進化心理学とか

ヒトの心理を科学的に追求する進化心理学という分野があるのだが、かなり面白い。

進化生物学と同様に、ヒトの情動にはどのような適応があるのかという視点で研究が進められている。

通常の心理学は現状ヒトに備わっている情動や心理をヒトの感覚で分類して特徴を記していくスタイルだが、進化心理学はその名が示すとおり「進化」と「適応」、つまり「子孫の繁栄に有利/不利に働く可能性」に着目している。

人間をヒトという動物の一種として徹底的に客観視するスタイルでもあるので、ややマッドな雰囲気はある。特に男女間の性的対立に関する研究は面白い。

世間でポリコレや男女平等の意識が高まっていったとしても、ヒトが哺乳類である以上、タテマエとは裏腹に若い女性が圧倒的に有利な世界がしばらくは続くだろう。

価値がないとみなされれば淘汰されてしまう方の性別と、若くて出産能力が期待できれば尊重される方の性別。 ほぼ皆婚が実現できていた時代から自由恋愛がメインになり、この先さらに男性への性淘汰が加速していくだろう。

ヒト以外でも高度な頭脳を持つ生物に言えることだが、究極的には「自身の生存」「子孫の繁栄」「遺伝子を共有する血縁者の繁栄」に有利な方向へ進めるために情動がうまく働いてくれる。 その究極要因を理解していれば、自身の人生を幸福にするための行動や戦略を合理的に決定することができるだろう。

この考え方は、人間関係の構築や「人生に満足する」ために有用だと思う。

まあ何にしても、根本は「情動は、自分の遺伝子が繁栄しやすい方向に行動できるように上手く設計されている」ということ。 命を捨てて自分の子どもを助ける親がいるように、自身の生存よりも子孫の繁栄、もっといえば自分の遺伝子の繁栄が究極的な目標になっている(正確には、そのように設計された者が選択されてきた)

今後はちゃんとした書籍を読んで、このブログで色々書いていこうかな。


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created at : 2022-02-09 17:38:49
updated at : 2022-02-09 18:16:38
author : Toshiaki Yokoda