riech ich“ und wollte wieder unter das Bett. Da gab sie ihm einen Fußtritt in den Leib, daß er einen Burzelbaum machte, auf sein Lager ging, die Tatze ins Maul nahm und einschlief.

ライナルトはまっすぐに魔法の森をめざした。姉たちをさがしだすこと以外、何も考えていなかった。はじめのうちは、人間にも獣にも出会わないまま、長いこと大きな森の中をさまよった。けれども三日たつと、ある洞穴の前に若い女がすわって、子熊と遊んでいるのが見えた。もう一頭、まだほんの小さな子熊をひざの上に寝かせていた。ライナルトは、これはきっといちばん上の姉さんだと思い、馬をそこに残して、その女のほうへ歩いていった。「いとしい姉さん、ぼくは弟のライナルトです。姉さんに会いにきたんです」。王女は彼を見つめたが、父親に生きうつしだったので、その言葉を疑わなかった。王女はぎょっとして言った。「ああ、いとしい弟、命が惜しかったら、急いで、できるだけ早く逃げてちょうだい。夫の熊が帰ってきてあなたを見つけたら、情け容赦なくあなたを食べてしまうわ」。けれどもライナルトは言った。ぼくは怖くなんかない、姉さんがどんなふうに暮らしているかわかるまでは、そばを離れないよ。王女は、弟がてこでも動かないのを見ると、洞穴の中へ連れていった。洞穴は暗くて、いかにも熊のすみからしかった。片側には木の葉と干し草が山のように積んであって、その上で親熊と子熊たちが眠るのだったが、もう一方の側には、金をあしらった赤い布のりっぱな寝台があって、それは王女のものだった。王女は弟にその寝台の下へもぐりこむように言い、食べるものを下へ差しいれてやった。まもなく熊が帰ってきた。「におうぞ、におうぞ、人間の肉のにおいがするぞ」。そう言って熊はでかい頭を寝台の下へ突っこもうとした。けれども王女は叫んだ。「静かにして。誰がこんなところへ入ってくるものですか!」「森で馬を一頭見つけて食ったんだ」と熊はうなった。まだ口のまわりが血だらけだった。「馬には人間がつきものだ。そいつのにおいがするんだ」。そう言って熊はまた寝台の下へもぐろうとした。そこで王女が熊の腹をひと蹴りすると、熊はとんぼがえりをして自分の寝床へ行き、前足を口にくわえて眠ってしまった。

Alle sieben Tage war der Bär in seiner natürlichen Gestalt und ein schöner Prinz, und seine Höhle ein prächtiges Schloß und die Thiere im Wald, waren seine Diener. An einem solchen Tage hatte er die Prinzessin abgeholt; schöne junge Frauen kamen ihr vor dem Schloß entgegen, es war ein herrliches Fest und sie schlief in Freuden ein, aber als sie erwachte, lag sie in einer dunkeln Bärenhöle und ihr Gemahl war ein Bär geworden und brummte zu ihren Füßen, nur das Bett und alles was sie angerührt hatte, blieb in seinem natürlichen Zustand unverwandelt. So lebte sie sechs Tage in Leid aber am siebenten ward sie getröstet, und da sie nicht alt ward und nur der eine Tag ihr zugerechnet wurde, so war sie zufrieden mit ihrem Leben. Sie hatte ihrem Gemahl zwei Prinzen geboren, die waren auch sechs Tage lang Bären und am siebenten in menschlicher Gestalt. Sie steckte sich jedesmal ihr Bettstroh voll von den köstlichsten Speisen Kuchen und Früchten, davon lebte sie die ganze Woche, und der Bär war ihr auch gehorsam und that, was sie wollte.

七日目ごとに、熊はもとの姿にもどって美しい王子になり、洞穴はりっぱな城に、森の獣たちはその家来になるのだった。そういう日に、熊は王女を迎えにきたのだった。城の前では美しい若い女たちが王女を出迎え、それはすばらしい宴がひらかれ、王女は喜びのうちに眠りについた。ところが目をさましてみると、王女は暗い熊の洞穴に寝ていて、夫は熊になってしまい、足もとでうなっていた。ただ寝台と、王女が手をふれたものだけは、変わることなくもとのままだった。こうして王女は六日のあいだは悲しんで暮らしたが、七日目には慰められた。それに王女は年をとらず、その一日だけが年月に数えられたので、王女は自分の暮らしに満足していた。王女は夫に二人の王子を産んでいたが、その子たちも六日のあいだは熊で、七日目には人間の姿になるのだった。王女はそのたびに寝藁の中に、とびきりおいしいごちそうやお菓子や果物をいっぱい詰めこんでおいて、それで一週間ずっと暮らした。それに熊も王女には従順で、王女の望むとおりにした。

Als Reinald erwachte, lag er in einem seidenen Bett, Diener kamen ihm aufzuwarten und ihm die reichsten Kleider anzuthun, denn es war gerade der siebente Tag eingefallen. Seine Schwester mit zwei schönen Prinzen und sein Schwager Bär traten ein, und freuten sich seiner Ankunft. Da war alles in Pracht und Herrlichkeit und der ganze Tag voll Lust und Freude; am Abend aber sagte die Prinzessin: „lieber Bruder, nun mach daß du fort kommst, mit Tages Anbruch nimmt mein Gemahl wieder Bärengestalt an, und findet er dich morgen noch hier, kann er seiner Natur nicht widerstehen und frißt dich auf.“ Da kam der Prinz Bär und gab ihm drei Bärenhaare, und sagte; „wenn du in Noth bist so reib daran, und ich will dir zu Hülfe kommen.“ Darauf küßten sie sich und nahmen Abschied, und Reinald stieg in einen Wagen mit sechs Rappen bespannt und fuhr fort. So gings über Stock und Stein, Berg auf, Berg ab, durch Wüsten und Wälder, Horst und Hecke, ohne Ruh und Rast, bis gegen Morgen, als der Himmel anfing grau zu werden, da lag Reinald auf einmal auf der Erde und Roß und Wagen war verschwunden, und beim Morgenroth erblickte er sechs Ameisen, die galloppirten dahin und zogen eine Nußschale.

ライナルトが目をさますと、絹の寝台に寝ていて、召使いたちがやってきて身のまわりの世話をし、いちばんぜいたくな衣装を着せてくれた。ちょうど七日目がめぐってきていたのだ。姉が二人の美しい王子を連れ、義兄の熊といっしょに入ってきて、ライナルトが来てくれたことを喜んだ。何もかもが豪華できらびやかで、一日じゅう楽しみと喜びにあふれていた。けれども夕方になると、王女は言った。「いとしい弟、さあ、もうお行きなさい。夜が明けると、夫はまた熊の姿になってしまうの。明日になってもまだあなたがここにいたら、夫は自分の性分にさからえなくて、あなたを食べてしまうわ」。そこへ熊の王子がやってきて、ライナルトに熊の毛を三本わたして言った。「困ったときにはこれをこすりなさい。そうすれば助けにいこう」。それから二人は口づけをかわして別れを告げ、ライナルトは六頭の黒馬をつけた馬車に乗って出発した。馬車は切り株も石もものともせず、山を登り山をくだり、荒れ野を抜け森を抜け、木立も生け垣も突っきって、休みも憩いもなく走りつづけた。ところが明け方近く、空が白みはじめたころ、ライナルトはいきなり地面に転がっていて、馬も馬車も消えていた。そして朝焼けの光の中に、六匹の蟻が胡桃の殻を引いて駆けていくのが見えた。

Reinald sah daß er noch in dem Zauberwald war, und wollte seine zweite Schwester suchen. Wieder drei Tage irrte er umsonst in der Einsamkeit, am vierten aber hörte er einen großen Adler daher rauschen, der sich auf ein Nest niederließ. Reinald stellte sich ins Gebüsch und wartete bis er wieder wegflog, nach sieben Stunden hob er sich auch wieder in die Höhe. Da kam Reinald hervor, trat vor den Baum und rief: „liebste Schwester bist du droben, so laß mich deine Stimme hören, ich bin Reinald dein Bruder, und bin gekommen dich zu besuchen!“ Da hörte er es herunter rufen, „bist du Reinald mein liebster Bruder, den ich noch nicht gesehen habe, so komm herauf zu mir.“ Reinald wollte hinauf klettern aber der Stamm war zu dick und glatt, dreimal versuchte ers, aber umsonst, da fiel eine seidene Strickleiter hinab, auf der stieg er bald zu dem Adlernest, das war stark und fest, wie eine Altane auf einer Linde. Seine Schwester saß unter einem Thronhimmel von rosenfarbener Seide und auf ihrem Schooß lag ein Adlerei, das hielt sie warm und wollt es ausbrüten. Sie küßten sich und freuten sich, aber nach einer Weile sprach die Prinzessin: „nun eil, liebster Bruder, daß du fort kommst, sieht dich der Adler, mein Gemahl, so hackt er dir die Augen aus und frißt dir das Herz ab, wie er dreien deiner Diener gethan, die dich im Walde suchten.“ Reinald sagte, „nein ich bleibe hier, bis dein Gemahl verwandelt wird“ – „Das geschieht erst in sechs Wochen, doch wenn du es aushalten kannst, steck dich in den Baum, der inwendig hohl ist, ich will dir alle Tage Essen hinunter reichen. Reinald kroch in den Baum, die Prinzessin ließ ihm alle Tage Essen hinunter, und wenn der Adler wegflog, kam er herauf zu ihr. Nach sechs Wochen geschah die Umwandlung, da erwachte Reinald wieder in einem Bett, wie bei seinem Schwager Bär, nur daß alles noch prächtiger war, und er lebte sieben Tage bei dem Adlerprinz in aller Freude. Am siebenten Abend nahmen sie Abschied, der Adler gab ihm drei Adlerfedern und sprach: wenn du in Noth bist, so reib daran, und ich will dir zu Hülfe kommen.“ Dann gab er ihm Diener mit, ihm den Weg zu zeigen, als aber der Morgen kam, waren sie auf einmal fort, und Reinald in einer furchtbaren Wildniß auf einer hohen Felsenwand allein.

ライナルトは、自分がまだ魔法の森にいるのを知って、二番目の姉をさがそうと思った。またしても三日のあいだ、人気のないところをむなしくさまよったが、四日目に、大きな鷲がばさばさと羽音をたてて飛んできて、巣に舞いおりるのが聞こえた。ライナルトは茂みに身をひそめて、鷲がまた飛びさるのを待った。七時間たつと、鷲はまた空へ舞いあがった。そこでライナルトは出ていって木の前に立ち、呼びかけた。「いとしい姉さん、もしそこにいるのなら、声を聞かせてください。ぼくは弟のライナルトです。姉さんに会いにきたんです!」 すると上から声がした。「あなたが、まだ会ったこともないわたしのいとしい弟ライナルトなら、ここまで上がっていらっしゃい」。ライナルトはよじのぼろうとしたが、幹はあまりに太くてつるつるしていた。三度ためしてみたがだめだった。すると絹の縄ばしごが下りてきたので、それをのぼって、ほどなく鷲の巣にたどりついた。巣はがっしりと頑丈で、菩提樹の上にしつらえた露台のようだった。姉はばら色の絹の天蓋の下にすわっていて、ひざの上には鷲の卵がのっていた。姉はその卵を温めて、かえそうとしていたのだ。二人は口づけをかわして喜びあったが、しばらくすると王女は言った。「さあ急いで、いとしい弟、ここから逃げてちょうだい。夫の鷲があなたを見つけたら、あなたの目をつつきだして、心臓を食いちぎってしまうわ。森であなたをさがしていたあなたの家来三人にも、そうしたのよ」。ライナルトは言った。「いいや、姉さんの旦那さんがもとの姿にもどるまで、ぼくはここにいるよ」――「それは六週間たたないと起こらないのよ。でも、もしあなたががまんできるなら、この木の中に隠れていなさい。中はうつろになっているの。毎日食べものを下へ差しいれてあげるわ」。ライナルトは木の中にもぐりこみ、王女は毎日食べものを下へおろしてやり、鷲が飛びさると、ライナルトは姉のところへ上がっていった。六週間たつと変身が起こり、ライナルトはまた寝台の上で目をさました。熊の義兄のところと同じだったが、何もかもがいっそう豪華だった。そしてライナルトは鷲の王子のもとで七日のあいだ、喜びにみちて暮らした。七日目の晩、二人は別れを告げた。鷲はライナルトに鷲の羽根を三本わたして言った。「困ったときにはこれをこすりなさい。そうすれば助けにいこう」。それから道案内の家来をつけてくれたが、朝になると家来たちは急に消えてしまい、ライナルトは恐ろしい荒野の、高い岩壁の上にひとりきりで取りのこされていた。

Reinald blickte um sich her, da sah er in der Ferne den Spiegel einer großen See, auf dem eben die ersten Sonnenstrahlen glänzten. Er dachte an seine dritte Schwester, und daß sie dort seyn werde. Da fing er an hinabzusteigen, und arbeitete sich durch die Büsche und zwischen den Felsen durch; drei Tage verbrachte er damit, und verlor oft den See aus den Augen, aber am vierten Morgen gelangte er hin. Er stellte sich an das Ufer und rief: „liebste Schwester bist du darin, so laß mich deine Stimme hören, ich bin Reinald dein Bruder und bin gekommen dich zu besuchen;“ aber es antwortete niemand, und war alles ganz still. Er bröselte Brotkrumen ins Wasser und sprach zu den Fischen: „ihr lieben Fische, geht hin zu meiner Schwester und sagt ihr, daß Reinald das Wunderkind da ist und zu ihr will.“ Aber die rothgefleckten Forellen schnappten das Brot auf, und hörten nicht auf seine Worte. Da sah er einen Nachen, alsbald warf er seine Rüstung ab, und behielt nur sein blankes Schwert in der Hand, sprang in das Schiff und ruderte fort. So war er lang geschwommen, als er einen Schornstein von Bergkristall über dem Wasser ragen sah, aus dem ein angenehmer Geruch hervor stieg. Reinald ruderte darauf hin und dachte, da unten wohnt gewiß meine Schwester, dann setzte er sich in den Schornstein und rutschte hinab. Die Prinzessin erschrak recht als sie auf einmal ein paar Menschenbeine im Schornstein zappeln sah, bald kam ein ganzer Mann herunter, und gab sich als ihren Bruder zu erkennen. Da freute sie sich von Herzen, dann aber ward sie betrübt und sagte: „der Wallfisch, hat gehört, daß du mich aufsuchen willst, und hat geklagt, wenn du kämst und er sey Wallfisch, könne er seine Begierde dich zu fressen nicht widerstehen, und würde mein kristallenes Haus zerbrechen, und dann würde ich auch in den Wasserfluten umkommen.“ – „Kannst du mich nicht so lang verbergen, bis die Zeit kommt wo der Zauber vorbei ist.“ – „Ach nein wie sollte das gehen, siehst du nicht die Wände sind alle von Kristall und ganz durchsichtig,“ doch sann sie und sann, endlich fiel ihr die Holzkammer ein, da legte sie das Holz so künstlich daß von außen nichts zu sehen war und dahinein versteckte sie das Wunderkind. Bald darauf kam der Wallfisch und die Prinzessin zitterte wie Espenlaub, er schwamm ein paarmal um das Kristallhaus und als er ein Stückchen von Reinalds Kleid aus dem Holz hervorgucken sah, schlug er mit dem Schwanz, schnaubte gewaltig und wenn er mehr gesehen, hätte er gewiß das Haus eingeschlagen. Jeden Tag kam er einmal und schwamm darum, bis endlich im siebenten Monat der Zauber aufhörte. Da befand sich Reinald in einem Schloß, das an Pracht gar des Adlers seines übertraf, und mitten auf einer schönen Insel stand; nun lebte er er einen ganzen Monat mit seiner Schwester und Schwager in aller Lust, als der aber zu Ende war, gab ihm der Wallfisch drei Schuppen und sprach: „wenn du in Noth bist, so reib daran und ich will dir zu Hülfe kommen“ und ließ ihn wieder ans Ufer fahren, wo er noch seine Rüstung fand.

ライナルトがあたりを見まわすと、はるか遠くに大きな湖の水面が鏡のように広がり、ちょうど朝日の最初の光がきらめいていた。ライナルトは三番目の姉のことを思い、きっとあそこにいるにちがいないと考えた。そこで岩壁をくだりはじめ、茂みをかきわけ、岩のあいだを抜けて進んだ。それに三日かかり、たびたび湖を見失ったが、四日目の朝、湖のほとりにたどりついた。ライナルトは岸辺に立って呼びかけた。「いとしい姉さん、もしこの中にいるのなら、声を聞かせてください。ぼくは弟のライナルトです。姉さんに会いにきたんです」。けれども誰も答えず、あたりはしんと静まりかえっていた。ライナルトはパンくずを水にまいて、魚たちに言った。「かわいい魚たち、姉さんのところへ行って、奇跡の子ライナルトがここに来ていて、姉さんのところへ行きたがっていると伝えておくれ」。けれども赤い斑点のある鱒たちはパンをぱくりとくわえるばかりで、ライナルトの言葉には耳を貸さなかった。そのとき一艘の小舟が目に入ったので、ライナルトはすぐさま鎧を脱ぎすて、抜き身の剣だけを手に持って舟に飛びのり、漕ぎだした。長いこと漕いでいくと、水晶の煙突が水の上に突きでているのが見えた。そこからいいにおいが立ちのぼっていた。ライナルトはそちらへ漕いでいきながら、この下にきっと姉さんが住んでいるのだと思い、煙突の中に腰をおろして、すべりおりていった。王女は、煙突の中で突然人間の脚が二本ばたばたしているのを見て、すっかり肝をつぶした。まもなく男がまるごとおりてきて、自分は弟だと名のった。王女は心から喜んだが、それから悲しそうになって言った。「鯨はね、あなたがわたしをさがしにくるつもりだと聞いて、嘆いていたの。もしあなたが来たとき自分が鯨の姿だったら、あなたを食べたいという欲をこらえきれずに、わたしの水晶の家を壊してしまうだろう、そうしたらわたしも水の中で死んでしまうだろうって」――「魔法が解ける時まで、ぼくを隠しておいてはもらえないの?」――「ああ、だめよ、そんなことできるものですか。ほら、壁はみんな水晶で、すっかりすきとおっているでしょう」。それでも王女は考えに考え、とうとう薪部屋のことを思いついた。そこで薪をたくみに積みあげて、外からは何も見えないようにし、その中に奇跡の子を隠した。まもなく鯨がやってきた。王女はヤマナラシの葉のようにふるえていた。鯨は水晶の家のまわりを何度か泳ぎまわったが、ライナルトの服のきれはしが薪のあいだからのぞいているのを見ると、尾で水を打ち、すさまじい鼻息をたてた。もっと多くを見ていたら、きっと家をたたき壊していたことだろう。鯨は毎日一度やってきては家のまわりを泳いだが、とうとう七か月目に魔法が解けた。するとライナルトは、壮麗さでは鷲の城さえしのぐほどの城の中にいた。その城は美しい島のまんなかに建っていた。ライナルトはまるひと月のあいだ、姉と義兄といっしょに楽しく暮らした。そのひと月が終わると、鯨はライナルトにうろこを三枚わたして言った。「困ったときにはこれをこすりなさい。そうすれば助けにいこう」。そしてライナルトをまた岸まで舟で送りとどけてくれた。そこには彼の鎧がまだ置いてあった。

Das Wunderkind zog darauf sieben Tage in der Wildniß weiter und sieben Nächte schlief es unter freiem Himmel, da erblickte es ein Schloß mit einem Stahlthor und einem mächtigen Schloß daran. Vorn aber ging ein schwarzer Stier mit funkelnden Augen und bewachte den Eingang. Reinald ging auf ihn los und gab ihm auf den Hals einen gewaltigen Streich aber der Hals war von Stahl und das Schwert zerbrach darauf, als wäre es Glas. Er wollte seine Lanze brauchen, aber die zerknickte wie ein Strohhalm und der Stier faßte ihn mit den Hörnern und warf ihn in die Luft, daß er auf den Aesten eines Baums hängen blieb. Da besann sich Reinald in der Noth auf die drei Bärenhaare, rieb sie in der Hand und in dem Augenblick kam ein Bär daher getrabt, kämpfte mit dem Stier und zerriß ihn. Aber aus dem Bauch des Stiers flog ein Entvogel in die Höhe und eilig weiter; da rieb Reinald die drei Adlerfedern, alsbald kam ein mächtiger Adler durch die Luft und verfolgte den Vogel, der gerade nach einem Weiher floh, schoß auf ihn herab, und zerfleischte ihn; aber Reinald hatte gesehen, wie er noch ein goldnes Ei hatte ins Wasser fallen lassen. Da rieb er die drei Fischschuppen in der Hand, gleich kam ein Wallfisch geschwommen, verschluckte das Ei und spie es ans Land. Reinald nahm es und schlug es mit einem Stein auf, da lag ein kleiner Schlüssel darin, und das war der Schlüssel, der die Stahlthür öffnete. Und wie er sie nur damit berührte, sprang sie von selber auf, und er trat ein, und vor den andern Thüren schoben sich die Riegel von selber zurück, und durch ihrer sieben trat er in sieben prächtige hellerleuchtete Kammern, und in der letzten Kammer lag eine Jungfrau auf einem Bett und schlief. Die Jungfrau war aber so schön, daß er ganz geblendet davon ward, er wollte sie aufwecken, das war aber vergebens, sie schlief so fest als wäre sie tod. Da schlug er vor Zorn auf eine schwarze Tafel, die neben dem Bett stand; in dem Augenblick erwachte die Jungfrau, fiel aber gleich wieder in den Schlaf zurück, da nahm er die Tafel und warf sie auf den steinernen Boden, daß sie in tausend Stücken zersprang. Kaum war das geschehen, so schlug die Jungfrau die Augen hell auf, und der Zauber war gelöst. Sie war aber die Schwester von den drei Schwägern Reinalds, und weil sie einem gottlosen Zauberer ihre Liebe versagt, hatte er sie in den Todesschlaf gesenkt, und ihre Brüder in Thiere verwandelt, und das sollte so lang währen, als die schwarze Tafel unversehrt blieb. Reinald führte die Jungfrau heraus und wie er vor das Thor kam, da ritten von drei Seiten seine Schwäger heran und waren nun erlöst, und mit ihnen ihre Frauen und Kinder, und die Adlerbraut hatte das Ei ausgebrütet und ein schönes Fräulein auf dem Arm; da zogen sie alle zu dem alten König und der alten Königin, und das Wunderkind brachte seine drei Schwestern mit nach Haus, und bald vermählte es sich mit der schönen Jungfrau; da war Freude und Lust in allen Ecken; und die Katz läuft nach Haus, mein Mährchen ist aus.

奇跡の子はそれからさらに七日のあいだ荒野を進み、七晩のあいだ野宿をした。すると、鋼の門のある城が見えてきた。門には大きな錠前がかかっていた。そして門の前には、目をぎらぎら光らせた黒い牡牛がうろついて、入口を見張っていた。ライナルトは牡牛に向かっていって、その首にすさまじい一撃をくらわせたが、首は鋼でできていて、剣はまるでガラスのように砕けてしまった。槍を使おうとしたが、槍も藁しべのようにぽきりと折れ、牡牛は角でライナルトをひっかけて空へ放りあげたので、ライナルトは木の枝に引っかかってしまった。この窮地でライナルトは三本の熊の毛を思いだし、手の中でこすった。するとその瞬間、熊が一頭のしのしとやってきて、牡牛と戦い、引き裂いてしまった。ところが牡牛の腹の中から一羽の鴨が飛びだして、空へ舞いあがり、急いで逃げていった。そこでライナルトが三本の鷲の羽根をこすると、たちまち力強い鷲が一羽空を飛んできて、その鳥を追いかけた。鳥はまっすぐ池のほうへ逃げたが、鷲はその上へ急降下して、ずたずたに引き裂いてしまった。けれどもライナルトは、鳥がその前に金の卵をひとつ水の中へ落としたのを見ていた。そこで手の中で三枚の魚のうろこをこすると、すぐに鯨が一頭泳いできて、卵を飲みこみ、陸へ吐きだした。ライナルトはそれを拾いあげて石で割った。すると中には小さな鍵がひとつ入っていて、それが鋼の門をひらく鍵だった。その鍵で門にふれただけで、門はひとりでにぱっと開いた。ライナルトが中へ入ると、ほかの扉でも閂がひとりでに引っこんで、ライナルトは七つの扉を通りぬけ、七つの豪華な、明るく照らされた部屋に入っていった。そして最後の部屋には、ひとりの乙女が寝台に横になって眠っていた。その乙女はあまりに美しかったので、ライナルトはすっかり目がくらんでしまった。ライナルトは乙女を起こそうとしたが、むだだった。乙女はまるで死んでいるかのようにぐっすりと眠っていた。そこでライナルトは腹立ちまぎれに、寝台のそばに立っていた黒い板をたたいた。その瞬間、乙女は目をさましたが、すぐにまた眠りに落ちてしまった。そこでライナルトはその板をつかんで石の床に投げつけたので、板は粉々に砕けちった。そうしたとたん、乙女はぱっちりと目をあけ、魔法は解けた。この乙女は、ライナルトの三人の義兄たちの妹だった。神をおそれぬ魔法使いの求愛をはねつけたため、魔法使いは乙女を死の眠りに沈め、兄たちを獣に変えてしまったのだ。そしてそれは、その黒い板が無傷であるかぎりつづくことになっていた。ライナルトは乙女を外へ連れだした。門の前に出ると、三方から義兄たちが馬に乗ってやってきた。今では魔法が解けていて、妻や子どもたちもいっしょだった。鷲の花嫁は卵をかえして、美しい女の子を腕に抱いていた。そこでみんなそろって年老いた王と年老いた王妃のもとへ向かい、奇跡の子は三人の姉たちを家へ連れかえった。そしてまもなく美しい乙女と結婚した。どこもかしこも喜びと楽しみでいっぱいだった。猫がおうちへ駆けてった、わたしのお話はこれでおしまい。

Kommentar解説

落ちぶれた王の三人の娘が、熊、鷲、鯨の姿にされた王子たちに嫁ぐ。のちに生まれた弟「奇跡の子ライナルト」が姉たちを訪ね歩き、黒い板に封じられた呪いを解く。初版でいちばん長い話のひとつ。

兄弟の初版注は「この話はよく聞くが、いつもムゼーウスの話と筋が同じで、ここでもそうなっている」と認め、ムゼーウスが付け足した部分は除いたと書く一次。18世紀の作家の創作童話に寄りかかっていたことが、1819年の削除につながったと見られる推定。

独Wikipediaには「ヤーコプが断片的すぎるとして削除を勧めた」とあるが、その典拠は確かめられなかった不明。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版第1巻付録

Zu den drei Schwestern. No. 82.

Dieses Märchen wird oft gehört, aber allezeit stimmt es der Sache nach mit der auch zum Volksbuch gewordenen Erzählung des Musäus, so daß man es auch hier so finden wird. Er scheint nur die ihm eigenthümliche etwas breite Manier und die Episode von dem Zauberer Zornebock ferner die Namen hinzugethan zu haben, Reinald, das Wunderkind ausgenommen, welches der volksmäßige scheint da in den drei dänischen Liedern von Rosmerdem Meermann (Kämpe-Viser S. 152-160. Uebersetzung 201-206.) die einen Theil des Märchens enthalten der Bruder einmal Roland heißt, und beide Namen äußerliche Aehnlichkeit haben. Auch sonst ist aus Musäus beibehalten was noch volksmäßig schien. Li tre' rri anomale im Pentamerone (IV. 3.) gehört hierher.

初版第2巻付録

Num. 82. (Die drei Schwestern.) Die Aehnlichkeit des Lieds von Rosmer (S. LV. steht durch Druckfehler Rohmer) wird durch eine Stelle in Jamieson’s popular ballads Edinb. 1806. I. 217. bestärkt: „It may be observed, that there is a striking resemblance between the story of Rosmer Hafmand and the romance of child Rowland (not yet entirely lost in Scotland) which is quoted by Mad Tom in Shakespeare:

Child Rowland to the dark tower came – (the fairy comes in)

with, fi, fi, fo and sum!

I smell the blood of a british man!

be he dead, be he living, wi’ my brand,

I’ll dash his harns frae his harn-pan

the british story is much finer in every respect than the danish etc. etc. –

Wie hier der Adler, so reicht im Schahnameh der Riesenvogel Simurg dem Knaben Sal aus seinem Gefieder eine Feder; wenn er in Noth sey, solle er sie ins Feuer werfen (auch das Reiben im Märchen soll sie entzünden) und auf der Stelle werde er ihm durch die Wolken zu Hülfe geflogen kommen. (Fundgruben des Or. III. 63.)

Erster Band · Nr. 84 · 1812

Die Schwiegermutter姑

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類不完全・断片怖さ†††

Es war ein König und eine Königin, die hatte eine bitterböse Schwiegermutter. Einmal zog der König ins Feld, da ließ die alte Königin ihre Schwieger unten in einen dumpfigen Keller einsperren, und ihre zwei Söhnlein zu ihr. Eines Tags nun sprach sie zu sich selbst: ich hätte so Lust das eine von den Kindern zu essen, rief ihren Koch und hieß ihn hinuntersteigen, das eine Söhnlein zu nehmen, zu schlachten und zuzurichten.

王と王妃がいた。王妃にはひどく意地の悪い姑がいた。あるとき王が戦に出ると、老王妃は嫁を下の湿った地下室に閉じこめ、ふたりの幼い息子もそこへ入れた。ある日、老王妃はひとりごとを言った。「あの子をひとり食べたくてたまらない」。そして料理人を呼び、地下へ下りて息子のひとりを連れ出し、屠って料理するよう命じた。

„Mit was für einer Brühe?“ fragte der Koch. Mit einer braunen, sprach die alte Königin.

「どんなソースにいたしましょう」と料理人がたずねた。「茶色のソースで」と老王妃は言った。

Da ging der Koch in den Keller und sprach: „ach Frau Königin, die alte Frau Königin will haben, ich soll heut Abend Euren einen Sohn schlachten und kochen.“ Da war die junge Königin herzlich betrübt und sagte: ach, wollen wir nicht ein Schweinchen nehmen, das koch doch so, wie sies haben will, und sprich, es wäre mein Kind gewesen.

そこで料理人は地下室へ行って言った。「ああ王妃さま、老王妃さまが、今晩あなたさまのお子をおひとり屠って料理せよとお命じです」。若い王妃は心から嘆いて言った。「ねえ、子豚を一匹使えないかしら。お望みどおりに料理して、それが私の子だったと言ってちょうだい」。

Der Koch that so und trug das Schweinchen in brauner Brühe auf, „da wäre das Kind,“ und sie aß es auf mit großem Appetit.

料理人はそのとおりにして、子豚を茶色のソースで出し、「こちらがお子でございます」と言った。老王妃はそれをたいそうな食欲で平らげた。

Bald darauf dachte die Alte: das Kinderfleisch hat mir so zart geschmeckt, du willst das zweite auch essen, rief den Koch und hieß ihn in den Keller gehen, und den zweiten Sohn schlachten.

まもなく老婆は思った。「子どもの肉はなんと柔らかかったこと。二人目も食べてやろう」。そして料理人を呼び、地下室へ行って二人目の息子を屠るよう命じた。

„Mit was für einer Brühe soll ich ihn kochen?“ ei, mit einer weißen, sprach die alte Königin.

「どんなソースで煮ましょう」「そうね、白いソースで」と老王妃は言った。

Der Koch ging hinunter und sagte: ach, die alte Frau Königin hat mich geheißen, daß ich nun auch euer zweites, kleines Söhnlein schlachten und kochen soll. Die junge Königin sprach: nimm doch ein Spanferkelchen und koch es, wie sies gern haben will.

料理人は下りていって言った。「ああ、老王妃さまが、今度はお二人目の小さなお子を屠って煮よとお命じです」。若い王妃は言った。「乳飲み豚を一匹使って、お望みどおりに煮てちょうだい」。

Das that der Koch, und setzte es der Alten vor in einer weißen Brühe, und sie speiste es mit noch größerm Appetit.

料理人はそのとおりにして、白いソースで老婆の前に出した。老婆はそれをさらに大きな食欲で食べた。

Endlich dachte die Alte: nun sind die Kinder in meinem Leib, du willst nun auch die junge Königin essen, rief den Koch und befahl ihm die junge Königin zu kochen. – –

ついに老婆は思った。「これで子どもたちは私の腹の中だ。今度は若い王妃を食べてやろう」。そして料理人を呼び、若い王妃を煮るよう命じた。――

(Fragment: beim drittenmal schlachtet der Koch eine Hirschkuh. Nun hat aber die junge Königin ihre Noth, daß sie ihre Kinder vom Schreien abhält, damit die Alte nicht hört, sie seien noch am Leben u.s.w.)

(断片。三度目に料理人は雌鹿を屠る。ところが今度は、子どもたちが泣き声をあげないようにするのに若い王妃は苦労する。まだ生きていることを老婆に聞かれないように、等々。)

Kommentar解説

王の留守に、嫁と二人の孫を地下室に閉じこめた老王妃。孫を「茶色のソースで」「白いソースで」食べたがり、料理人は豚で身代わりを作る。三人目は嫁本人。初版の時点で途中で切れた断片である。

兄弟の注は「ペローの『眠れる森の美女』の一部と一致する」と書き、バジーレの話にも触れている一次。1822年と1856年の注釈巻では「意地悪な姑」として巻末の断片の部へ移され、「この結末はドイツの話には欠けている」と添えられた一次。決定版の「いばら姫」がペロー版の後半(人食いの姑)を持たないのは、この判断の表れと読める推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

Zu der Schwiegermutter. No. 84.

Stimmt überein mit einem Theil von Perraults la belle au boisdormant. – In Pentamerone V. 5 (sole, luna e talia) läst eine eifersüchtigeFrau gerade so den Koch rufen, um ihre Nebenbuhlerin, sammt ihren Kindern zu kochen. Der Eingang aber ist hier wie in Dornröschen von der gefährlichen Spindel, und besonders schön und neu der Uebergang beider Geschichten in einander.

Erster Band · Nr. 85 · 1812

Fragmente断片

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類不完全・断片

a) Schneeblume.

a) 雪の花

Eine junge Königstochter hieß Schneeblume, weil sie weiß, wie der Schnee war, und im Winter geboren. Eines Tags war ihre Mutter krank geworden, und sie ging in den Wald und wollte heilsame Kräuter brechen, wie sie nun an einem großen Baum vorüber ging, flog ein Schwarm Bienen heraus und bedeckten ihren ganzen Leib von Kopf bis zu Füßen. Aber sie stachen sie nicht und thaten ihr nicht weh, sondern trugen Honig auf ihre Lippen, und ihr ganzer Leib strahlte ordentlich von Schönheit. – –

若い王女がいて、雪の花という名だった。雪のように白く、冬に生まれたからである。ある日、母親が病気になったので、王女は森へ行って薬草を摘もうとした。大きな木のそばを通りかかると、蜜蜂の群れが飛び出してきて、王女の体を頭のてっぺんから足の先までびっしりと覆った。けれども蜂たちは王女を刺さず、痛い思いもさせなかった。それどころか唇に蜜を運んでくれたので、王女の体じゅうが、まさしく美しさに光り輝いた。– –

b) Prinzessin mit der Laus.

b) シラミのいる王女

Es war einmal eine Prinzessin, die war so reinlich, gewiß die reinlichste von der ganzen Welt, nie sah man den kleinsten Schmutz oder Flecken an ihr. Einmal aber fand man eine Laus auf ihrem Kopf sitzen, welches für ein wahres Wunder galt, und man wollte darum die Laus nicht umbringen, sondern beschloß sie mit Milch groß zu füttern. Dies geschah, die Laus wuchs immer mehr, so daß sie endlich so groß wie ein Kalb war. Wie nun diese Laus starb, ließ ihr die Prinzessin das Fell abziehen und sich ein Kleid daraus machen. Kam nun ein Freier und hielt um sie an, so gab sie ihm aufzurathen, von welchem Thier das Fell wäre, das sie zum Kleid trug. Da dies nun keiner rathen konnte, mußten sie alle abziehen. Endlich kam ein schöner Prinz auf folgende Art dahinter. – –

昔、ひとりの王女がいた。たいそうきれい好きで、きっと世界じゅうでいちばんきれい好きだったろう。その体には、ほんのわずかな汚れもしみも見られたことがなかった。ところがあるとき、王女の頭にシラミが一匹とまっているのが見つかった。これはまさに奇跡と思われたので、人々はそのシラミを殺そうとはせず、ミルクで大きく育てることに決めた。そのとおりにすると、シラミはどんどん大きくなって、とうとう子牛ほどの大きさになった。やがてこのシラミが死ぬと、王女はその皮をはがせて、それで自分の服を一着こしらえさせた。さて求婚者がやって来て結婚を申しこむと、王女は、自分が着ている服の皮はなんという獣のものか当ててごらんなさい、と謎をかけた。だれひとり当てられなかったので、みな引き下がるほかなかった。とうとう美しい王子が、次のようなやり方でその秘密をつきとめた。– –

c) Vom Prinz Johannes.

c) ヨハネス王子のこと

Von seinem Wandeln in Sehnen und Wehmuth, von seinem Flug mit der Erscheinung, von der rothen Burg, von den vielen herzbewegenden Prüfungen, bis ihm der einzigste Anblick der schönen Sonnenprinzessin gewährt wurde.

憧れと哀しみのうちに彼がさまよい歩いたこと、まぼろしとともに空を飛んだこと、赤い城のこと、心を揺さぶる数々の試練のこと、そしてついに、美しい太陽の王女の、またとない姿を目にすることが許されるまでのこと。

d) Das gute Pflaster.

d) よい膏薬

Zwei Näthersmädchen hatten nichts geerbt, als ein gutes, altes Pflaster, welches Geld machte, und wovon sie außer ihrem Nähverdienst lebten. Die eine Schwester war sehr klug, die andere sehr dumm.

二人のお針子の娘が、古くてよい膏薬を一枚相続したきりで、ほかには何も受け継がなかった。その膏薬はお金を生み出すので、二人は針仕事の稼ぎのほかに、それで暮らしを立てていた。姉妹のひとりはたいそう賢く、もうひとりはたいそう愚かだった。

Eines Tags, als die älteste in die Kirche gegangen ist, kam ein Jude zu der dummen; „schönes, neues Pflaster zu verkaufen, oder zu vertauschen gegen altes, nichts zu handelen?“ Da ging die dumme hin und holte dem Juden das alte Pflaster für ein neues Stück, und der Jude wußte wohl, welche Tugend das alte hatte.

ある日、姉が教会へ出かけていたとき、ひとりのユダヤ人が愚かなほうのところへやって来た。「きれいな新しい膏薬はいらんかね、売るよ、古いのと取り替えるよ、何か商いはないかね?」すると愚かなほうは行って、新しい一枚と引き換えに、古い膏薬をユダヤ人に持ってきてやった。ユダヤ人は、その古い膏薬にどんな効きめがあるか、よく知っていたのである。

Wie die älteste heim kam, sprach sie: es geht schlimm mit unserm Nähverdienst, ich muß uns ein bischen Geld schaffen, wo ist unser Pflaster? – desto besser, sprach die Dumme, ich hab auch während du aus warst, ein neues und frisches Stück gehandelt für das alte – – – – – – – – – – – – – – – – –

姉は家に帰ってくると言った。お針仕事の稼ぎがひどいことになってきた、少しお金をこしらえなくちゃ、うちの膏薬はどこ?――それならなおのこといいわ、と愚かなほうが言った、わたしもね、姉さんが出かけているあいだに、古いのと引き換えに、新しくてぴかぴかのを一枚手に入れたのよ – – – – – – – – – – – – – – – – –

(Nachher wird der Jude ein Hund, die zwei Mädchen Hüner, die Hüner aber endlich Menschen und prügeln den Hund zu Tode.)

(このあと、ユダヤ人は犬になり、二人の娘はめんどりになるが、めんどりたちはついには人間になって、犬を殴り殺す。)

d) der gute Lappen.

d) よい布切れ

Zwei Näthersmädchen hatten nichts geerbt, als einen guten alten Lappen, der machte alles zu Gold, was man hineinwickelte, damit hatten sie genug und nähten dabei noch zu kleinem Verdienst. Die eine Schwester war sehr klug, die andere sehr dumm. Eines Tags, war die älteste in die Kirche gegangen, da kam ein Jude die Straße her und rief: „Schöne, neue Lappen zu verkaufen oder zu vertauschen gegen alte, nichts zu handlen?“ Wie die dumme das hörte, lief sie hin und vertauschte ihren guten alten Lappen für einen neuen; das wollte der Jud gerad, denn er kannte die Tugend des alten gar wohl. Als die älteste nun heimkam, sprach sie: „mit dem Nähverdienst geht’s schlecht, ich muß uns ein bischen Geld schaffen, wo ist unser Lappen?“ „Desto besser,“ sprach die dumme, „ich hab’ auch während du aus warst einen neuen und frischen dafür eingehandelt für den alten.“ – – (Nachher wird der Jude ein Hund, die zwei Mädchen Hühner, die Hühner aber endlich Menschen, und prügeln den Hund zu Tode.)

二人のお針子の娘が、古くてよい布切れを一枚相続したきりで、ほかには何も受け継がなかった。その布切れは、包んだものを何でも金に変えるのだった。それで二人は十分に暮らしていけたが、そのかたわら、わずかな稼ぎのために針仕事もしていた。姉妹のひとりはたいそう賢く、もうひとりはたいそう愚かだった。ある日、姉が教会へ出かけていると、ひとりのユダヤ人が通りをやって来て、こう呼ばわった。「きれいな新しい布切れはいらんかね、売るよ、古いのと取り替えるよ、何か商いはないかね?」愚かなほうはそれを聞くと、駆けていって、古いよい布切れを新しい布切れと取り替えてしまった。それこそユダヤ人の思うつぼだった。古い布切れにどんな力があるか、よく知っていたからである。さて姉が家に帰ってくると言った。「お針仕事の稼ぎがさっぱりだわ。少しお金をこしらえなくちゃ。うちの布切れはどこ?」「それならなおのこといいわ」と愚かなほうが言った。「わたしもね、姉さんが出かけているあいだに、古いのと引き換えに、新しくてぴかぴかのを一枚手に入れたのよ」– – (このあと、ユダヤ人は犬になり、二人の娘はめんどりになるが、めんどりたちはついには人間になって、犬を殴り殺す。)

Kommentar解説

四つの書きかけ。a「雪の花」、b「シラミのいる王女」、c「ヨハネス王子」(あらすじだけ)、d「よい膏薬」と「よい布切れ」(同じ話の二つの書き方)。

aは兄弟の注によればフランスの民話一次。bは注釈巻の断片「シラミ」に移り、バジーレの話と同じ系統だとされた一次。

dでは、ユダヤ人の行商人が姉妹から魔法の布切れをだまし取る悪役になっている。19世紀の昔話に繰り返し現れる反ユダヤ的な型で、ここでは原文どおりに訳した。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

Zu den Fragmenten. No. 85.

a) Ein französ. Volksmärchen, perceneige, (Frühlingsblume, Schneeglöcklein, Primel neulich in ein Gedicht: Thibaut ou la naissancedu comte de champagne. Paris 1811. pag. 97. 98. verflochten.

b) Erinnert an eine Variante zu Droßelbart. Das Ganze vollständig im Pentamerone I, 5. la polece.

c) Dieses Märchen erinnert sich Karl Graß in seiner Kindheit in Liefland von einer deutschen Amme, die Marie hieß, erzählen gehört zu haben. Er hat daraus ein Gedicht in 12 Gesängen gemacht, welches schwerlich dem Märchen beikommen wird. S. Erheiterungen 1812. Stück 5, 391-393.

d) In der 1001. N. von der kupfernen Lampe, die auch aus Dummheit gegen eine neue gegeben wird. Einigermaßen verwandt ist auch das Fabliau vom Sperber den die Tochter kauft, während die Mutter zur Kirche ist.

Zweiter Band · Nr. 13 (KHM 99) · 1815

Der Froschprinzかえるの王子

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類別の話へ

Es war einmal ein König, der hatte drei Töchter, in seinem Hof aber stand ein Brunnen mit schönem klarem Wasser. An einem heißen Sommertag ging die älteste hinunter und schöpfte sich ein Glas voll heraus, wie sie es aber so ansah und gegen die Sonne hielt, sah sie, daß es trüb’ war. Das kam ihr ganz ungewohnt vor und sie wollte es wieder hineinschütten, indem regte sich ein Frosch in dem Wasser, streckte den Kopf in die Höhe, und sprang endlich auf den Brunnenrand, da sagte er zu ihr:

昔あるところに王がいて、三人の娘があった。王の中庭には、美しく澄んだ水をたたえた井戸があった。ある暑い夏の日、いちばん上の娘が下りていって、コップに一杯水をくんだ。ところが、それをじっと眺めて日にかざしてみると、水が濁っているのがわかった。これはいつにないことだと思って、水をもとへ戻そうとすると、そのとき水の中で一匹のかえるが動き、頭をぐっと突き出して、とうとう井戸のふちへ跳び上がり、娘にこう言った。

„wann du willst mein Schätzchen seyn,

「わたしのいい人になるならば、

will ich dir geben hell, hell Wässerlein.“

すんだ、すんだお水をあげよう」

„Ei, wer will Schatz von einem garstigen Frosch seyn,“ rief die Prinzessin und lief fort. Sie sagte ihren Schwestern was da unten am Brunnen für ein wunderlicher Frosch wäre, der das Wasser trüb machte. Da ward die zweite neugierig, ging hinunter und schöpfte sich auch ein Glas voll, das war eben wieder so trüb, daß sie es nicht trinken wollte. Aber der Frosch war auch wieder auf dem Rand und sagte:

「まあ、だれがあんないやらしいかえるのいい人になんかなるものですか」と王女は叫んで、走って行ってしまった。王女は妹たちに、下の井戸に、水を濁らせるなんとも奇妙なかえるがいると話した。すると二番目の娘が好奇心を起こして下りてゆき、やはりコップに一杯くんでみたが、これもまた濁っていて、とても飲む気にはなれなかった。けれどもかえるがまた井戸のふちにいて、こう言った。

„wann du willst mein Schätzchen seyn,

「わたしのいい人になるならば、

will ich dir geben hell, hell Wässerlein.“

すんだ、すんだお水をあげよう」

„Das wär’ mir gelegen,“ sagte die Prinzessin und lief fort. Endlich kam die dritte, und schöpfte auch, aber es ging ihr nicht besser und der Frosch sprach auch zu ihr:

「それはまあ、けっこうなお話だこと」と王女は言って、走って行ってしまった。とうとう三番目の娘がやって来て、やはり水をくんだが、うまくいかないのは同じで、かえるは彼女にもこう言った。

„wann du willst mein Schätzchen seyn,

「わたしのいい人になるならば、

will ich dir geben hell, hell Wässerlein.“

すんだ、すんだお水をあげよう」

„Ja doch! ich will dein Schätzchen seyn, sagte die Prinzessin, schaff’ mir nur reines Wasser,“ sie dachte aber: was schadet dir das, du kannst ihm ja leicht aus Gefallen so sprechen, ein dummer Frosch kann doch nimmermehr mein Schatz seyn. Der Frosch aber war wieder in’s Wasser gesprungen, und als sie nun zum zweitenmal schöpfte, da war das Wasser so klar, daß die Sonne ordentlich vor Freuden darin blinkte. Sie trank sich recht satt und brachte ihren Schwestern noch mit hinauf: „was seyd ihr so einfältig gewesen und habt euch vor dem Frosch gefürchtet.“

「ええ、いいわよ! あなたのいい人になってあげる」と王女は言った。「だから、きれいなお水をちょうだい」。けれども心の中ではこう考えていた――こう言ったところで何の損になるものですか、気に入るように言ってやるくらいたやすいこと、ばかなかえるなんかが、わたしのいい人になれるはずがないんだもの。かえるはまた水の中へ跳びこんでいた。そして王女がもう一度水をくむと、こんどは水がとても澄んでいて、お日さまがうれしさのあまり、その中でほんとうにきらきら輝くほどだった。王女は心ゆくまで飲み、姉たちにも持って上がってやった。「かえるなんかをこわがったりして、なんてお馬鹿さんだったのかしら」。

Darnach dachte die Prinzessin nicht weiter daran und legte sich Abends vergnügt in’s Bett. Wie sie ein Weilchen darin lag und noch nicht eingeschlafen war, da hört sie auf einmal etwas an der Thüre krabbeln, und darnach singen:

そのあと王女はもうそのことは考えもせず、晩には楽しい気分で床についた。しばらく横になって、まだ寝つかないでいると、ふいに戸のところで何かががさごそ這う音がして、それから歌うのが聞こえた。

„Mach’ mir auf! mach mir auf!

「あけておくれ! あけておくれ!

Königstochter, jüngste,

いちばん末の王女さま、

weißt du nicht, wie du gesagt

おぼえていないか、言ったこと、

als ich in dem Brünnchen saß,

わたしが井戸にいたときに、

du wolltest auch mein Schätzchen seyn,

わたしのいい人になってくれると、

gäb’ ich dir hell, hell Wässerlein.“

すんだ、すんだお水をあげたなら」

„Ei! da ist ja mein Schatz, der Frosch, sagte die Prinzessin, nun weil ich’s ihm versprochen habe, so will ich ihm aufmachen,“ also stand sie auf, öffnete ihm ein Bischen die Thüre und legte sich wieder. Der Frosch hüpfte ihr nach und hüpfte endlich unten in’s Bett zu ihren Füßen und blieb da liegen, und als die Nacht vorüber war und der Morgen graute, da sprang er wieder herunter und fort zur Thüre hinaus. Am andern Abend, als die Prinzessin wieder im Bett lag, krabbelte es wieder und sang an der Thüre. Die Prinzessin machte auf, und der Frosch lag bis es Tag werden wollte wieder unten zu ihren Füßen. Am dritten Abend kam er, wie an den vorigen. „Das ist aber das letztemal, daß ich dir aufmache, sagte die Prinzessin, in Zukunft geschiehts nicht mehr.“ Da sprang der Frosch unter ihr Kopfkissen und die Prinzessin schlief ein. Wie sie am Morgen aufwachte und meinte, der Frosch sollte wieder forthüpfen, da stand ein schöner junger Prinz vor ihr, der sagte, daß er der bezauberte Frosch gewesen, und daß sie ihn erlöst hätte, weil sie versprochen sein Schatz zu seyn. Da gingen sie beide zum König, der gab ihnen seinen Segen und da ward Hochzeit gehalten. Die zwei andern Schwestern aber ärgerten sich, daß sie den Frosch nicht zum Schatz genommen hatten.

「まあ! わたしのいい人の、かえるさんだわ」と王女は言った。「約束したんだもの、開けてあげましょう」。そこで起き上がって、ほんの少し戸を開けてやり、また横になった。かえるは王女のあとからぴょんぴょんついて来て、とうとう寝床の裾の、王女の足もとへ跳びこんで、そこにじっとしていた。夜が過ぎて朝が白みはじめると、かえるはまた跳び下りて、戸から出ていってしまった。次の晩、王女がまた床についていると、また戸のところでがさごそいって、歌が聞こえた。王女が開けてやると、かえるはまた夜が明けるころまで足もとに寝ていた。三日目の晩も、それまでと同じようにかえるはやって来た。「でも、開けてあげるのはこれでおしまいよ」と王女は言った。「これからはもうしないからね」。するとかえるは王女の枕の下へ跳びこみ、王女は眠りこんだ。朝になって目を覚まし、かえるがまたぴょんと出ていくだろうと思っていると、目の前に美しい若い王子が立っていた。王子は、自分は魔法をかけられたあのかえるだったのだ、王女がいい人になると約束してくれたので魔法が解けたのだ、と言った。そこでふたりは王のところへ行き、王はふたりに祝福を与え、婚礼があげられた。けれどもほかのふたりの姉たちは、自分たちがかえるをいい人にしなかったことをくやしがった。

Kommentar解説

三人の王女と、水を濁らせる井戸のかえる。末娘だけが「いい人になる」と約束し、枕の下で眠らせたかえるが朝には王子に戻っている。かえるを壁に叩きつける決定版の「カエルの王さま」とは違う、穏やかな語り。

兄弟は1815年の注で「鉄のハインリヒ(KHM 1)の独特な異形」と書き一次、1856年の注釈巻ではKHM 1の注に別の語りとして要約された一次。同じ型の話の整理と見られる推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

13.

Der Froschprinz.

(Hessisch.) Ist der eiserne Heinrich (I. 1.) in eigenthümlicher Verschiedenheit und an sich der Aufnahme werth, wenn es nicht ohnehin ein merkwürdiges Märchen wäre. Die Grundidee ist wiederum die tiefe von Amor und Psyche, welche in so häufigen und immer verschiedenen Aeußerungen vorkommt. Vgl. die Anmerkg. zum Märchen vom Löweneckerchen (Nr. 2.) und vom Sommer- und Wintergarten (I. 68.)

Zweiter Band · Nr. 18 (KHM 104) · 1815

Die treuen Thiere忠実な動物たち

載った版初版〜1850年版行方1857年、第7版で消えた分類理由の明記

Es war einmal ein Mann, der hatte gar nicht viel Geld; mit dem wenigen, das ihm übrig blieb, zog er in die weite Welt. Da kam er in ein Dorf, wo die Jungen zusammen liefen, schrien und lärmten. „Was habt ihr vor, ihr Jungen?“ sagte der Mann. – „Ei, da haben wir eine Maus, die muß uns tanzen, seht einmal, was das für ein Spaß ist! wie die herumtrippelt!“ Den Mann aber dauerte das arme Thierchen und er sprach: „laßt die Maus laufen, ihr Jungen, ich will euch auch Geld geben.“ Da gab er ihnen Geld und sie ließen die Maus gehen, die lief, was sie konnte, in ein Loch hinein. Der Mann ging fort und kam in ein anderes Dorf, da hatten die Jungen einen Affen, der mußte tanzen und Purzelbäume machen, und sie lachten darüber und ließen dem Thier keine Ruh. Da gab ihnen der Mann auch Geld, damit sie den Affen losließen. Darnach kam der Mann in ein drittes Dorf, da hatten die Jungen einen Bären und ließen ihn tanzen, und wenn er dazu brummte, war’s ihnen eben recht. Da kaufte ihn der Mann auch los, und der Bär war froh, daß er wieder auf seine vier Beine kam und trabte fort.

昔、ひとりの男がいた。お金はほんのわずかしか持っていなかったが、その残ったわずかなお金を持って、広い世の中へ出ていった。やがてある村にやって来ると、男の子たちが寄り集まって、わめいたり騒いだりしていた。「何をしているんだい、坊やたち」と男が言った。――「へへっ、ネズミを捕まえたんだ。こいつを踊らせるのさ。見てよ、おもしろいったらないよ! ほら、ちょこちょこ走り回ってる!」けれども男は、そのかわいそうな小さな生き物が気の毒になって言った。「そのネズミを逃がしておやり、坊やたち。お金もあげるから」そうして男がお金をやると、子どもたちはネズミを放した。ネズミは一目散に穴の中へ逃げこんだ。男はそこを立ち去って、別の村に来た。そこでは男の子たちが猿を捕まえていて、踊らせたりとんぼ返りをさせたりしては、それを見て笑い、少しも休ませてやらなかった。男はこの子たちにもお金をやって、猿を放してもらった。それから男は三つめの村にやって来た。そこでは男の子たちが熊を踊らせていて、熊が踊りながらうなり声をあげると、それこそ大喜びだった。男はこの熊もお金を払って自由にしてやった。熊はまた四本の足で歩けるようになったのを喜んで、とことこと去っていった。

Der Mann aber hatte nun sein Bischen übriges Geld ausgegeben und keinen rothen Heller mehr in der Tasche. Da sprach er zu sich selber: „der König hat soviel in seiner Schatzkammer, was er nicht braucht, Hungers kannst du nicht sterben, du willst da etwas nehmen, und wenn du wieder zu Geld kommst, kannst du’s ja wieder hineinlegen.“ Also machte er sich über die Schatzkammer, und nahm sich ein wenig davon, allein beim Herausschleichen ward er von den Leuten des Königs erwischt. Sie sagten, er wäre ein Dieb und führten ihn vor Gericht, da ward er verurtheilt, daß er in einem Kasten sollte auf’s Wasser gesetzt werden. Der Kasten-Deckel war voll Löcher, damit Luft hinein konnte, auch ward ihm ein Krug Wasser und ein Laib Brot mit hinein gegeben. Wie er nun so auf dem Wasser schwamm und recht in Angst war, hört er was krabbeln am Schloß, nagen und schnauben, auf einmal springt das Schloß selber auf und der Deckel in die Höh’, und stehen da Maus, Affe und Bär, die hatten’s gethan; weil er ihnen geholfen, wollten sie ihm wieder helfen. Nun wußten sie aber nicht, was sie noch weiter thun sollten und rathschlagten mit einander, indem kam ein weißer Stein auf dem Wasser daher geschwommen, der sah aus wie ein rundes Ei. Da sagte der Bär: „der kommt zu rechter Zeit, das ist ein Wunderstein, wem der eigen ist, der kann sich wünschen, wozu er nur Lust hat.“ Da fing der Mann den Stein, und wie er ihn in der Hand hielt, wünschte er sich ein Schloß mit Garten und Marstall, und kaum hatte er den Wunsch gesagt, so saß er in dem Schloß mit dem Garten und dem Marstall, und war alles so schön und prächtig, daß er sich nicht genug verwundern konnte.

けれども男は、これで手もとに残っていたなけなしのお金を使いはたしてしまい、ポケットにはびた一文残っていなかった。そこで男はひとりごとを言った。「王さまは宝物蔵に、使いもしないものをどっさりしまいこんでいる。飢え死にするわけにはいかないから、あそこから少しいただこう。また金が手に入ったら、元に戻しておけばいいんだ」そこで男は宝物蔵に忍びこみ、ほんの少しだけ取ったが、こっそり抜け出そうとしたところを王の家来たちに捕まってしまった。家来たちは、こいつは泥棒だと言って男を裁きの場へ引き出した。そして男は、箱に入れられて水に流されるという判決を受けた。箱のふたには空気が入るように穴がたくさんあけてあり、水の入った壺ひとつとパンひとかたまりもいっしょに入れられた。こうして水の上を流されながら、男がすっかりおびえていると、錠前のところで何かががさごそ動き、かじったり鼻を鳴らしたりする音が聞こえた。と、いきなり錠前がひとりでにぱちんとはじけ、ふたがぱっと持ち上がった。そこに立っていたのはネズミと猿と熊だった。この三匹がやってくれたのだ。男に助けてもらったので、今度は男を助けようと思ったのだった。ところが三匹は、この先どうしたらよいのかわからず、みんなで相談していた。そのとき、白い石がひとつ水の上を流れてきた。まるい卵のような形をしていた。すると熊が言った。「ちょうどいいところへ来たぞ。あれは不思議な石だ。あれを持っている者は、なんでも好きなものを願うことができるんだ」そこで男はその石をつかまえ、それを手に持ったまま、庭と厩のついた城がほしいと願った。願いを口にしたとたん、男はもう庭と厩のついた城の中に座っていた。何もかもがあまりにも美しく豪華だったので、男はいくら驚いても驚き足りなかった。

Nach einer Zeit zogen Kaufleute des Wegs vorbei. „Seh einmal einer, riefen sie, was da für ein herrliches Schloß steht und das letztemal wie wir vorbeikamen, lag da noch schlechter Sand.“ Weil sie nun neugierig waren, gingen sie hinein und erkundigten sich bei dem Mann, wie er alles so geschwind hätte bauen können. Da sprach er: „das hab’ ich nicht gethan, sondern mein Wunderstein.“ – „Was ist das für ein Stein?“ fragten sie. Da ging er hin und holte ihn und zeigte ihn den Kaufleuten. Die hatten große Lust dazu und fragten, ob er nicht zu erhandeln wäre, auch boten sie ihm alle ihre schönen Waaren dafür. Dem Manne stachen die Waaren in die Augen, und weil das Herz unbeständig ist, ließ er sich bethören, und meinte, die schönen Waaren seyen mehr werth, als sein Wunderstein und gab ihn hin. Kaum aber hatte er ihn aus den Händen gegeben, da war auch alles Glück dahin und er saß auf einmal wieder in dem verschlossenen Kasten auf dem Fluß mit einem Krug Wasser und einem Laib Brot. Die treuen Thiere, Maus, Affe und Bär, wie sie sein Unglück sahen, kamen wieder und wollten ihm helfen, aber sie konnten nicht einmal das Schloß aufsprengen, weil’s viel fester war, als das erstemal. Da sprach der Bär: „wir müssen den Wunderstein wieder schaffen, oder es ist alles umsonst.“ Weil nun die Kaufleute in dem Schloß noch wohnten, gingen die Thiere miteinander hin, und wie sie nah dabei kamen, sagte der Bär: „Maus geh hin und guck durch’s Schlüsselloch und sieh, was anzufangen ist, du bist klein, dich merkt kein Mensch.“ Die Maus war willig, kam aber wieder und sagte: „es geht nicht, ich hab’ hinein geguckt, der Stein hängt unter dem Spiegel an einen rothem Bändchen und hüben und drüben sitzen ein paar große Katzen mit feurigen Augen, die sollen ihn bewachen.“ Da sagten die andern: „geh nur wieder hinein und wart’ bis der Herr im Bett liegt und schläft, dann schleich dich durch ein Loch hinein und kriech’ auf’s Bett und zwick’ ihn an der Nase und beiß ihm seine Haare ab.“ Die Maus ging wieder hinein, und that wie die andern gesagt hatten, und der Herr wachte auf, rieb sich die Nase, war ärgerlich und sprach: „die Katzen taugen nichts, sie lassen mir die Mäuse die Haare vom Kopf abbeißen“ und jagte sie alle beide fort. Da hatte die Maus gewonnen Spiel.

しばらくすると、商人たちがその道を通りかかった。「おい、見てみろ」と商人たちは叫んだ。「なんとみごとな城が建っているんだ。この前ここを通ったときには、ただのやせた砂地だったのに」商人たちは好奇心にかられて中へ入り、どうしてこんなにすばやく何もかも建てることができたのかと男にたずねた。男は言った。「わたしが建てたのではありません。わたしの不思議な石がやったのです」――「それはどんな石です?」と商人たちはたずねた。そこで男は石を取りに行き、商人たちに見せた。商人たちはその石がほしくてたまらなくなり、譲ってはもらえないかとたずね、そのかわりに自分たちの美しい品物を全部差し出すと言った。男はその品物にすっかり目を奪われた。人の心は移ろいやすいものだから、男はまんまとたぶらかされ、この美しい品物のほうが不思議な石よりも値打ちがあると思いこんで、石を手放してしまった。ところが石を手から渡したとたん、幸せもすっかり消えうせ、男はたちまちまた、水の壺ひとつとパンひとかたまりといっしょに、川の上の閉ざされた箱の中に座っていた。忠実な動物たち、ネズミと猿と熊は、男の不幸を見ると、またやって来て助けようとしたが、今度は錠前をこじ開けることすらできなかった。前のときよりずっと頑丈だったのだ。そこで熊が言った。「あの不思議な石を取り戻さなくちゃならん。でなければ何をしてもむだだ」商人たちはまだ城に住んでいたので、動物たちは連れだってそこへ出かけていった。城の近くまで来ると、熊が言った。「ネズミ、行って鍵穴からのぞいて、どうすればいいか見てきてくれ。おまえは小さいから、だれにも気づかれない」ネズミは素直に引き受けたが、戻ってきて言った。「だめだよ。中をのぞいてみたけど、石は鏡の下に赤いリボンでぶら下がっていて、こっち側にもあっち側にも、火のような目をした大きな猫が一匹ずつ座って、見張っているんだ」すると、ほかの二匹が言った。「もう一度中に入って、旦那がベッドで寝こむまで待つんだ。そうしたら穴からもぐりこんで、ベッドにはい上がり、鼻をつねって、髪の毛をかじり取ってやれ」ネズミはまた中に入り、ほかの二匹の言ったとおりにした。すると旦那は目を覚まし、鼻をこすりながら腹を立てて言った。「猫どもは役立たずだ。ネズミに頭の毛をかじらせておくとは」そして二匹とも追い出してしまった。こうしてネズミはまんまと勝ちをおさめた。

Wie nun der Herr die andere Nacht wieder eingeschlafen war, machte sichdie Maus hinein, knuperte und nagte an dem rothen Band, woran der Stein hing, so lang, bis es entzwei war und herunterfiel, dann schleifte sie’s bis zu der Hausthür. Das ward aber der armen kleinen Maus recht sauer, und sie sprach zum Affen, der schon auf der Lauer stand: „nimm du nun deine Pfote und hol’s ganz heraus!“ Das war dem Affen ein Leichtes, der trug den Stein und sie gingen so miteinander bis zum Fluß; da sagte der Affe: „wie sollen wir aber nun zu dem Kasten kommen!“ Der Bär sagte: „das ist bald geschehen, ich geh’ in’s Wasser und schwimme, Affe, setz’ du dich auf meinen Rücken, halt’ dich aber mit deinen Händen fest und nimm den Stein in’s Maul, Mäuschen, du kannst dich in mein rechtes Ohr setzen.“ Also thaten sie und schwammen den Fluß hinab. Nach einer Zeit war’s dem Bären so still, fing an zu schwätzen und sagte: „hör’ Affe, wir sind doch brave Cammeraden, was meinst du?“ – Der Aff’ aber antwortete nicht und schwieg still. „Ei! sagte der Bär, willst du mir keine Antwort geben? das ist ein schlechter Kerl, der nicht antwortet!“ Wie der Affe das hört, thut er das Maul auf, läßt den Stein in’s Wasser fallen und sagt: „ich konnt’ ja nicht antworten, ich hatte den Stein im Mund, jetzt ist er fort, daran bist du allein Schuld.“ „Sey nur ruhig, sagte der Bär, wir wollen schon etwas erdenken.“ Da berathschlagten sie sich und riefen die Laubfrösche, Unken und alles Ungeziefer, das im Wasser lebt, zusammen und sagten: „es kommt ein gewaltiger Feind, macht, daß ihr viele Steine zusammenschafft, so wollen wir euch eine Mauer bauen und euch schützen.“ Da erschraken die Thiere und brachten Steine von allen Seiten herbeigeschleppt, endlich kam auch ein alter, dicker Quackfrosch recht aus dem Grund herauf und hatte das rothe Band mit dem Wunderstein im Mund. Wie der Bär das sah, war er vergnügt: „da haben wir, was wir wollen,“ nahm dem Frosch seine Last ab, sagte den Thieren, es sey schon gut und machte einen kurzen Abschied. Darauf fuhren die drei hinab zu dem Mann im Kasten, sprengten den Deckel mit Hülfe des Steins und kamen noch zu rechter Zeit, denn er hatte das Brot schon aufgezehrt und das Wasser getrunken und war schon halb verschmachtet. Wie er aber den Stein in die Hände bekam, da wünscht er sich wieder frisch und gesund und in sein schönes Schloß mit dem Garten und Marstall und lebte vergnügt und die drei Thiere blieben bei ihm und hatten’s gut ihr lebelang.

次の晩、旦那がまた寝入ってしまうと、ネズミは中へもぐりこみ、石がぶら下がっている赤いリボンをかりかり、がりがりとかじりつづけ、とうとうリボンが切れて石が落ちてきた。そこでネズミは、それを家の戸口まで引きずっていった。けれども、これはかわいそうな小さなネズミにはとても骨の折れる仕事だった。それでネズミは、もう待ちかまえていた猿に言った。「さあ、今度はきみの手で、すっかり外まで運び出してよ!」猿にはそれはたやすいことだった。猿が石を運び、みんなでいっしょに川まで行った。すると猿が言った。「でも、どうやってあの箱のところまで行こうか!」熊が言った。「そんなのはすぐさ。おれが水に入って泳ぐから、猿、おまえはおれの背中に乗れ。だが手でしっかりつかまって、石は口にくわえておけよ。ネズミちゃん、おまえはおれの右の耳の中に座っていればいい」三匹はそのとおりにして、川を泳ぎ下っていった。しばらくすると、熊はあんまり静かなので、おしゃべりを始めてこう言った。「なあ猿、おれたちはほんとうにいい仲間だよな、どう思う?」――ところが猿は答えず、黙りこくっていた。「おい!」と熊が言った。「返事もしないつもりか? 返事をしないやつなんて、ろくでなしだぞ!」猿はそれを聞くと口を開けてしまい、石を水の中に落として言った。「答えられるわけないじゃないか、石を口にくわえていたんだから。もうなくなっちゃった。何もかもきみのせいだぞ」「まあ落ち着けって」と熊が言った。「なにかうまい手を考えよう」そこで三匹は相談をして、アマガエルやスズガエルや、水の中に住むありとあらゆる虫けらを呼び集めて言った。「恐ろしい敵が攻めてくるぞ。急いで石をたくさん集めてこい。そうすれば壁を築いて、おまえたちを守ってやる」生き物たちはびっくりして、あちこちから石を引きずって運んできた。とうとう最後に、年寄りの太ったゲロゲロガエルが一匹、深い水の底から浮かび上がってきた。口には、あの不思議な石のついた赤いリボンをくわえていた。熊はそれを見て大喜びした。「これこそおれたちのほしかったものだ」熊はカエルからその荷を受け取ると、生き物たちに、もう大丈夫だと言って、そそくさと別れを告げた。それから三匹は川を下って箱の中の男のところへ行き、石の力を借りてふたをはじき開けた。ちょうど間に合った。男はもうパンを食べつくし、水も飲みほして、半分死にかけていたのだ。けれども石を手にすると、男は、元どおり元気で丈夫になって、庭と厩のついたあの美しい城に戻りたいと願った。そうして楽しく暮らした。三匹の動物も男のもとにとどまって、一生しあわせに暮らした。

Kommentar解説

子どもたちにいじめられていた鼠、猿、熊を助けた男が、川に流された箱の中から動物たちに救い出され、魔法の石で城を手に入れる。石をだまし取られても、動物たちが取り返す。

1850年の第6版まで残り、1857年に「賢い人たち」と差し替えられた。1856年の注で兄弟は「一致があまりに細かいので、(モンゴルの説話集)『シッディ・クール』が出典に違いない」と書いている一次。出典に気づいた時点で外した例である。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

18.

Die treuen Thiere.

(Aus der Schwalmgegend.) Eine schöne Verbindung mit dem Thiermärchen, wie sie in No. 74. des ersten Bandes vorkommt. Die Schonung der hernach dankbar helfenden Thiere ist auch in I. 16. vgl. die dortige Anmerkung und Nr. 63. wie im gestiefelten Kater. Im Pentameron V. 3. ein sehr eigenthümliches Märchen, das jedoch mit diesem weiter keine Gemeinschaft hat, von dem scarafone, sorece und grillo. Merkwürdig ist hier die Thätigkeit der Maus und wie sie den schlafenden Feind beißt; dies erinnert an Loki, der als Fliege die schlafende Freya sticht, damit sie das Halsband ablege. Die Thiere der Fabel sind nichts als verwandelte Helden und Menschen. – Der weiße eirunde Stein ist vermuthlich ein sogenannter Weise, isl. Jarknasteine (vgl. die Anmerkung zur Str. 8. des dritten Gudrunen-Lieds.)

Zweiter Band · Nr. 21 (KHM 107) · 1815

Die Krähenからす

載った版初版〜1840年版行方1843年、第5版で消えた分類理由の明記怖さ††

Es hatte ein rechtschaffener Soldat etwas Geld verdient und zusammen gespart, weil er fleißig war und es nicht, wie die andern, in den Wirthshäusern durchbrachte. Nun waren zwei von seinen Kammeraden, die hatten eigentlich ein falsches Herz und wollten ihn um sein Geld bringen; sie stellten sich aber äußerlich ganz freundschaftlich an. Auf eine Zeit sprachen sie zu ihm: „hör’, was sollen wir hier in der Stadt liegen, wir sind ja eingeschlossen darin, als wären wir Gefangene, und gar einer wie du, der könnt’ sich daheim was ordentliches verdienen und vergnügt leben.“ Mit solchen Reden setzten sie ihm auch so lange zu, bis er endlich einwilligte und mit ihnen ausreißen wollte; die zwei andern hatten aber nichts anders im Sinn, als ihm draußen sein Geld abzunehmen. Wie sie nun ein Stück Wegs fortgegangen waren, sagten die zwei: „wir müssen uns da rechts einschlagen, wenn wir an die Gränze kommen wollen.“ – „Ei! Gott bewahre, da gehts ja gerade wieder in die Stadt zurück, links müssen wir weiter.“ – „Was willst du dich mausig machen,“ riefen die zwei, drangen auf ihn ein, schlugen ihn, bis er niederfiel, und nahmen ihm sein Geld aus den Taschen; das war aber noch nicht genug, sie stachen ihm auch die Augen aus, schleppten ihn zum Galgen und banden ihn daran fest. Da ließen sie ihn, und gingen mit dem gestohlenen Geld in die Stadt zurück.

ひとりの実直な兵隊が、いくらかの金を稼いで貯めこんでいた。勤勉で、ほかの者たちのように居酒屋で使い果たしたりしなかったからだ。ところで仲間のうちに二人、ほんとうは腹黒い心の持ち主がいて、この男から金を巻きあげようとねらっていた。けれども表向きは、いかにも親しげにふるまっていた。あるとき二人は男に言った。「なあ、おれたち、なんだってこんな町に駐屯していなきゃならないんだ。まるで囚人みたいに閉じこめられているじゃないか。ましてやおまえみたいな男なら、故郷に帰ればまっとうに稼いで、楽しく暮らせるだろうに」 そんな話でしつこく言い寄るので、男もとうとう承知して、いっしょに脱走する気になった。ところが二人のほうは、外へ出たら男の金を奪うことしか考えていなかった。しばらく道を行ったところで、二人が言った。「国境へ出るなら、ここを右へ曲がらなきゃならない」――「とんでもない、そっちへ行ったらまっすぐ町へ逆戻りじゃないか。左へ進まなきゃ」――「何を生意気言ってやがる」と二人はわめいて襲いかかり、倒れるまで殴りつけて、ポケットから金を奪いとった。それだけではまだ足りず、男の両目を突いてえぐり出し、絞首台まで引きずっていって、そこにしっかり縛りつけた。そうして男をそこに置き去りにし、盗んだ金を持って町へ帰っていった。

Der arme Blinde wußte aber nicht, an welchem schlechten Ort er war, fühlte um sich und merkte, daß er unter einem Balken Holz saß. Da meinte er, es wäre ein Kreutz, sprach: „es ist doch gut von ihnen, daß sie mich wenigstens unter ein Kreutz gebunden haben, Gott ist bei mir,“ und fing an recht zu Gott zu beten. Wie es ungefähr Nacht werden mochte, hörte er etwas flattern; das waren aber drei Krähen, die ließen sich auf dem Balken nieder. Darnach hörte er, wie eine sprach: „Schwester, was bringt ihr Gutes? ja, wenn die Menschen wüßten, was wir wissen! die Königstochter ist krank und der alte König hat sie demjenigen versprochen, der sie heilt, das kann aber keiner, denn sie wird nur gesund, wenn die Kröte in dem Teich dort zu Asche verbrannt wird und sie die Asche trinkt.“ Da sprach die zweite: „ja, wenn die Menschen wüßten, was wir wissen! heute Nacht fällt ein Thau vom Himmel, so wunderbar und heilsam, wer blind ist und bestreicht seine Augen damit, der erhält sein Gesicht wieder.“ Da sprach auch die dritte: „ja, wenn die Menschen wüßten, was wir wissen! Die Kröte hilft nur einem und der Thau hilft nur wenigen, aber in der Stadt ist große Noth, da sind alle Brunnen vertrocknet und niemand weiß, daß der große viereckige Stein auf dem Markt muß weggenommen und darunter gegraben werden, dort quillt das schönste Wasser.“ Wie die drei Krähen das gesagt hatten, hörte er es wieder flattern und sie flogen da fort; er aber machte sich allmälig von seinen Banden los, und dann bückte er sich und brach ein paar Gräserchen ab und bestrich seine Augen mit dem Thau, der darauf gefallen war. Alsbald ward er wieder sehend und war Mond und Sterne am Himmel und sah er, daß er neben dem Galgen stand. Darnach suchte er Scherben, und sammelte von dem köstlichen Thau, so viel er zusammenbringen konnte und wie das geschehen war, ging er zum Teich, grub das Wasser davon ab und holte die Kröte heraus; und dann verbrannte er sie zu Asche und ging damit an des Königs Hof. Da ließ er nun die Königstochter von der Asche einnehmen und als sie gesund war, verlangte er sie, wie es versprochen war, zur Gemahlin. Dem König aber gefiel er nicht, weil er so schlechte Kleider an hatte, und er sprach daher, wer seine Tochter haben wollte, der müßte der Stadt erst Wasser verschaffen und damit hoffte er ihn los zu werden. Er aber ging hin, hieß die Leute den viereckigen Stein auf dem Markt wegheben und darunter nach Wasser graben. Das thaten sie auch und kamen bald zu einer schönen Quelle, da war Wasser zum Ueberfluß; der König aber konnte ihm nun die Prinzessin nicht länger abschlagen und er wurde mit ihr vermählt und lebten sie in einer vergnügten Ehe.

かわいそうに目の見えなくなった男は、自分がどんなに忌まわしい場所にいるのかわからなかった。手探りしてみると、一本の木の横木の下に座っているのがわかった。そこで男はそれを十字架だと思いこみ、「せめて十字架の下に縛ってくれたとは、あいつらもまだ情けがある。神さまがついていてくださる」と言って、心から神に祈りはじめた。そろそろ夜になろうかというころ、何かがばさばさ羽ばたく音が聞こえた。それは三羽のからすで、横木の上に舞いおりてきたのだった。それから、一羽がこう言うのが聞こえた。「ねえ、姉妹たち、何かいい知らせを持ってきたかい? ああ、わたしたちが知っていることを、人間が知っていたらねえ! 王女さまが病気で、年老いた王さまは、王女さまを治した者にくださると約束なさった。けれどもだれにも治せやしない。あそこの池にいるひきがえるを焼いて灰にして、その灰を王女さまが飲まないかぎり、治りはしないんだから」 すると二羽目が言った。「ああ、わたしたちが知っていることを、人間が知っていたらねえ! 今夜は天から露が降りる。それはそれは不思議な、よく効く露で、目の見えない者がそれを目に塗れば、また見えるようになるんだよ」 三羽目も言った。「ああ、わたしたちが知っていることを、人間が知っていたらねえ! ひきがえるが助けるのはひとりだけ、露が助けるのもほんの何人かだけ。でも町ではひどく難儀している。井戸がみんな涸れてしまったのに、市場の大きな四角い石をどけて、その下を掘らなければならないことを、だれも知らない。そこからはこのうえなくきれいな水が湧き出るのにね」 三羽のからすがそう話しおえると、また羽ばたく音がして、からすたちは飛び去っていった。男はというと、少しずつ縄をほどいて身を自由にし、それから身をかがめて草を二、三本摘みとり、その上に降りていた露で目を撫でた。たちまち目はまた見えるようになり、空には月と星が出ていて、自分が絞首台のそばに立っているのが見えた。それから男は焼き物のかけらを探してきて、その尊い露をできるかぎりたくさん集めた。それがすむと池へ行き、溝を掘って水を抜き、ひきがえるを取り出した。そしてそれを焼いて灰にすると、灰を持って王の宮廷へ行った。そこで王女にその灰を飲ませ、王女が元気になると、約束どおり王女を妻にもらいたいと願い出た。ところが王は、男がみすぼらしい服を着ていたので気に入らず、それで、わが娘を欲しい者は、まず町に水をもたらさねばならぬ、と言った。そうすれば男を厄介払いできると思ったのだ。けれども男は出かけていって、人々に市場の四角い石を持ちあげてどけさせ、その下を掘って水を探させた。人々がそのとおりにすると、まもなくきれいな泉に行きあたり、水はあり余るほどになった。こうなっては王ももう王女をやるのを断れず、男は王女と結婚して、ふたりは楽しい夫婦として暮らした。

Auf eine Zeit, als er durch’s Feld spatziren ging, begegneten ihm seine beiden ehemaligen Kameraden, die so treulos an ihm gehandelt hatten. Sie kannten ihn nicht, er aber erkannte sie gleich, ging auf sie zu und sprach: „seht, das ist euer ehemaliger Kammerad, dem ihr so schändlich die Augen ausgestochen habt, aber der liebe Gott hat mir’s zum Glück gedeihen lassen.“ Da fielen sie ihm zu Füßen und baten um Gnade, und weil er ein gutes Herz hatte, erbarmte er sich ihrer und nahm sie mit sich, gab ihnen auch Nahrung und Kleider. Er erzählte ihnen darnach, wie es ihm ergangen und wie er zu diesen Ehren gekommen wäre; als die zwei das vernahmen, hatten sie keine Ruhe und wollten auch eine Nacht sich unter den Galgen setzen, ob sie vielleicht auch etwas Gutes hörten. Wie sie nun unter dem Galgen saßen, flatterte auch bald etwas über ihren Häuptern und kamen die drei Krähen. Die eine sprach zur andern: „hört Schwestern, es muß uns jemand behorcht haben, denn die Prinzessin ist gesund, die Kröte ist fort aus dem Teich, ein Blinder ist sehend geworden und in der Stadt haben sie einen frischen Brunnen gegraben, kommt, laßt uns suchen, vielleicht finden wir ihn.“ Da flatterten sie herab und fanden die beiden und eh’ sie sich helfen konnten, saßen sie ihnen auf dem Kopf und hackten ihnen die Augen aus und hackten weiter so lange in’s Gesicht, bis sie ganz todt waren. Da blieben sie liegen unter dem Galgen. Als sie nun in ein paar Tagen nicht wieder kamen, dachte ihr ehemaliger Kammerad, wo mögen die zwei herumirren und ging hinaus, sie zu suchen. Da fand er aber nichts mehr, als ihre Gebeine, die trug er vom Galgen weg und legte sie in ein Grab.

あるとき、男が野原を散歩していると、かつて自分をあんなにひどく裏切った昔の仲間二人に出会った。二人には男がわからなかったが、男のほうはすぐに二人だと気づき、歩み寄って言った。「見ろ、これがおまえたちの昔の仲間だ。おまえたちがあんなにむごたらしく目をえぐり出した男だよ。だが神さまは、それをわたしの幸せに変えてくださった」 すると二人は男の足もとにひれ伏して許しを乞うた。男は心の優しい人だったので、二人をあわれんで連れて帰り、食べ物や着る物まで与えてやった。そのあと男は、自分の身に何が起こり、どうしてこんな身分になったのかを話して聞かせた。二人はそれを聞くと、居ても立ってもいられなくなり、自分たちも何かいいことが聞けるかもしれないと、一晩絞首台の下に座ってみようと思った。二人が絞首台の下に座っていると、やはりまもなく頭の上で何かが羽ばたいて、あの三羽のからすがやってきた。一羽がほかのからすに言った。「ねえ、姉妹たち、だれかがわたしたちの話を立ち聞きしたにちがいないよ。王女さまは元気になったし、ひきがえるは池からいなくなったし、目の見えない男が見えるようになったし、町では新しい井戸を掘りあてた。さあ、探してみよう。見つかるかもしれない」 そこでからすたちは舞いおりてきて二人を見つけ、二人が身を守るいとまもないうちに頭の上にとまって、目玉をつつき出し、さらに顔をつつきつづけて、とうとう二人ともすっかり死なせてしまった。二人はそのまま絞首台の下に倒れていた。二、三日たっても二人が戻ってこないので、昔の仲間の男は、あの二人はどこをうろついているのだろうと思い、探しに出かけた。けれども見つかったのは、もう二人の骨ばかりだった。男はそれを絞首台のところから運び去り、墓に葬ってやった。

Kommentar解説

金を貯めた実直な兵士が、仲間二人に目をえぐられ、絞首台に縛りつけられる。夜、からすたちの会話から露で目が治ると知り、王女の病と町の井戸も救う。同じ話を聞きに行った二人は、からすに目をつつき出され、顔をつつかれ続けて死ぬ。

1840年の第4版まで残り、1843年に「二人の旅人」と差し替えられた。1856年の注は「ホルシュタインの話のほうが、以前の版のメクレンブルクの語りより良く完全」と書く一次。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

21.

Die Krähen.

(Aus dem Mecklenburg.) In Pauli's Schimpf und Ernst Cap. 46. 1 einfach: ein Diener wird von seinem Herrn an einen Baum gebunden, böse Geister, die sich Nachts da versammeln, sprechen, daß ein Kraut, welches unter dem Baum wächst, das Gesicht wieder gebe; nachdem er sich geheilt, macht er damit auch eines reichen Mannes Tochter wieder sehend und erhält sie mit großen Gütern zur Ehe. Sein voriger Herr will sich auch solchen Reichthum verschaffen, geht zum Baum, wo ihm Nachts die Geister die Augen ausstechen. In der Braunschw. Sammlung mit dem unsrigen übereinstimmender, aber schlecht verneuert. S. 168 – 180. Krähen, die auf dem Baume sitzend, von Augen aushacken sprechen auch in Helwigs jüdischen Legenden Nr. 23. hier, indem sie dem Blinden sagen, was er thun soll, gleichen sie den Vögeln, die dem Sigurd guten Rath geben (s. Fafnismal und Anmerkg. zu Str. 32.) der frischgefallene Thau, der das Gesicht wieder gibt, ist das Reine, das alles heilt, der Speichel, womit der Herr dem Blinden das Gesicht wieder gab und das unschuldige Kinder- oder Jungfrauen- Blut, wodurch die Miselsüchtigen genesen.

Zweiter Band · Nr. 33 (KHM 119) · 1815

Der Faule und der Fleißige怠け者と働き者

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類理由不明怖さ†

Es waren einmal zwei Handwerkspursche, die wanderten zusammen und gelobten bei einander zu halten. Als sie aber in eine große Stadt kamen, ward der eine ein Bruder Liederlich, vergaß sein Wort, verließ den andern und zog allein fort, hin und her; wo’s am tollsten zuging war’s ihm am liebsten. Der andere hielt seine Zeit aus, arbeitete fleißig und wanderte hernach weiter. Da kam er in der Nacht am Galgen vorbei, ohne daß er’s wußte, aber auf der Erde sah er unten einen liegen und schlafen, der war dürftig und blos, und weil es sternenhell war, erkannte er seinen ehemaligen Gesellen. Da legte er sich neben ihn, deckte seinen Mantel über ihn und schlief ein. Es dauerte aber nicht lang, so wurde er von zwei Stimmen aufgeweckt, sie sprachen mit einander, das waren zwei Raben, die saßen oben auf dem Galgen. Der eine sprach: „Gott ernährt!“ der andere: „thu darnach!“ und einer fiel nach den Worten matt herab zur Erde, der andere blieb bei ihm sitzen und wartete bis es Tag war, da holte er etwas Gewürm und Wasser, erfrischte ihn damit und erweckte ihn vom Tod. Wie die beiden Handwerksburschen das sahen, verwunderten sie sich und fragten den einen Raben, warum der andere so elend und krank wäre, da sprach der kranke: „weil ich nichts thun wollte und glaubte, die Nahrung käm doch vom Himmel.“ Die beiden nahmen die Raben mit sich in den nächsten Ort, der eine war munter und suchte sich sein Futter, alle Morgen badete er sich und putzte sich mit dem Schnabel, der andere aber hockte in den Ecken herum, war verdrießlich und sah immerfort struppig aus. Nach einer Zeit hatte die Tochter des Hausherrn, die ein schönes Mädchen war, den fleißigen Raben gar lieb, nahm ihn von dem Boden auf, streichelte ihn mit der Hand, endlich drückte sie ihn einmal an’s Gesicht und küßte ihn vor Vergnügen. Der Vogel fiel zur Erde, wälzte sich und flatterte und ward zu einem schönen jungen Mann. Da erzählte er, der andere Rabe wär’ sein Bruder und sie hätten beide ihren Vater beleidigt, der hätte sie dafür verwünscht und gesagt: „fliegt als Raben umher, so lang, bis ein schönes Mädchen euch freiwillig küßt.“ Also war der eine erlöst, aber den andern trägen wollte niemand küssen und er starb als Rabe. – Bruder Liederlich nahm sich das zur Lehre, ward fleißig und ordentlich und hielt sich bei seinem Gesellen.

昔、二人の職人がいて、いっしょに遍歴の旅をしながら、互いに離れずにいようと誓いあっていた。ところが大きな町に着くと、一人はすっかり道楽者になりさがり、約束を忘れて相棒を見捨て、ひとりで出ていってあちこちをうろついた。どんちゃん騒ぎのいちばんひどいところが、いちばん好きだった。もう一人は年季をきちんとつとめあげ、まじめに働いて、それからまた旅をつづけた。ある夜、彼はそれと知らずに絞首台のそばを通りかかったが、下の地面に誰かが横になって眠っているのが見えた。みすぼらしく、裸同然だった。星明かりで明るかったので、それがかつての仲間だとわかった。そこで彼はそのそばに横になり、自分のマントをかけてやって眠りこんだ。ところがまもなく、二つの声に起こされた。話しあっていたのは二羽のカラスで、絞首台の上にとまっていた。一羽が言った。「神さまが養ってくださる!」 もう一羽が言った。「そのために働け!」 そう言いあうと、一羽は力つきて地面へ落ちた。もう一羽はそのそばにとどまって夜が明けるのを待ち、それから虫けらと水を取ってきて、それで元気づけ、死の淵から呼びもどした。二人の職人はそれを見て驚き、一羽のカラスに、どうしてもう一羽はそんなにみじめで病気なのかとたずねた。すると病気のカラスが言った。「何もしようとしないで、食べものはどうせ天から降ってくると信じていたからです」。二人はカラスを連れて近くの村へ行った。一羽は元気で、自分でえさをさがし、毎朝水浴びをして、くちばしで羽づくろいをした。ところがもう一羽は隅っこにうずくまって、ふてくされて、いつもぼさぼさの格好をしていた。しばらくすると、その家の主人の娘で、美しい娘だったが、その娘が働き者のカラスをすっかりかわいがるようになり、床から抱きあげて手でなでてやり、とうとうあるとき、うれしさのあまり顔に押しあてて口づけをした。すると鳥は地面へ落ちて、ころげまわり、ばたばた羽ばたいて、美しい若者になった。若者が語るには、もう一羽のカラスは自分の兄弟で、二人とも父親を怒らせてしまい、父親はその罰に二人に呪いをかけて、こう言ったのだという。「美しい娘が自分から口づけしてくれるまで、カラスになって飛びまわるがいい」。こうして一羽は救われたが、もう一羽の怠け者には誰も口づけしようとせず、そのカラスはカラスのまま死んだ。――道楽者はこれを教訓にして、まじめに働き、身持ちをよくして、相棒から離れなかった。

Kommentar解説

遍歴職人の一人が放蕩し、もう一人が絞首台の下で眠る彼を見つける。絞首台のからすたちは「神さまが養ってくださる」「そのために働け」と言い合い、怠けたからすだけが救われずに死ぬ。

1819年に消えた。理由の記述は見つからない不明。絞首台のからすが話す場面は「からす」(KHM 107)と重なる推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

33.

Der Faule und der Fleißige.

(Aus der Schwalmgegend.) Die Erlösung durch einen Kuß kommt häufig in den Sagen vor.

Zweiter Band · Nr. 36 (KHM 122) · 1815

Die lange Nase長い鼻

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類別の話へ

Es waren drei alte abgedankte Soldaten, die waren so alt, daß sie auch keine Libermilch mehr beißen konnten, da schickte sie der König fort, gab ihnen keine Pension, hatten sie nichts zu leben und mußten betteln gehn. Da reisten sie durch einen großen Wald und konnten das Ende davon nicht finden; als es Abend war, legten sich zwei schlafen und der dritte mußte bei ihnen Wache halten, damit sie von den wilden Thieren nicht zerrissen werden. Wie die zwei nun eingeschlafen waren, und der eine dabei stand und Wache hielt, kam ein kleines Männchen in rothem Kleide und rief: wer da? „Gut Freund,“ sagte der Soldat. „Was für Gutfreund?“ – „Drei alte abgedankte Soldaten, die nichts zu leben haben.“ Da sprach das Männchen, er sollte zu ihm kommen, es wollt’ ihm was schenken, wenn er das in Acht nähme, sollte er sein Lebtag genug haben. Da ging er heran und es schenkte ihm einen alten Mantel, wenn er den umhängte, was er dann wünschte, das ward alles wahr, er sollt’ es aber seinen Kammeraden nicht sagen, bis es Tag würde. Wie es nun Tag war und sie aufwachten, da erzählte er ihnen was geschehen war und sie reisten weiter bis zum zweiten Abend, und als sie sich schlafen legten, mußte der zweite wachen und Posten bei ihnen stehen. Da kam das rothe Männchen und rief wer da? „Gutfreund.“ – „Was für Gutfreund?“ – „Drei alte abgedankte Soldaten.“ Da schenkte ihm das Männchen ein altes Beutelchen, das wurde nie leer von Geld, soviel auch herausgenommen wurde; er soll’s aber auch erst bei Tag seinen Kammeraden sagen. Da gingen sie noch den dritten Tag durch den Wald und Nachts mußte der dritte Soldat Wache stehen. Das rothe Männchen kam auch zu dem und rief wer da? „Gutfreund!“ – „Was für Gutfreund?“ – „Drei alte abgedankte Soldaten.“ Da schenkte ihm das rothe Männchen ein Horn, wenn man darauf blies, kamen alle Völker zusammen. Am Morgen, wie nun jeder ein Geschenk hatte, that der erste den Mantel um und wünschte, daß sie aus dem Wald wären, da waren sie gleich draußen. Sie gingen in ein Wirthshaus und ließen sich da Essen und Trinken geben, das Beste, das der Wirth nur auftreiben konnte; als sie fertig waren, bezahlte der mit dem Beutelchen alles und zog dem Wirth auch keinen Heller ab.

年老いて暇を出された兵隊が三人いた。三人はあまりに年を取っていて、固まった乳さえもう噛めないほどだったので、王は彼らを追い払った。恩給もくれなかったので、三人は暮らしの手立てもなく、物乞いをして歩くよりほかなかった。三人は大きな森を旅していったが、森の果てが見つからなかった。日が暮れると、ふたりが眠りにつき、三人目は、ふたりが野獣に引き裂かれないよう、そばで見張りをしなければならなかった。ふたりが眠りこみ、ひとりがそばに立って見張りをしていると、赤い服を着た小人がやって来て叫んだ、誰だ?「味方だ」と兵隊は言った。「どんな味方だ?」――「年老いて暇を出された兵隊が三人、暮らしの手立てもないのだ」。すると小人は、こっちへ来い、おまえに贈り物をしよう、それを大事にすれば一生困ることはない、と言った。そこで兵隊がそばへ行くと、小人は古い外套を一枚くれた。それを羽織って何か願えば、何もかもそのとおりになるのだった。ただし、夜が明けるまでは仲間に話してはならない、とのことだった。さて夜が明けて仲間が目を覚ますと、彼はふたりに出来事を話して聞かせた。三人はまた旅を続けて二日目の晩になった。三人が眠りにつくとき、今度はふたりめが寝ずの番をして、仲間のそばで歩哨に立たなければならなかった。すると赤い小人がやって来て叫んだ、誰だ?「味方だ」――「どんな味方だ?」――「年老いて暇を出された兵隊が三人だ」。すると小人は彼に古い小さな財布をくれた。それはいくらお金を取り出しても、決して空にならないのだった。ただし、これもやはり、夜が明けてから仲間に話せ、とのことだった。三人はさらに三日目も森を進み、夜には三人目の兵隊が見張りに立たなければならなかった。赤い小人はその男のところにもやって来て叫んだ、誰だ?「味方だ!」――「どんな味方だ?」――「年老いて暇を出された兵隊が三人だ」。すると赤い小人は彼に角笛を一本くれた。それを吹くと、ありとあらゆる軍勢が集まってくるのだった。朝になり、めいめいが贈り物を一つずつ持つことになったので、ひとりめが外套を羽織って、森から出られるようにと願った。するとたちまち三人は森の外にいた。三人は宿屋に入り、主人が手に入れられるかぎりの最上の食べ物と飲み物を出させた。食べ終わると、財布を持った男が勘定を全部払い、主人にびた一文値切らなかった。

Nun waren sie das Reisen müde, da sprach der mit dem Beutel zu dem mit dem Mantel: „ich wollte, daß du uns ein Schloß dahin wünschtest, Geld haben wir doch genug, wir könnten wie Fürsten leben.“ Da wünschte er ein Schloß und gleich stand es da und war alles Zugehör dabei. Als sie eine Zeitlang da gelebt hatten, wünschte er einen Wagen mit drei Schimmeln, sie wollten in ein ander Königreich fahren und sich für drei Königssöhne ausgeben. Da fuhren sie ab mit einer großen Begleitung von Lakaien, daß es recht fürstlich aussah. Sie fuhren zu einem König, der nur eine einzige Prinzessin hatte und als sie ankamen, ließen sie sich melden und wurden gleich zur Tafel gebeten und sollten die Nacht da schlafen. Da ging’s nun lustig her und als sie gegessen und getrunken hatten, fingen sie an Karten zu spielen, was die Prinzessin so gerne that. Sie spielte mit dem, der den Beutel hatte, und so viel sie ihm abgewann, so sah sie doch, daß sein Beutel nicht leer ward und merkte, daß es ein Wünschding seyn müßte. Da sagte sie zu ihm, er sey so warm vom Spiel, er solle einmal trinken und schenkte ihm ein, aber sie that einen Schlaftrunk in den Wein. Und wie er den kaum getrunken hatte, so schlief er ein, da nahm sie seinen Beutel, ging in ihre Kammer und näht einen andern, der ebenso aussah, that auch ein wenig Geld hinein und legt ihn an die Stelle des alten. Am andern Morgen reisten die drei weiter, und als der eine das wenige Geld ausgegeben hatte, was noch im Beutel war und nun wieder hineingriff, war er leer und blieb leer. Da rief er aus: „mein Beutel ist mir von der falschen Prinzessin vertauscht worden, nun sind wir arme Leute!“ Der mit dem Mantel aber sprach: „laß dir keine graue Haare wachsen, ich will ihn bald wieder geschafft haben.“ Da hing er den Mantel um und wünschte sich in die Kammer der Prinzessin; gleich ist er da, und sie sitzt da und zählt an dem Geld, das sie in einem fort aus dem Beutel holt. Wie sie ihn sieht, schreit sie, es wär’ ein Räuber da, und schreit so gewaltig, daß der ganze Hof gelaufen kommt und will ihn fangen. Da springt er in der Hast zum Fenster hinaus und läßt den Mantel hängen und ist auch der verloren. Wie die drei wieder zusammenkamen, hatten sie nichts mehr als das Horn, da sprach der, dem es gehörte: „ich will schon helfen, wir wollen den Krieg anfangen,“ und blies soviel Husaren und Cavallerie zusammen, daß sie nicht alle zu zählen waren. Dann schickte er zum König und ließ ihm sagen, wenn er den Beutel und Mantel nicht herausgäbe, sollt’ von seinem Schloß kein Stein auf dem andern bleiben. Da redete der König seiner Tochter zu, sie sollt’ es herausgeben, eh’ sie sich so groß Unglück auf den Hals lüden, sie hörte aber nicht darauf und sprach, sie wollt’ erst noch etwas versuchen. Da zog sie sich an wie ein armes Mädchen, nahm einen Henkelkorb an den Arm und ging hinaus in’s Lager, allerlei Getränk zu verkaufen und ihre Kammerjungfer mußte mitgehen. Wie sie nun mitten im Lager ist, fängt sie an zu singen so schön, daß die ganze Armee zusammenlauft aus den Zelten, und der das Horn hat, lauft auch heraus und hört zu; und wie sie den sieht, gibt sie ihrer Kammerjungfer ein Zeichen, die schleicht sich in sein Zelt, nimmt das Horn und lauft mit in’s Schloß. Dann ging sie auch wieder heim und hatte nun alles und die drei Kammeraden mußten wieder betteln gehen.

さて三人は旅にも飽きてきた。そこで財布を持った男が外套を持った男に言った。「おまえがここに城を一つ願い出してくれるといいんだがな。金ならたっぷりあるんだし、王侯みたいに暮らせるぞ」。そこで彼が城を願うと、たちまち城がそこに建ち、付きものはなにもかもそろっていた。しばらくそこで暮らしたあと、彼は白馬三頭立ての馬車を願った。三人はよその王国へ出かけて、三人の王子だと名のるつもりだった。そこで従僕の大行列を引き連れて出発したので、いかにも王侯らしく見えた。三人は、たったひとりの王女しかいない王のところへ乗りつけた。着くと取り次ぎを頼み、すぐさま晩餐の席に招かれ、その夜はそこに泊まることになった。宴はたいそう賑やかで、食べたり飲んだりしたあと、三人はカード遊びを始めた。王女はそれが大好きだったのである。王女は財布を持った男と勝負した。ところがいくら男から勝ち取っても、彼の財布はいっこうに空にならないので、これは何かの願いの品にちがいないと気づいた。そこで王女は男に、勝負ですっかり体がほてっておいでですね、一杯お飲みなさいませと言って、酒をついでやったが、そのぶどう酒には眠り薬を入れておいた。男はそれを飲むか飲まないかのうちに眠りこんでしまった。すると王女は財布を取って自分の部屋へ行き、そっくり同じに見える財布をもう一つ縫い上げると、お金も少し入れて、もとの財布のあった場所に置いた。翌朝、三人は旅を続けた。そして財布の男が、財布に残っていたわずかなお金を使い果たして、またその中に手を入れてみると、財布は空っぽで、空っぽのままだった。そこで彼は叫んだ。「おれの財布はあの不実な王女にすり替えられたんだ。これでおれたちは貧乏人だ!」しかし外套を持った男は言った。「そんなことで白髪を生やすことはない。すぐに取り戻してやるさ」。そう言って外套を羽織り、王女の部屋へ行きたいと願った。たちまち彼はそこにいる。見ると王女が座って、財布から次々に取り出したお金を数えている。王女は彼を見ると、泥棒がいると叫びたてる。それがあまりにすさまじい叫び声だったので、宮廷じゅうの者が駆けつけてきて、彼を捕まえようとする。そこで彼は慌てて窓から飛び出したが、外套を引っかけたまま置いてきてしまい、それも失ってしまった。三人がふたたび落ち合ったときには、もう角笛のほかには何も残っていなかった。すると角笛の持ち主が言った。「おれがなんとかしてやる。戦を始めようじゃないか」。そして角笛を吹いて、数えきれないほどの軽騎兵と騎兵を呼び集めた。それから王のもとへ使いをやり、財布と外套を返さなければ、城の石ひとつ積まれたまま残しはしないぞ、と伝えさせた。そこで王は娘に、そんな大きな災いを身に招かぬうちに返してしまいなさい、と言い聞かせたが、王女は耳を貸さず、まだひとつやってみたいことがある、と言った。そして貧しい娘の身なりをして、取っ手のついた籠を腕にかけ、いろいろな飲み物を売りに陣営へと出かけていった。侍女も一緒に行かなければならなかった。陣営のまんなかまで来ると、王女はそれは見事に歌いはじめたので、全軍が天幕から駆け集まってくる。角笛を持った男も駆け出してきて耳を傾ける。王女はその男を見つけると、侍女に合図をする。侍女は男の天幕にこっそり忍びこみ、角笛を取って、それを持って城へと駆け戻る。それから王女もまた家に帰った。こうして王女はすべてを手に入れ、三人の仲間はまたもや物乞いをして歩かなければならなかった。

Also zogen sie fort, da sprach der eine, der den Beutel gehabt hatte: „wißt ihr was, wir können nicht immer beisammen seyn, geht ihr dort hinaus, ich will hier hinaus gehen.“ Also ging er allein und kam in einen Wald, und weil er müd’ war, legte er sich unter einen Baum, ein wenig zu schlafen. Wie er aufwachte und über sich sah, da war es ein schöner Apfelbaum, unter dem er geschlafen und hingen prächtige Aepfel daran. Vor Hunger nahm er einen, aß ihn und dann noch einen. Da fängt ihm seine Nase an zu wachsen und wächst und wird so lang, daß er nicht mehr aufstehen kann; und wächst durch den Wald und sechzig Meilen noch hinaus. Seine Kammeraden aber gingen auch in der Welt herum und suchten ihn, weil es doch besser in Gesellschaft war, sie konnten ihn aber nicht finden. Auf einmal stieß einer an etwas und trat auf was weiches, ei! was soll das seyn, dachte er, da regte es sich und war es eine Nase. Da sprachen sie, wir wollen der Nase nachgehen und kamen endlich in den Wald zu ihrem Kammeraden, der lag da, konnt’ sich nicht rühren noch regen. Da nahmen sie eine Stange und wickelten die Nase darum und wollten sie in die Höhe heben und ihn forttragen, aber es war zu schwer. Da suchten sie im Wald einen Esel, darauf legten sie ihn und die lange Nase auf zwei Stangen und führten ihn also fort, und wie sie ein Eckchen weit gezogen waren, war er so schwer, daß sie ruhen mußten. Als sie so ruhten, sahen sie einen Baum neben sich stehen, daran hingen schöne Birnen; und hinter dem Baum kam das kleine rothe Männchen hervor und sagte zu dem Langnasigen, er sollte eine von den Birnen essen, so fiel ihm die Nase ab. Da aß er eine Birne und alsbald fiel die lange Nase ab und er behielt nicht mehr, als er zuvor hatte. Darauf sagte das Männchen: „brich dir von den Aepfeln und Birnen ab und mach’ Pulver aus jedwedem, wem du von dem Apfelpulver gibst, dem wächst die Nase, und wenn du dann von dem Birnpulver gibst, so fällt sie wieder ab; und dann reise als Arzt und gib der Prinzessin von den Aepfeln und dann auch von dem Pulver, da wächst ihr die Nase noch zwanzigmal länger als dir; aber halt dich fest.“ Da nahm er von den Aepfeln, ging an den Königshof und gab sich für einen Gärtnersbursch aus und sagte, er hätte eine Art Aepfel, wie in der Landschaft keine wüchsen. Wie die Prinzessin aber hörte davon, bat sie ihren Vater, er sollt’ ihr einige von diesen Aepfeln kaufen; der König sprach: „kauf dir, soviel du willst.“ Da kaufte sie und aß einen, der schmeckte ihr so gut, daß sie meinte, sie hätte ihr Lebtag keinen so guten gegessen, und aß dann noch einen; wie das geschehen war, machte der Arzt sich fort. Da fing ihr die Nase an zu wachsen und wuchs so stark, daß sie vom Sessel nicht aufstehen konnte, sondern umfiel. Da wuchs die Nase sechszig Ellen um den Tisch herum, sechszig um ihren Schrank und dann durch’s Fenster hundert Ellen um’s Schloß, und noch zwanzig Meilen zur Stadt hinaus. Da lag sie, konnte sich nicht regen und bewegen und wußte ihr kein Doctor zu helfen. Der alte König ließ ausschreiben, wenn sich irgend ein Fremder fände, der seiner Tochter womit helfen könnte, sollt’ er viel Geld haben. Da hatte nun der alte Soldat drauf gewartet, meldete sich als ein Doctor: „so es Gottes Wille wäre, wollt’ er ihr schon helfen.“ Darauf gab er ihr Pulver von den Aepfeln, da fing die Nase an von neuem zu wachsen und ward noch größer; am Abend gab er ihr Pulver von den Birnen, da ward sie ein wenig kleiner, doch nicht viel. Am andern Tag gab er ihr wieder Aepfelpulver, um sie recht zu ängstigen und zu strafen, da wuchs sie wieder, viel mehr als sie gestern abgenommen hatte. Endlich sagte er: „gnädigste Prinzessin, Sie müssen einmal etwas entwendet haben, wenn Sie das nicht herausgeben, hilft kein Rath.“ Da sagte sie: „ich weiß von nichts.“ Sprach er: „es ist so, sonst müßt mein Pulver helfen und wenn Sie es nicht herausgeben, müssen Sie sterben an der langen Nase.“ Da sagte der alte König: „gib den Beutel, den Mantel und das Horn heraus, das hast du doch entwendet, sonst kann deine Nase nimmermehr kleiner werden.“ Da mußte die Kammerjungfer alle drei Stücke holen und hinlegen und er gab ihr Pulver von den Birnen, da fiel die Nase ab und mußten 250 Männer kommen und sie in Stücken hauen. Und er ging mit dem Beutelchen, dem Mantel und dem Horn fort zu seinen Kammeraden, und sie wünschten sich wieder in ihr Schloß; da werden sie wohl noch sitzen und Haus halten.

そこで三人は旅立った。すると財布を持っていた男が言った。「なあ、おれたちはいつまでも一緒にいるわけにはいかない。おまえたちはあっちへ行け、おれはこっちへ行く」。こうして彼はひとりで歩いていき、ある森にやって来た。疲れていたので、少し眠ろうと一本の木の下に横になった。目を覚まして上を見ると、その下で眠っていたのは見事な林檎の木で、枝にはすばらしい林檎がなっていた。腹が減っていたので、彼は一つもいで食べ、それからもう一つ食べた。すると鼻が伸びはじめる。どんどん伸びて、とうとう立ち上がれなくなるほど長くなる。鼻は森を突き抜けて、さらに六十マイルも先まで伸びていった。いっぽう仲間たちも世の中をあちこち歩きまわって彼を探していた。やはり連れがいたほうがよかったからだが、どうしても見つからなかった。ふいにひとりが何かにつまずき、何か柔らかいものを踏んだ。おや、これはなんだろう、と思っていると、それが動いた。それは鼻だった。そこでふたりは、この鼻をたどっていってみようと言い、とうとう森の中の仲間のところに着いた。仲間はそこに横たわったまま、身動きひとつできなかった。そこでふたりは棒を一本持ってきて、それに鼻を巻きつけ、持ち上げて彼を運んでいこうとしたが、重すぎた。そこで森の中で驢馬を一頭探してきて、その背に彼を乗せ、長い鼻は二本の棒に載せて、こうして連れていった。ところが少しばかり進むと、あまりの重さに休まなければならなかった。そうして休んでいると、そばに一本の木が立っていて、見事な梨がなっていた。すると木の陰から、あの小さな赤い小人が出てきて、長い鼻の男に、その梨を一つ食べれば鼻は落ちる、と言った。そこで彼が梨を一つ食べると、たちまち長い鼻は落ちて、もとの鼻しか残らなかった。すると小人は言った。「林檎と梨をもいで、それぞれから粉薬をこしらえろ。林檎の粉を飲ませた者は鼻が伸び、そのあと梨の粉を飲ませれば、また鼻が落ちる。それから医者になって旅に出て、王女に林檎を食べさせ、それから粉も飲ませてやれ。そうすればあの女の鼻は、おまえの鼻よりさらに二十倍も長く伸びるだろう。だが、しっかり踏ん張るんだぞ」。そこで彼は林檎をいくつか持って王の宮殿へ行き、庭師の若者だと名のって、この地方ではどこにも育たないような種類の林檎を持っている、と言った。王女はそれを聞きつけると、父王に、その林檎をいくつか買ってほしいとねだった。王は言った。「好きなだけ買うがよい」。そこで王女は買って一つ食べてみると、あまりにおいしかったので、生まれてこのかたこんなにおいしい林檎は食べたことがないと思い、もう一つ食べた。それがすむと、医者はさっさと姿をくらました。すると王女の鼻が伸びはじめ、ものすごい勢いで伸びたので、王女は椅子から立ち上がることもできず、ひっくり返ってしまった。鼻はテーブルのまわりに六十エレ、戸棚のまわりに六十エレ伸び、それから窓を抜けて城のまわりに百エレ、さらに町の外へ二十マイルも伸びていった。王女はそこに横たわったまま、身じろぎひとつできず、どんな医者にも手の施しようがなかった。年老いた王はお触れを出した。どこかのよそ者で、王女を何かの手立てで救える者がいれば、たくさんの金を与えよう、というのである。年老いた兵隊はこれを待っていたのだった。彼は医者として名のり出て、「神さまの思し召しとあらば、きっとお助けいたしましょう」と言った。そして王女に林檎の粉を飲ませた。すると鼻はあらためて伸びはじめ、さらに大きくなった。晩になって梨の粉を飲ませると、鼻は少し短くなったが、たいしたことはなかった。次の日、彼は王女をさんざん怖がらせて懲らしめてやろうと、また林檎の粉を飲ませた。すると鼻はまた伸びて、前の日に縮んだよりもずっと多く伸びた。とうとう彼は言った。「いとも尊き王女さま、あなたさまはきっと以前に何かを盗まれたにちがいありません。それをお返しにならないかぎり、どんな手立ても効きません」。すると王女は言った。「わたしは何も知りません」。彼は言った。「いいえ、そうなのです。そうでなければわたしの粉が効くはずです。お返しにならなければ、あなたさまはその長い鼻で死ぬことになりますぞ」。すると年老いた王が言った。「財布と外套と角笛を返しなさい。おまえがそれを盗んだのだろう。さもないと、おまえの鼻はいつまでたっても小さくならないぞ」。そこで侍女が三つの品をすべて取ってきて、そこに置かなければならなかった。彼が王女に梨の粉を飲ませると、鼻は落ちた。それを切り刻むのに、二百五十人の男がやって来なければならなかった。そして彼は財布と外套と角笛を持って仲間のもとへ帰り、三人はまた自分たちの城へ行きたいと願った。きっと今もそこに住んで、暮らしを営んでいることだろう。

Kommentar解説

三人の老兵が赤い服の小人から、尽きない財布、願いをかなえる外套、軍勢を呼び集める角笛をもらう。王女にだまし取られるが、食べると鼻が伸びるリンゴで仕返しし、梨の粉で治す代わりに品物を取り返す。伸びた鼻を切り刻むのに二百五十人が要った。

フォルトゥナトゥス伝説の型。1815年の注にあった議論は、1856年には「キャベツロバ」(KHM 122)の注に移っている一次。同じ番号の新しい話に役目を譲った形推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

36.

Die lange Nase.

(Aus Zwehrn.) Die Sage vom Fortunat, die sich auch als eine deutsche ausweist, denn nach dem Volksbuch ist diese Erzählung offenbar nicht gemacht, sondern hier viel alterthümlicher und einfacher. (Vgl. I. Nr. 36. 37.) Der Wünschmantel und das Horn kommen da gar nicht vor, sondern ein Hut und ein Seckel; die Gesta Romanor, haben alles noch viel einfacher: im Fortunat wachsen statt der Nasen Hörner, in den Gestis Romanor, entsteht der Aussatz (eben so kommen in Helwig jüdisch. Geschichten Nr. 38. zwei Aepfelbäume vor, wo die Frucht des einen aussätzig macht, die des andern heilt). Da die Alten schon, wie wir, mancherlei Sprüchwörter von der langen Nase hatten, so mag ihnen auch eine ähnliche Fabel bekannt gewesen seyn z.B. bei Martial: uasos, noluerit ferre rogatus Atlas – Der D. Faust kann sich auf eine wirkliche Person gründen, um die sich viel ältere Sagen gesammelt haben; sein Name ist mythisch und weil er den Wünschmantel besitzt, heißt er der Begabte, das Glückskind, Wünschkind faustus wie fortunatus.

Das gedruckte Buch wurde zuerst im 13. Jahrh. vermuthlich aus Volkssagen in spanisch niedergeschrieben, wie schon die Eigennamen darin: Andalofia, Marsepia, Ampedo, beweisen.

Zweiter Band · Nr. 43 (KHM 129) · 1815

Der Löwe und der Froschライオンと蛙

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類理由不明怖さ†

Es war ein König und eine Königin, die hatten einen Sohn und eine Tochter, die hatten sich herzlich lieb. Der Prinz ging oft auf die Jagd und blieb manchmal lange Zeit draußen im Wald, einmal aber kam er gar nicht wieder. Darüber weinte sich seine Schwester fast blind, endlich, wie sie’s nicht länger aushalten konnte, ging sie fort in den Wald und wollte ihren Bruder suchen. Als sie nun lange Wege gegangen war, konnte sie vor Müdigkeit nicht weiter und wie sie sich umsah, da stand ein Löwe neben ihr, der that ganz freundlich und sah so gut aus. Da setzte sie sich auf seinen Rücken und der Löwe trug sie fort und streichelte sie immer mit seinem Schwanze und kühlte ihr die Backen. Als er nun ein gut Stück fortgelaufen war, kamen sie vor eine Höhle, da trug sie der Löwe hinein und sie fürchtete sich nicht und wollte auch nicht herabspringen, weil der Löwe so freundlich war. Also ging’s durch die Höhle, die immer dunkler war und endlich ganz stockfinster, und als das ein Weilchen gedauert hatte, kamen sie wieder an das Tagslicht in einen wunderschönen Garten. Da war alles so frisch und glänzte in der Sonne, und mittendrin stand ein prächtiger Pallast. Wie sie an’s Thor kamen, hielt der Löwe und die Prinzessin stieg von seinem Rücken herunter. Da fing der Löwe an zu sprechen und sagte: „in dem schönen Haus sollst du wohnen und mir dienen, und wenn du alles erfüllst was ich fordere, so wirst du deinen Bruder wiedersehen.“

昔、王と王妃がいて、息子と娘がひとりずつあった。この兄と妹は心から仲がよかった。王子はよく狩りに出かけ、ときには長いあいだ森から帰らないこともあったが、あるとき、とうとう戻ってこなくなった。妹はそれを嘆いて泣きつづけ、目が見えなくなるほどだった。とうとうもう耐えきれなくなって、妹は兄を探しに森へ出かけていった。長い道のりを歩いたすえ、疲れはててもう一歩も進めなくなった。ふとあたりを見まわすと、すぐそばに一頭のライオンが立っていた。ライオンはとても人なつっこいそぶりで、見たところもやさしそうだった。そこで王女はその背中に乗った。ライオンは王女を乗せて運んでいき、しっぽでたえず王女を撫でては、頬を涼しくあおいでくれた。かなりの道のりを走ったころ、二人はある洞穴の前に来た。ライオンが王女を乗せたまま中へ入っていっても、王女はこわがらなかったし、ライオンがあまりにやさしいので、背中から飛びおりようとも思わなかった。こうして洞穴の中を進んでいくと、あたりはだんだん暗くなり、とうとうまっ暗闇になった。それがしばらくつづいたあと、二人はまた日の光のもとへ出て、すばらしく美しい庭に入った。そこでは何もかもがみずみずしく、日の光にきらめいていて、そのまんなかに豪華な宮殿が建っていた。門のところまで来ると、ライオンは立ちどまり、王女はその背中から降りた。するとライオンが口をきいて、こう言った。「この美しい館に住んで、わたしに仕えるのだ。わたしの求めることをすべて果たしたなら、おまえはまた兄に会えるだろう」

Da diente die Prinzessin dem Löwen und gehorchte ihm in allen Stücken. Einmal ging sie in dem Garten spatziren, darin war es so schön und doch war sie traurig, weil sie so allein und von aller Welt verlassen war. Wie sie so auf und ab ging, ward sie einen Teich gewahr und auf der Mitte des Teichs war eine kleine Insel mit einem Zelt. Da sah sie, daß unter dem Zelt ein grasgrüner Laubfrosch saß und hatte ein Rosenblatt auf dem Kopf statt einer Haube. Der Frosch guckte sie an und sprach: „warum bist du so traurig?“ „Ach, sagte sie, warum sollte ich nicht traurig seyn?“ und klagte ihm da recht ihre Noth. Da sprach der Frosch ganz freundlich: „wenn du was brauchst, so komm nur zu mir, so will ich dir mit Rath und That zur Hand gehen.“ „Wie soll ich dir das aber vergelten?“ „Du brauchst mir nichts zu vergelten, sprach der Quackfrosch, bring mir nur alle Tage ein frisches Rosenblatt zur Haube.“ Da ging nun die Prinzessin wieder zurück und war ein Bischen getröstet und so oft der Löwe etwas verlangte, lief sie zum Teich, da sprang der Frosch herüber und hinüber und hatte ihr bald herbeigeschafft, was sie brauchte. Auf eine Zeit sagte der Löwe: „heut Abend äß ich gern eine Mückenpastete, sie muß aber gut zubereitet seyn.“ Da dachte die Prinzessin, wie soll ich die herbei schaffen, das ist mir ganz unmöglich, lief hinaus und klagte es ihrem Frosch. Der Frosch aber sprach: „mach dir keine Sorgen, eine Mückenpastete will ich schon herbeischaffen.“ Darauf setzte er sich hin, sperrte rechts und links das Maul auf, schnappte zu und fing Mücken, so viel er brauchte. Darauf hüpfte er hin und her, trug Holzspäne zusammen und blies ein Feuer an. Wie’s brannte, knetete er die Pastete und setzte sie über Kohlen, und es währte keine zwei Stunden, so war sie fertig und so gut als einer nur wünschen konnte. Da sprach er zu dem Mädchen: „die Pastete kriegst du aber nicht eher, als bis du mir versprichst, dem Löwen, sobald er eingeschlafen ist, den Kopf abzuschlagen mit einem Schwert, das hinter seinem Lager verborgen ist.“ „Nein, sagte sie, das thue ich nicht, der Löwe ist doch immer gut gegen mich gewesen.“ Da sprach der Frosch: „wenn du das nicht thust, wirst du nimmermehr deinen Bruder wiedersehen, und dem Löwen selber thust du auch kein Leid damit an.“ Da faßte sie Muth, nahm die Pastete und brachte sie dem Löwen. „Die sieht ja recht gut aus,“ sagte der Löwe, schnupperte daran und fing gleich an einzubeißen, aß sie auch ganz auf. Wie er nun fertig war, fühlte er eine Müdigkeit und wollte ein wenig schlafen; also sprach er zur Prinzessin: „komm und setz dich neben mich und krau mir ein Bischen hinter den Ohren, bis ich eingeschlafen bin.“ Da setzt sie sich neben ihn, kraut ihn mit der Linken und sucht mit der Rechten nach dem Schwert, welches hinter seinem Bette liegt. Wie er nun eingeschlafen ist, so zieht sie es hervor, drückt die Augen zu und haut mit einem Streich dem Löwen den Kopf ab. Wie sie aber wieder hinblickt, da war der Löwe verschwunden und ihr lieber Bruder stand neben ihr, der küßte sie herzlich und sprach: „du hast mich erlöst, denn ich war der Löwe und war verwünscht es so lang zu bleiben, bis eine Mädchenhand aus Liebe zu mir dem Löwen den Kopf abhauen würde.“ Darauf gingen sie miteinander in den Garten und wollten dem Frosch danken, wie sie aber ankamen, sahen sie, wie er nach allen Seiten herumhüpfte und kleine Späne suchte und ein Feuer anmachte. Als es nun recht hell brannte, hüpfte er selber hinein und da brennt’s noch ein Bischen und dann geht das Feuer aus, und steht ein schönes Mädchen da, das war auch verwünscht worden und die Liebste des Prinzen. Da ziehen sie miteinander heim zu dem alten König und der Frau Königin und wird eine große Hochzeit gehalten und wer dabei gewesen, der ist nicht hungrig nach Haus gegangen.

そこで王女はライオンに仕え、何から何までライオンの言うとおりにした。あるとき王女は庭を散歩していた。庭はそれは美しかったが、それでも王女は悲しかった。ひとりぼっちで、世の中のだれからも見捨てられていたからだ。そうして行ったり来たりしているうちに、王女は池があるのに気がついた。池のまんなかには小さな島があって、天幕がひとつ張ってあった。見ると、その天幕の下に草のようにまっ緑な雨蛙が一匹座っていて、頭には頭巾がわりにばらの花びらを一枚のせていた。蛙は王女を見て言った。「どうしてそんなに悲しそうなんだい?」「ああ」と王女は言った。「悲しまずにいられるものですか」 そうして蛙に自分のつらさをすっかり打ち明けた。すると蛙はとてもやさしく言った。「何か要るものがあったら、いつでもわたしのところへおいで。知恵でも手でも貸してあげよう」「でも、そのお礼はどうしたらいいの?」「お礼なんかいらないよ」とげこげこ蛙は言った。「毎日、頭巾にする新しいばらの花びらを一枚持ってきてくれさえすればいい」 そこで王女はまた戻っていったが、少しばかり慰められていた。それからはライオンが何か言いつけるたびに池へ駆けていった。すると蛙はあっちへぴょん、こっちへぴょんと跳びまわって、すぐに王女の要るものをそろえてくれるのだった。あるときライオンが言った。「今夜は蚊のパイが食べたいものだ。ただし、上手にこしらえなければならんぞ」 王女は、そんなものどうやって手に入れたらいいのだろう、わたしにはとても無理だわ、と思い、外へ駆けていって蛙に訴えた。けれども蛙は言った。「心配はいらない。蚊のパイならちゃんとこしらえてあげよう」 そう言うと蛙は座りこみ、右へ左へ口をぱっくり開けては、ぱくりと閉じて、要るだけの蚊をつかまえた。それからあちこちぴょんぴょん跳びまわって木切れを集め、火を吹きおこした。火が燃えあがると、蛙はパイの生地をこねて炭火にかけた。二時間とたたないうちに、パイは焼きあがり、それはもう望みうるかぎりのおいしさだった。そこで蛙は娘に言った。「けれどもこのパイは、ひとつ約束してくれないかぎり渡さないよ。ライオンが眠りこんだらすぐに、ライオンの寝床の後ろに隠してある剣で、その首をはねるんだ」「いいえ」と王女は言った。「そんなことはしません。ライオンはいつだってわたしにやさしくしてくれたんですもの」 すると蛙は言った。「それをしなければ、おまえはもう二度と兄さんに会えないよ。それに、そうしたってライオンそのものを苦しめることにはならないんだ」 そこで王女は勇気をふるい起こし、パイを受けとってライオンのところへ持っていった。「これはなかなかうまそうだ」とライオンは言って、においをくんくん嗅ぐと、すぐにかぶりつきはじめ、すっかりたいらげてしまった。食べおわると、ライオンは眠気をおぼえて、少し眠ろうと思った。そこで王女に言った。「ここへ来てわたしのそばに座り、眠りこむまで耳の後ろを少しかいておくれ」 王女はライオンのそばに座り、左手でライオンをかいてやりながら、右手で寝床の後ろにある剣を探る。ライオンが眠りこむと、王女は剣を引きぬき、目をぎゅっとつぶって、ひと太刀でライオンの首を切り落とす。ところが王女がもう一度目をやると、ライオンは消えていて、なつかしい兄がそばに立っていた。兄は心をこめて王女に口づけし、言った。「おまえがわたしを救ってくれたのだ。わたしがあのライオンだったのだよ。娘の手がわたしへの愛からライオンの首をはねてくれるまで、ずっとライオンのままでいるようにと呪いをかけられていたのだ」 それから二人はつれだって庭へ行き、蛙にお礼を言おうとした。ところが行ってみると、蛙はあたりじゅうを跳びまわって小さな木切れを探し、火をおこしているところだった。火があかあかと燃えあがると、蛙は自分からその中へ跳びこんだ。火はなおしばらく燃えていて、やがて消える。するとそこには美しい娘が立っていた。この娘もまた呪いをかけられていたのであり、王子の恋人だったのだ。そこでみんなはつれだって年老いた王と王妃のもとへ帰り、盛大な婚礼が催される。その場にいた者は、だれひとり腹をすかせて帰ったりはしなかった。

Kommentar解説

兄を探す王女がライオンの洞窟で暮らし、池の蛙に助けられて難題をこなす。最後に蛙は自分から火に飛びこみ、美しい娘になる。娘もまた魔法にかけられていた。

1819年に消えた。理由の記述はない不明。独Wikipediaの「断片的すぎるとヤーコプが勧めた」という説明は、典拠を確かめられなかった。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

43.

Der Löwe und Frosch.

(Aus der Maingegend.) Ueber Erlösung durch Kopf- Abhauen vgl. I. 52. und 66. und die schwarze und weiße Braut. (II. 49.)

Zweiter Band · Nr. 44 (KHM 130) · 1815

Der Soldat und der Schreiner兵隊と指物師

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類不完全・断片

Es wohnten in einer Stadt zwei Tischler, deren Häuser stießen aneinander und jeder hatte einen Sohn; die Kinder waren immer beisammen, spielten miteinander und hießen darum das Messerchen und Gäbelchen, die auch immer nebeneinander auf den Tisch gelegt werden. Als sie nun beide groß waren, wollten sie auch von einander nicht weichen, der eine war aber muthig und der andere furchtsam, da ward der eine Soldat, der andere lernte das Handwerk. Wie die Zeit kam, daß dieser wandern mußte, wollt’ ihn der Soldat nicht verlassen und gingen sie zusammen aus. Sie kamen nun in eine Stadt, wo der Tischler bei einem Meister in die Arbeit ging, der Soldat wollte da auch bleiben und verdingte sich bei demselben Meister als Hausknecht. Das wär’ gut gewesen, aber der Soldat hatte keine Lust am Arbeiten, lag auf der Bärenhaut und es dauerte nicht lang, so wurde er vom Meister weggeschickt; der fleißige wollt’ ihn aus Treue nun nicht allein lassen, sagte dem Meister auf und zog mit ihm weiter. So ging’s aber immer fort; hatten sie Arbeit, so dauerte es nicht lang, weil der Soldat faul war und fortgeschickt wurde, der andere aber ohne ihn nicht bleiben wollte. Einmal kamen sie in eine große Stadt, weil aber der Soldat keine Hand regen wollte, ward er am Abend schon verabschiedet und sie mußten dieselbe Nacht wieder hinaus. Da führte sie der Weg vor einen unbekannten großen Wald; der Furchtsame sprach: „ich geh’ nicht hinein, darin springen Hexen und Gespenster herum.“ Der Soldat aber antwortete: „ei was! davor fürcht’ ich mich noch nicht!“ ging voran, und der Furchtsame, weil er doch nicht von ihm lassen wollte, ging mit. In kurzer Zeit hatten sie den Weg verloren und irrten in der Dunkelheit durch die Bäume, endlich sahen sie ein Licht. Das suchten sie auf und kamen zu einem schönen Schloß, das hell erleuchtet war, und haußen lag ein schwarzer Hund und auf einem Teich neben saß ein rother Schwan; als sie aber hineintraten, sahen sie nirgends einen Menschen, bis sie in die Küche kamen, da saß noch eine graue Katze bei einem Topf am Feuer und kochte. Sie gingen weiter und fanden viele prächtige Zimmer, die waren alle leer, in einem aber stand ein Tisch mit Essen und Trinken reichlich besetzt. Weil sie nun großen Hunger hatten, machten sie sich daran und ließen sich’s gut schmecken. Darnach sprach der Soldat: „wenn du gegessen hast und satt worden bist, sollst du schlafen gehen!“ machte eine Kammer auf, darin standen zwei schöne Betten. Sie legten sich, aber als sie eben einschlafen wollten, fiel dem Furchtsamen ein, daß sie noch nicht gebetet hätten, da stand er auf und sah in der Wand einen Schrank, den schloß er auf und war da ein Crucifix mit zwei Gebetbüchern dabei. Gleich weckte er den Soldaten, daß er aufstehen mußte und sie knieten beide nieder und thaten ihr Gebet; darnach schliefen sie ruhig ein. Am andern Morgen kriegte der Soldat einen heftigen Stoß, daß er in die Höhe fuhr: „du, was schlägst du mich“ rief er dem andern zu, der aber hatte auch einen Stoß gekriegt und sprach: „was stößt du mich, ich stoß dich nicht!“ Da sagte der Soldat: „es wird wohl ein Zeichen seyn, daß wir hervor sollen.“ Wie sie nun herauskamen, stand schon ein Frühstück auf dem Tisch, der Furchtsame sprach aber: „eh’ wir es anrühren, wollen wir erst nach einem Menschen suchen.“ „Ja, sagte der Soldat, ich mein’ auch immer, die Katze hätt’s gekocht und eingebrockt, da vergeht mir alle Lust.“

ある町に二人の指物師が住んでいた。二人の家は隣り合っていて、どちらにも息子がひとりずついた。子どもたちはいつも一緒にいて一緒に遊んでいたので、「ナイフちゃん」と「フォークちゃん」と呼ばれていた。ナイフとフォークも、いつも食卓に並べて置かれるものだからである。さて、二人とも大きくなっても、やはり互いに離れようとしなかったが、ひとりは勇敢で、もうひとりは臆病だった。そこでひとりは兵隊になり、もうひとりは職人の修業をした。いよいよこの職人が遍歴の旅に出なければならない時が来ると、兵隊は彼と別れるのを嫌がり、二人は連れ立って出かけた。やがてある町に着き、指物師はそこの親方のもとで働くことになった。兵隊もそこにとどまりたくて、同じ親方のところに下男として雇われた。それで済めばよかったのだが、兵隊は働く気がまるでなく、ごろごろ寝そべってばかりいたので、ほどなく親方に追い出されてしまった。すると働き者のほうは、友への誠から彼をひとりにしておくわけにいかず、親方に暇を告げて、一緒にまた旅を続けた。ところがそれからもずっとこの調子だった。仕事にありついても長続きしない。兵隊が怠けて追い出され、もうひとりは彼なしでは残ろうとしないからである。あるとき二人は大きな町にやって来たが、兵隊が手ひとつ動かそうとしないので、その日の晩にはもう暇を出され、二人はその夜のうちにまた町を出なければならなかった。すると道は、見知らぬ大きな森の前に出た。臆病者は言った。「おれは入らないぞ。この中には魔女や幽霊が跳ねまわっているんだ」。けれども兵隊は答えた。「なあに!そんなもの、おれはまだ怖くないね!」そして先に立って歩きだしたので、臆病者も、やはり彼から離れたくはなかったから、ついていった。まもなく二人は道に迷い、暗闇の中、木々のあいだをさまよったが、とうとう明かりが一つ見えた。それを目指して行くと、煌々と明かりのともった美しい城に出た。外には黒い犬が一匹寝そべり、そばの池には赤い白鳥が一羽浮かんでいた。ところが中へ入ってみても、人っ子ひとり見当たらない。台所まで来ると、そこには灰色の猫が一匹、火にかけた鍋のそばに座って料理をしていた。さらに奥へ進むと、豪華な部屋がいくつもあったが、どれもがらんとしていて、ただ一つの部屋にだけ、食べ物と飲み物がたっぷり並んだ食卓があった。二人はひどく腹を空かせていたので、さっそく取りかかり、たらふく食べた。それから兵隊が言った。「食べて腹がいっぱいになったら、あとは寝るもんだ!」そしてある部屋の戸を開けると、そこにはきれいな寝床が二つあった。二人は横になったが、ちょうど眠りに落ちようとしたとき、臆病者はまだお祈りをしていなかったことを思い出した。そこで起き上がると、壁に戸棚があるのが目に入った。鍵を開けてみると、十字架が一つと、祈祷書が二冊入っていた。彼はすぐに兵隊を起こしたので、兵隊も起きなければならず、二人ともひざまずいてお祈りをした。それから二人は安らかに眠った。翌朝、兵隊はいきなり激しく突かれて跳ね起きた。「おい、なんでおれを叩くんだ」と彼が相手に叫ぶと、相手も同じように突かれていて、こう言った。「おまえこそなんでおれを突くんだ、おれはおまえを突いてなんかいないぞ!」すると兵隊は言った。「こいつはきっと、起きて出てこいという合図なんだろう」。二人が部屋から出ていくと、食卓にはもう朝食が用意されていた。けれども臆病者は言った。「手をつける前に、まずだれか人を探そう」。「そうだな」と兵隊は言った。「おれもどうしても、あの猫が料理して、パンをちぎり入れたんじゃないかと思えてな、そう思うとすっかり食う気が失せちまう」

Sie gingen also wieder von unten bis oben durch’s Schloß, fanden aber keine Seele, endlich sagte der Soldat: „wir wollen auch in den Keller steigen.“ Wie sie die Treppe herunter waren, sahen sie vor dem ersten Keller eine alte Frau sitzen; sie redeten sie an und sprachen: „guten Tag! hat sie uns das gute Essen gekocht?“ – „Ja, Kinder, hat’s euch geschmeckt?“ Da gingen sie weiter und kamen zum zweiten Keller, davor saß ein Jüngling von 14 Jahren, den grüßten sie auch, er gab ihnen aber keine Antwort. Endlich kamen sie in den dritten Keller, davor saß ein Mädchen von zwölf Jahren, das antwortete ihnen auch nicht auf ihren Gruß. Sie gingen noch weiter durch alle Keller, fanden aber weiter niemand. Wie sie nun wieder zurückkamen, war das Mädchen von seinem Sitz aufgestanden, da sagten sie zu ihm: „willst du mit uns hinaufgehen?“ Es sprach aber: „ist der rothe Schwan noch oben auf dem Teich?“ – „Ja, wir haben ihn beim Eingang gesehen.“ – „Das ist traurig, so kann ich nicht mitgehen.“ Der Jüngling war auch aufgestanden und als sie zu ihm kamen, fragten sie ihn: „willst du mit uns hinauf gehen?“ Er aber sprach: „ist der schwarze Hund noch auf dem Hof?“ – „Ja, wir haben ihn beim Eingang gesehen.“ – „Das ist traurig, so kann ich nicht mit euch gehen.“ Als sie zu der alten Frau kamen, hatte sie sich auch aufgerichtet: „Mütterchen, sprachen sie, wollt ihr mit uns hinaufgehen?“ – „Ist die graue Katze noch oben in der Küche?“ – „Ja, sie sitzt auf dem Heerd bei einem Topf und kocht.“ – „Das ist traurig, eh ihr nicht den rothen Schwan, den schwarzen Hund und die graue Katze tödtet, können wir nicht aus dem Keller heraus.“

そこで二人はもう一度、城の下から上までくまなく歩いてみたが、だれひとり見つからなかった。とうとう兵隊が言った。「地下室にも降りてみよう」。階段を降りきると、一つめの地下室の前に年取った女がひとり座っていた。二人は声をかけて言った。「こんにちは!あのおいしい料理を作ってくれたのは、おばあさんかい?」――「そうだよ、おまえたち、口に合ったかい?」それから二人はさらに進んで、二つめの地下室に来た。その前には十四歳の若者がひとり座っていた。二人は彼にも挨拶したが、若者は返事をしなかった。とうとう三つめの地下室に来ると、その前には十二歳の娘がひとり座っていた。この娘もやはり二人の挨拶に答えなかった。二人はさらにすべての地下室を歩きまわったが、それ以上はだれも見つからなかった。さて引き返してくると、娘が席から立ち上がっていたので、二人は言った。「おれたちと一緒に上へ行かないか?」すると娘は言った。「赤い白鳥はまだ上の池にいるの?」――「ああ、入り口のところで見たよ」――「それは悲しいこと。それならわたしは一緒に行けないわ」。若者も立ち上がっていたので、そばへ行って尋ねた。「おれたちと一緒に上へ行かないか?」すると若者は言った。「黒い犬はまだ中庭にいるのかい?」――「ああ、入り口のところで見たよ」――「それは悲しいことだ。それならぼくはきみたちと一緒には行けない」。年取った女のところへ来ると、女もまた身を起こしていた。「おばあさん」と二人は言った。「おれたちと一緒に上へ行かないかい?」――「灰色の猫はまだ上の台所にいるのかい?」――「ああ、かまどの上で鍋のそばに座って、料理をしているよ」――「それは悲しいことだ。おまえたちが赤い白鳥と黒い犬と灰色の猫を殺してくれないうちは、わたしたちはこの地下室から出られないのだよ」

Als die zwei Gesellen wieder oben in die Küche kamen, wollten sie die Katze streicheln, sie machte aber feurige Augen und sah ganz wild aus. Nun war noch eine kleine Kammer übrig, in der sie nicht gewesen waren, wie sie die aufmachten, war sie ganz leer, nur an der Wand ein Bogen und Pfeil, ein Schwert und eine Eisen-Zange. Ueber Bogen und Pfeil standen die Worte: „das tödtet den rothen Schwan,“ über dem Schwert: „das haut dem schwarzen Hund den Kopf herunter,“ und über der Zange: „das kneift der grauen Katze den Kopf ab.“ „Ach, sagte der Furchtsame, wir wollen fort von hier,“ der Soldat aber: „nein, wir wollen die Thiere aufsuchen.“ Sie nahmen die Waffen von der Wand und gingen in die Küche, da standen die drei Thiere, der Schwan, der Hund und die Katze beisammen, als hätten sie was Böses vor. Wie der Furchtsame das sah, lief er wieder fort; der Soldat sprach ihm ein Herz ein, er hingegen wollte erst etwas essen; wie er gegessen hatte, sagte er: „in einem Zimmer hab’ ich Harnische gesehen, da will ich einen zuvor anlegen.“ Als er in dem Zimmer war, wollt’ er sich forthelfen und sprach: „es ist besser, wir steigen zum Fenster hinaus, was kümmern uns die Thiere!“ Wie er aber zum Fenster trat, war ein stark Eisen-Gitter davor. Nun konnt’ er’s nicht länger verreden, ging zu den Harnischen und wollte einen anziehen, aber sie waren alle zu schwer. Da sagte der Soldat: „ei was, laß uns so gehen, wie wir sind.“ „Ja, sprach der andere, wenn unser noch drei wären.“ Wie er die Worte sprach, da flatterte eine weiße Taube außen an’s Fenster und stieß daran, der Soldat machte ihr auf und wie sie herein war, stand ein schöner Jüngling vor ihnen, der sprach: „ich will bei euch seyn und euch helfen“ und nahm Bogen und Pfeil. Der Furchtsame sprach zu ihm, er hätt’s am besten, mit dem Bogen und Pfeil, nach dem Schuß wär’s gut und er könnte hingehen, wohin er Lust hätte, sie aber müßten mit ihren Waffen den Zauber-Thieren näher auf den Leib. Da gab der Jüngling ihm den Bogen und Pfeil und nahm das Schwert.

ふたりの仲間がまた上の台所へ戻ってきて、猫をなでてやろうとすると、猫は目を火のようにぎらつかせ、すっかり獰猛な顔つきになった。さて、まだ入っていない小さな部屋が一つ残っていた。開けてみると、中はがらんとしていて、ただ壁に弓と矢、剣が一振り、それに鉄のやっとこが掛かっているだけだった。弓矢の上には「これは赤い白鳥を殺す」という文字が、剣の上には「これは黒い犬の首を切り落とす」、やっとこの上には「これは灰色の猫の首をはさみ切る」と書いてあった。「ああ」と臆病者は言った。「ここから逃げ出そうよ」。だが兵隊は言った。「いや、獣どもを探しに行こう」。二人は壁から武器を取って台所へ行った。すると三匹の獣、白鳥と犬と猫が、何か悪だくみでもしているように、寄り集まって立っていた。臆病者はそれを見るとまた逃げ出した。兵隊は彼を励ましたが、彼はそれより先に何か食べたいと言った。食べ終わると、彼は言った。「ある部屋で鎧を見かけたから、先にそれを一つ着けてくるよ」。ところがその部屋に入ると、彼はなんとか逃げ出そうとして言った。「窓から外へ降りたほうがいい、獣のことなんか知ったことか!」けれども窓のところへ行ってみると、頑丈な鉄格子がはまっていた。こうなってはもう言い逃れもできず、彼は鎧のところへ行って一つ着ようとしたが、どれもこれも重すぎた。そこで兵隊が言った。「なあに、このままの格好で行こうじゃないか」。「うん」ともうひとりは言った。「せめておれたちが三人いたらなあ」。彼がそう言ったとたん、白い鳩が一羽、窓の外にぱたぱたと飛んできて、窓にぶつかった。兵隊が開けてやり、鳩が中に入ったかと思うと、二人の前には美しい若者がひとり立っていて、こう言った。「わたしがあなたがたと一緒にいて、力を貸しましょう」。そして弓と矢を手に取った。すると臆病者は若者に言った。弓と矢を持つあなたがいちばん得だ、射てしまえばそれで済むし、あとは好きなところへ行ける、ところがおれたちは自分の武器を持って、魔法の獣どもにもっと間近まで迫らなければならないのだ、と。そこで若者は弓と矢を彼に渡し、自分は剣を取った。

Da gingen alle drei zur Küche, wo die Thiere noch beisammen standen, und der Jüngling hieb dem schwarzen Hund den Kopf ab, und der Soldat packte die graue Katze mit der Zange und der Furchtsame stand hinten und schoß den rothen Schwan todt. Und wie die drei Thiere niederfielen, in dem Augenblick kam die Alte und ihre zwei Kinder mit großem Geschrei aus dem Keller gelaufen: „ihr habt meine liebsten Freunde getödtet, ihr seyd Verräther,“ drangen auf sie und wollten sie ermorden. Aber die drei überwältigten sie und tödteten sie mit ihren Waffen und wie sie todt waren, fing auf einmal ein wunderliches Gemurmel rings herum an und kam aus allen Ecken. Der Furchtsame sprach: „wir wollen die drei Leichen begraben, es waren doch Christen, das haben wir am Crucifix gesehen.“ Sie trugen sie also hinaus auf den Hof, machten drei Gräber und legten sie hinein. Während der Arbeit nahm aber das Gemurmel im Schloß immer zu, ward immer lauter und wie sie fertig waren, hörten sie ordentlich Stimmen darin und einer rief: „wo sind sie? wo sind sie?“ Und weil der schöne Jüngling nicht mehr da war, ward ihnen Angst und sie liefen fort. Als sie ein wenig weg waren, sagte der Soldat: „ei, das ist Unrecht, daß wir so fortgelaufen sind, wir wollen umkehren und sehen, was dort ist.“ „Nein, sagte der andere, ich will mit dem Zauberwesen nichts zu thun haben und mein ehrliches Auskommen in der Stadt suchen.“ Aber der Soldat ließ ihm keine Ruhe, bis er mit ihm zurückging. Wie sie vor’s Schloß kamen, war alles voll Leben, Pferde sprangen durch den Hof und Bediente liefen hin und her. Da gaben sie sich für zwei arme Handwerker aus und baten um ein wenig Essen. Einer aus dem Haufen sprach: „ja, kommt nur herein, heut wird allen Gutes gethan.“ Sie wurden in ein schönes Zimmer geführt und ward ihnen Speise und Wein gegeben. Darnach wurden sie gefragt, ob sie nicht zwei junge Leute von der Burg hätten kommen sehen. „Nein,“ sagten sie. Als aber einer sah, daß sie Blut an den Händen hatten, fragte er, woher das Blut käme? Da sprach der Soldat: „ich habe mich in den Finger geschnitten.“ Der Diener aber sagte es dem Herrn, der kam selber und wollt’ es sehen, es war aber der schöne Jüngling, der ihnen beigestanden hatte und wie er sie mit Augen sah, rief er: „das sind sie, die das Schloß errettet haben!“ Da empfing er sie mit Freuden und erzählte, wie es zugegangen wäre: „Im Schloß war eine Haushälterin mit ihren zwei Kindern, die war eine heimliche Hexe und als sie einmal von der Herrschaft gescholten wurde, gerieth sie in Bosheit und verwandelte alles, was Leben hatte im Schloß, zu Steinen, nur über drei andere böse Hofbediente, die auch Zauberei verstanden, hatte sie keine rechte Gewalt und konnte sie nur in Thiere verwandeln, die nun oben im Schloß ihr Wesen trieben, dabei fürchtete sie sich vor ihnen und flüchtete mit ihren Kindern in den Keller. Auch über mich hatte sie nur soviel Gewalt gehabt, daß sie mich in eine weiße Taube außerhalb des Schlosses verwandeln konnte. Wie ihr zwei in’s Schloß kamt, da solltet ihr die Thiere tödten, damit sie frei würde und zum Lohn wollte sie euch wieder umbringen, aber Gott hat es besser gemacht, das Schloß ist erlöst und die Steine sind wieder lebendig geworden in dem Augenblick, wo die gottlose Hexe mit ihren Kindern getödtet wurde und das Gemurmel, das ihr gehört, das waren die ersten Worte, welche die frei gewordenen sprachen.“ Darauf führte er die zwei Gesellen zu dem Hausherrn, der hatte zwei schöne Töchter, die wurden ihnen gegeben, und sie lebten vergnügt ihr Lebelang, als große Ritter.

こうして三人そろって台所へ行った。獣たちはまだ寄り集まって立っていた。若者が黒い犬の首を切り落とし、兵隊がやっとこで灰色の猫をはさみつけ、臆病者は後ろに立って赤い白鳥を射殺した。そして三匹の獣が倒れたちょうどその瞬間、あの老婆が二人の子どもと一緒に、大きな叫び声をあげて地下室から駆け上がってきた。「おまえたちはわたしのいちばん大事な仲間を殺した、この裏切り者め」。そう言って三人に襲いかかり、殺そうとした。けれども三人は彼らを打ち負かし、手にした武器で殺してしまった。老婆たちが息絶えると、たちまちあたり一面で不思議なざわめきが起こり、それがあらゆる隅々から聞こえてきた。臆病者は言った。「この三つの亡骸を葬ってやろう。なんといってもキリスト教徒だったんだから。十字架でそれはわかっただろう」。そこで彼らは亡骸を中庭へ運び出し、墓を三つ掘って、中に横たえた。ところがその作業のあいだにも、城の中のざわめきはどんどん増して、ますます大きくなり、作業が終わるころには、中からはっきりと人の声が聞こえ、ひとりが叫んでいた。「どこだ?どこにいる?」そしてあの美しい若者がもうそこにいなかったので、二人は怖くなって逃げ出した。少し離れたところで、兵隊が言った。「おい、こんなふうに逃げ出すのはよくないぞ。引き返して、あそこで何が起きているのか見てみよう」。「いやだね」ともうひとりは言った。「おれは魔法なんぞとはかかわりたくない。町で真っ当な暮らしの道を探すよ」。けれども兵隊は彼をそっとしておかず、とうとう一緒に引き返させた。二人が城の前まで来ると、あたりはすっかり活気にあふれ、馬が中庭を跳ねまわり、召使いたちがあちこち走りまわっていた。そこで二人は貧しい職人だと名のって、少し食べ物を恵んでほしいと頼んだ。人群れの中のひとりが言った。「ああ、さあさあお入りなさい。今日はだれにでも施しをするのだから」。二人は立派な部屋に通され、食べ物とぶどう酒を振る舞われた。そのあとで、城から若い者が二人出てくるのを見かけなかったか、と尋ねられた。「いいえ」と二人は答えた。ところがひとりが、二人の手に血がついているのに気づいて、その血はどうしたのかと尋ねた。すると兵隊は言った。「指を切ってしまったんです」。しかし召使いはそれを主人に告げた。主人が自分で確かめにやって来たが、それはあのとき二人に加勢してくれた美しい若者だった。若者は二人を目にするなり叫んだ。「この人たちだ、城を救ってくれたのは!」そして二人を喜んで迎え、事の次第を語って聞かせた。「城には女中頭がひとり、二人の子どもと一緒にいました。この女はひそかに魔女で、あるとき主人がたに叱られたのを恨みに思い、城の中の命あるものをことごとく石に変えてしまったのです。ただ、やはり魔法の心得のあった三人の悪い召使いだけは思うようにできず、獣に変えることしかできませんでした。その獣どもがそれからというもの城の上で我がもの顔にふるまっていたので、女はかえって彼らを恐れ、子どもたちを連れて地下室へ逃げこんだのです。わたしに対しても、女には、城の外にいる白い鳩に変えるくらいの力しかありませんでした。あなたがた二人が城へやって来たとき、女はあなたがたに獣を殺させて、自分が自由の身になろうとしたのです。そしてその礼に、あなたがたをまた殺すつもりでした。けれども神さまがもっとよいようにしてくださいました。神を恐れぬ魔女が子どもたちもろとも殺されたその瞬間に、城は救われ、石はふたたび命を取り戻したのです。あなたがたが聞いたざわめきは、自由になった者たちが口にした最初の言葉だったのです」。それから若者はふたりの仲間を城の主のもとへ連れていった。主には美しい娘が二人いて、その娘たちが二人に妻として与えられた。こうして二人は立派な騎士として、一生楽しく暮らした。

Kommentar解説

「ナイフちゃん」「フォークちゃん」と呼ばれた幼なじみの、勇敢な兵隊と臆病な指物師が旅に出て、魔女に石にされた城を救う。赤い白鳥、黒い犬、灰色の猫を倒す武器が壁に掛かっている。

兄弟自身が1815年の注で「よくて昔話らしい部分もあるが、全体が欠落と混乱で傷んでいるようだ」と書いている一次。この自己評価が1819年の削除につながったと見られる推定。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

44.

Soldat und Schreiner.

(Aus dem Münsterland.) Manches darin ist gut und recht märchenhaft, doch scheint das Ganze gelitten zu haben, theils durch Lücken, theils durch Verwirrung.

Zweiter Band · Nr. 50 (KHM 136) · 1815

De wilde Mann野人

載った版初版〜1843年版行方1850年、第6版で消えた分類別の話へ

Et was emoel en wilden Mann, de was verwünsket un genk bie de Bueren in den Goren (Garten) un in’t Korn un moek alles do Schande. Do klagden se an eeren Gutsheeren, se können eere Pacht nig mehr betalen un do leit de Gutsheer alle Jägers bie ene kummen, we dat Dier fangen könne, de soll ne graute Belohnung hebben. Do kümmt do en ollen Jäger an, de segd, he wüll dat Dier wull fangen; do mött se em ne Pulle met Fusel (Branntwein) un ne Pulle met Wien un ne Pulle met Beer gierwen (geben), de settet he an dat Water, wo sick dat Dier alle Dage wäskt. Un do geit he achter en Baum stohn, do kümmt dat Dier un drinket ut de Pullen, do leckt et alle de Mund un kickt herüm, ov dat auck well süht. Do werd et drunken, un do geit et liegen un schlöpd; do geit de Jäger to un bind et an Händen un Föten, do weckt he et wier up un segd: „du wilde Mann, goh met, sök sast du alle Dage drinken.“ Do nimmt he et mit noh dat adlicke Schloß, do settet se et do in den Thornt un de Heer geit to andre Nobers, de söllt seihn (sehen), wat he för’n Dier fangen hed. Do spierlt ene von de jungen Heerens met’n Ball un let de in den Thornt fallen un dat Kind segd: „wilde Mann, schmiet mie den Ball wier to;“ do segd de wilde Mann: „den Ball most du sölvst wier hahlen.“ „Je, segd dat Kind, ick heve kinen Schlürtel.“ – „Dann mack du, dat du bie dien Moder eere Tasken kümmst un stehl eer den Schlürtel.“ – Do schlüt dat Kind den Thornt orpen un de wilde Mann löpd derut; do fänk dat Kind an to schreien: „o wilde Mann, bliev doch hier, ick kriege süs Schläge.“ Do niermt de wilde Mann dat Kind up de Nacken un lopd darmet de Wildniß herin: de wilde Mann was weg, dat Kind was verloren! De wilde Mann de tüt dat Kind en schlechten Kiel (Kittel) an un schickt et noh den Görner an den Kaisers Hof, do mot et frogen: ov de kinen Görners-Jungen van dohn (nöthig) hed? Do segd de, he wöre so schmeerig antrocken, de annern wullen nig bie em schlopen. Do seg he, he wull in’t Strauh liegen, un geit alltied des Morgens fröh in den Goren, do kümmt em de wilde Mann entgiergen, do seg he: „nu waske die, nu kämme die!“ nu de wilde Mann mäckt de Goren so schön, dat de Görner et sölvst nig so gut kann. Un de Prinzessin süt alle Morgen den schönen Jungen, do seg se to den Görner, de kleine Lehrjunge söll eer en Bust Blomen brengen. Un se frög dat Kind, van wat för Standt dat et wöre; do seg et, ja, dat wüs et nig, do giv se em en broden Hohn vull Ducoeten. Es he in kümmt, giv he dat Geld sinen Heeren un seg: „wat sall ick do met dohn, dat bruckt ji men.“ Un he moste eer noh enen Busk Blomen brengen, do giv se em ne Aant (Ente) vull Ducoeten, de giv he wier ansinen Heeren. Un do noh en moel, do giv se em ne Gans vull Ducoeten, de giv de Junge wier an sinen Heeren. Do ment de Prinzessin, he hev Geld un he hev nix, un do hierothet se em in’t geheem, un do weeret eere Oeldern so beise un setten se in dat Brauhuse, do mot se sick met spinnen ernähren, un he geit in de Kücke un helpt den Kock de Broden dreien un steld manrden (zuweilen) en Stück Fleesk un brengd et an sine Frau.

昔、ひとりの野人がいた。野人は魔法をかけられていて、百姓たちの菜園や麦畑に入りこんでは、何もかもめちゃくちゃにしていた。そこで百姓たちは領主さまに、これではもう小作料が払えません、と訴えた。すると領主は猟師たちをみんな呼び集めて、あのけだものを捕まえた者にはたんと褒美をとらせる、と言った。すると年寄りの猟師がひとりやって来て、そのけだものなら捕まえてみせましょう、と言った。そこで人々は、猟師に安焼酎を一瓶、ワインを一瓶、ビールを一瓶渡さなければならなかった。猟師はそれを、けだものが毎日体を洗いにくる水辺に置いた。それから猟師は木の陰に隠れて立っていた。するとけだものがやって来て、瓶から飲み、口のまわりをすっかりなめまわして、だれかに見られていないかとあたりを見回した。やがてけだものは酔っぱらって、横になって眠ってしまった。そこで猟師は近づいていって、その手足を縛りあげ、それからまた起こして言った。「やい野人、いっしょに来な。そうすりゃ、こういうのを毎日飲ませてやるぞ」猟師は野人を領主のお城へ連れていった。人々は野人をお城の塔に入れ、領主は近隣の方々のところへ出かけていって、自分がどんなけだものを捕まえたか見にくるようにと言った。さて、若さまのひとりがボールで遊んでいて、そのボールを塔の中へ落としてしまった。その子は言った。「野人さん、ボールを投げ返しておくれよ」すると野人は言った。「ボールは自分で取りにきな」「だって」とその子は言った。「鍵を持ってないんだもの」――「なら、うまいことおっかさんのポケットに手を突っこんで、鍵を盗んでくるんだな」――そこでその子が塔の鍵を開けると、野人は外へ駆け出した。するとその子は泣きわめきはじめた。「ああ野人さん、ここにいておくれよ、でないとぼく、ぶたれちゃう」そこで野人はその子を首にまたがらせて、そのまま荒れ野の奥へ駆けこんでいった。野人はいなくなり、その子も行方知れずになってしまった! 野人は子どもに粗末な野良着を着せて、皇帝の宮廷の庭師のもとへやった。子どもはそこで、庭師の小僧はいりませんか、とたずねることになっていた。すると庭師は、おまえはあんまり汚らしいなりをしているから、ほかの者たちがいっしょに寝たがらないだろう、と言った。そこで少年は、わらの中で寝ます、と言った。そして毎朝早く庭へ出ていくと、野人が迎えにやって来て、「さあ顔を洗え、さあ髪をとかせ!」と言うのだった。そして野人は庭をそれは美しく整えたので、庭師自身でもそこまでうまくはできないほどだった。王女は毎朝その美しい少年を見ていた。そこで王女は庭師に、あの小さな見習い小僧に花束を届けさせてちょうだい、と言った。そして王女は少年に、おまえはどんな身分の生まれなの、とたずねた。少年は、さあ、それはわかりません、と答えた。すると王女は少年に、ドゥカート金貨をいっぱいに詰めた鶏の丸焼きを一羽くれた。少年は戻ってくると、そのお金を親方に渡して言った。「こんなもの、おれがもらってどうするんです。親方が使ってください」少年はもう一度王女に花束を届けなければならなかった。すると王女は、ドゥカート金貨をいっぱいに詰めたアヒルを一羽くれた。少年はそれもまた親方に渡した。それからもう一度、王女はドゥカート金貨をいっぱいに詰めたガチョウを一羽くれた。少年はそれもまた親方に渡した。王女は、あの子はお金を持っているのに、何ひとつ持っていないのだ、と思った。そして王女はこっそり少年と結婚した。すると王女の両親はかんかんに怒って、王女を醸造小屋に押しこめてしまった。王女はそこで糸を紡いで暮らしを立てなければならなかった。少年は台所へ行って、料理番が焼き肉の串を回すのを手伝い、ときどき肉をひと切れくすねては、妻のところへ持っていった。

Do kümmt so’n gewoltigen Krieg in Engelland, wo de Kaiser hin mott un alle de grauten Heerens, do seg de junge Mann, he wull do auck hen, ov se nig noh en Perd in Stall hedden, un se saden, se hedden noh ent, dat gönk up drei Beenen, dat wör em gut genog. He settet sick up dat Perd, dat Perd dat geit alle: husepus! husepus! Do kümmt em de wilde Mann in de möte (entgegen), do döt sick so’n grauten Berg up, do sind wull dusend Regimenter Soldaten un Offzeers in, do dät he schöne Kleeder an un krigd so’n schön Perd. Do tüt he met alle sin Volk in den Krieg noh Engelland, de Kaiser enfänk en so fröndlick un begerd en, he mög em doh biestoen. He gewinnt de Schlacht un verschleit alles. Do dät sick de Kaiser so bedanken vör em un frägd, wat he för’n Heer wöre, he segd: „dat froget mie men nig, dat kann ick ju nig seggen.“ He ritt met sin Volk wier ut Engelland, do kümmt em de wilde Mann wier entgiergen un döt alle dat Volk wier in den Berg, un he geit wier up sien dreibeenige Perd sitten. Do seget de Luide: „do kümmt usse Hunkepus wier an met dat dreibeenige Perd,“ un se froget: „wo hest du achter de Hierge (Hecke) lägen un hest schlopen?“ „Je, segd he, wenn ick der nig wör west, dann hädde et in Engelland nig gut gohn!“ Se segget: „Junge, schwieg stille, süs giv die de Heer wat upd’ Jack.“ – Un so genk et noh tweenmoel un ton derdenmoel gewient he alles; do kreeg he en Stick in den Arm, do niermt de Kaiser sinen Dock (Tuch) un verbind em de Wunden. Do neidigt (nöthigt) se em, he mög do bliewen, „ni, ick bliewe nig bie ju, un wat ick sin, geit ju nig an.“ Do kümmet em de wilde Mann wier entgiergen un deih alle dat Volk wier in den Berg un he genk wier up sin Perd sitten un genk wier noh Hues. Do lachten de Luide und segden: „do kümmt usse Hunkepus wier an, wo hest du doh lägen un schlopen?“ He seg: „ick heve förwohr nig slopen, nu is ganz Engelland gewunnen un et is en wohren Frerden (Frieden).“
Do segde de Kaiser von den schönen Ritter, de em hev biestohen; do seg de junge Mann to en Kaiser: „wöre ick nig bie ju west, et wöre nig guet gahen.“ Do will de Kaiser em wat upn Buckel gierwen, „ji, seg he, wenn ji dat nig gleiwen willt, will ick ju minen Arm wiesen“ un asse he den Arm wiest un asse de Kaiser de Wunde süt, do wert he gans verwündert un segd: „villicht büst du Gott sölvst ader en Engel, den mie Gott toschickt hev un bat em üm Verzeihnüß, dat he so grov met em handelt hädde, un schenket em sin ganse Kaisers Gut. Un de wilde Mann was erlöset un stund ase en grauten Künig för em un vertelde em de ganse Sacke un de Berg was en gans Künigs-Schloß un he trock met sine Frau derup un lerweten vergnögt bis an eeren Daud.“

そのうちイングランドで大きな戦争が起こり、皇帝も偉い殿さまたちもみなそこへ出向かなければならなくなった。すると若者は、自分もそこへ行きたいが、厩にまだ馬はいないか、と言った。人々は、まだ一頭いる、三本脚で歩く馬だが、おまえにはそれで十分だろう、と言った。若者がその馬にまたがると、馬はずっと「ひょっこらぽん! ひょっこらぽん!」と歩いた。すると野人が迎えにやって来て、大きな山がぱっくりと口を開けた。その中には兵隊と将校が千個連隊ほどもいた。そこで若者は美しい服を身につけ、とてもみごとな馬をもらった。こうして若者は手勢をみな引き連れて、イングランドの戦に出かけた。皇帝は若者をたいそう親しく迎え、どうか加勢してほしいと頼んだ。若者は戦に勝ち、敵をことごとく打ち負かした。皇帝は若者に厚く礼を言い、あなたはどちらのお方か、とたずねた。若者は言った。「それはどうかお聞きにならないでください。お話しするわけにはいかないのです」若者は手勢を連れてイングランドから引きあげた。すると野人がまた迎えにやって来て、手勢をみなまた山の中へしまいこみ、若者はまた三本脚の馬にまたがった。すると人々は言った。「ほれ、うちのひょこたん坊が三本脚の馬に乗って帰ってきたぞ」そしてたずねた。「どこの垣根の陰で寝ころがって、昼寝してたんだ?」「なあに」と若者は言った。「おれがあそこにいなかったら、イングランドじゃうまくいかなかったんだぞ!」人々は言った。「小僧、黙っとれ。でねえと旦那さまに背中をどやしつけられるぞ」――こうしてさらに二度同じことがあり、三度めには若者は何もかも勝ち取った。そのとき若者は腕に刺し傷を受けた。すると皇帝は自分の布を取って、その傷をしばってやった。皇帝たちはどうかここにとどまってほしいと若者にしきりに勧めたが、若者は言った。「いいえ、わたしはあなたがたのもとにはとどまりません。わたしが何者であるかは、あなたがたには関わりのないことです」すると野人がまた迎えにやって来て、手勢をみなまた山の中へしまいこみ、若者はまた自分の馬にまたがって、家へ帰っていった。人々は笑って言った。「ほれ、うちのひょこたん坊がまた帰ってきた。どこで寝ころがって昼寝してたんだ?」若者は言った。「おれはほんとうに寝てなんかいなかったさ。もうイングランドはすっかり勝ち取ったし、まことの平和が来たんだ」
皇帝は、自分に加勢してくれたあの美しい騎士の話をした。すると若者は皇帝に言った。「わたしがおそばにいなかったら、うまくはいかなかったでしょう」皇帝が若者の背中をひっぱたいてやろうとすると、若者は言った。「信じてくださらないのなら、わたしの腕をお見せしましょう」そして若者が腕を見せ、皇帝がその傷を見ると、皇帝はすっかり驚いて言った。「ひょっとすると、おまえは神さまご自身か、それとも神さまがわしのもとへ遣わしてくださった天使なのかもしれぬ」そして皇帝は、あんなに乱暴に扱ったことを許してくれと若者にわび、皇帝としての財産をそっくり若者に与えた。そして野人は魔法から解かれ、りっぱな王の姿になって若者の前に立ち、事の次第をすっかり話して聞かせた。あの山はそっくり王の城になっていた。若者は妻を連れてそこへ移り住み、二人は死ぬまで楽しく暮らした。

Kommentar解説

ミュンスター地方の方言で書かれた話。捕らえられた野人を逃がした少年が、野人の助けで戦に勝ち、王女とひそかに結婚する。最後に野人は呪いを解かれ、王の姿に戻る。兄弟はこれを「男の灰かぶり」と呼んだ一次。

1843年の第5版まで残り、1850年に「鉄のハンス」(KHM 136)に差し替えられた。1856年の注は、マイン地方の語りとアルニムの話集に基づく新しい版を採り、以前の版は「野人」だったと書く一次。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

50.

De wilde Mann.

(Aus dem Münsterland.) Merkwürdig ist in dem schönen Märchen, daß hier ganz eigentlich ein männlicher Aschenputtel vorkommt, wie es in den älteren sagen auch scheint gewesen zu seyn. Vgl. B.I. Anhang S. XVI. und die Nachtrage. Der schlechte Kittel, weshalb er wie Allerlei–Rauch (I. 65.) allein schlafen muß, sogar die gemeine Küchenarbeit kommen vor, und eben so kehrt er heimlich nach dem königlichsten Leben in seinen alten Zustand zurück, so daß er nur an einem äußeren Zeichen erkannt wird.

Zweiter Band · Nr. 57 (KHM 143) · 1815

Die Kinder in Hungersnoth飢饉の子どもたち

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類外国・書物から怖さ†††

Es war einmal eine Frau mit ihren zwei Töchtern in solche Armuth gerathen, daß sie auch nicht ein Bischen Brot mehr in den Mund zu stecken hatten. Wie nun der Hunger bei ihnen so groß ward, daß die Mutter ganz außer sich und in Verzweiflung gerieth, sprach sie zu der ältesten: „ich muß dich tödten, damit ich etwas zu essen habe.“ Die Tochter sagte: „ach, liebe Mutter, schont meiner, ich will ausgehen und sehen, daß ich etwas zu essen kriege ohne Bettelei.“ Da ging sie aus, kam wieder, und hatte ein Stückchen Brot eingebracht, das aßen sie miteinander, es war aber zu wenig, um den Hunger zu stillen. Darum hub die Mutter zur andern Tochter an: „so mußt du daran.“ Sie antwortete aber: „ach, liebe Mutter, schont meiner, ich will gehen und unbemerkt etwas zu essen anderswo ausbringen.“ Da ging sie hin, kam wieder und hatte zwei Stückchen Brot eingebracht; das aßen sie mit einander, es war aber zu wenig, um den Hunger zu stillen. Darum sprach die Mutter nach etlichen Stunden abermals zu ihnen: „ihr müsset doch sterben, denn wir müssen sonst verschmachten.“ Darauf antworteten sie: „liebe Mutter, wir wollen uns niederlegen und schlafen, und nicht eher wieder aufstehen, als bis der jüngste Tag kommt.“ Da legten sie sich hin und schliefen einen tiefen Schlaf, aus dem sie niemand erwecken konnte, die Mutter aber ist weggekommen und weiß kein Mensch, wo sie geblieben ist.

むかし、ある女とふたりの娘が、パンのかけらひとつ口に入れられないほど貧しくなった。飢えがひどくなって母親はすっかり正気を失い、絶望して上の娘に言った。「おまえを殺さなければ。そうすれば何か食べるものができる」。娘は言った。「ああお母さん、どうか助けて。物乞いをしないで何か食べるものを手に入れてくるから」。娘は出かけて戻り、パンをひとかけ持ち帰った。三人でそれを食べたが、飢えをしのぐには足りなかった。そこで母親は下の娘に言った。「それなら、おまえの番だ」。下の娘は答えた。「ああお母さん、どうか助けて。誰にも気づかれずに、どこかで食べものを見つけてくるから」。娘は出かけて戻り、パンをふたかけ持ち帰った。三人でそれを食べたが、飢えをしのぐには足りなかった。そこで母親は数時間後、またふたりに言った。「おまえたちは死ぬしかない。でなければ皆が飢え死にしてしまう」。ふたりは答えた。「お母さん、わたしたちは横になって眠ります。最後の審判の日が来るまで、もう起きません」。ふたりは横になり、誰にも起こせない深い眠りについた。母親はどこかへ行ってしまい、どこへ消えたのか誰も知らない。

Kommentar解説

飢えた母が娘に「おまえを殺さなければ、食べるものがない」と言う。娘たちはパンを持ち帰るが足りず、「最後の審判の日まで眠ります」と言って二度と目を覚まさない。母はどこかへ消える。

兄弟の注によれば、出典はプレトリウス『冒険の福袋』(1669)で、母はボヘミアのエーガー近くの村の人とされる一次。1819年の序文は「昔話は名前も場所も知らない」と書いて、実在の土地に結びつく伝説と区別している一次。この線引きで外されたと見られる推定。同じ番号には低地ドイツ語の笑い話「旅に出る」が入った。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

57.

Kinder in Hungersnoth.

(No. 57. – 69. aus schriftlichen Quellen gesammelt.)

Prätorius (im Abentheuerlichen Glückstopf, 1669. S. 191. 192.) gibt die Sage, wie er sie gehört hat, die Mutter soll zu Grafelitz über Eger in Böhmen gelebt haben.

Zweiter Band · Nr. 66 (KHM 152) · 1815

Die heilige Frau Kummerniß聖女クンメルニス

載った版初版のみ行方1819年、第2版で消えた分類理由不明怖さ††

Es war einmal eine fromme Jungfrau, die gelobte Gott, nicht zu heirathen, und war wunderschön, so daß es ihr Vater nicht zugeben und sie gern zur Ehe zwingen wollte. In dieser Noth flehte sie Gott an, daß er ihr einen Bart wachsen lassen sollte, welches alsogleich geschah; aber der König ergrimmte und ließ sie an’s Kreutz schlagen, da ward sie eine Heilige.

昔、信心深い乙女がいて、神さまに結婚しないと誓いをたてていた。ところがたいへん美しかったので、父親はそれを許さず、なんとしても無理やり嫁がせようとした。この苦境のなかで、乙女は神さまに、どうか自分にひげを生やしてくださいと祈った。するとすぐにそのとおりになった。けれども王はひどく怒って、娘を十字架にはりつけにさせた。こうして乙女は聖女になった。

Nun geschah’ es, daß ein gar armer Spielmann in die Kirche kam, wo ihr Bildniß stand, kniete davor nieder, da freute es die Heilige, daß dieser zuerst ihre Unschuld anerkannte, und das Bild, das mit güldnen Pantoffeln angethan war, ließ einen davon los- und herunterfallen, damit er dem Pilgrim zu gut käme. Der neigte sich dankbar und nahm die Gabe.

さて、あるとき、たいそう貧しい楽師が、聖女の像の立っている教会へやってきて、像の前にひざまずいた。聖女は、この男がはじめて自分の潔白を認めてくれたのを喜んだ。そして金の上靴をはいていた像は、その片方を脱いで下へ落とし、この巡礼の役に立つようにした。楽師はありがたく頭をさげて、その贈りものを受けとった。

Bald aber wurde der Goldschuh in der Kirchen vermißt, und geschah allenthalben Frage, bis er zuletzt bei dem armen Geigerlein gefunden, auch es als ein böser Dieb verdammt und ausgeführt wurde, um zu hangen. Unterwegs aber ging der Zug an dem Gotteshaus vorbei, wo die Bildsäule stand, begehrte der Spielmann hineingehen zu dürfen, daß er zu guter Letzt Abschied nähme mit seinem Geiglein und seiner Gutthäterin die Noth seines Herzens klagen könnte. Dies wurde ihm nun erlaubt. Kaum aber hat er den ersten Strich gethan, siehe, so ließ das Bild auch den andern güldnen Pantoffel herabfallen, und zeigte damit, daß er des Diebstahls unschuldig wäre. Also wurde der Geiger der Eisen und Bande ledig, zog vergnügt seiner Straßen, die heil. Jungfrau aber hieß Kummerniß.

ところがまもなく、教会から金の靴がなくなっていることがわかり、あちこちで詮議がおこなわれたあげく、とうとう貧しいヴァイオリン弾きのところで見つかった。そして彼は悪い盗人として有罪とされ、絞首刑にされるために引きたてられていった。ところが途中で、行列が像の立っている教会の前を通りかかったので、楽師は、最後の別れに愛用の小さなヴァイオリンで一曲弾き、恩人に胸の苦しみを訴えたいので、中に入らせてほしいと願いでた。これは許された。ところが彼が最初のひと弓を引くか引かないかのうちに、見よ、像はもう片方の金の上靴も下へ落として、彼が盗みについて潔白であることを示したのだった。こうしてヴァイオリン弾きは鉄の枷も縄も解かれ、喜んで自分の道を去っていった。そしてこの聖なる乙女はクンメルニスと呼ばれた。

Kommentar解説

結婚を拒んで神にひげを生やしてもらった乙女が、怒った父王に十字架にかけられ、聖女になる。その像は貧しい楽師に金の靴を落としてやり、盗みの罪で絞首台へ引かれていく彼を救う。

兄弟の注は「聖人伝説から昔話へ傾いたもの」とする一次。1819年に消えた。理由の記述はない不明。

Anmerkung der Brüder Grimm兄弟の注(原文)

初版付録

66.

Die heilige Frau Kummerniß.

Neigt sich wie Nr. I. 81. I, 3. II. 1. II. 35. aus der heil. Legende ins Märchen. Vergl. Strobl ovum paschale p. 216. 217. und Benign. Kybl Wunderspiegel I. 505. über die letzte Spielmannsbitte s. Nr. 24. den Jud im Dorn. Man hat mehr als eine Sage von Heiligenbildern, die aus Gnade einen Finger der Hand ausstrecken, um den Ring daraus fallen zu lassen. Der heil. Sebald zu Nürnberg, als ein frecher Gesell sein Bild am Bart zupfte und sprach: Alter, wie schmeckt dir der Most? regte die Hand und gab ihm eine Ohrfeige, daß die fünf Finger auf der Wange unvertilgliche Spuren drückten. (Wagenseil. de civit. Norimberg. Altdorf 1697. 4. p. 37 – 57.) S. auch de beiden Künigeskinner (Nr. 27.) wo der steinerne Mann mit dem Kopf nickt.

4. Auflage · Nr. 175 · 1840

Das Unglück不運

載った版1840〜1850年版行方1857年、第7版で消えた分類理由の明記怖さ†

Wen das Unglück aufsucht, der mag sich aus einer Ecke in die andere verkriechen, oder ins weite Feld fliehen, es weiß ihn dennoch zu finden. Es war einmal ein Mann so arm geworden, daß er kein Scheit Holz mehr hatte, um das Feuer auf seinem Herde zu erhalten. Da gieng er hinaus in den Wald, und wollte einen Baum fällen, aber sie waren alle zu groß und stark: er gieng immer tiefer hinein, endlich fand er einen, den er wohl bezwingen konnte. Als er eben die Axt aufgehoben hatte, sah er aus dem Dickicht eine Schaar Wölfe hervor brechen, und mit Geheul auf ihn eindringen. Er warf die Axt hin, floh, und erreichte eine Brücke. Das tiefe Wasser aber hatte die Brücke unterwühlt, und in dem Augenblick, wo er darauf treten wollte, krachte sie, und fiel zusammen. Was sollte er thun? Blieb er stehen, und erwartete die Wölfe, so zerrissen sie ihn. Er wagte in der Noth einen Sprung in das Wasser, aber da er nicht schwimmen konnte, sank er hinab. Ein paar Fischer, die an dem jenseitigen Ufer saßen, sahen den Mann ins Wasser stürzen, schwammen herbei, und brachten ihn ans Land. Sie lehnten ihn an eine alte Mauer, damit er sich in der Sonne erwärmen und wieder zu Kräften kommen sollte. Als er aber aus der Ohnmacht erwachte, den Fischern danken und ihnen sein Schicksal erzählen wollte, fiel das Gemäuer über ihn zusammen, und erschlug ihn.

不運に見こまれた者は、隅から隅へ逃げかくれようと、広い野原へ逃げだそうと、それでも不運はちゃんとその人を見つけだすものだ。昔、ひとりの男がたいそう貧乏になって、かまどの火を絶やさずにおくための薪がひと切れもなくなってしまった。そこで男は森へ出かけて、木を一本切り倒そうとしたが、どの木も大きくて丈夫すぎた。男はどんどん奥へ入っていき、やっと、これなら自分の手に負えそうだという木を一本見つけた。ちょうど斧をふりあげたとき、茂みの中から狼の群れが飛びだしてきて、吠えたてながら男におそいかかってくるのが見えた。男は斧を放りだして逃げ、一本の橋にたどりついた。ところが深い川の水が橋の下をえぐっていたので、男が足を踏みだそうとしたその瞬間、橋はめりめりと音をたてて崩れ落ちた。どうしたらいいだろう? そのまま立って狼を待っていれば、引き裂かれてしまう。男は窮地のあまり、思いきって水の中へ飛びこんだが、泳げなかったので沈んでいった。向こう岸にすわっていた漁師が二人ほど、男が水に落ちるのを見て、泳いでいって陸へ引きあげてくれた。漁師たちは男を古い石垣にもたせかけて、日なたで体をあたため、元気を取りもどせるようにしてやった。ところが男が気絶から目をさまし、漁師たちに礼を言って、自分の身の上を話そうとしたとき、石垣が男の上に崩れ落ちてきて、男は打ち殺されてしまった。

Kommentar解説

不運につきまとわれた男が、狼から逃げ、崩れる橋から川に落ち、助け上げられた先で石垣の下敷きになって死ぬ。最後まで救いのない一編。

1840年の第4版で加わり、1857年に「月」に差し替えられた。1856年の注で兄弟は「キルヒホーフ『ヴェンドゥンムート』から採ったが、ビドパイ(インド起源の寓話集)に由来するので、次の版では『月』を入れる」と予告している一次。

5. Auflage · Nr. 182 · 1843

Die Erbsenprobeえんどう豆の試し

載った版1843年版のみ行方1850年、第6版で消えた分類理由の明記

Es war einmal ein König, der hatte einen einzigen Sohn, der wollte sich gern vermählen, und bat seinen Vater um eine Frau. „Dein Wunsch soll erfüllt werden, mein Sohn,“ sagte der König, „aber es will sich nicht schicken daß du eine andere nimmst als eine Prinzessin, und es ist gerade in der Nähe eine zu haben. Indessen will ich es bekannt machen lassen, vielleicht meldet sich eine aus der Ferne.“ Es ging also ein offenes Schreiben aus, und es dauerte nicht lange, so meldeten sich Prinzessinnen genug. Fast jeden Tag kam eine, wenn aber nach ihrer Geburt und Abstammung gefragt wurde, so ergab sichs daß es keine Prinzessin war, und sie mußte unverrichteter Sache wieder abziehen. „Wenn das so fortgeht,“ sagte der Prinz, „so bekomm ich am Ende gar keine Frau.“ „Beruhige dich, mein Söhnchen,“ sagte die Königin, „eh du dichs versiehst, so ist eine da; das Glück steht oft vor der Thüre, man braucht sie nur aufzumachen.“ Es war wirklich so, wie die Königin gesagt hatte.

昔あるところに王がいて、ひとり息子があった。息子は妻をめとりたいと思い、父に妻を求めた。「おまえの望みはかなえてやろう、息子よ」と王は言った。「だが、王女でない者をめとるのはふさわしくない。ところがあいにく、近くにはひとりもおらん。ともかくお触れを出させよう。もしかすると遠くから名乗り出る者があるかもしれん」。そこでお触れ書きが出され、まもなく王女たちがいくらでも名乗り出てきた。ほとんど毎日のようにひとりずつやって来たが、生まれと家柄をたずねてみると、王女ではないことがわかり、そのたびに娘はむなしく引き返すほかなかった。「このままでは、しまいにはお嫁さんがひとりももらえなくなってしまう」と王子は言った。「落ち着きなさい、坊や」と王妃は言った。「思いもよらないうちに、ちゃんと現れますよ。幸せはよく戸口の前に立っているもの。戸を開けてやりさえすればいいのです」。本当に、王妃の言ったとおりになった。

Bald hernach, an einem stürmischen Abend, als Wind und Regen ans Fenster schlugen, ward heftig an das Thor des königlichen Palastes geklopft. Die Diener öffneten, und ein wunderschönes Mädchen trat herein, das verlangte gleich vor den König geführt zu werden. Der König wunderte sich über den späten Besuch, und fragte sie woher sie käme, wer sie wäre und was sie begehre. „Ich komme aus weiter Ferne,“ antwortete sie, „und bin die Tochter eines mächtigen Königs. Als eure Bekanntmachung mit dem Bildnis eures Sohnes in meines Vaters Reich gelangte, habe ich heftige Liebe zu ihm empfunden und mich gleich auf den Weg gemacht, in der Absicht seine Gemahlin zu werden.“ „Das kommt mir ein wenig bedenklich vor,“ sagte der König, „auch siehst du mir gar nicht aus wie eine Prinzessin. Seit wann reist eine Prinzessin allein ohne alles Gefolge und in so schlechten Kleidern?“ „Das Gefolge hätte mich nur aufgehalten,“ erwiderte sie, „die Farbe an meinen Kleidern ist in der Sonne verschossen, und der Regen hat sie vollends herausgewaschen. Glaubt ihr nicht daß ich eine Prinzessin bin, so sendet nur eine Botschaft an meinen Vater.“ „Das ist mir zu weitläuftig,“ sagte der König, „eine Gesandtschaft kann nicht so schnell reisen, wie du. Die Leute müssen die nöthige Zeit dazu haben; es würden Jahre vergehen, ehe sie wieder zurück kämen. Kannst du nicht auf andere Art beweisen, daß du eine Prinzessin bist, so blüht hier dein Waizen nicht, und du thust besser je eher je lieber dich wieder auf den Heimweg zu machen.“ „Laß sie nur bleiben,“ sagte die Königin, „ich will sie auf die Probe stellen, und will bald wissen ob sie eine Prinzessin ist.“

それからまもなく、嵐の晩のこと、風と雨が窓を打ちつけているときに、王の宮殿の門が激しくたたかれた。召使いたちが開けると、たいへん美しい娘が入ってきて、すぐに王の前へ連れていってほしいと言った。王はこんな遅い訪問をいぶかしみ、どこから来たのか、何者なのか、何が望みなのかとたずねた。「わたしははるか遠くから参りました」と娘は答えた。「力ある王の娘でございます。あなたさまのお触れが、ご子息の肖像画とともに父の国に届いたとき、わたしは王子さまに激しい恋心をいだき、そのお妃になるつもりで、すぐさま旅に出たのです」。「それはいささか怪しいな」と王は言った。「それにおまえは、どう見ても王女には見えん。いつから王女が供の者ひとり連れず、しかもそんなみすぼらしい服でひとり旅をするようになったのだ」。「お供など連れていたら、足手まといになるばかりでしたわ」と娘は言い返した。「服の色はお日さまに焼けて褪せてしまい、そのうえ雨がすっかり洗い流してしまいました。わたしが王女だとお信じにならないなら、どうぞ父のもとへ使いをお出しください」。「それはまどろっこしすぎる」と王は言った。「使節というものは、おまえのようにすばやくは旅できん。人にはそれだけの時間がいるものだ。戻ってくるまでに何年もかかってしまうだろう。ほかのやり方で王女だと証明できないのなら、ここにいてもおまえの花は咲かんぞ。一刻も早く帰り道につくがよかろう」。「まあ、ここにいさせておあげなさい」と王妃は言った。「わたしがこの娘を試してみましょう。王女かどうか、じきにわかりますよ」。

Die Königin stieg selbst den Thurm hinauf, und ließ in einem prächtigen Gemach ein Bett zurecht machen. Als die Matratze herbeigebracht war, legte sie drei Erbsen darauf, eine oben hin, eine in die Mitte und eine unten hin, dann wurden noch sechs weiche Matratzen darüber gebreitet, Linnentücher und eine Decke von Eiderdunen. Wie alles fertig war, führte sie das Mädchen hinauf in die Schlafkammer. „Nach dem weiten Weg wirst du müde sein, mein Kind,“ sagte sie, „schlaf dich aus: Morgen wollen wir weiter sprechen.“

王妃はみずから塔をのぼり、豪華な部屋に寝床をしつらえさせた。敷き布団が運ばれてくると、王妃はその上にえんどう豆を三粒置いた。ひとつは上のほうに、ひとつは真ん中に、ひとつは下のほうに。それからさらにやわらかな敷き布団が六枚その上に重ねられ、亜麻布のシーツと、ケワタガモの羽毛の掛け布団がかけられた。すっかり支度がととのうと、王妃は娘を寝室へ連れてあがった。「遠い道のりで疲れたでしょう、娘さん」と王妃は言った。「ぐっすりおやすみなさい。あすまた話の続きをしましょう」。

Kaum war der Tag angebrochen, so stieg die Königin schon den Thurm hinauf in die Kammer. Sie dachte das Mädchen noch in tiefem Schlaf zu finden, aber es war wach. „Wie hast du geschlafen, mein Töchterchen?“ fragte sie. „Erbärmlich,“ antwortete die Prinzessin, „ich habe die ganze Nacht kein Auge zugethan.“ „Warum? mein Kind, war das Bett nicht gut?“ „In einem solchen Bett hab ich mein Lebtag noch nicht gelegen, hart vom Kopf bis zu den Füßen; es war als wenn ich auf lauter Erbsen läge.“ „Ich sehe wohl,“ sagte die Königin, „du bist eine echte Prinzessin. Ich will dir königliche Kleider schicken, Perlen und Edelsteine: schmücke dich wie eine Braut. Wir wollen noch heute die Hochzeit feiern.“

夜が明けるか明けないかのうちに、王妃はもう塔をのぼって部屋へ行った。娘はまだぐっすり眠っているだろうと思っていたが、娘は目を覚ましていた。「よく眠れましたか、娘や」と王妃はたずねた。「ひどいものでしたわ」と王女は答えた。「ひと晩じゅう、一睡もできませんでした」。「どうして、おまえ。寝床がよくなかったの?」「あんな寝床には、生まれてこのかた寝たことがございません。頭から足の先までごつごつして、まるで豆ばかりの上に寝ているようでした」。「よくわかりました」と王妃は言った。「あなたはまことの王女です。王家の衣装を届けさせましょう、真珠も宝石も。花嫁のように着飾りなさい。今日のうちに婚礼をあげましょう」。

Kommentar解説

本物の王女を見分けるため、寝床の下に豆を仕込む話。アンデルセンの「えんどう豆の上のお姫さま」と同じ筋である。

1843年の第5版にだけ載り、1850年に「小人たちの贈り物」に差し替えられた。1856年の注で兄弟は「おそらくアンデルセン由来なので外した」と明言している一次。

訳について。原文の王の台詞は「ちょうど近くに一人いる(eine)」と読めるが、続く「遠くから名乗り出るかもしれない」と矛盾するので、「いない(keine)」の誤りと見て訳した。

5. Auflage · Nr. 191 · 1843

Der Räuber und seine Söhne盗賊とその息子たち

載った版1843〜1850年版行方1857年、第7版で消えた分類理由不明怖さ††

Es war einmal ein Räuber, der hauste in einem großen Walde, und lebte mit seinen Gesellen in Schluchten und Felsenhöhlen, und wenn Fürsten, Herrn und reiche Kaufleute auf der Landstraße zogen, so lauerte er ihnen auf, und raubte ihnen Geld und Gut. Als er zu Jahren kam so gefiel ihm das Handwerk nicht mehr, und es gereute ihn daß er so viel Böses gethan hatte. Er hub also an ein besseres Leben zu führen, lebte redlich, und that Gutes, wo er konnte. Die Leute wunderten sich daß er sich so schnell bekehrt hatte, aber sie freuten sich darüber. Er hatte drei Söhne, als die herangewachsen waren, rief er sie vor sich, und sprach „liebe Kinder, sagt mir was für ein Handwerk wollt ihr erwählen, womit ihr euch ehrlich ernähren könnt?“ Die Söhne besprachen sich mit einander, und gaben ihm dann zur Antwort „der Apfel fällt nicht weit vom Stamm, wir wollen uns ernähren, wie ihr euch ernährt habt: wir wollen Räuber werden. Ein Handwerk, wobei wir von Morgen bis Abend uns abarbeiten, und doch wenig Gewinn und ein mühseliges Leben haben, das gefällt uns nicht.“ „Ach, liebe Kinder,“ antwortete der Vater, „warum wollt ihr nicht ruhig leben und mit wenigem zufrieden sein. Ehrlich währt am längsten. Die Räuberei ist eine böse und gottlose Sache, die zu einem schlimmen Ende führt: an dem Reichthum, den ihr zusammenbringt, habt ihr keine Freude: ich weiß ja wie es mir dabei zu Muth gewesen ist. Ich sage euch es nimmt einen schlechten Ausgang. Der Krug geht so lange zu Wasser bis er bricht: ihr werdet zuletzt ergriffen, und an den Galgen gehenkt.“ Die Söhne aber achteten nicht auf seine Ermahnungen, und blieben bei ihrem Vorsatz.

むかし、ひとりの盗賊がいて、大きな森に住みつき、仲間たちといっしょに谷間や岩穴で暮らしていた。そして王侯や貴人や金持ちの商人たちが街道を通りかかると、待ち伏せして金や品物を奪いとった。ところが年をとるにつれて、盗賊はこの稼業がいやになり、これまでさんざん悪事をはたらいてきたことを悔やむようになった。そこで盗賊はもっとましな暮らしを始め、まっとうに生きて、できるかぎり善いことをした。人々は、盗賊がこんなにもあっさり改心したことに驚いたが、喜びもした。盗賊には三人の息子がいた。息子たちが大きくなると、父親は三人を前に呼んで言った。「かわいい子どもたちよ、言っておくれ。まっとうに暮らしを立てていくのに、おまえたちはどんな職を選ぶつもりだね?」息子たちは互いに相談してから、こう答えた。「りんごは木から遠くへは落ちない、って言うでしょう。おれたちは、父さんが暮らしを立ててきたやり方で暮らしを立てたい。盗賊になるんだ。朝から晩まで汗水たらして働いても、もうけはわずかで、苦労ばかりの暮らしになるような職は、おれたちの好みじゃない」「ああ、かわいい子どもたちよ」と父親は答えた。「どうしておまえたちは静かに暮らして、わずかなもので満足しようとしないのだ。正直こそいちばん長もちするものだ。盗みは悪い、神をおそれぬ所業で、ろくな終わりかたをしない。かき集めた富だって、ちっとも喜びにはならないのだ。わしはそれがどんな気持ちのするものか、よく知っている。言っておくが、ろくなことにはならない。水がめも水汲みに通ううちに、いつかは割れる。おまえたちもしまいには捕らえられて、絞首台に吊るされるのだぞ」けれども息子たちは父親の戒めに耳を貸さず、決心を変えなかった。

Nun wollten die drei Jünglinge gleich ihr Probestück machen. Sie wußten daß die Königin in ihrem Stall ein schönes Pferd hatte, das von großem Werth war, das wollten sie ihr stehlen. Sie wußten auch daß das Pferd kein ander Futter fraß als ein saftiges Gras, das allein in einem feuchten Wald wuchs. Sie giengen also hinaus, schnitten das Gras ab, und machten einen großen Bündel daraus, in welchen die beiden ältesten den jüngsten und kleinsten steckten, so daß er nicht konnte gesehen werden. Sie trugen den Bündel auf den Markt, wo der Stallmeister der Königin ihn kaufte, zu dem Pferd in den Stall tragen und hinlegen ließ. Als es Mitternacht war, und jedermann schlief, machte sich der Kleine aus dem Grasbündel heraus, band das Pferd ab, zaumte es mit dem goldenen Zaum, und legte ihm das goldgestickte Reitzeug an, und die Schellen, die daran hiengen, verstopfte er mit Wachs, damit sie keinen Klang gäben. Dann öffnete er die verschlossene Pforte, und ritt auf dem Pferd in aller Eile fort nach dem Ort, wohin ihn seine Brüder beschieden hatten. Allein die Wächter in der Stadt bemerkten den Dieb, eilten ihm nach, und als sie ihn draußen mit seinen Brüdern fanden, nahmen sie alle drei gefangen, und führten sie in das Gefängnis.

さて三人の若者は、さっそく腕だめしをしてみようとした。王妃の厩にたいそう値打ちのある美しい馬がいることを知っていたので、それを王妃から盗み出そうというのだ。その馬が、湿った森の中にしか生えないみずみずしい草のほかには、どんな飼い葉も食べないことも知っていた。そこで三人は森へ出かけていって草を刈り、大きな束をこしらえた。そして上のふたりが、末のいちばん小さな弟をその束の中にもぐりこませ、外から見えないようにした。ふたりはその束を市場へ運んでいった。すると王妃の厩舎頭がそれを買いとり、厩の馬のところへ運ばせて置かせた。真夜中になって、だれもが寝静まると、小さな弟は草の束から抜け出して、馬をつないであった綱をほどき、金のくつわをはめ、金の刺繍をほどこした馬具をつけた。馬具に下がっている鈴には、音が鳴らないように蝋をつめた。それから閉ざされた門を開けて、兄たちと落ちあうことにしておいた場所へ、馬に乗って大急ぎで走り去った。ところが町の番兵たちが泥棒に気づいて、あとを追いかけ、町の外で弟が兄たちといっしょにいるところを見つけると、三人とも捕らえて牢屋へ引ったてていった。

Am andern Morgen wurden sie vor die Königin geführt, und als diese sah daß es drei schöne Jünglinge waren, so forschte sie nach ihrer Herkunft, und vernahm daß es die Söhne des alten Räubers wären, der seine Lebensweise geändert und als ein gehorsamer Unterthan gelebt hatte. Sie ließ sie also wieder in das Gefängnis zurückführen und bei dem Vater anfragen ob er seine Söhne lösen wollte. Der Alte kam, und sagte „meine Söhne sind nicht werth daß ich sie mit einem Pfennig löse.“ Da sprach die Königin zu ihm „du bist ein weitbekannter, verrufener Räuber gewesen, erzähle mir das merkwürdigste Abenteuer aus deinem Räuberleben, so will ich dir deine Kinder wiedergeben.“

あくる朝、三人は王妃の前に引き出された。王妃は三人が美しい若者たちであるのを見ると、その素性を問いただし、彼らがあの年老いた盗賊の息子たちで、その盗賊は暮らしぶりを改めて、従順な臣下として暮らしてきたのだと知った。そこで王妃は三人をまた牢屋へもどさせ、父親のところへ使いをやって、息子たちを請けもどす気はあるかとたずねさせた。老人はやってきて言った。「わしの息子どもは、一ペニヒ払って請けもどしてやる値打ちもございません」すると王妃は老人に言った。「おまえはその名を知られた、悪名高い盗賊だったそうだね。盗賊暮らしのなかでいちばん不思議な冒険の話を聞かせておくれ。そうすれば子どもたちを返してあげよう」

Als der Alte das vernahm, hub er an „Frau Königin, hört meine Rede, ich will euch ein Ereignis erzählen, was mich mehr erschreckt hat als Feuer und Wasser. Ich brachte in Erfahrung daß in einer wilden Waldschlucht zwischen zwei Bergen, zwanzig Meilen von den Menschen entfernt, ein Riese lebte, der einen großen Schatz, viel tausend Mark Silber und Gold besäße. Ich wählte also aus meinen Gesellen so viele aus, daß unser hundert waren, und wir zogen hin. Es war ein langer mühsamer Weg zwischen Felsen und Abgründen. Wir fanden den Riesen nicht zu Haus, waren froh darüber, und nahmen von dem Gold und Silber so viel wir tragen konnten. Als wir damit uns auf den Heimweg machen wollten, und ganz sicher zu sein glaubten, da kam der Riese mit zehn andern Riesen unversehens daher, und nahm uns alle gefangen. Sie theilten uns unter sich aus: jeder erhielt zehen von uns, und ich fiel mit neun meiner Gesellen dem Riesen zu, dem wir seinen Schatz genommen hatten. Er band uns die Hände auf den Rücken, und trieb uns wie Schafe in seine Felsenhöhle. Wir waren bereit uns mit Geld und Gut zu lösen, er aber antwortete „eure Schätze brauche ich nicht, ich will euch behalten, und euer Fleisch verzehren, das ist mir lieber.“ Dann befühlte er uns alle, wählte einen aus, und sprach „der ist der fetteste, mit dem will ich den Anfang machen.“ Dann schlug er ihn nieder, warf das zerschnittene Fleisch in einen Kessel mit Wasser, den er über das Feuer setzte, und als es gesotten war, hielt er seine Mahlzeit. So aß er jeden Tag einen von uns, und weil ich der magerste war, so sollte ich der letzte sein. Als nun meine neun Gesellen aufgezehrt waren, und die Reihe an mich kam, so besann ich mich auf eine List. „Ich sehe wohl daß du böse Augen hast,“ sprach ich zu ihm, „und am Gesicht leidest: ich bin ein Arzt und bin in meiner Kunst wohl erfahren, ich will dir deine Augen heilen, wenn du mir mein Leben lassen willst.“ Er sicherte mir mein Leben zu, wenn ich das vermöchte. Er gab mir alles was ich dazu verlangte. Ich that Öl in einen Kessel, mengte Schwefel, Pech, Salz, Arsenik und andere verderbliche Dinge hinein, und stellte den Kessel über das Feuer, als wollte ich ein Pflaster für seine Augen bereiten. Sobald das Öl im Sieden war, mußte der Riese sich niederlegen, und ich goß ihm alles, was im Kessel war, auf die Augen, über den Hals und den Leib, so daß er das Gesicht völlig verlor, und die Haut am ganzen Leib verbrannte und zusammenschrumpfte. Er fuhr mit entsetzlichem Geheul in die Höhe, warf sich wieder zur Erde, wälzte sich hin und her, und schrie und brüllte dabei wie ein Löwe oder ein Ochse. Dann sprang er in Wuth auf, packte eine große Keule, und in dem Haus umher laufend, schlug er auf die Erde und gegen die Wand, und dachte mich zu treffen. Entfliehen konnte ich nicht, denn das Haus war überall von hohen Mauern umgeben, und die Thüren waren mit eisernen Riegeln verschlossen. Ich sprang aus einem Winkel in den andern, endlich wußte ich mir nicht anders zu helfen, ich stieg auf einer Leiter bis zu dem Dach, und hieng mich mit beiden Händen an den Hahnenbalken. Da hieng ich einen Tag und eine Nacht, als ich es aber nicht länger aushalten konnte, so stieg ich wieder herab, und mischte mich unter die Schafe. Da mußte ich behend sein, und immer mit den Thieren zwischen seinen Beinen hindurchlaufen ohne daß er mich gewahr ward. Endlich fand ich in einer Ecke unter den Schafen die Haut eines Widders liegen, ich schlüpfte hinein, und wußte es so zu machen, daß mir die Hörner des Thiers gerade auf dem Kopf standen. Der Riese hatte die Gewohnheit, wenn die Schafe hinaus auf die Weide gehen sollten, so ließ er sie vorher durch seine Beine laufen. Da zählte er sie, und welches am feißtesten war, das packte er, kochte es, und hielt damit seine Mahlzeit. Ich wäre bei dieser Gelegenheit gerne davon gelaufen, und drängte mich durch seine Beine, wie die Schafe thaten, als er mich aber packte, und merkte daß ich schwer war, so sprach er „du bist feißt, du sollst mir heute meinen Bauch füllen.“ Ich that einen Satz, und entsprang ihm aus den Händen, aber er ergriff mich wieder. Ich entkam nochmals, aber er packte mich aufs neue, und so gieng es siebenmal. Da ward er zornig und sprach „lauf hin, die Wölfe mögen dich fressen, du hast mich genug genarrt.“ Als ich draußen war, warf ich die Haut ab, rief ihm spöttisch zu daß ich ihm doch entsprungen wäre, und höhnte ihn. Er zog einen Ring vom Finger und sprach „nimm diesen goldenen Ring als eine Gabe von mir, du hast ihn wohl verdient. Es ziemt sich nicht daß ein so listiger und behender Mann unbeschenkt von mir gehe.“ Ich nahm den Ring, und steckte ihn an meinen Finger, aber ich wußte nicht daß ein Zauber darin lag. Von dem Augenblick an, wo er mir am Finger saß, mußte ich unaufhörlich rufen „hier bin ich! hier bin ich!“ ich mochte wollen oder nicht. Da der Riese daran merken konnte wo ich mich befand, so lief er mir in den Wald nach. Dabei rannte er, weil er blind war, jeden Augenblick gegen einen Ast oder einen Stamm, und fiel nieder wie ein mächtiger Baum, aber er erhob sich schnell wieder und da er lange Beine hatte, und große Schritte machen konnte, so holte er mich immer wieder ein, und war mir schon ganz nahe, denn ich rief ohne Unterlaß „hier bin ich! hier bin ich.“ Ich merkte wohl daß der Ring die Ursache meines Geschreies war, und wollte ihn abziehen, aber ich vermochte es nicht. Da blieb mir nichts anderes übrig, ich biß mir mit meinen Zähnen den Finger ab. In dem Augenblick hörte ich auf zu rufen, und entlief glücklich dem Riesen. Zwar hatte ich meinen Finger verloren, aber ich hatte doch mein Leben behalten.“

老人はそれを聞くと、語りはじめた。「王妃さま、わたしの話をお聞きください。火や水よりもわたしをおびえさせた出来事をお話しいたしましょう。人里から二十マイルも離れた、ふたつの山にはさまれた荒れはてた森の谷間に、ひとりの巨人が住んでいて、大きな宝、何千マルクもの銀と金を持っている、ということをわたしは聞きこみました。そこでわたしは仲間のなかから人数をえりすぐり、総勢百人となって、そこへ出かけていきました。岩や断崖のあいだをぬっていく、長くつらい道のりでした。巨人は留守だったので、わたしたちは喜んで、金と銀を運べるだけ持ち出しました。それを持って帰り道につこうとし、もうすっかり安心だと思っていたところへ、巨人がほかに十人の巨人を連れて不意にやってきて、わたしたちをみな捕らえてしまいました。巨人たちはわたしたちを分けあい、ひとりにつき十人ずつ受けとりました。わたしは仲間九人といっしょに、わたしたちが宝を奪ったあの巨人の手に落ちました。巨人はわたしたちの両手をうしろで縛り、羊のように岩穴の住まいへ追いこみました。わたしたちは金や品物で身代金を払おうと申し出ましたが、巨人は答えました。『おまえらの宝などいらん。おまえらを手もとに置いて、その肉を食らうほうがいい』それから巨人はわたしたちをひとりずつ手でさわって確かめ、ひとりを選び出して言いました。『こいつがいちばん脂がのっている。こいつから始めるとしよう』そしてその男を打ち殺し、切りわけた肉を水の入った大鍋に放りこんで火にかけ、煮えあがると食事にしました。こうして巨人は毎日わたしたちをひとりずつ食べ、わたしはいちばんやせていたので、最後に回されることになりました。さて九人の仲間が食い尽くされ、わたしの番がまわってきたとき、わたしはひとつ策を思いつきました。『あんたは目を病んでいて、よく見えないようだな』とわたしは巨人に言いました。『わたしは医者で、腕には覚えがある。命を助けてくれるなら、その目を治してやろう』巨人は、もしそれができるなら命は助けてやると約束し、わたしが求めるものはなんでもよこしました。わたしは大鍋に油を入れ、硫黄、松やに、塩、砒素、そのほかの毒になるものをまぜこみ、目にはる膏薬でもこしらえるようなふりをして、鍋を火にかけました。油がぐらぐら煮えたつと、わたしは巨人を横にならせ、鍋の中身をすっかり、巨人の目に、首に、体じゅうに浴びせかけました。巨人は視力をすっかり失い、全身の皮膚が焼けただれて縮みあがりました。巨人はすさまじい叫び声をあげて跳ね起き、また地面に身を投げ出して、のたうちまわり、ライオンか雄牛のように叫び、吠えたけりました。それから怒り狂って跳ね起き、大きな棍棒をつかむと、家の中を走りまわって、地面や壁を打ちたたき、わたしを打ちのめそうとしました。逃げ出すことはできませんでした。家のまわりはぐるりと高い塀に囲まれていて、扉には鉄のかんぬきがかかっていたからです。わたしは隅から隅へと跳んで逃げまわりましたが、とうとうほかにどうしようもなくなって、はしごをつたって屋根まで登り、両手で屋根のいちばん上の梁にぶらさがりました。そうしてまる一日とひと晩ぶらさがっていましたが、それ以上もちこたえられなくなったので、また降りてきて、羊たちのなかにまぎれこみました。そこでは身軽に立ちまわって、いつも羊といっしょに巨人の脚のあいだをすり抜け、気づかれないようにしなければなりませんでした。そのうち、羊のあいだの片隅に雄羊の皮がひとつ落ちているのを見つけたので、その中にもぐりこみ、ちょうど自分の頭の上に雄羊の角がくるようにうまく工夫しました。巨人には、羊を外の牧場へ出すときに、まず自分の脚のあいだをくぐらせる習慣がありました。そのとき羊を数えて、いちばん肥えたのをつかまえて煮て、食事にするのです。わたしはこの機会に逃げ出そうと思って、羊たちがするように巨人の脚のあいだを押しとおりました。ところが巨人はわたしをつかまえて、重いのに気づくと、こう言いました。『おまえは肥えているな。今日はおまえでおれの腹を満たしてもらおう』わたしはひと跳びして巨人の手から逃れましたが、巨人はまたわたしをつかまえました。わたしはもう一度逃れましたが、巨人はまたつかまえ、そんなことが七度もつづきました。すると巨人は腹を立てて言いました。『行っちまえ、狼にでも食われるがいい。さんざんおれをばかにしやがって』外へ出ると、わたしは皮を脱ぎすて、まんまと逃げてやったぞとからかうように叫んで、巨人をあざけりました。巨人は指から指輪を抜いて言いました。『この金の指輪を、おれからの贈りものとして受けとれ。おまえはこれをもらうだけのことはした。これほど抜け目なく身軽な男を、なにも持たせずに帰すのは、おれの沽券にかかわる』わたしは指輪を受けとって指にはめましたが、それに魔法がかかっているとは知りませんでした。指輪が指におさまったその瞬間から、わたしは望もうと望むまいと、ひっきりなしに『ここにいるぞ! ここにいるぞ!』と叫ばずにはいられなくなりました。それで巨人はわたしの居場所がわかるので、森の中までわたしを追いかけてきました。巨人は目が見えないので、走りながらしょっちゅう枝や幹にぶつかっては、大木のように倒れましたが、すぐにまた起きあがり、脚が長くて大股で歩けるものですから、何度でもわたしに追いつき、もうすぐそばまで迫っていました。わたしがひっきりなしに『ここにいるぞ! ここにいるぞ』と叫んでいたからです。叫んでしまうのは指輪のせいだとよくわかっていたので、抜きとろうとしましたが、どうしても抜けませんでした。そこでほかにどうしようもなく、わたしは自分の歯で指を食いちぎりました。そのとたんに叫び声が止まり、わたしはうまく巨人から逃げおおせました。指こそ一本なくしましたが、命だけは助かったのです」

„Frau Königin,“ sprach der Räuber, „ich habe euch diese Geschichte erzählt, um einen meiner Söhne zu erlösen, jetzt will ich, um den zweiten zu befreien, berichten was sich weiter zutrug. Als ich den Händen des Riesen entronnen war, irrte ich in der Wildnis umher, und wußte nicht wo ich mich hinwenden sollte. Ich stieg auf die höchsten Tannen und auf die Gipfel der Berge, aber wohin ich blickte, weit und breit war kein Haus, kein Acker, keine Spur von menschlichem Dasein, überall nichts als eine schreckliche Wildnis. Ich stieg von himmelhohen Bergen herab in Thäler, die waren aber wie die tiefsten Abgründen. Mir begegneten Löwen, Bären, Büffel, Waldesel, giftige Schlangen und scheußliches Gewürm; ich sah wilde, behaarte Waldmenschen, Leute mit Hörnern und Schnäbeln, so entsetzlich, daß mir noch jetzt schaudert, wenn ich daran zurückdenke. Ich zog immer weiter, Hunger und Durst quälten mich, und ich mußte jeden Augenblick befürchten vor Müdigkeit umzusinken. Endlich, eben als die Sonne untergehen wollte, kam ich auf einen hohen Berg, da sah ich in einem öden Thal einen Rauch aufsteigen, wie aus einem angezündeten Backofen. Ich lief so schnell ich konnte den Berg herab nach dem Rauch zu, als ich unten ankam, sah ich drei todte Männer, die waren an dem Ast eines Baumes aufgehängt. Ich erschrak, denn ich dachte ich würde in die Gewalt eines anderen Riesen kommen, und war um mein Leben besorgt. Doch faßte ich mir ein Herz, gieng weiter, und fand ein kleines Haus, dessen Thüre weit offen stand: und bei dem Feuer des Herds saß da eine Frau mit ihrem Kinde. Ich trat ein, grüßte sie, und fragte warum sie hier so allein säße, und wo ihr Mann sich befände; ich fragte auch ob es noch weit bis dahin wäre, wo Menschen wohnten. Sie antwortete mir das Land, wo Menschen wohnten, das läge in weiter Ferne, und erzählte mit weinenden Augen in voriger Nacht wären die wilden Waldungeheuer gekommen, und hätten sie und das Kind von der Seite ihres Mannes weggeraubt, und in diese Wildnis gebracht. Dann wären sie am Morgen wieder ausgezogen, und hätten ihr geboten das Kind zu tödten und zu kochen, weil sie es, wenn sie zurückkämen, aufessen wollten. Als ich das gehört hatte, empfand ich großes Mitleid mit der Frau und dem Kinde, und beschloß sie aus ihrer Noth zu erlösen. Ich lief fort zu dem Baum, an welchem die drei Diebe aufgehängt waren, nahm den Mittelsten, der wohlbeleibt war, herab, und trug ihn in das Haus. Ich zertheilte ihn in Stücke, und sagte der Frau sie sollte ihn den Riesen zu essen geben. Das Kind aber nahm ich, und versteckte es in einen hohlen Baum, dann verbarg ich mich selbst hinter das Haus, so daß ich bemerken konnte wo die wilden Menschen herkämen und ob es Noth wäre, der Frau selbst zu Hilfe zu eilen. Als die Sonne untergehen wollte, sah ich die Ungeheuer von dem Berge herablaufen, sie waren gräulich und furchtbar anzusehen, den Affen an Gestalt ähnlich. Sie schleppten einen todten Leib hinter sich her, aber ich konnte nicht sehen wer es war. Als sie in das Haus kamen, zündeten sie ein großes Feuer an, zerrissen den blutigen Leib mit ihren Zähnen, und verzehrten ihn. Darnach nahmen sie den Kessel, in dem das Fleisch des Diebes gekocht war, vom Feuer und zertheilten die Stücke unter sich zum Abendessen. Als sie fertig waren, fragte einer, der ihr Oberhaupt zu sein schien, die Frau ob das, was sie gegessen hätten, das Fleisch ihres Kindes gewesen wäre. Die Frau sagte „ja.“ Da sprach das Ungeheuer „ich glaube du hast dein Kind versteckt, und uns einen von den Dieben gekocht, die an dem Ast hängen.“ Er hieß drei von seinen Gesellen hinlaufen und ihm von einem jeden der drei Diebe ein Stück Fleisch bringen, damit er sähe daß sie noch alle dort wären. Als ich das hörte lief ich schnell voraus, und hieng mich mit meinen Händen, mitten zwischen die zwei Diebe, an das Seil, von dem ich den dritten abgenommen hatte. Als nun die Ungeheuer kamen, schnitten sie einem jeden ein Stück Fleisch aus den Lenden. Auch mir schnitten sie ein Stück heraus, aber ich duldete es ohne einen Laut von mir zu geben. Ich habe zum Zeugnis noch die Narbe an meinem Leib.“

「王妃さま」と盗賊は言った。「わたしは息子のひとりを救うためにこの話をいたしました。今度は二人目を自由にしていただくために、そのあとに起きたことをお話しいたしましょう。巨人の手から逃れたあと、わたしは荒野をさまよい歩き、どちらへ向かえばよいのかもわかりませんでした。いちばん高い樅の木にも、山々の頂にも登ってみましたが、どこを見わたしても、見わたすかぎり家もなければ畑もなく、人の暮らしているしるしはどこにもなく、どこもかしこもただ恐ろしい荒野ばかりでした。天にもとどくほど高い山から谷へと降りていきましたが、その谷はまるで底知れぬ深淵のようでした。ライオンや熊や野牛や野生のロバ、毒蛇や身の毛のよだつ虫けらどもに出くわしました。毛むくじゃらの野蛮な森の人間や、角やくちばしの生えた者たちも見ました。それはそれは恐ろしい姿で、いまでも思い出すと身震いがします。わたしはひたすら先へ進みましたが、飢えと渇きにさいなまれ、いつ疲れはてて倒れてもおかしくないありさまでした。とうとう、ちょうど日が沈もうというころ、高い山の上に出ると、荒れはてた谷に、火を入れたパン焼きかまどから立ちのぼるような煙があがっているのが見えました。わたしは煙をめざして、できるかぎり急いで山を駆け降りました。下に着いてみると、三人の死んだ男が木の枝に吊るされていました。わたしはぎょっとしました。また別の巨人の手に落ちるのではないかと思い、命が心配になったのです。それでも勇気をふるい起こして先へ進むと、一軒の小さな家があり、扉が大きく開いていました。そして炉の火のそばに、ひとりの女が子どもを連れて座っていました。わたしは中に入って挨拶し、どうしてこんなところにひとりきりで座っているのか、ご亭主はどこにいるのかとたずね、人の住んでいるところまではまだ遠いのか、ともたずねました。女は、人の住む土地ははるか遠くにあると答え、涙ながらに話してくれました。ゆうべ、野蛮な森の化けものどもがやってきて、自分と子どもを夫のそばからさらい、この荒野へ連れてきた。化けものどもは朝になるとまた出かけていったが、もどってきたら食べるから、子どもを殺して煮ておけと言いつけていったのだ、と。それを聞いて、わたしは女と子どもがかわいそうでたまらなくなり、ふたりをこの苦境から救ってやろうと心に決めました。わたしは三人の泥棒が吊るされている木のところへ走っていき、まんなかの、よく肉のついた男を降ろして、家へかついでいきました。わたしはその男を切りわけて、これを巨人どもに食わせるがいい、と女に言いました。子どものほうはわたしが連れていって、木のうろに隠しました。それから自分は家の裏に身をひそめ、野蛮な者たちがどこからやってくるか、女を助けに駆けつけなければならないかどうかを見張れるようにしました。日が沈もうというころ、化けものどもが山を駆け降りてくるのが見えました。見るもおぞましく恐ろしい姿で、猿のような格好をしていました。やつらは死体をひとつ引きずってきましたが、それがだれなのかは見えませんでした。家に入ると、やつらは大きな火を起こし、その血まみれの死体を歯で引き裂いて、むさぼり食いました。それから泥棒の肉を煮た大鍋を火からおろし、肉を分けあって晩飯にしました。食べおわると、やつらの頭目らしいひとりが、いま食べたのはおまえの子どもの肉だったのか、と女にたずねました。女は『はい』と答えました。すると化けものは言いました。『おまえは子どもを隠して、枝に吊るしてある泥棒のひとりを煮てよこしたんだろう』頭目は手下を三人走らせて、三人の泥棒それぞれから肉をひと切れずつ取ってこさせることにしました。三人ともまだそこにいるか確かめようというのです。それを聞くと、わたしは急いで先まわりし、ふたりの泥棒のあいだの、三人目を降ろしたあとの縄に、両手でぶらさがりました。さて化けものどもがやってくると、ひとりひとりの腰から肉をひと切れずつ切りとりました。わたしからもひと切れ切りとりましたが、わたしは声ひとつたてずにこらえました。その証拠に、いまでもわたしの体には傷あとが残っております」

Hier schwieg der Räuber einen Augenblick und sprach dann „Frau Königin, ich habe euch dies Abenteuer erzählt für meinen zweiten Sohn, jetzt will ich euch für den dritten den Schluß der Geschichte berichten. Als das wilde Volk mit den drei Stücken Fleisch fortgelaufen war, so ließ ich mich wieder herab, und verband meine Wunde mit Streifen von meinem Hemd so gut ich konnte, doch das Blut ließ sich nicht stillen, sondern strömte an mir herab. Aber ich achtete nicht darauf sondern dachte nur wie ich der Frau mein Versprechen halten, und sie und das Kind retten wollte. Ich eilte also wieder zu dem Haus zurück, hielt mich verborgen und horchte auf das was geschah, aber ich konnte mich nur mit Mühe aufrecht erhalten: mich schmerzte die Wunde, und ich war von Hunger und Durst ganz abgemattet. Indessen versuchte der Riese die drei Stücke Fleisch, die ihm gebracht waren, und als er das gekostet hatte, das mir ausgeschnitten und noch blutig war, so sprach er „lauft hin, und bringt mir den mittelsten Dieb, sein Fleisch ist noch frisch und behagt mir.“ Als ich das hörte, eilte ich zurück zu dem Galgen, und hieng mich wieder an das Seil zwischen die zwei Todten. Bald darauf kamen die Ungeheuer, nahmen mich von dem Galgen herab, und schleiften mich über Dornen und Distel zu dem Haus, wo sie mich auf den Boden hinstreckten. Sie schärften ihre Zähne, wetzten ihre Messer über mir, und bereiteten sich mich zu schlachten und zu essen. Eben wollten sie Hand anlegen, als plötzlich ein solches Ungewitter mit Blitz, Donner und Wind sich erhob, daß die Ungeheuer selbst in Schrecken geriethen, und mit gräßlichem Geschrei zu den Fenstern, Thüren und zum Dach hinausfuhren, und mich auf dem Boden liegen ließen. Nach drei Stunden begann es Tag zu werden, und die klare Sonne stieg empor. Ich machte mich mit der Frau und dem Kinde auf, wir wanderten vierzig Tage durch die Wildnis, und hatten keine andere Nahrung als Wurzeln Beeren und Kräuter, die im Walde wachsen. Endlich kam ich wieder unter Menschen, und brachte die Frau mit dem Kinde wieder zu ihrem Mann: wie groß seine Freude war kann sich jeder leicht denken.“

ここで盗賊はしばらく口をつぐみ、それから言った。「王妃さま、わたしはこの冒険を二人目の息子のためにお話しいたしました。今度は三人目のために、この話の結末をお話しいたしましょう。野蛮な連中が三切れの肉を持って走り去ると、わたしはまた下に降りて、シャツを裂いた布で、できるかぎり傷を縛りました。けれども血は止まらず、体をつたって流れ落ちました。それでもわたしはそんなことにはかまわず、どうやって女との約束を守り、女と子どもを救い出そうかということばかり考えていました。そこでわたしはまた急いで家へ取ってかえし、身を隠して、何が起きているか耳をすましました。けれども立っているのがやっとでした。傷は痛むし、飢えと渇きですっかり弱りきっていたのです。そのあいだに巨人は運ばれてきた三切れの肉を味見していましたが、わたしから切りとった、まだ血のしたたる肉を口にすると、こう言いました。『走っていって、まんなかの泥棒を連れてこい。あいつの肉はまだ新しくて、うまい』それを聞くと、わたしは急いで絞首台に取ってかえし、また縄にぶらさがって、ふたつの死体のあいだにおさまりました。まもなく化けものどもがやってきて、わたしを絞首台から降ろし、茨やあざみの上を引きずって家まで連れていき、床の上に長々と寝かせました。やつらは歯をとぎ、わたしの上でナイフをとぎすまして、わたしを屠って食べる支度をしました。いまにも手をかけようとしたそのとき、突然、稲妻と雷鳴と風をともなったすさまじい嵐が巻き起こり、化けものども自身が震えあがって、ぞっとするような叫び声をあげながら、窓から、扉から、屋根から飛び出していき、わたしを床に寝かせたまま置き去りにしました。三時間たつと夜が明けはじめ、晴れわたった空に太陽が昇ってきました。わたしは女と子どもを連れて出発し、四十日のあいだ荒野をさまよい歩きました。森に生える木の根や木の実や草のほかには、何ひとつ食べるものがありませんでした。とうとうわたしはふたたび人里にたどりつき、女と子どもを夫のもとへ連れ帰りました。夫がどれほど喜んだかは、だれにでもたやすく察しがつくことでしょう」

Damit war die Geschichte des Räubers zu Ende. „Du hast durch die Befreiung der Frau und des Kindes viel Böses, was du gethan hast, wieder gut gemacht,“ sprach die Königin zu ihm, „ich gebe dir deine drei Söhne frei.“

これで盗賊の話はおしまいになった。「おまえは女と子どもを救ったことで、これまでにしてきた多くの悪事を償った」と王妃は盗賊に言った。「おまえの三人の息子は放免してやろう」

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Kommentar解説

改心した盗賊が、捕らえられた息子たちを救うため、王妃に自分の昔の冒険を語る。人食い巨人の洞窟で仲間が一人ずつ食われ、最後に残った盗賊が「目を治してやる」とだまして煮えたぎる油で巨人の目を潰し、皮をかぶって抜け出す。そうした場面が、オデュッセイアのポリュフェモスに似た冒険として入れ子になっていく。

1843年の第5版で加わり、1857年に「海ウサギ」に差し替えられた。1856年の注は出典を15世紀の写本とし、「オデュッセイアとも他民族の語りとも独立した見事な語り」と評価しているのに、翌年の版で外れた。理由は書かれていない不明。

Anmerkungsband · Bruchstück 1 · 1822 / 1856

Der Mann vom Galgen首吊り台の男

載った版注釈巻(1822・1856)行方本文には不掲載分類注釈巻の断片怖さ†††

Eine alte Frau bekommt spät Abends Gäste und hat nichts mehr von Speise über, weiß nicht, was sie ihnen kochen soll, geht zum Galgen, wo ein Todter hängt, schneidet ihm die Leber aus und brät sie den Fremden, welche sie aufessen.

老婆のもとに夜遅く客が来るが、出す食べ物が何も残っていない。何を料理したものかと困った老婆は絞首台へ行き、吊るされた死人から肝臓を切り取って焼き、客に出す。客たちはそれを平らげる。

Um Mitternacht klopfts an der Hütte, die Frau macht auf, es ist ein Todter mit kahlem Haupt, ohne Augen und mit einer Wunde im Leib.

真夜中、小屋の戸を叩く音がする。老婆が開けると、禿げ頭で目がなく、腹に傷のある死人が立っている。

„Wo sind deine Haare?“

「おまえの髪はどこへ」

„Die hat mir der Wind abgeweht.“

「風に吹き飛ばされた」

„Wo sind deine Augen?“

「おまえの目はどこへ」

„Die haben mir die Raben ausgehackt.“

「カラスにつつき出された」

„Wo haste deine Leber?“

「おまえの肝臓はどこへ」

„Die hast du gefressen.“

「おまえが食ったのさ」

Kommentar解説

1822年と1856年の注釈巻、巻末の「断片」の1番。本文には一度も載らなかった。死人の肝臓を客に出した老婆のもとへ、真夜中に死人が取り返しに来る。最後の三つの問答で終わり、その先は書かれていない。

Anmerkungsband · Bruchstück 2 · 1822 / 1856

Die Lausシラミ

載った版注釈巻(1822・1856)行方本文には不掲載分類注釈巻の断片怖さ†

Es war einmal eine Königstochter die war so reinlich, daß es gewiß keine reinlichere auf der Welt gab: sie duldete nicht den kleinsten Schmutz oder Flecken an sich. Doch ihrer Reinlichkeit zum Trotz geschah es, daß man zu einer Zeit eine Laus auf ihrem Kopfe fand. Ein jeder rief „das ist ein großes Wunder, die Laus darf nicht getödtet, sie muß mit Milch groß gefüttert werden“; sie ward also mit Sorgfalt herabgenommen. Von der guten Nahrung wuchs sie und ward viel größer als sonst wohl eine Laus wird, ja am Ende so groß wie ein Kalb. Als sie gestorben war, ließ ihr die Königstochter das Fell abziehen, gerben und zubereiten und sich ein Kleid daraus machen. Kam nun ein Freier, so gab sie ihm auf zu rathen von welchem Thier das Fell wäre, das sie zum Kleid trage. Da aber keiner so glücklich war es herauszubringen, so mußten sie nach einander wieder abziehen. Endlich aber kam einer doch hinter das Geheimnis.

昔あるところに王女がいた。それはそれはきれい好きで、世界じゅうにこれほどきれい好きな者はきっとほかにいないほどだった。ほんの小さな汚れや染みひとつ、身につけていることを許さなかった。ところが、そんなきれい好きにもかかわらず、あるとき王女の頭にシラミが一匹見つかった。だれもかれもが叫んだ。「これは大変な不思議だ。このシラミを殺してはならない。ミルクで大きく育てなければ」。そこでシラミは注意深く取り下ろされた。たっぷりの栄養のおかげでシラミは育ち、ふつうのシラミよりずっと大きくなって、しまいには子牛ほどの大きさになった。シラミが死ぬと、王女はその皮をはがせ、なめして仕上げさせ、それで自分の衣装をこしらえさせた。さて求婚者がやって来ると、王女は、自分の着ているこの衣装の皮が何の獣のものかを当てるようにと課した。けれどもだれひとりうまく言い当てられなかったので、求婚者たちは次々にまた引き揚げていかねばならなかった。ところがとうとう、ひとりの男がその秘密を突きとめた。

Ohne Zweifel aus einem Märchen das mit dem ital. vom Floh im Pentamerone (1, 5) verwandt ist.

疑いなく、『ペンタメローネ』(第1日第5話)にあるノミをめぐるイタリアの話と同系の昔話から出たものである。

Kommentar解説

初版の断片85b「シラミのいる王女」の後身。牛乳で子牛ほどに育てたシラミの皮を服にして、求婚者に何の皮か当てさせる。最後の一文で兄弟は、バジーレ『ペンタメローネ』のノミの話と同じ系統だと述べている一次。

Anmerkungsband · Bruchstück 3 · 1822 / 1856

Der starke Hans力持ちのハンス

載った版注釈巻(1822・1856)行方本文には不掲載分類注釈巻の断片怖さ†

Der starke Hans kommt zum Teufel in die Hölle und will ihm dienen, da sieht er die Töpfe beim Feuer stehen, worin die Seelen stecken. Mitleidig hebt er die Deckel auf und erlöst sie; worauf ihn der Teufel wegjagt. Zu vergleichen ist die deutsche Sage Nr. 52.

力持ちのハンスは地獄の悪魔のもとへやって来て、悪魔に仕えようとする。そこでハンスは、火のそばに鍋がいくつも並んでいて、その中に魂が閉じこめられているのを目にする。かわいそうに思ったハンスはふたを持ち上げて、魂たちを救い出してやる。そのために悪魔はハンスを追い出してしまう。『ドイツ伝説集』第52番と比較されたい。

Kommentar解説

地獄で悪魔に仕えた力持ちのハンスが、鍋に閉じこめられた魂たちを逃がしてしまう。数行のあらすじだけが残る。兄弟は自分たちの『ドイツ伝説集』第52番と比べるよう書いている一次。

Anmerkungsband · Bruchstück 4 · 1822 / 1856

Der gestiefelte Kater長靴をはいた猫

載った版注釈巻(1822・1856)行方本文には不掲載分類注釈巻の断片

Das Märchen wird gewöhnlich nach Perraults französischer Darstellung erzählt, doch hat sich bei den Siebenbürger Sachsen eine eigenthümliche und gute Überlieferung (in Haltrichs handschriftlicher Sammlung Nr. 13) davon erhalten, der Federkönig. Auch kommt in einem östreichischen Volkslied (bei Schottky und Zischka S. 12) die Idee vor,

この昔話はふつうペローのフランス語による語り口にしたがって語られるが、トランシルヴァニアのザクセン人のもとには、独特ですぐれた伝承(ハルトリヒの手稿蒐集第13番)が残されている。それが「羽根の王様」である。またオーストリアの民謡(ショットキーとツィシュカ編、12ページ)にも、この着想が出てくる――

hop, hop, Heserlmann,

ホップ、ホップ、ヘーザルマン、

unsre Katz hat Schtiferln an,

うちの猫は長靴はいて、

rennt damid af Hollabrun,

それで駆けてくホラブルン、

findt a Kindl in de Sunn.

ひなたで赤子をめっけた。

wiä soll’s hoaßen?

なんて名前にしようかね?

Kitzl oda Goaßl.

子やぎか、やぎっこか。

Das Märchen von dem gestiefelten Kater in den Bearbeitungen von Straparola, Basile, Perrault und Ludwig Tiek mit zwölf Radirungen von Otto Speckter Leipzig 1843 in 4. Bei Straparola 11, 1. Im Pentamerone 2, 4. Norwegisch bei Asbjörnsen S. 200. Schwedisch bei Cavallius Nr. 12.

『長靴をはいた猫の昔話――ストラパローラ、バジーレ、ペロー、ルートヴィヒ・ティークによる翻案、オットー・シュペクターのエッチング十二葉付き』ライプツィヒ、1843年、四つ折判。ストラパローラ、第11夜第1話。『ペンタメローネ』第2日第4話。ノルウェーのものはアスビョルンセン、200ページ。スウェーデンのものはカヴァリウス、第12番。

↑ Marktflecken in Unteröstreich.

↑ 下オーストリアの市場町。

Kommentar解説

初版33番の跡地。話の本文はなく、「ふつうペローのフランス語の語りに従って語られる」という一文と、オーストリアの民謡、類話の一覧だけが残された一次。

Anmerkungsband · Bruchstück 6 · 1822 / 1856

Märchenhafte Bruchstücke in Volksliedern民謡の中の昔話の断片

載った版注釈巻(1822・1856)行方本文には不掲載分類注釈巻の断片怖さ†

Wickerlein, Weckerlein,

ヴィッカーライン、ヴェッカーライン、

wilt mit mie essen?

わしといっしょに食べるかい?

bring mie ein Messer.

ナイフを一本持っといで。

Wickerlein, Weckerlein,

ヴィッカーライン、ヴェッカーライン、

lauf übers Äckerlein,

ちいさな畑を駆けてゆけ、

hat mehr Bein als meiner Hund kein.

うちのどの犬より脚が多い。

Fischarts Gargantua im Spielverzeichnis Cap. 25.

フィッシャルト『ガルガンチュア』遊戯目録、第25章。

Die Finger krachen,

指がぽきぽき鳴って、

die Männer wachen.

男衆は寝ずの番。

Daselbst.

同書。

Mathes, gang ein! Pilatus, gang aus!

マテス、入れ! ピラト、出てけ!

ist eine arme Seele draus.

外にはあわれな魂がひとつ。

Arme Seele, wo kommst du her?

あわれな魂よ、どこから来た?

Aus Regen und Wind,

雨と風の中から、

aus dem feurigen Ring.

燃える輪の中から。

Andr. Gryphius Gedichte S. 768.

アンドレアス・グリューフィウス『詩集』768ページ。

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Kommentar解説

民謡や古い本の中に残る、昔話のかけらの寄せ集め。ナイフを持ってこいと誘う歌、「あわれな魂よ、どこから来た」「雨と風の中から、燃える輪の中から」という問答など、元の話が失われた断片ばかりである一次。

Quellen出典

原文はパブリックドメイン。Wikisourceの翻刻の編集部分はCC BY-SAで公開されている。和訳と解説はClaudeによるもので、誤りがありうる。根拠ラベルの「研究」のうちWikipedia経由のものは、原典での確認をしていない。

Gestrichen 1819–1857 · wieder abgedruckt 2026