ひぐらしのなく頃に業 考察

現時点で鬼騙し編と綿騙し編が完結。

リアタイ視聴でTwitterのハッシュタグを検索した感じ、旧作を知っている人も疑心暗鬼に駆られているのでちょっとおもしろかった。

以下、確証の高いと考えている考察を列挙してゆく。

世界設定の考察

  • 梨花は別の世界の記憶を引き継いでいるのは確かである。ただし、綿騙し編で「富竹の死体が上がっていないのは珍しい」と発言しているため、鬼騙し編の記憶を引き継げているのかは明確ではない。
  • 鬼騙し編、綿騙し編ともに、富竹と鷹野が失踪している。綿騙し編にて、富竹と鷹野が軽トラを奪って逃走していることが明かされている(ただし、伝聞をもとにした再現映像)
  • 首を掻きむしって失血死した者は今のところ明確に提示されていないため、雛見沢症候群が存在する世界なのかも明確ではない。
  • 悟史の存在が語られていないため、「旧作の悟史関連の伏線が不要な世界」である可能性がある。
  • 今のところ雛見沢大災害が確認されていない(これは旧作でも綿流し編までは触れられていないので同様)
  • 旧作よりも入江診療所解体の時期が早い。
  • 鬼騙し編で、圭一は鬼隠し編の記憶を一部引き継いでいる。
  • 雛見沢症候群またはそれに類する何かの症状が発現したとしても、旧作同様、幻覚症状は相手の表情が怖く見えたりマジックペンが注射器に見えたり激辛おはぎに針が入っているように見える程度だと思われる。

鬼騙し編の考察

「レナが父親のために圭一殺害を企てる話」といえる。全体的には、以前の世界の知識を持っている梨花が油断し、有効な助言ができなかったという流れかと思われる。

  • 父親に仕掛けられた美人局実行メンバーを殺害してバラバラにして遺体を隠したか、または、罪滅し編のその記憶を一部引き継いでいる。
  • 圭一がバラバラ殺人に関心を持っているということをレナが悟り、父親との生活を守るために殺害を決意したものと思われる。
  • 2話で羽入がログアウトしたので、再びログインイベントが発生するまでは超常現象が発生しないものと思われる。ただし、梨花や圭一などの一部メンバーの記憶引継ぎは発生する可能性がある。
  • 圭一とレナの殺し合いのシーンでは、多少の幻覚症状があったとしてもレナの「圭一君を殺して(略」の下りは圭一には知り得ない情報を含むセリフであるため、「圭一の主観で、圭一の幻覚に過ぎない。レナは被害者」というのはありえない。レナに殺意がありレナの方から先制攻撃があったというのは恐らく事実。
  • 梨花の助言は解決に繋がっていないどころか逆効果であり、圭一の精神だけを疑うのではなくレナの精神も同時に疑うべきであった。
  • 雛見沢症候群の末期症状で失血死したことを確定できる者がいない。ただし、旧作の悟史の替え玉がスプーンでのどをえぐって自害したという描写からわかるように末期症状において道具を使ってのどを傷つけることはあり、ラストの梨花と沙都子のいずれかが雛見沢症候群の末期症状によって包丁でのどを刺して自害した可能性は残る。

「なるほど、そうきたか~」という感想と同時に、今後の展開がこのような形のいわば「騙し討ち」のようなものなるのではないか?と予想する。

綿騙し編の考察

恐らく素直に「魅音が命を懸けて惚れた男(圭一)を守る話」になっている。魅音が"発症"したらどうなるのか?という公式IFストーリーのように思えた。

まずはこのストーリーで「梨花と詩音が殺された」理由について、以下に考察を記す。

  • 7話で梨花が圭一にぶち切れ発言をしているが、恐らくこれが梨花の最大の失敗。この話を魅音が盗み聞きしていたために「古手梨花は連続怪死事件の主犯格の一人」だと誤認してしまったのだろう。
  • 梨花のぶち切れ発言に「詩音はまだ生きている。それがあなた(圭一)にとって幸運なことかは分からないが。」とある。そのため詩音が魅音に殺されてしまったものと思われる。
  • 目明し編にて、魅音が詩音から「あんたには悟史が救えたはずなのに」と責められているシーンがある。この旧作のシーンも考えると「御三家筆頭次期党首として村の悪い風習を滅ぼし、親族や友達を殺してでも圭一を守る」という決意に至ったようにも見受けられる。

旧作の流れを考慮すると、事件の実態は以下のような流れになっているものと考える。

  • 警察が張っていたため、4人による祭具殿への侵入が即座にバレる。園崎家は警察の情報を素早く入手するルートが存在する。
  • 詩音または魅音が、お魎と公由の反応を伺う。前原圭一に対して目明し編のような冷たい反応を見せたために捕縛、監禁。この際、持病を抱えているお魎が死亡してしまった可能性がある。
  • 魅音が詩音を匿うことにする。魅音が詩音のふりをして圭一に電話。祭具殿の中で何をしたのか、祭具殿に入ることになった経緯を聞き出して把握。
  • 翌日、魅音が梨花と圭一の会話を盗み聞き。「梨花が連続怪死事件の主犯格であり、祭具殿に侵入した圭一を殺す気である」と誤認し梨花を殺害。遺体を便槽に隠す。
  • 魅音は帰宅後、何らかの理由で詩音を殺害(梨花の話が原因である可能性)
  • 魅音が圭一を自宅に呼び出して地下祭具殿のセーフルームに監禁。侵入してくる敵を迎え撃つためにリボルバーの銃を持って祭具殿から出る。
  • 魅音が沙都子の死体の近くで死亡。魅音の首にはひっかき傷があり、二人の死体の間には自動拳銃が落ちていた。
  • 圭一が救出され、後日、大石が事件の犠牲者について語る。その際、全員の死因は明確に述べられなかったがイメージ映像(?)にて、梨花の首には手で絞殺されたような跡が残っている。

自然な考え方としては、「魅音を怪しんだ沙都子が園崎本家に侵入し、魅音がそれを迎え撃ち。その後、魅音は雛見沢症候群の末期症状で首を掻きむしって失血死」という感じになるだろうが、沙都子が魅音に殺されたという確証は特になく、沙都子がいつ殺されたのかも明らかではない(着替えて圭一にお茶を出す間に魅音が沙都子を殺した可能性もあるので)。

ただ、綿流し編と目明し編をオマージュするならば、もっとゾッとするような真実と、もっと巧みなトリックを魅せてくれる可能性もあるわけで、正直なところ上記解釈は「比較的信頼できる状況証拠からありきたりな普通の真相を推理してしまった」感があってあまり納得できていない。

真実がもっと邪悪であることを期待してしまう。


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created at : 2020-11-24 14:07:34
updated at : 2020-11-25 15:41:01
author : Toshiaki Yokoda